アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

Olympics/World Sports

なんのかんのとチームスポーツは盛り上がる

パリ五輪もやっと最終盤。
男子米代表のバレーボールが銅メダルを獲得してます。録画放送で東部時間で10:30PM過ぎに勝ち切るところだけ放映していました。最後に激しいラリーがあったりで見せ場有りでフィニッシュ。銅メダルはアメリカの男子バレーとしては上出来。

チームスポーツは最後の土日にバスケの男女、サッカー女子、バレーボール女子がそれぞれ決勝戦を戦う予定になってます。バスケは男女とも金メダルで当然のように言われての決勝ですが、男子の方は別記事でも書きましたがセルビアに大苦戦の末の勝利。決勝戦がどういう試合になったとしてもあのセルビア戦は語り草として残る試合だったでしょう。女子バスケの方は試合を見てないですけど順調に勝ちまくってます。ただし話題に乏しい。毎大会女子バスケはこんな感じです。

サッカー女子代表は大会前は苦労するのではとも予想されていたのが決勝戦進出に成功。これで決勝で大惨敗でもしない限りは期待以上の結果ということになると思います。
昨年の女子W杯まで残っていた前世代のMegan RapinoやAlex Morganと言った顔役の選手もその世代の他の主力選手たちも大量に抜けて完全に代替わりしての初の大きな大会。そこで新しい3トップが準決勝まででそれぞれ3ゴールというところが成功らしさを感じさせるところです。
こんな風にSophia Smith, Mallory Swanson, Trinity Rodmanとフレッシュなスコアラーがあっさり揃ってしまうところが女子側の強みです。何代たっても点取り屋がいないままの男子サッカーからすればうらやましい話。

Mallory Swansonは26歳なんで年齢的には既に中堅なんですがやっと前の世代が抜けてフルタイムでポジションを確保してのこの活躍で女をあげたところ。Mallory SwansonはMLB Chicago CubsのDansby Swansonの奥さんです。Trinity Rodman22歳はNBAのリバウンド王かつ北朝鮮の首領のお友達Dennis Rodmanの娘さんです。ピッチ上で見ているとさほど背が高くは見えないんですけど新3トップの3人で並ぶとRodmanが一回り大きい。やっぱり大きいお父さんの娘だからかという感じです。どうもマスコミ的にはお父さんの話はNGらしくその話題には触れられていません。Trinity本人の意向なのかも。
もう一人のSophia Smithは23歳。

女子サッカーは以前にも書きましたが男女同賃金問題で法廷闘争までした頃のメンバーが表面から去ったことで、一時点でいわゆる政治的保守派から目の敵にされていたのがメンバーが大幅に入れ替わったことで落ち着いたかも。新しいスター選手として3人とも伸びていけば先行きの危ぶまれたサッカー米女子代表の人気も維持できるかもです。
決勝の相手はブラジル。超技巧選手として米国内の女子プロサッカーでも活躍してくれた38歳Martaの現役最終戦(のはず)で彼女のストーリーを完結できるかも気になる一戦ですね。グループリーグ最終戦で危険行為でレッドカード、トーナメント準々決勝・準決勝と出場停止だった間に他のメンバーで勝ち続けてMartaを決勝に送り込むことに成功したというプロレス風の復帰劇が予定されてます。世界の女子サッカー全体での最功労者の一人と言ってよいMartaがそのストーリーを完結するか、それとも新生米女子代表が新時代の幕開けを告げるか。


女子バレーボールは一番地味なんですけど個人的にはぜひ優勝して欲しい。功労者のJordan Larson37歳は今回が代表最後でしょうし、日本でもプレーしておなじみかと思われるAndrea Drewsも30歳。次がロス五輪で地元なんで本人は出場意欲を見せるでしょうが今回はともかく今後はDrewsの地位を脅かす大砲選手がもっと出てこないと。明日勝って五輪2連覇、地元ロス五輪で3連覇を狙える態勢を作ればアメリカの女子バレーの観戦スポーツとしての人気向上はワンチャンあるかどうか。

以上4チームの金メダルを賭けた決勝戦は全部地上波NBCでの放送があるようです。女子バスケは地上波放送は今大会初かも。

女子バレーも最終セットまでもつれながら決勝進出成功

昨日に続いてお昼時に五輪室内バレーをやってました。女子の米代表 x ブラジル戦。僅差で追い続けたんですが惜しくも第4セットを落として最終第5セットへ。そこで最後のパワーが炸裂して最後は快勝モードで準決勝突破。日曜日の決勝戦に進出、前回の東京五輪からの連覇の可能性を残しました。相手はトルコ x イタリアの勝者。米東部時間で7AMの試合開始。

昨日のお昼時の男子の準決勝の放送もそうでしたがそれ以前は室内バレーの放送ってたぶんストリーミングのPeacockでしか放送していなかったのが、準決勝まで残ればTVで放送するよみたいな感じなんですかね。私は五輪以外でもときどきは米代表のバレーボールを見てるんでそれなりに顔を知ったメンバーもいるのでおなじみなんですが、米国人一般にはこの準決勝が初見ということも十分ありそう。もし準決勝以前に敗退していると見かけないまま五輪が終わっちゃったのかもしれません。


実は今年女子の6人制バレーのプロリーグが発足しています。Pro Volleyball Federation(PVF)。女子のみ。発足当初は10チームでのスタートを画策。実際は8チームで集まり、その後1チームが離脱したので7チームで初年度を戦っています。この辺のドタバタはアメスポのマイナースポーツの発足時にはよくあること。私の感想ではよくシーズンを完走できた、それだけでも立派かなと。
来季2025年にはDallasにもチームができるそうで、一応来年もやれるだけのお金と意欲はあるんだなあという現状です。

初年度優勝したのはOmaha Supernovas。Omahaというのはネブラスカ州の中都市。アメリカのバレーボールで最強の動員力と人気を誇るNebraska Cornhuskersのホームからも遠くない。NCAAトーナメントがOmahaで開催になるとNebraska大の実質ホーム会場となって大変な盛り上がりになる場所です。そこのチームが新プロリーグの初代チャンピオンになった。この試合は生で見てました。

Omaha Supernovasの初年度のホームの動員は1万人超の試合を6試合含んでレギュラーシーズン平均が9,656人とバレーボールとしては相当入っている。Nebraska大の女子バレー部がほぼ常時満席で8,000人ほど。そちらは会場のキャパ的にそれ以上入れないわけですが、そのタガが外れて大きめの会場のOmahaでは1万人超えの動員もできてしまう。PVFの初の優勝戦もOmaha開催で1万人超だった模様です。Nebraskaの女子バレーボール熱は異常です。

PVFを2024年に発足してみようとしたのはもちろん今やっているパリ五輪での活躍を来季に落とし込みたいからでしょう。アメリカ国内では何度となく6人制バレーボールのプロ組織の企画はあっても一度も長続きしたことがない。ビーチバレーの組織はしばらく続いていましたが倒産してます。

男子バレー代表が準決勝で大逆転負け

ちょうどランチタイムの時刻にパリ五輪の男子バレーボールの準決勝 米代表 x ポーランド戦をやっていたので観戦できました。セットカウント2−1でリード、第4セットを21−14とリードしながらそこから逆転敗戦。もったいない負け方を見てしまいました。

米男子は2008年北京五輪で金メダルを獲って以降は2016年のリオ五輪での銅メダルが最高。今日の準決勝での敗退で銅メダルの可能性は残ってますから米男子バレーボール代表の成績としてはほぼ平均的な結果と言えます。
ただバレーボールの代表の試合って五輪でもなければ放映されないので今日は勝てそうなところまで行った試合だったので勝ちきって決勝戦に行きたかったところでしたが。なんでも現在の選手は年齢的にピークで4年後には残っていない主力選手が多いらしい。次の大会は地元のロス五輪ですがそこへ戦力を高めていけるのかは疑問だそうです。

バレーボールの人気の高い日本視点だと1984年ロス五輪、1988年ソウル五輪と米男子が連覇したあたりの記憶を持っている方もまだ残っていそうですが、米国内だと記憶の彼方って感じか。

男子が連覇したときのエース格だったKarch Kiralyさんは現在は米女子代表の方の監督を続けてます。監督として女子代表が東京五輪で金メダル。
Kiraly本人は選手としては上述の通り6人制で2度金メダルを獲得した他に新競技だったビーチバレーで1996年のアトランタ五輪で金メダルと、アメリカのバレーボールでは選手としても指導者としても金メダルを獲得した成功者となってます。
女子の方は明日準決勝。もう60歳を超えてますがその昔イケメンで日本でも人気があった(と記憶してます)面影がまだあります。


バスケからビーチバレーへ、またはハンドボールへ?

今日のパリ五輪の試合結果の中で異色だったのが男子ビーチバレーで元NBA選手のChase Budingerがホスト国フランスのペアを破った試合だったようです。NBA選手としてChase Budingerという名前には一切記憶がありません。カレッジバスケの強豪校Arizona出身。NBAではドラフト2巡目指名で8シーズン生き残ったようです。先発はプロ2年目に22試合先発をしているのが最多。目立ったスタッツもなくても8シーズンも生き残ったのですからなにかチーム側から見ると安いなら獲得したいと思わせるなにかがあったのでしょう。

そのChase Budingerがビーチバレーに転向して米代表となり、1勝をあげたというそういう話です。36歳。異色。

NBA選手でビーチバレーに参入したというとKevin Loveがやっていたことがありました。あれはNBAが労働争議で試合がなかったときでしたっけ。アメリカでのバスケとバレーの人気の差、稼げる額の可能性の差からいってバスケに人材が流れるのは当たり前。それがなにかのかげんでバレーに流れたら五輪選手になっちゃってるというまあそういう話です。


今大会のバスケのスタジオ解説にはDawn Staleyが起用されています。男子も女子もDawn Staleyが出演して解説してます。Staleyは昨季のカレッジ女子バスケで全勝優勝を飾ったSouth CarolinaのHCであり、現役時代はWNBAでも女子米代表でも活躍した選手だった方です。

でそのStaleyがちょっと変わったことを言っていたのです。Staleyの出演時にハンドボールの映像が流れていたのを見て「元バスケの選手がハンドボールに転向したらアメリカのハンドボールは一気に強くなるんじゃないかなあ」と。なんでもStaleyさんはハンドボールが好きなんだそうです。

以前にも当ブログで書きましたがハンドボール(アメリカ英語風ではTeam Handball)はアメリカが五輪で弱い種目の筆頭に近い。以前は陸ホッケーも弱かったんですが、そちらは直近の大会で女子が五輪出場ができる程度にはレベルアップしてます。Staleyに言わせるとハンドボールとバスケの親和性は高いし、アメリカにはごまんとバスケで芽の出なかった長身好アスリートがいるから、ハンドボールに転向する人が増えたら強くなるんじゃないかなあというのです。

私にはハンドボールの世界のことがまったくわかりませんのでそこまで親和性が高いかどうかは懐疑的ですが、まったくありえない話でもないかなと聞いていました。


似たような話としてアメリカでは運動能力の最も優れた人材がフットボールに行く面が強い。でその人材がラグビーに流れたらラグビーも強くなるんじゃないのかという話が10年20年ぐらい前から時々語られます。15人制のラグビーは格別に複雑なスポーツでありすべてのポジションの各自の競技センス・判断力が要求されることから体力や走力があってもそう簡単に強くなれないだろというのはその話題が出るたびに否定的に感じていました。
でも単純化されたセブンスならひょっとして、ということは思っていたわけです。実際セブンスツアーで上位に食い込めたシーズンもあったりで進歩はしてますが、フットボールとラグビーの親和性は高くない気がします。今五輪では男子はグループリーグはなんとか1勝1敗1分でノックアウトラウンドには進みました。1分がホームのフランスを相手に同点のままあっさりボールを蹴り出して勝ちにいかなかったのが変な試合でした。その辺が分相応だと判断したんでしょうか?

それと比較してバスケとハンドボール、どれほど親和性があるものか。
あまりアメリカが強い種目ばっかりなのもおもしろくないのでハンドボールにまで進出してもらわなくても良いんですが、可能性はあるのかないのか。

五輪米バスケはClark抜きで

マスコミで昨日流れ始めた情報ではパリ五輪の女子バスケに話題のCaitlin Clarkは呼ばれないということらしいです。なるほどなあという。
ちょっと前からWNBAのベテランからCaitlin Clarkが目の敵にされているのではないのか嫉妬の対象になってるんじゃないのかという話題がスポーツトークショーで取り上げられてました。それもそうですし肝心の成績の方もカレッジのときほど3が決まっていないという印象もあり、このまま五輪ロースターに選抜されても試合への出場機会が限られそうかもなというのはあったのでそんなもんかなとも思います。

期待値よりは低いとは言えClarkのスタッツは平均得点で現在12位、3ポインター数やアシストではトップ5を維持しており新人の成績としては悪いというほどではない。ルーキーの中では全てトップ。
Clarkの所属のIndiana FeverはWNBAの意図的な露出強化策でしょう、試合消化がリーグ内で一番早い。すでに12試合を消化。他のチームでは10試合以下が大半、まだ8試合しかやってないチームもあり、明らかにFeverの試合消化を前面に押し出してWNBAの看板化している。昨日Clarkは30得点試合をやってFeverの今季3勝目。勝利インタビューで「今日は初めて休みがあって疲れも少なかったので」云々とコメント。開幕戦以来、20日間で11試合を消化とハードスケジュール。この日の試合前に中4日あったのが初めてのまともな休み。
新加入の選手がそんなハードスケジュールではチーム練習の時間も限られて苦労してそうです。

Clarkだけに限らずClarkと同期で入った今年のドラフト指名選手たちはWNBAでのルーキーシーズンで苦労してます。全体2位で指名されてLos Angeles Sparksに行ったCameron BrinkやChicago Skyに行ったAngel ReeseはClarkほど報道されませんが相手の大型選手にフィジカルな対応にあっている。かなり狙われている感じです。

今年のドラフト組は過去の女子バスケ選手のどの世代よりも稼いでいる。この世代はカレッジでもNILで稼いでいる。並のWNBAの選手よりカレッジのスター選手の方がプロ入り前だけでもよほど稼いでます。
Clarkが突出した稼ぎ頭ですがClark効果でWNBAドラフトが244万人という過去の何倍という視聴者を稼いだため他のドラフト選手たちも出だしでの露出が過去のWNBAのどの世代よりも高い。全体2位指名だったCameron Brinkはビジュアルが優れているのでドラフトの機会にClarkしか知らなかった程度のスポーツファンにも効果的に紹介された形に。
Brinkはその後もNew BalanceのTVCMへの出演でNBAの試合を見ていてもしょっちゅう顔を見る感じ。所属先もLos Angelesなので他の選手よりもメディア露出の機会が多いようです。

先週末の試合でClarkがオフボールでプレーと関係ないところでショルダータックルを食ったのがルーキーいじめをWNBAが放置されているんじゃないのかという話題になりました。反則自体も意味がないし、それを反則を犯した側のチームがそれを祝福しているようなリアクションだったのも批判の対象に。
その辺の議論を聞いていてその昔、NFLでバウンティスキャンと言われる相手チームの選手にケガをさせるべく意図的にプレーした時期があったのを思い出しました。それ以前にもカレッジフットボールでも似たような指導がされていたのが暴露されて問題化した時期があったり。でもそういうのって20世紀末とか、一番最近となるNew Orleans Saintsが制裁を受けたのでも2012年ごろで、かなり昔って感じがします。もう時代がそんな時代じゃないだろという。

BrinkにしてもClarkにしてもたぶん意図的に口をつぐんでいて本人たちは苦情ぽいことは口にしてないのをマスコミが意図的に代弁しているような。手を打たないWNBAの上層部の対応批判なんかが言われてます。
WNBA自体がスポーツトークショーの話題になったことなんて過去にない。それがClark世代のルーキーシーズン序盤にいきなりトークショーが口出しっていうのもなんか変な感じもしますが、とにかくそれぐらいWNBAにとっては初めての事態がいろいろ起こっている最中ってわけですね。

そういうタイミングで出てきたのがClarkの五輪落選報道。Clarkが出場しようがしまいが五輪4連覇中の米女子代表が今年も大本命なのは変わらない。ただ五輪の視聴者って普段スポーツを見ている人と質が違う面があるのでそういう人でも知ってるClarkは出たほうが視聴率的には良いんでしょうが、そうはならなかったということです。
いまのWNBAの様子だとClarkも出ない方が気が楽でもありそうです。リーグ戦も五輪休みがあるのでたっぷり夏休みがとれるし。

そうなるとどうなるかというとその次の2028年のアメリカ地元開催のロス五輪が今年のルーキー世代の五輪デビューってことですか。その時期にトップ選手に食い込んでいればBrinkにとっては完全ホーム都市での開催。ただし現時点では男子バスケは全試合Sparksもホームで使用しているCrypto.com Arenaでの開催ですが、女子の方は別の小会場が使用予定されているようです。決勝はCrypto.com Arenaかも。

アメリカのバレーボールは進展しているのか

バレーボールのNations League(VNL)が男女とも進行中です。アメリカではバレーボールは観戦スポーツとしては極マイナーという話は過去に何度かしています。個人的にはバレーボール観戦は割と好きですがそれは私が日本育ちだからかもしれません。

VNLは男女ともにYouTubeで試合のビデオがまわってくるので気が向けば見てます。アメリカ国内でライブでどこで見られるのかはわかりません。マイナーなためビデオが回ってくる前に結果を知ってしまうということは絶対にないのでライブのように見られるのは良いですが、残り時間が見えてしまうとあーこのセットで勝負は決まっちゃうってことだからこっちの勝ちかとわかってしまうというのもあります。まあ仕方ないです。贅沢は言えません。

今年はVNLが男女ともにアメリカで試合が行われるというのが新しいです。
女子の方のVNLの決勝ラウンドがテキサス州で来週行われる。男子の方は今週カリフォルニア州アナハイムで開催。過去アメリカではバレーボールでは利益の出る集客が見込めないため米協会は国際大会の地元開催に消極的でした。それがアメリカ国内で男女ともやろうと思うだけでも進歩かと思います。

女子の決勝ラウンドの会場は7000人収容の大学キャンパス内の小型アリーナ。身の丈を考えれば小型アリーナ開催は妥当ですがそこにどれぐらい動員できるものなのか。
VNLの女子の試合を見てるとフィリピンやタイ辺りの会場でもけっこうな数の観客が入っていて感心します。応援も熱い。あのレベルの観客をアメリカで集められるのかの実験の場となります。アメリカ本土で女子バレーボールでプロ・アマを通じてほぼ唯一動員が強いチームといえるのはNebarska大女子バレーボール部だということは以前にも何度かご紹介しています。8200人平均というずば抜けた動員力を持ちます。Nebraskaの次というとTexas大かと思うのでその辺のバレーボールファンをVNL会場へ遠征させて女子代表チームの動員に繋げられるものなのか気になります。現代表にはNebraska大Texas大各3名の元選手がいます。

男子の方は2019年から3年間VNL決勝ラウンドを米国内で開催するという発表が2018年当時にありました。当時の当ブログの記事でもホントにそんなことができるのかと驚きをもって書いてました。このときの動員がどうだったのか知りたくて今回調べましたが検索しても出てきません。2019年の米代表とブラジル代表の準決勝@Chicagoのビデオは見つかりましたが客席がめちゃめちゃ暗い。だいたい客の入りが悪いときに客席を暗くするのは良くあるテクニックなのでたぶんあまり入っていなかったのではないかと想像できます。その翌年の2020年はパンデミックでVNLは全面中止、2021年は通常年の世界ツアーができず全ラウンドをイタリアで固定開催。米協会が最初にぶち上げたように3年連続開催をしたかったのにできなかったのか2019年での動員が苦戦したからその後2年の開催をしなくてすんでちょうど良かったのかよくわからないままになってます。

今年2023年は男子は二次リーグをカリフォルニア州アナハイムで開催しています。米代表の出場した3試合(4試合目は昨夜やってるはず)の動員は対アルゼンチン戦3500人、対フランス戦4817人、対キューバ戦2200人。アメリカなんだからこれでもまあ入った方なんでしょう。米代表の出場しない試合だと観客数が公式記録に記載がなかったりしますから推して知るべし。同時期開催のフィリピンでのもうひとつの二次リーグは日本代表戦が1万人超、スロベニア対オランダという地元フィリピンに縁のなさそうな試合でも6,839人と書いてありますからアメリカ開催分の動員が今ひとつなのは明らかなようです。

実はバレーボールの国内プロリーグの話が書きたくて書き始めたのですが長くなったのでそれはまた別の機会にします。

ラクロス世界選手権で米代表が優勝

男子ラクロス世界選手権が終了。決勝戦では米代表がカナダを終盤に突き放して快勝10−7。二大会連続の優勝。米代表は1人を除いてPLLなどプロの選手で構成されていましたが唯一のカレッジ選手のBrennan O'Neillが5ゴールの活躍でなぜ21歳の彼がプロの大人たちに混じって選出されたかを証明した試合となってます。大会MVPにも選ばれてます。
O'Neillはまだ1年カレッジの資格が残っているのでたぶん来季もDukeでプレーするのだと思いますが、野外プロリーグPLL(や以前のMLL)のドラフトを見ていても知ってる選手がいたことはめったにないのですが来季のそれは微弱注目なのでしょう。

試合放送中に言っていたのですがまだ今でも2026年のロス五輪にラクロスが含まれる可能性が残っているんですね。この秋に決着すると話していました。五輪の種目決定はそんな時期まで引っ張られるものだったでしょうか。

どうですかね。どなたが決定権者か存じませんが今大会を見てラクロスを五輪でやろうってなるんですかね。大会は米代表が全勝で優勝。対カナダ戦2試合と対Haudenosaunee戦以外は圧勝の連続。カナダは対米戦2敗(5-7, 7-10)で5勝2敗で準優勝。3位はHaudenosauneeですがこれはIOCに認証されたNOCを持っていないのでHaudenosauneeのままでは五輪への参加資格がない。Haudenosauneeの地域は米加にまたがる地域でIOC視点のパスポートだとカナダがアメリカまたは二重国籍のはず。よって個人は米加の代表に加われば出場可でしょう。ただそれを潔しとしない個人もいるかも。いずれにせよ今大会3位チームのHaudenosauneeチームは五輪出場はムリ。4位となったオーストラリアは上の3チームに完敗してます。5位の日本は今大会では米加と対戦なし。6位イングランドは英国として五輪参加可能。実力は米加が他の想定参加国から飛び抜けています。

地球上の配置で言えば北米x2、オセアニア、アジア、ヨーロッパと特定の大陸に偏っていないという意味では五輪採用に有利な上位の顔ぶれとは言えるのかもです。
その下の7位以下も中東イスラエル、カリブ海ジャマイカ、欧州イタリアとなかなかうまくばらけています。10位のプエルトリコはアメリカの統治領ですが五輪には独立で選手を送っているのでこれも出場資格あり。もしラクロスが五輪採用されたとしてもあまり大所帯にはならないと想像できるのでこの辺までが出場資格を得るってことでしょうか。

余談になりますが私は個人的な知り合いで(あとから思えば)Haudenosauneeの地方の出身の女性の友人がいました。彼女の話だと彼女の育った家の裏に小さな石垣があってその北はカナダ、こちら側はアメリカだったそうです。子供の頃は毎日のようにその石垣を超えて遊んでいたとのこと。その話を聞いた当時は私の側にHaudenosauneeイロコイ族についての知識がなかったので彼女の所属部族などの情報は聞いてません。米加の国境の管理がそんな風になっているところがあるのかと驚いたものです。

Haudenosauneeについて簡単に説明すると北米先住民の6つの部族の連合(当事者の言い方では連邦)でアメリカとカナダの両国から独立性を保って居住を認められている自治特別地区ということになります。Haudenosauneeは訳をすると「長い家を建てた人」の意。経済的にはたぶん米加の支援保護に頼っていることが想像されますが精神的には独立性を維持しているようです。
それが行き過ぎてラクロスでは2010年の英国開催の世界選手権にイロコイ代表(当時の呼称)の選手たちがイロコイ自治政府発行のパスポートで英国に入国しようとして英国政府に拒否をされて不参加になるという騒ぎを起こしています。
Haudenosauneeが国家から独立して世界選手権に参加が認められているのはラクロスという競技自体が北米先住民のスポーツから発達したという点に由来します。2大会前まではイロコイの名で大会参加。

五輪がリアリティ番組に

時差の都合もあってたぶん半日遅れで見たのですが、北京冬季五輪の女子フィギュアスケートの結末がカオス。どこにも救いがなくて、これが創作作品なら救いがなさ過ぎて絶対に脚本ダメ出しされてしまうでしょう。
演技がぼろぼろになって泣き崩れたドーピング疑惑の中心の大本命。テクニック面でベストの選手は自身納得の演技だったのに銀となりブチ切れ狂乱、こっちも泣きまくり。その二人をなだめるのにロシア陣営が総出となったため金メダルを獲得した選手は放置され、獲った本人も何を感じていいのかわからない空白の表情でポツンとトップのソファに座ってる。
さらには横にドーピング疑惑から無縁の日本選手が感涙。スポーツ番組でこれほどの混沌を露出した番組が過去あったでしょうか。

米国で五輪独占放送をするNBCもこの顛末はエグいと思ったのでしょう、米国人選手は全然絡んでいないのにプライムタイムに最終組の演技前後、そして上記の混乱も長尺で含めて放送する力の入れようでした。それにしても若い選手たちのメンタルがぼろぼろになりそうで、マジで救いがない。
ただでさえ今の時代、ストレスが多くて大人も子供も病んでるのに、さらに病む人間を量産してどうするよ、という。


米NBCのフィギュアスケートの解説は長年ずっとTara LipinskiとJohnny Weirの名コンビが務めてるんですが、これが今回の混乱ではドンピシャの人選となってます。Lipinskiは15歳のときに長野五輪で金メダルを獲得。今回の混乱の渦中となったミドルティーンのロシア人スケーターたちがどれほどの重圧と緊張にさいなまれているのか、どれほど人生の全てがスケートだったかを自身の経験も元に熱く代弁し、Johnnyの方は試合後に大荒れとなった選手やコーチたちのロシア語の発言をそのままライブで英訳。Johnnyはゲイ婚をしている相手がロシア人男性なのでロシア語がわかるんですね。その実況ライブ感がすごかった。作り物ではない悲劇をライブで配信できてしまった状態ですねー。アメリカで人気のリアリティ番組をライブでやってるみたいなもんです。
またTaraは「私の場合は周りの立派な大人が皆助けてくれて幸運にもあのときに金が獲れた。今回の悲劇は選手の周りの大人が責められるべき」と悲痛な訴え。

ショートプログラムの時点からNBCの解説陣は一貫してドーピング違反発覚選手の暫定出場を許したIOCの措置を批判。彼女にとっては酷でも、彼女はここで演技していてはいけない存在なんだと主張。そこはずっとブレなかったのは良かったわけです。ただショートプログラムでの圧倒的な演技でのトップ。批判はすれども金はとりそうだなと諦めも感じてる面もあったと感じていました。
そういう前振りがあってのこの予想外の結末。彼女が最終演技者の順になったのも偶然ですよね。それが衝撃と混沌の結末へ。


五輪で過去に米国が強かった花形種目でアメリカ人アスリートが勝てなくなっている種目には陸上競技があります。特に短距離走でジャマイカをはじめとするカリブの小国にアメリカが勝てなくなってもう長くなりました。たぶん関係者の中には、証拠は掴めないけどあの辺の国の連中は絶対違反薬物使ってるだろ、アメリカでは使えないから勝てない、悔しいと思っている人もいると想像してます。陸上で小国に歯が立たない米国という番組は、米国内向けカタルシスの面で五輪放送の価値を落としています。

今日のフィギュアスケート放送の最後に、今回も米国選手がメダルを獲得できませんでした。米国人選手がフィギュアスケートでメダルを連続して獲得できなかったのは1920年代にフィギュアスケートが五輪競技になった当初以来です、とのコメントでそのセグメントを終えていました。
うーん、フィギュアスケート界でも陸上短距離みたいに組織的ドーピング疑惑国への強い(でも表立っては言えない)鬱憤が溜まってるってことかな、という締めのコメントにも聞こえました。

バレーボール女子金

東京五輪最終日。女子バレーボールで米女子代表がブラジルに完勝3−0で初の五輪金メダルを獲得しています。試合終了直後から選手スタッフ涙なみだの祝勝となりました。バレーボールの試合開始前の時刻に優勝を決めた女子バスケットボールの米女子代表チームは余裕の笑顔の選手たちがほとんどだったのと対照的。悲願の、という表現が似合うバレーボール代表の優勝になっています。

アメリカバレーボールは男子は五輪の金を獲得してきた歴史がありますが、女子はこれが初の五輪金メダル。他の国際大会では何度も優勝を経験していながらなぜか五輪では敗戦を繰り返してきた歴史があります。そのためもあって今日の決勝では高齢の元代表選手たちもこぞって応援ツイートをしているのが紹介されるなどバレーボールの女子代表が長年希求してきたゴールに一丸というムードで盛り上げていました。決着がついたのがアメリカ東部時間で2AMだったので高齢の元選手たちにはつらい時刻だったかもしれませんが、盛り上がっている様がさまざまネット上にアップされていました。

監督を務めたのは日本でもおなじみ、男子代表選手だったKarch Kiralyカーチ・キライ。Karchはインドア6人制で2度の金メダルを獲得した当時のエース。その後ビーチバレーに転向してアトランタ五輪で金メダル獲得。マイナースポーツであるアメリカのバレーボールにおける数少ない名の知れた人物。今回指導者として女子代表を初の金メダルに導いたことになります。バレーボールで選手と監督の両方で金メダルを獲得したのは史上2人目だとか。

Karchは自身が目立つことを避ける傾向が強く、TVに出るときに「3度の五輪金メダリストの」と表現されると、本番後に「申し訳ないけど今度からは『米女子代表の監督の』って紹介してくれないか?」とたのんだり、代表監督在任中に大腸がんを患いながらそれを非公表のまま治療・指導を継続。理由は注目が自分に集まるのを避けたかったからと言います。その大腸がんを公表したのはつい最近になってから。公表した理由は、元の代表選手ががん闘病を表明したため、その応援のために自身の闘病と治癒を公表したという顛末。キミも頑張れと。決勝進出が決まったあとのインタビューでも既に感極まった涙声になるなど、Kilaryがこの職に入れ込んできたことがうかがわれました。
カレッジの試合にも頻繁に会場入りして細かく若い選手を自らの目で見てスカウトするなどの彼の長年の地道な努力は、カレッジの試合まで見るようなファンにしかわからない。五輪でしかTV放送がない代表バレーボールをやっと金メダルに引っ張り上げた。アメスポ内での6人制バレーボールの地位がこの先どう変わるかは楽観できませんが、やっとひとつの目標に達したのは確かでしょう。

大会MVPはベテランJordan Larson34歳となりました。最後のポイントの前にTV解説の方が「金メダルを決めるポイントは功労者のLarsonに!」と言ったその通りにLarsonが決めて優勝決定。今大会はLarsonは大エースという感じではなく、ケガの前は若い24歳Jordan Thompsonが、Thompsonが退いてからは日本のプロリーグで活躍しているAnnie Drewsが主砲になっていたと思いますが、決勝戦ではLarsonや、同じくベテラン組のMichelle Bartsch-Hackleyの奮戦が目立つ展開。悲願の優勝決定試合にベテランがメインで活躍できたのは彼女たちにとってもやりきった感が強かったはずです。特にBartsch-Hackleyは大会中に相手のサーバーに狙われまくって米代表が苦戦した試合での弱点化していたという経過もありました。

Larsonは新女子スポーツ団体Athlete Unlimitedの旗揚げにも参加。今回五輪金に届いたことでアメリカで過去何度も失敗してきたインドアバレーボールのプロ組織のビジネス化に貢献できるのか、プロバレーボールはアメスポ市場で成立しうるのか。金メダルがプラスに働くのは確実ですが、それがプロ組織を維持するのに十分なモメンタムになるのかどうか。
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