アメリカスポーツ三昧

アメリカ永住コースか、または第三国に出国か!?スリルとサスペンスの人生とは別にアメスポは楽しい。

格闘技

金曜夜のアメスポ放送の勝者は

今夜金曜夜のメニューはこんな具合です。一番事後の報道が大きくなるのが確定的なのはNFLの開幕週第2戦 ブラジルでのPhiladelphia Eagles x Green Bay Packers戦。これがNBC系列のストリーミングのPeacockで放送。東部時間で8PM過ぎのキックオフ。
ただしPeacockの独占放送なので視聴できる家庭の数がかなり限られているはず。Peacockのみでの放送となるNFLのレギュラーシーズンの試合はこの試合のみ。プレーオフの1試合もPeacockの独占放送と聞いてますが、今夜とその4ヶ月後のプレーオフの一戦(ワイルドカードの試合でしょうね)のためにPeacockに加入は増えるのか。

通常の金曜8PMは地上波FOXがWWEの定時放送Smackdownを放送する時刻です。実は今日がFOXでのSmackdownの放送の最終回です。次週からはSmackdownはケーブル局のUSAに移行するためFOXでの最後の放送。事前の情報を聞いていると普段のSmackdownよりはマシそうな最後のFOXでの放送になるみたいです。と聞いてしまうとNFLと両方とも見ないといけないかなあという気になる人もいると思います。私はそうです。
しかしご存知の通りプロレスWWEは疑似スポーツでまったく受け付けないスポーツファンもかなりの割合いるのでその場合はSmackdownの最終回だろうがなんだろうがその人達の視聴行動に関わらないでしょう。

そうなると他なんですが、実は今夜はテニスの全米オープンの男子単の準決勝がESPNで放送されています。それがどうしたというと、アメリカ的にはちょっとした意義のあるカードになってます。第12シードTaylor Fritz x 第20シード Frances Tiafoe。2人とも米国籍。つまり既に米国人男子選手のほぼ20年ぶりの全米オープン決勝登場が確定しているというところでの試合です。2006年が米国人男子が全米オープンの決勝に登場した最後。他のグランドスラム大会でも2009年にAndy Roddickがウィンブルドン決勝に進出して以来。
ESPNとしては手持ちのイベントなので若干盛り気味に煽っておりPeacockに加入していない一般スポーツファンはそちらがかなり吸収する可能性があります。日曜日の決勝の相手はトップシードJannik Sinner。第4セットで勝利まであと僅かまでいきながら決めきれず逃したTiafoeが息切れ、最終セットまで行ってFritzが逆転勝ちで激戦を制してます。

あとはマイナー局になりますがIONという地上波またはRokuで見られる局があることを別記事のコメントが書きました。そちらが女子バスケWNBAの放送をしてます。地方によって放映カードが違うのですが特に地元云々がなければたぶんCaitlin ClarkのIndiana Feverの試合が放送になっていると思います。普段の試合ってどれぐらいIONにチャンネルを合わせる人っているのか想像がつきません。

Indiana Feverは先週プレーオフ当選を確定したところ。シーズンを1勝8敗でスタートしたのをひっくり返して現在2つ勝ち越し。つまりその後は勝ちこんでるってことです。Feverの小ネタはSNSでもよく流れてきます。この前ちょっと解釈に困ったのはFeverのジャージの売上が「1,193%増加」という話ですね。一瞬考えないと要は13倍ってことだなと納得するのに時間がかかった。%で表すべき事象ではないということはすぐにわかります。

John Cenaの引退宣言が全国ニュースに

週末に行われたWWEのPLE(プレミアムライブイベント、旧PPVイベント)であるMoney In The BankでJohn Cenaが予告なしで登場してリングからの引退を宣言、来年2025年がレスラーとしての最後の年であるとしています。イベント後の記者会見にも登場してました。来年の年始からRoyal Rumble、Elimination Chamber、4月のWWEの最大イベントWrestleMania 41まで出場の見込み。予定される出場はそこまでであっても2025年の末に向けてさらに登場回数は増えそうです。

メジャースポーツでもMariano RiveraやBig Pappi David Ortizなどが前もって来季が最後と宣言することでビジターとして各地に行くごとに興行成績を上げて盛り上げに寄与したりしましたが、それに似た引退巡業となっていくのでしょう。

おもしろいのは今日月曜日になって全国放送のニュースでCenaの引退が報じられていることです。まずプロレスという摩訶不思議なジャンルからの引退にニュースバリューがあるのかというところがちょっとした驚きですし、Money In The Bankが行われたのは土曜日なので土曜日夜の段階でCenaの引退を報じることは可能だったんですが2日後の今日月曜日に報道ですか、というのが2つ目の意外さ。
Cenaは知名度が高いですが俳優や司会者としての知名度の方がまさるのでプロレスラーの引退ではなく芸能枠のニュースとして報道という意味か。芸能ニュースのスタッフは日曜日は稼働していないとかでしょうか。

WWEは現在PLEは好成績の連続。海外に積極進出しての興行で次々と興行成績を塗り替えている。今週末は近場のカナダ最大都市のトロントでの興行。金曜日の定時放送のFOX放映のSmackdown、土曜日のPLE Money In The Bank、翌日曜日の二軍NXTのPLEイベントHeatwaveと3夜連続でScotiabank Arenaでの興行。Scotiabank ArenaはNHL Toronto Maple Leafs、NBA Toronto Raptorsのホームアリーナです。カナダ側は関係ないですが、アメリカは木曜日が独立記念日で祝日だったため金曜日も休んで4連休としているご家庭も多く、近場のトロントへWWE観戦遠征というのも有りだったかと思えます。Money In The Bank分の動員は当日に発表になっていて19,858人札止め。

Money In The Bankはいつも似たようなことをやってるように見えてそれでもけっこうおもしろいというのがすごいなと思います。ラダー・マッチは事前の台本がきっちり作られているようでコンパクト(と言って試合時間は確認してませんが)で成功。当夜のうちのキャッシュインの失敗劇も次につながる演出でうまいなあと。

さらに感心したのが翌日のNXT Heatwave。場内の照明が落とされていましたからきっと上の方には空き席がかなり出ていた可能性が高い(4連休の遠征組は日曜夜まで付き合えないでしょうから)ですが、中身は大変良かったです。WWEは層が厚い。特に女子の方はこの先一軍に上がってくるであろう運動能力の高い選手が何人も(Kelani Jordan、Sol Ruca、Lola Vice)好試合をやっていてこの厚みは他社では出しようがない。男子の方も元に戻ったChase Uの健闘も光っていたりでNXTを単に二軍と呼んではいけないぐらいおもしろかったです。

NXTは火曜日が定時放送の日。以前は水曜日にやっていたのですが当時新興の対抗団体のAEWが2019年に水曜日に放送かぶせてきて、簡単に言えばNXTが視聴者獲得競争でAEWに敗戦して火曜日に放映日をずらすことになったのですが、今年になって事情が急変。AEWの視聴者数が低迷してNXTが視聴者数で逆転する週も出てきてます。

AEWは1ヶ月ほど前に主番組AEW Dynamiteが番組史上最低の50万人視聴というところまで視聴率が低下。それも期待されていたフリーエージェントのMercedes Moneを春に女子レスラー史上最高額(額未公表)で獲得して投入するもAEWの視聴率はピクりとも上向かず。その後日本からKazuchika Okadaも加入したんですがそちらも不発。その後も視聴率低下を続けて50万人というTVデビュー以来最低視聴率まで落ちた。今年でAEWは放映権契約が切れるのでこのタイミングで史上最悪視聴率は実にまずい。

AEWを放映しているTBS/TNTはNBAプレーオフやNHLプレーオフの放送もしているんですがその最低視聴率を出した日にはNBAもNHLも試合のなかった日なのでショックは大きく、AEWの太鼓持ちプロレスマスコミも理由がつけられずあたふたという、遠目に見てる分にはその右往左往ぶりがエンタメになっていました。

史上最低でも50万人というのは今のTV視聴率の上がらないご時世では再契約が見込めないとか放映権料を大幅に減額されるような数字ではないとも言えますが、AEW側の言い値でことが運ぶような数字でもない。放映開始当初NXTを蹴散らした時期の視聴者が明らかに消えてしまっている、たぶん飽きられているのが目に見えているのでどんなもんか。その当時のAEWの支持者もWWEに回帰してしまってるんですかね。

ついでに。二軍のPLEのHeatwaveでも放映中に「アメリカでNo. 1トレンド入り」と何度も表示が出てました。よく◯◯のトレンドで◯◯が1位になっていたからアメリカでも人気があるはずだ的なことを言ってこられる方がいますが、NXT程度でもタイミングによっては全米1位になりますからそういうのって大してアテになる指標ではないように思います。

Aaron Rodgersが副大統領候補に名前があがる

さすがにガセだと思いたいのですがAaron Rodgersの過去の行状からすると絶対ないとは言い難いところがおもしろいです。今年11月に予定されるアメリカ大統領選挙。それに二大政党以外からの立候補を模索しているRobert F. Kennedy Jr.氏のランニングメイト副大統領候補にAaron RodgersやJesse Venturaといった名前が取りざたされています。

老老再対決が(不測の事態を除いて)確定した大統領選。そこに第3の候補として乗り込むことをRobert F. Kennedy Jr.はまだ諦めていないようです。RFK Jr.はSuper Bowlの高額CM枠で宣伝を打って注目を集めようとしていますが期待論のようなものは盛り上がっていない。
それでもこんな副大統領ネタが出てしまう。選挙戦のスパイスというのが役回りなんでしょうか?

この副大統領候補の名前を見ると関連州はほぼ全部2020年の大統領選で民主党候補のバイデンが勝った州なのが訝しい。
Rodgersは現在NFL New York Jets所属ですがGreen Bay Packersでプロのキャリアの大半を過ごした。出身はカリフォルニア州でカレッジもCal。Jetsは名前はNew Yorkでスタジアム所在地はニュージャージー州。Packersはウィスコンシン州。
Jesse Venturaは独立系候補としてミネソタ州の知事となった元プロレスラー。現役時代は新日本プロレスにも来日して飛龍十番勝負に登場した選手でもあります。日本ではぱっとしなかったですが喋りのうまさでアメリカでは一定の人気を得ていた。知事選のときの活動も見てましたが、正直さを売りにしていて政治の素人であることを隠さず「その質問については知識がない。申し訳ない。勉強してくるからまた聞いてくれ」など率直さで住民の信頼を集めたと理解してます。ミネソタ州出身72歳。またそんなご老人を。RFK Jr.氏よりも年長です。

Rodgers関連のニューヨーク・ニュージャージー州やカリフォルニア州は民主党の地盤。ウィスコンシン州は大統領選全体の勝敗の分かれ目になる激戦州でもしRFK Jr.氏とRodgersが本当に立候補したらウィスコンシン州はたぶん2020年にバイデンが獲った民主党系の票が剥がされてトランプ有利になりそう。2020年は勝ったバイデンは得票率50%に届いていない、僅か2万票の差での勝利。副大統領候補Rodgersにバイデンから2万票以上剥がす力があるか。あるんじゃないでしょうか。
ミネソタ州は民主党有利とされますがそれほどマージンは大きくない。もしVenturaが今も影響力を持ってるならここでも2020年に勝ったバイデン側に不利に働きそうです。

つまりRodgersやVenturaを副大統領候補としてRFKが活動を継続するならバイデンに不利な材料ばかりというように見えるわけです。RFK Jr.氏自身はWashington DC出身ですがKennedy家はマサチューセッツが地盤。いずれも民主党の鉄板州・特別地区です。


さすがにRodgersがNFLシーズンをほっぽりだして選挙に打って出るというのは奇抜。特に昨季移籍早々のケガで離脱。復活を目指すシーズンとなる2024年シーズンに勝利の可能性のない第3の大統領候補の副大統領候補としてRodgersが出る?どういう状況でそれがありうるのか良くわからない。

ありうるのはRFK Jr.氏は民主党の影の部隊でRodgersをテコに激戦州であるウィスコンシン州の選挙民の注目を高めたいというところか。投票率が高ければ高いほど共和党候補には不利という全体の傾向があります。

RodgersはPackers時代の終盤からいろいろ言わなくても言いようなことをべらべら喋ってる。Jets移籍後もケガで離脱したあとも黙ってなかった。おしゃべりするのが好きなんでしょう。そういう性格的な理由で副大統領候補にと言われたらやってみようかと思うタイプか?ありえないことはないのかなあと。
またRodgersは付き合ってる女性に影響されやすい性格とされ、今の彼女さんはスピリチュアルななものがお好きとかでRodgersもそれに影響されてそっち方面に流れているという観測があります。そして激戦州のウィスコンシン州での知名度や好感度は抜群。変化球としてはおもしろい人材ということになるのかもしれません。

10年$5Billionの放映権でWWE RAWがNetflixへ

すごい金額の放映権契約が発表になっています。WWEの月曜日の定時放送であるMonday Night RAWが2025年1月からストリーミング大手Netflixでの放送になるとのこと。その金額が総額$5 Billion。びっくりするような金額になってます。

昨年秋のUFCとWWEが合併したときに取りざたされた金額が$21 Billion近辺。それもすごいなと思いましたが、それは将来の転売価値やらも含めてのお値段です。単なる放映権契約で$5 Billionはすごい。UFCやらF1やらが身売りしたときの金額は$4 Billion近辺でした。
年間の放映権料が$500 Million。このレベルの金額では現RAW放映権者のケーブル局USA Networkでは対抗し得なかったのでしょう。ケーブルTVというビジネス形態の長期低落傾向もあり10年という長い期間のコミットも苦しかった可能性があります。
USAと同系列のNBC系のストリーミングのPeacockはWWEのPLE(プレミアムライブイベント=過去PPVと呼ばれたWrestleManiaを始めとする特別試合)の放映権を既に持っているので、さらにRAWを獲得しても新たな視聴者増につなげられないのでNetflixが張り込んだような金額は出せなかったと想像できます。

かと言ってNetflixにとってはスポーツ放映は初の試みとなるため不安がなくもなさそうです。Netflix側もなにやら変な言い訳をしていて、スポーツ放映に舵を切る気はない云々。
言い訳はそうとしてもライブ番組を持っているかどうかは生き残りに大事な条件だとNetflixも考えているからそこまでの金額を張り込んだわけでしょう。


今日は金曜日。先週の金曜夜のFOXで放送されている定時番組のSmackdownが私の知る限り驚くような中身の悪い放映でした。ほとんど出てくるのが半年前とかつい最近まで二軍のNXTに出ていた選手の試合ばかり。明日の土曜日が2024年最初のPLE Royal Rambleの特番で、その1週間前の放送がこれだけひどいとなると逆に何か画策しているんじゃないのかと勘ぐりたくなるぐらい出場メンバーがひどかった。
Royal Rambleは男女とも30名が参加する大掛かりなイベントなので出場メンバーにケガ人を出さないようにするために二軍メンバーでお茶を濁した感じかとも思えますがそれにしても思い切って二軍だらけにしたもんだなと。
その翌週にNetflixとの大型契約が発表になったのでなにかそれとの関係はあるのかなといぶかしくもありました。






NXTが地上波CWに来秋から移動

WWEの第3ブランドであるNXTが来年秋から地上波のマイナー局CWに移動することになったと発表になりました。CWについてはNASCARが第2ブランドのXfinityシリーズの放送を2025年からCWに移動するという話題でこの夏に触れました。その前には例のゴルフのLIV Golfの放映権を獲得していたし、今季はカレッジフットボールのACCの試合の中継もしているなど一気にスポーツコンテンツの充実に走ってます。

WWEはRAW(毎週月曜放映 USA Network)とSmackdown(金曜 地上波FOX)の2ブランドが一軍、NXTは火曜日放送でUSA Networkで放送されていました。2番組態勢だったUSAがRAW一本に絞ったということになります。
NXTは今年になってから一軍の選手の出張参戦が増えていて特にその傾向がこの夏から加速。先月にはNXTとしては初の視聴者数ミリオン超えを狙ってJohn CenaやUndertaker、Becky Lynchなど大量に一軍メンバーを投入したりもしました。結果は92万人にとどまっていました。

推測ですが今のCW移籍の報道のタイミングからしてUSAには10月時点でNXT放映の更新の優先オプションがあったのを行使しなかったんでしょうね。ケーブル局USAでの二夜連続のプロレス放送はWWE一軍選手のテコ入れをしても100万人には届かないことからUSAはNXTの維持を諦めた感じでしょうか。USAが同じく放送するRAWはNFL Monday Night Footballの真裏となる今の時期は視聴者数130-150万人、フットボールのオフシーズンならしばしば200万人を超える優良番組です。USAとしてはRAWを手放す選択肢はないのは当然ですがNXTをセット放映権ではWWEが金額でかなりふっかけたんでしょう。

CWと4大ネットワーク(ABC/CBS/NBC/FOX)とはまだまだ大きな差はありますがスポーツコンテンツの拡充でCWにチャンネルを合わせてくれる家庭が増えれば次第に力をつけてくる可能性があり中期的に第5の英語地上波放送局としての存在感を増してきそうです。
CW移籍後にNXTにどれぐらい一軍選手を投入するのか先は見えませんが新たな顧客のCWへのサービスで来年の今頃はNXTも賑やかになっている可能性は強そうです。


Logan Paul「ボクシングはホビー」

ボクシング報道が多い日本なので大きく報道されていると思いますが英国で開催されたボクシング興行でLogan PaulがDillon Danisに反則勝ちした試合がありました。事前には興味がなかったんですが反則とその後の混乱がウケていてスポーツマスコミだけでなく大きく報道されています。

試合後のリング上のインタビューではPaulは「Danisは卑怯者」「ボクシングは自分のホビーだから」「またやるけど」「本職はWWEのスーパースターだ。Rey Mysterio、USヘビー級タイトル戦待ってろよ」など喋りのプロらしく言いたいことはもれなく言った感じです。
こういうのを見ると喋りの能力っていうのは才能だなとつくづく思います。

Danisがギロチンチョークを仕掛けたところから一気に試合終了までの流れは楽しかったようです。ピュアなボクシングファンからは強い批判は出るでしょうがアメリカには既にピュアなボクシングファンなどという方々は多いとは思えず、おもしろおかしく報じられているかに見えます。それしか大衆に対しては切り口がない。
この結末を見通した人はいないにしてもLogan Paulなりの非ボクサー出身者を起用した時点でピュアなボクシングファンからは歓迎されないだろうし、他方こうでもしないと興行の露出力が足りないという現実もあるってことではないでしょうか。


ボクサー対ボクサーでも44歳Manny Pacquiao 対 46歳Floyd Mayweather Jr.の方がいかなる現役の選手のタイトルマッチよりも露出があるのは動かせない事実です。それも数十倍規模で。
さらにMMA選手のConor McGregorなどを混ぜると色物度が上がりますがこれも現実的にはボクサー対ボクサーの試合よりも売上が出る。売上が出るってことは需要があるってことです。需要があることは絶対善ではないですが強い誘因であることは動かせない。

その根っこにはボクシングが格闘技から相手を倒さないスポーツに変わっていったことで失ったファン層が相当あるということではないかと思います。人間の中に潜む格闘本能をスポーツ化して需要として取り込んだビジネスとしてのボクシングはもう存在していないのではないか。階級細分化でのチャンピオンの粗製乱造という手管とその結果としての減量競争も一旦興味を失えば興ざめでしょう。マニアのためのジャンルになってしまっていると評しても良いように思います。
でもそれについてはボクシング側が変える気はなさそうなのですから、他の形で需要を喚起するしかない。それが今の非ボクサーがボクシング興行で対戦する試合を混ぜるという形ですよね。

今回のPaul対Danis戦にお金を払ってまでこの試合を見てくれるのは従来のピュアなボクシングファンなのかそれともそれ以外の層なのか。批判の声は熱心な前者から上がるでしょうがこの顛末をくすくす笑って楽しんだのは後者なのでは。どちらも悪いとは言えないようにも思えます。
昨日のCavinder Twinsの話でも書きましたがいまさら競技をやって見せるだけでお金を貰えるような幸せな競技なんてごく僅かにしか存在しないのではないか。

バスケ双子姉妹が分離

いろんな部分で当ブログの守備範囲に抵触する話題なので取り上げてみます。カレッジ女子バスケットボールでMiami-FL所属だったHaleyとHannaのCavinder姉妹についてです。The CavindersまたはThe Cavinder Twinsと呼ばれていてTikTokで人気者になりその後NIL施行後に即契約第1号(と2号)になったことでも話題になった2人です。当時はNILで想定されていた実力派の人気種目のスター選手をさしおいて女子バスケのソーシャルメディアスターがNIL契約の一番乗りとなったことで取り上げました。

その後、所属していたカリフォルニアFresno Stateから北米大陸を横断、フロリダMiami-FLに転校。1シーズンをMiami-FLでプレーした後にバスケからの引退を表明していました。しかし方向転換してHaleyのみ来季再びカレッジバスケをプレーすると表明。トランスファーポータル入りするとのこと。もうすぐ始まるシーズンはMiami-FLでも他校でもプレーしない。
春に引退と言ってしまっているのでMiami-FLにしても他校にしても選手枠はそれに応じて埋めてしまってる時点ですから急には受け入れられないですから今季プレーできないのは仕方ないでしょう。

昨季は2人の成績に大きく差がでて、Haleyの方は12.2得点4.9リバウンドと健闘してMiami-FLの学校史上初の全米8強進出に貢献。Hannaの方はベンチ要員となり3.8得点。一卵性双生児で生活もトレーニングもずっと一緒にしてきても差が出るときは出てしまうんですね。
春時点では2人揃って引退を表明したのですがHaleyのみ来季に向けてバスケでもう一度ということになったようです。

引退してどうするつもりだったかというとプロレスWWEに参加することを目指していたという話になってます。The CavindersがWWEのNext In Line契約でNIL契約を結んだことは2021年の契約当時にも書きました。当時は2人はNIL契約は結んだけどプロレスには興味がないプロレスラーになる気もないと明言していてそっけなかったのですがそちらも方向転換。Hannaはバスケを引退してWWEでプロレスデビューに向けたトレーニングを開始。Haleyの方は2024−25シーズンにカレッジバスケシーズンをもう1シーズン戦った後にHannaに合流してWWEデビューを目指すということです。

なかなかうまいんではないでしょうか。バスケの才能はないと見切ったHannaの方が先行してWWE入り。Haleyの方はもう1年別のフォーラムである女子バスケ界でさらに名を売った上でWWE入り。合流のドラマ作りはWWEも得意とするところでしょうから同時に来られるよりも良いかもですし、いろいろうまくいきそうかもなとは思います。Cavindersのマネジメント会社は「他の事業」もあると匂わせているのでバスケもプロレスもそのほかの事業とやらのために2人の各所で知名度認知度を上げる手段ということと見ても良いように思います。

WWEは女子選手のストックは多い。元々の優良な手持ちの一軍選手も豊富な上に先日のPLE NXT No MercyでBecky Lynch相手に堂々の名勝負をやってのけた前NXT王者 Tiffany Strattonも遠からず上がってくるだろうししケガで出遅れていますが大物のNikkita Lyonsもいる。AEWから無敗王者だったJade Cargillが移籍加入。浪人放浪中のSasha Banksもどこかで戻ってくるでしょうし手駒はたっぷり持ってます。
そういうところへプロレスが好きでもないHanna Cavinderが入ってきてもそう簡単にロースターに食い込めるかどうかはわからないですが、WWEからすればNext In Line契約初年度の目玉選手だったわけですから受け入れはよろこんでというところなんでしょう。

The Cavindersの動きというのはいろいろ従来のプロのアスリートというのとはかなり異なる歩みですが、いつも当ブログで書いているただスポーツをやってそれを見せるだけでお金を貰うというのはもう時代に合わないのではないかという主張から見れば、確かにこういうのが新しいスポーツでお金を稼ぐ方法=プロなのかなとも思います。

混雑10月NHL開幕日とプロレス

今日火曜日はNHLの開幕日。ESPNとESPN+で3試合が放送予定。Nashville Preditors@Tampa Bay Lightning、Chicago Blackhawks@Pittsburgh Penguins、Seattle Kraken@Vegas Golden Knightsの3試合。VGKの試合は昨季の優勝の優勝旗掲揚・優勝リング授与その他のセレモニーの放送付きとなってます。

今年もVGKは強いという前評判です。2試合目のBlackhawks@Penguinsは今年のドラフト全体1位指名になったConnor Bedardがいきなり一軍登場となるか。Bedardの憧れの選手はPenguinsのSidney Crosbyとうことで事前盛り上げでBedardとSidの対談ビデオなんかも流れてきています。NHLの次期スーパースター候補のデビュー戦。これをESPNで8PMからのプライム枠で放送して全国お披露目となります。

しかし10月のアメスポの混み合い方は激しくスポーツ放送最大手ESPNの放送のこのBedardデビュー戦がどれほどの視聴者を集められるかは見通せません。裏番組にはMLB ALDS Baltimore Orioles@Texas Rangers第3戦もあるし、NBAはプレシーズンマッチですが優勝候補同士となる昨季のチャンピオンDenver Nuggets@Phoenix Suns戦もある。さらにはプロレスの2団体がPPVクラスの好カードをこの火曜日にぶつけてきて覇を競うという事情もあってどこがどれぐらいの視聴者を確保できるのかわからない。

MLBはFOXでのプレーオフの地上波放送なのでさすがに他の放送を上回るのではないかと思いたいのですが全国区で人気があるとは思えないOriolesとRangersというカードはちょっと弱そうではあります。

プロレスの方はWWEは火曜日は第3ブランドのNXTの通常放映日。ここ1ヶ月ほどNXTは気合が入っていて一軍の人気レスラーを次々と投入していて視聴者数が2−3割も増えてます。対抗団体のAEWのメイン番組であるAEW Dynamiteは通常はTBSで水曜日の定時放送なのですが、今週の水曜日はTBSではMLBのNLDSの放送があるため放映日をずらされて前日の火曜日に放送することになり、それでNXTと時刻が丸かぶりという臨時の放映戦争となってます。

NXTは最大手WWEの第3ブランド。DynamiteはAEWの主番組。これがNXTが一軍選手でテコ入れされてここ最近NXTの視聴者数がDynamiteを上回っている。AEWにとっては負けられない正念場。

そのタイミングで両番組が真裏で対決。WWEは今回のNXTにJohn Cena、Cody Rhodes、Asukaまで投入して時間を延長して3時間番組化で迎え撃つ。AEWの方も移籍したばかりのEdge=Adam CopelandのAEWデビュー戦を含む豪華版のカードを並べてます。番組開始から30分はCMなしと宣言していて絶対にチャンネルを変えさせないぞというかNXTのCMの時間にこっちにチャンネルを変えさせたいということなんでしょう。

プロレスはニッチで特殊で閉じたジャンルなのでメインストリームのMLB/NBA/NHLと視聴者争奪にはさほど影響はないかとも思いますがそれでも同時刻にこれだけ重なるとすごいなと。AEWは通常放送の枠から移動するのでそれ自体が不利だし、同系列のTNTが上述のNBAプレシーズン放送中に裏でということになるため番宣も限られそうですがそれを跳ね返せるのか。MLBとNBAにかぶされたシーズン開幕でNHLがどれだけ数字を出せるのか。下位の健闘が期待される火曜日になります。

それで急にNakamuraが

WWEが日本での放送に再参入することになったようです。Abemaでの無料定時放送プラスPLE(Premium Live Event)。あーそれで急にShinsuke Nakamura推しだったのかと合点がいきました。1ヶ月強前ぐらいからかな。唐突にRAW側の最高王者のSeth Rollinsの相手として推され始めた理由がよくわからなかったのですが日本再参入があの時点で確定していたってことですね。あとから考えればその時期にGreat Muta(素顔ですが)が試合リングサイドで観戦に来ていて放送中にも言及されていたのもどういう意味なのかと訝しかったのですがあの時点で日本向けのWWE選手たちの取材ビデオを撮りに来ていたってことですか。すべてがうまく理解できました。

Nakamuraは昨年の10月頃からTVマッチにまったく出なくなっていた時期がありました。当時当ブログではコメント欄になりますがこういうことを書きましたので再録します。(コメント欄は検索で探せないので)

Nakamuraは英語がいつまでたっても下手で喋れないですから良い抗争がないんですよね。コンビにお喋りのうまい選手をつけてもらってちょっと良くなりそうだった昨年、WrestleManiaの試合中にその相方が大腿四頭筋断裂の大怪我を負って離脱。まだ戻ってきてなくてそれ以来Nakamuraには方向性がない状態のままです。一番最近TVマッチに出てたのって二軍のNXTに10月だか11月だかに出張出演したときではないかと思います。毎週見てるわけじゃないのであったかもしれませんが一軍のTVでは試合に出場しない場合がほとんどと思って良いです。
今調べて見ました。この全戦績ログのページを見ると最近は非TVマッチでGunther専属の負け役になっている模様です。シングルで最後に勝ったのは最弱キャラのDrew Gulak戦、TVの生放送日の興行でだけれど電波には乗らなかった試合(dark)となってます。
これによると11/11のSantos Escobar戦(負)が最後の一軍TV登場のようです。以来丸2ヶ月TV試合なし。
http://www.profightdb.com/wrestlers/shinsuke-nakamura-2978.html

このコメント(今年1月)を書いた後もNakamuraのTVマッチ不在は続き、TVマッチ復帰後も今年の5月−7月頃にはシングルでRicochetだのBronson Reedだのの中堅どころを相手に負け役をやっていた。それが8月ぐらいに急転新世界王者のSeth Rollinsの次の挑戦者扱いになった。何?なぜ?という感じでしたがそれが日本との話がまとまった時期ってことなんですね。露骨ではありますがこういう海外進出の際の先兵をやってもらうためにWWEとしてはShinsuke Nakamuraをロースターに残してきたとも言える。せっかくの機会ですから来週末のPLE Fastlaneでの世界王座戦で好試合を期待しておきます。


あと女子の方ですがIyo Skyがこの春のMoney In the Bankで優勝ののちSmackdownの女子王座を初戴冠。これも日本進出込みでの抜擢だったのかなと思うとちょっと残念な気がします。飛び技が売り物とされますがTVマッチでIyoの空中技が冴えたという場面は多くない。所属のトリオDamage CTRLはたぶん来週のFastlaneで破綻解体の方向にストーリーが向かうことが示唆されている。ここまではチームリーダーのBayleyやDakota Kaiにお喋りではフォローして貰えていたのがDamage CTRLが解体になった場合にどうするのかちょっと怖いような。IyoにせよAsukaにせよ日本語でまくしたてるというギミックでお茶を濁してるんですがあれは日本市場向けにはあのままでも良いとして、アメリカ市場向けでは長続きしないのでは。

あとは日本側の告知画像でRAWのメンバーにAkira Tozawaがいるかのようなのを見かけました。それはまたムリなことをという気がします。知らないと思ってむちゃするなぁという。
この前Mizに簡単に負ける役で出演はしてましたけど根本的にTozawaは一軍選手ではないし第3ブランドのNXTで先週までやっていた「Global Heritage Invitational」という男子のリーグ戦形式の試合に参加していましたが全敗で敗退。全敗役なだけじゃなくてTozawa出場のリーグ戦自体がNXTで放送されず、さらにその下のNXT Level Upというストリーミング専用番組に回されていました。一軍どころではなく第3ブランドのNXTでも最下層扱いにほど近い。そういう選手を日本人だからと言ってRAW所属のように見せるのはいかがなものか。細かいことは気にしない方がいいのか。
たぶんTozawaは裏方に近い意味で英語のできない日本人選手の受け入れお世話係というポジションを維持しているのではないかと想像してます。


全体の話に戻ってなぜこの時期にWWEが日本市場に回帰するかという点。一度は撤退した日本市場になぜという。WWEが日本事務所を閉めたのはまだここ数年ぐらい前の話ではなかったでしょうか。
その理由を私が憶測するとアメプロ第2勢力であるAEWが新日本プロレスと組んで日本向けの放送を開始した事をWWE側が問題視してこの展開なのではないかと思います。過去WWEはさまざまマネタイゼーションを日本でも展開してきましたが強固な独自のプロレス文化を持つ日本市場は他の国への進出とは勝手が違う。しかしながらAEWばかりが放送されていてWWEの放送がない状態を長く続けるのはまずいという判断じゃないでしょうか。
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