アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

スポーツ賭博

違法ギャンブルの魅力がなにかあるんでしょうねぇ

ところで今回の事件の状況について、賭博で胴元が借金での賭けを受け入れる、というところからして変だと思わないと。個人破産はよくある話ですから数億円レベルの借金を担保もなく貸すという状況がまず生じにくい。破産してケツをまくられれば貸した分は丸損ですから合法の賭けの胴元はまずやらない。

それなのにその事態が起こってるということは通訳氏のバックに「Shohei Ohtaniの名声と資産」という無形の担保を貸す側が認識していたということと考えて良いように思えます。だから言われているような何Millionといった額の貸付が発生しえた。破産でのチャラも恐れていないのですから破産でのとりっぱぐれ以外の回収方法を胴元側は準備していたってことでしょう。そしてそれは非合法の方法であろうと。

例えばそれはOhtani本人にねじ込むということでしょうし、それもブロックされればマスコミにリークという手もある。他は通訳氏が生死不明で行方不明になってしまうとかですかね。殺されるかもしれないというのはそれほど不思議な話ではないかと。ツケで巨額の賭けをして消えちゃうまたは惨殺死体で発見される人物の伝説はしばしばあります。日本の方でもあったはず。殺されるという瀬戸際まで来たら泣きつくというのはギャンブル依存症の方の行動としてはさほど突飛ではないでしょう。

日本の報道を見ているとOhtaniの連座ともいうべき出場停止や永久追放というような憶測が飛び交ってるみたいですがそれらは先走り過ぎに感じますが、確かに可能性としてはありえなくないかなとは思います。しかしながら連邦捜査局FBIは事態をかなり前から把握していたと推定して差し支えがなくそれを表沙汰にするのを公式戦開幕まで押さえたということからして調査の焦点にOhtaniはいなさそうにも思えますね。早く公表していればFAでの契約に大きく影響していたはずです。

FBIに目をつけられたら大変

アメリカ合衆国という連邦国家は内政で大半連邦に干渉されない権限を有する州の集合体です。よって州が変われば法律が違う。各州の自治と自主権がある。合衆国連邦法の縛りはあるのであまりにもとっ外れた州法は無効化されたりするんですけど、各州の独自性は強い。

今回Shohei Ohtaniの通訳氏がカリフォルニア州で違法であるスポーツ賭博に手を染めていたという話が急浮上して、ああカリフォルニアでは今も違法だったんだというのを初認識しました。ここ数年間で急激に合法州が増えていてどこが合法でどこが違法なのかは良くわからないし良く変わるんで。

スポーツ賭博の宣伝はセレブを起用して華やかにそこら中でやっているし、スポーツマスコミでも試合報道の中に賭け率の情報を含めていることは珍しくなく国全体としてスポーツ賭博自体が違法だという認識は薄れているのはまず事実でしょう。


私は賭け事全体に興味がないのでどれほど盛り上がっているのか実感がないのですがとにかく宣伝はのべつまくなしでやってます。私個人の発想としては成功期待値と運営コストが発生している事実を考えるとただのお金と時間の無駄にしか思えないんですが、好きな人がやる分にはお好きにというスタンス。初めてアメリカでカジノホテルに泊まったときにも、あーこういうところなんだーと雰囲気は楽しめましたが、このゴージャスな内外装や夜空を照らすレーザー光線は全部このフロアのみんなが負けた分から出てるんだよねと、まあそういう発想になってしまう人間なので賭け事自体は全然。友人が賭けているのを見て自分は賭け事以外のことで数日過ごしました。
当時は全米で一部の特区でしかギャンブルは合法でなかったのでそこへ行くという旅自体が非日常だった時代です。

いまは自身のスマホアプリで賭けようと思えば1日中やっていられるわけで常習性が加速する可能性はその昔とは比較にならない。借金をしてまで賭博をしたい人というのは既に破綻しているわけです。スポーツ界だとCharles Barkleyがギャンブル好きで多額を負けた云々と近年報道があったし、もっと昔だとScottie Pippenがギャンブルで身を持ち崩して破産を経験したとかあったはずです。

じゃあ居住州がスポーツ賭博が合法の人が非合法の州を旅しているときにはアプリは位置情報またはIP情報ではじくようになってるんですかね?


Ohtani選手自身の違法ギャンブルへの関与は連邦捜査局が取り調べるんでしょうから今憶測しても仕方ないので事実関係が説明されるまで判断保留しますが、FBIが関与しているんでは下手な言い訳で取り繕うのはたぶん悪手。FBIは必要と判断されれば盗聴ネット傍受携帯電話の通話記録や位置情報も使いまくれるはずなので素直に言っちゃった方が良い可能性は高いです。

関係ない話ですがFBIの携帯電話のリアルタイムの位置情報の把握能力がすごくて誰がそのターゲットの周りにいて場合によってはその周りの人物にFBIが緊急警告電話をしてくるという経験談をもってる友人がいて、そんなことまでできるし実際にするんだと感心したことがあります。スマホってユーザー側の設定で位置情報を切っていても関係ないんですね。

なので今は麻薬組織とかはアナログに回帰してアマチュア無線機をつかっていたりするという事例もあるようです。確かにその方が追跡しづらいでしょう。

選手は安全なのか

テニスの全米オープンの女子単4回戦で敗戦した米国籍Shelby Rogersが敗戦後の記者会見でSNSに送りつけられる殺人予告の山への対処の不安を吐露しています。Rogersは3回戦で今大会の本命の一角だったオーストラリアのAshleigh Bartyに勝って注目され、その次戦となった4回戦で敗退。どうもBartyに勝った後にも大量の殺人予告だったり記者会見では言えないような罵倒が送りつけられたと。記者会見で言っても良い罵倒の例は「fat pig」といったものだったそうで、言えない内容の酷さが思いやられます。

Ashleigh BartyはWTAランク1位で、前年優勝のNaomi Osakaも敗退後でもあり、BartyとRogersが対戦した時点ではBartyが女子単の優勝候補筆頭になっていました。それがWTAランク43位のRogersに敗戦してトーナメントは本命不在に。

テニスに限らずですが、プロアスリートたちはスポンサーとの契約上SNSアカウントを閉じるという選択肢が事実上ないようです。SNSで一定の露出を維持するのもプロ活動の一部ってことですね。基本給がチームから出るチームスポーツならともかく不安定な賞金以外だとスポンサーからの収入が頼りのテニス辺りだとSNSをやめるということはできないという事情のようです。

Rogersのように目立たないプロ選手でも殺人予告や罵倒の山では、有名選手だと見るに耐えない状況になっているのは想像に難くないです。NBA Washington WizardsのRui Hachimura選手が五輪前だったかな、人種差別メールなんて毎日来ると諦め顔で発言していたと思います。

Rogersが急に注目を浴びたのはAshleigh Bartyに勝ったから。ということはRogersに嫌がらせを開始した人たちの正体はオーストラリアのBartyファンとか、あとは本命Bartyに賭けていた人たちでしょうか。後者の方がありそうなのかな。
賭け関連だとサッカーのアメリカW杯でオウンゴールをしてしまった選手が大会後に地元で射殺されたというのを思い出したりします。闇賭博で損をした胴元ギャングによる犯行だとされました。

SNSが生活の基盤の一部になった。スポーツ賭博の合法化も止められない。人種差別発言もなくならない。性差別問題も派生問題も含めて収まりがつきそうにない。この状況下で常に露出が求められる立場の人間は攻撃の対象になってしまいやすいし、相当ひどい状態になっている可能性があります。

そういう攻撃の対象となる彼らを守るすべってあるんでしょうか。それ以前に守るべきだという社会的合意は形成可能なんでしょうか。

状況証拠はかなり臭い

NHL San Jose SharksのEvender Kaneの八百長疑惑については先日触れました。あれから10日ほど。決定的な証拠は公表はないのですが、状況証拠がいくつかあがっていて、うわこれはちょっとマズそうという雰囲気になっています。あくまで状況証拠でしかないですが。

Kaneは30歳でNHL12年目。現行の契約は7年契約の3年目が完了したところ。年平均$7 million、総額$49 millionの契約中です。NHLに入って以来で稼いだサラリーの総額は$62 million。立派な成功者と言えましょう。

しかしながら2019年にラスベガスのカジノから$500,000のギャンブルの未払金の支払いを求める訴訟を起こされていたり、今年2021年1月に$27 millionの負債を抱えて個人破産を申立てていたりと経済面で問題を抱えているのが明らかになっています。

先日書いた通り今回の八百長疑惑の発端は妻がSNSでKaneが自身のチームの敗戦に賭けてそれに沿ってプレーしたと糾弾したことから始まっています。夫婦仲は破綻しているのでしょう。個人破産したKaneから養育費なりなんなりのお金を取り立てようとする中でそれもストップして、妻側が不満から暴露に走った可能性が想像できそうです。カジノからの訴訟はKaneの稼いだカネがギャンブルに消えた可能性を示唆していますから、行き詰まったKaneにその筋から八百長の誘いがかかったという筋書きを想像しないではいられない状況証拠、というようにも見えます。
想像するのは勝手ですけど、それを証明しようとなるとよほどの情報を妻なりが握っていないと難しいかもなとも想像できます。

ギャンブルで身を持ち崩す人間というのは一定割合必ず存在するわけです。今アメリカで賭けの対象となろうとしているスポーツ選手や審判にも一定割合いるのは確実と考えるべきです。よほどの厳罰を加えてもやる人は出てしまうはずですが、それをどう影響を最小化できるものか。スポーツ賭博自体を止めることはもうできなさそうな情勢です。

NHLの八百長疑惑

NHLがSan Jose Sharksの選手の負けベット疑惑を調査すると発表しています。Sharks所属のEvander Kaneの妻がSNSで告発したというのが疑惑の発端。NHL選手歴12年目のベテラン29歳のLW。過去4シーズンはSharks所属。人種は黒人、国籍はカナダ。直近2020-21シーズンでは49ポイント、Sharksでのポイントリーダーです。

妻だと言う方がツイッターで、Kaneが所属チームの負けに賭けた上で実際の出場試合で意図的に敗戦しようとした、と告発。NHLコミッショナーのGray Bettmanがどう処理するのかしら?とNHLの対応を促しています。
こういう手段に出たのはきっと夫婦間のトラブルがこじれてのことと推測されます。夫婦喧嘩は犬も食わないと言いますが、ただ事がなかなかに重要な問題を含むのでNHLとしても対応を取らざるを得ないのでしょう。NHLが調査をすると公言しています。


スポーツ賭博の合法化は全米で順次進んでいます。オンライン化・スマホ対応で誰もが瞬時に参加できるものとなっています。その昔、Pete Roseが野球賭博でMLBから追放された頃のように賭博自体の合法性からして怪しいというのとは事態は異なります。

Pete RoseのときはRose自身はCincinnati Redsの監督。私の認識ではRoseがCincinnatiの敗戦に賭けたことは証明されていないながら、MLBの試合に賭けたことまでは追跡できたのでそれで疑惑は十分となり永久追放処分となったと理解しています。

今は賭けるのも簡単ですが、もしKaneが実名でアカウントを開いて賭けていたとしたら、いつどんな賭けをしていたかの詳細情報は胴元側のサーバーに記録は残っていることが推測できます。適正な手続きを経て開示命令を裁判所から得ることができれば胴元側は情報開示することになるでしょう。
偽名で賭けをしていたとなると適正手続きと認められるまでに困難は生じますが、その場合Kaneは別の連邦犯罪を犯していることにもなりかねず事が大きくなります。
米国ではSocial Security Numberが日本で言うところの国民背番号制として定着。Kaneはカナダ人ですが米国内で合法的に労働しているので同番号を持っているはずです。

私の知る限り近年アメスポメジャーで実名で八百長が疑われて調査を受けた例は記憶がないです。NHLの調査結果がどうなるのかわからないですが、このケースは選手の家族というインサイダーからの告発がきっかけとなっているということでたぶんレアケースに属する事件になるのではないかと想像します。実際にNHLが調査に入る前にKane自身なり代理人なりが妻にコンタクトして火消しを図ってる可能性もありますが、もし夫婦間が既に修復不能レベルでこじれている場合は妻が全面的にNHLの調査に協力することで調査が進む可能性もまたありそうです。
ただこういう事情で疑惑が浮上するのは稀なのではないか。多くの場合はそうはならない、と思えます。

スポーツ賭博の敷居が限りなく低くなった現在、八百長を発見するのは困難な作業に思えます。選手や審判本人のアカウントからならともかく、妻だ家族だ友人だのアカウントを使われたら発見することはどんどん難しくなる。犯罪性の証明も困難となるのは確実です。

それでももうスポーツ賭博が止まることはほとんど期待できない。メジャースポーツスポーツだけでなく、マイナースポーツでさえ賭けの対象になっていたりもします。
例としてはラクロスの新興プロのPLLが試合の放送中に、両チームの得点とともに賭けのオッズを画面に表示しています。こんなマイナープロスポーツが積極的にスポーツ賭博を使って人気の足しにしようとしているのかと驚きました。実際に賭けている人がどれほどいるのか。

メジャースポーツとなれば賭けの参加者の数も多く胴元側のデータに自由にアクセスできたとしても捜査側が不正を見つけ出せる可能性はほとんどないように思えます。スポーツ賭博の公正さを保つことはなかなかに難しい。となるとあとは厳罰主義で心理的な圧迫を加えるしかなくなることが想像できます。
スポーツ賭博新時代の最初の八百長摘発対象になった場合のKaneの処分は相当に厳しいものになるかもしれません。

大統領選の賭けがスポーツのメガイベントを凌駕

大統領選挙はまだ勝者が確定してませんが、まあ終わったな、良かった良かった、という感じではあります。選挙人数獲得状況は事前にも書いた通りで、もしトランプが南部の激戦州を全勝の上で、ペンシルベニア州を獲った場合でもさらにまだ僅かに270(選挙人の過半数)に届かないという状態がまさに今です。なので意外性はないですが、ジョージア州の帰趨が確定していないのが予想外でしょうか。

ネブラスカ州とメイン州は全米で2箇所だけの総取りでない州で、そこでの細かい1票づつをバイデン陣営が押さえたと今朝になって報道各局が報じてますので、これで269対269になる可能性がほぼ消滅してます。ゼロじゃないですが、残った接戦となっている比較的起こり得る各州での結果の組み合わせだととりあえず勝者は決まることに。

選挙マニアの方はご存知かもしれませんが、とりあえず、です。なぜかとりあえずかというと各州のルールにより全数開票後の得票率が0.5%〜1%以下の差であると再集計がありうるので、そのプロセスを経ると勝者の確定がさらに遅れるからですね。さらに法廷闘争もありうるのでさらにモメる可能性もありますが、それはまあ良いでしょう。

スポーツ賭博が近年アメリカでは大きなビジネスになろうとしているわけですが、今回の大統領選挙の勝者を当てる賭けが、胴元によってはSuper BowlとFloyd Mayweather x Conor McGregor戦の賭け金の合計よりも大統領選挙への賭け額が上回っているとか。Mayweather x McGregorは話題性はありましたがどちらが勝つかという興味はほとんどなかったですけどね。

確かに今回の選挙はスポーツ的な趣が多々ありました。トランプ陣営のsocial distancing上等の集会の盛り上がりようを見てると、アメスポが今年疫禍でスタンドの観客を失った事実、空のスタジアムの風景と比較してしまいます。あれ、参加している人は良い憂さ晴らしになるよなあと。夏休みにMLBやらマイナーリーグベースボールを見に行く機会もなく、秋の地元の高校・大学フットボールの試合に行ってテールゲートするのも全部なくなってしまった特殊な年でしたから、トランプ集会周辺で何時間も前から疑似テールゲートしてる姿を見てるとカタルシスになってそう、と。


最初の方で触れた南部接戦州のうちジョージアの開票が遅れてる理由は、NBA Atlanta HawksのホームアリーナのState Farm Arenaが大票田アトランタ市の集計所として使われているのですが、なんでも同アリーナの水道管が集計作業中に破裂したとかで集計作業が中断してしまい、そのせいで同州が当確が出せるところまで開票が進んでないって事情です。State Farm Arenaというのは名前は耳新しいですが、1999年開場のPhilips Arenaがネーミングライツで名前が変わっただけで古めのNBAアリーナです。古いにせよなんともはやなタイミングでの事故ですね。
各地の美麗な新スタジアムや新アリーナも投開票所として提供されていたようで、Los Angelesだと例のゴージャスSoFi Stadium内部を投票しながら見学できるチャンスだったようです。

経済的危機がスポーツ賭博を後押し

全米の経済活動が大きく損なわれた結果、連邦政府も地方政府も支出が激増、税収は大幅ダウン必至。早くも近い将来の公共事業のコスト削減が課題になっているところ。全米を見渡しても儲かっている事業は僅かという異常事態なため既存の税金の増税では対応しきれません。この事情では地方債発行などの手も限られる。

こういう急な事情から人々が喜んでカネを出す政府の増収策が求められており、その中でスポーツ賭博であるとか大麻解禁と言った施策が急浮上しています。この二件はどちらも先行して合法化を実施している州が既にあり、他の州は様子見をしている状態であったと思いますが、これから顕在化する大きな財政危機を穴埋めするために様子見の州が一気に実施に流れる可能性が指摘できます。

スポーツ賭博については当ブログでも何度か触れてます。既にインフラとしての準備はまだ違法の州も含めて各地のカジノで進んでいると理解しています。州当局がOKを出せば実施は比較的容易かつ迅速なはずで、様々な懸念事項はあるもののそういう懸念を押しつぶして一気に合法化するのはアリなのでしょう。何せカネがなくては政府が活動停止してしまうお国柄だけに雪崩を打って合法化に移行する州が出そうです。
協力する側のプロスポーツも2020年2021年シーズンにおける収入が激減するのは必至なのもあり政府側が要請すれば労使ともに早足で協力を批准する可能性があるように思えますね。言ってみれば無観客化で消滅したチケット代を賭博で稼ぎ直す感じですか。個人的意見では得点差が勝敗に優先する関心事項になりそうなどウェルカムとは言い難い動きですが、時代の要請というやつでしょうか。

さあ2021年はアメリカのスポーツ賭博の元年となるか。

NBA 2K20トーナメントの結果が漏れて賭けが停止

例のNBA選手16名参加によるビデオゲームNBA 2K20のトーナメント。ベガスのスポーツ賭博がこの2回戦のオッズを提供、賭けを募っていたのですがそれを急遽停止しています。放送は生っぽかったんですが録画放送だったようで、その試合結果が放送前にネット上に漏れたのが理由としています。本当に結果が漏れたのか、結果を知っていると称する人物のディスインフォメーションだったのかはわかりませんが、胴元が危機を感じるに十分な程度一方への賭けが集中したってことなんでしょう。

悪意が介在した可能性もありますが、そうでなくても参加した選手がナイーブでうかつに「勝ったぜ」みたいなことをチームメイトに漏らした、なんてことは簡単に起こりそうです。

録画放送のイベントを賭博の対象にするのは絶対に危険という教訓になるでしょうか。こんな特殊な時期でなければ胴元もライブのスポーツ以外を対象にしなかったのでしょうが、他にイベントもないのでやってみたら結果情報漏れが疑われる事態ということのようです。

ビデオ判定でKentucky Derbyの結果が覆る

21世紀なんだなあという決着になってます。第145回Kentucky Derbyが時間をかけたビデオ判定の末に一着馬を失格として勝者変更。長いKentucky Derbyの歴史上失格での勝ち馬の変更は初。最終コーナーでの斜行進路妨害が問題とされて審議の末失格。

私は競馬はまったく存じませんのでレースそのものには言うことはなにもないんですが、こういう難しいビデオ判定を、それも多額のカネと名誉が懸かっているのを承知の上で反則判定を下せるそのガッツはすごいなと思いました。
TV解説の方々は判定が下る前の段階で「これはKentucky Derby特別な競馬だから反則と判断しえないだろう」「一般のなんのことはないレースなら反則だろう」「進路妨害があってもなくても一番速かったのは一着入線馬」と口々に言っていたのがたぶん常識に近い判断なのでしょう。
また二着で入線した(=最終的に繰り上がり優勝した)馬はトップの進路妨害で被害に合っていない位置にいたもの反則とは取られない可能性が高い=二着馬が被害に合っていたら反則認定しやすいけど、という解説だったのが、ものの見事に大ハズレ。アメリカ人は前例のないことをやるのに躊躇しない面がありますが、ここでもそれが出たことになるのか。

スポーツにおけるビデオ判定は(それにカネをかけられる)多くのジャンルに行き渡り、その運用がスムーズになっているのがこの歴史的判定を呼んだとも言えそうです。ビデオ判定ルームの審議の様子がそのままTV画面に映され透明性を確保。場内のビデオスクリーンにも問題の場面のビデオが繰り返し映されることで現場のファンを置き去りにしないという処置もできていた。見る側もビデオ判定一般に慣れてきている。結果はKentucky Derby史上初とはなったものの、こういう判定が出せる下地は20世紀終盤から始まったアメスポの長いビデオ判定の歴史の中で育まれたという感じでしょうか。

でも怖いですね。賭けの金額が巨額なのでこういう微妙な判定は。競馬の場合は審判が表立つことはめったにないのでしょうが、スポーツ賭博が全面合法化したらこういうプレッシャーが各種スポーツの現場の審判にのしかかることになります。
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