web小説の読書記録/『おっさん騎士が田舎でまったりスローライフを送ろうとしたら婚約破棄された公爵令嬢が転がり込んできた件』

おっさん騎士が田舎でまったりスローライフを送ろうとしたら婚約破棄された公爵令嬢が転がり込んできた件(天宮暁) - カクヨム

コミカライズ版の漫画広告を経由して原作を読んだ。
中世の西洋をモチーフにしている作品は貴族制度の階級の知識を前提としていることが多く(別に知らなくても楽しく読める)、いまとなっては私でも公爵は偉いということくらいは知っている。ほどほどの分量で楽しく読める。

2024年11月の音楽

DO『DO3』

www.youtube.com

DO3

DO3

  • DO
  • インストゥルメンタル
  • Â¥255
  • provided courtesy of iTunes
仕事の手なぐさみに見るショート動画のBGMこそ最もよく聴くアンビエントミュージックなのではないかと思って探した楽曲その1

JUN NISHIGAKI『HSB』

www.youtube.com

HSB

HSB

  • JUN NISHIGAKI
  • J-Pop
  • Â¥255
  • provided courtesy of iTunes
(省略)その2

もっぴーさうんど『Escort』

www.youtube.com

Escort

Escort

  • MoppySound
  • インストゥルメンタル
  • Â¥153
  • provided courtesy of iTunes
(省略)その3

Nathan Amundson『Threes』


daily.bandcamp.com
上記ウェブサイトを参照して聴く。

William Basinski『September 23rd』


daily.bandcamp.com
上記ウェブサイトを参照して聴く。ただ聴き流している

Purelink『Signs』


どうやって辿り着いたか憶えていない

Shuta Hiraki『Graveyard』


新作

Emahoy Tsege Mariam Gebru『Spielt Eigen Kompositionen』


何か耳に残るピアノ曲。別作品も購入して聞く予定

『聖剣伝説3 TRIALS of MANA Original Soundtrack』

聖剣伝説3 TRIALS of MANA (Original Soundtrack)

聖剣伝説3 TRIALS of MANA (Original Soundtrack)

  • Various Artists
  • サウンドトラック
  • Â¥2750

カレールーの食べ比べ


上記動画の影響を受けてカレールーの食べ比べを行った。

コロナ禍において稲田俊輔の『南インド料理店総料理長が教える だいたい15分!本格インドカレー』を読みスパイスからカレーを作って満足していたものの、知らぬ間にスパイスカレーを作る男性は細かくて面倒臭いーつまりキモいと一蹴される存在になっていた。
挙げ句に今は物価高、スパイスカレーに手頃だったトマト缶も結構高い、新鮮なトマトはもっと高い、なんなら玉ねぎだって高い。あと、スパイスを揃えるのも面倒臭い…カレーゆえに?とかく世の中は世知辛い。

そんな訳で初心に戻ってスーパーで購入できるカレールーを食べ比べた。

おすすめのカレールー

色々と食べ比べて美味しいと思ったカレーはハウスのクロスブレンドカレー、江崎グリコ カレーZEPPINだった。
両者の特徴はさっぱりとしていて軽く、胃もたれをしない。
ある程度の年齢になるとカレールーを使用したカレーが重く感じることもあるだろう。
しかし、両者ならさっぱり食べることができるに違いない。

語りたいカレールー

栗原はるみが監修したカレー。
気になるものの手が出ない人が多いのではないだろうか。
味は和風のカレー、具体的には隠し味に醤油やソースを入れたカレーである。
味が濃いように感じるが、おそらくコンセプトは既に隠し味を入れた手間の掛からないカレーなのだと思う。
完成した味であるが故に手を加えて味変を試みる余地が無いとも言える。

よく食べるカレールー

私がよく食べていたカレーはジャワカレーの中辛である。
色々と食べ比べるとジャワカレーにこだわる必要は無いのだが、カロリーオフは貴重で結果的にジャワカレーを食べることが多い。

2024年10月の音楽

田部京子『シューベルト:ピアノ作品集』

シューベルトのピアノ・ソナタ19~21番を聴いた。本アルバムは田部京子の5枚のアルバムをまとめたものになる。

以下、シューベルトのピアノ・ソナタを聴くことになった経緯。
daily.bandcamp.com

  • 上記記事でAphex TwinのSelected Ambient Works Volume II (Expanded Edition)があることを知る。
  • 上記記事で電子音楽の祖としてKarlheinz Stockhausenの音源が紹介されていた。
  • Karlheinz Stockhausenのピアノ作品の音源を探す。

  • 上記のピアニスト川崎槙耶のKarlheinz Stockhausen "Klavierstück â…¨"を聴く

  • 上記のピアニスト川崎槙耶のシューベルト《ピアノ・ソナタ第21番 変ロ長調 D960》を聴き感銘を受ける。
  • 川崎 槙耶 – 東京藝術大学入試情報サイト

note.com

2024年9月の音楽

Shuta Hiraki『Lyrisme Météorologique』


daily.bandcamp.com
note.com
上記の1つ目のリンクはBandcampに発表された九州のアンダーグラウンド音楽シーンに関する記事になり、Shuta Hirakiが紹介されている。
上記の2つ目のリンクはShuta Hirakiによる補足記事。

Nala Sinephro『Endlessness』


前作に引き続きアンビエント的な作品になっている。

Loren Connors & David Grubbs『Evening Air』


postit-foundmix2020.hatenablog.com
上記記事経由で聴く。

矢が前に飛ぶ対処を行う

9月の月初、八射中羽分(四本の中たり)を狙えるのではないかという程度の的中率だった。
しかしながら、その後に矢が前(的に向かって右側)に飛び始めて的中が全く見込めなくなった。
弓はその構造上、矢が前に飛ぶため、初心者によくある傾向として知られている。
第三者に狙いを確認してもらったところ、会(弓を引き分けて狙いを定めて矢を放つ動作の前段階の状態)で矢は的を狙っているという(弓道の狙いは、第三者に確認してもらい、弓の握りの上にある矢摺籐と的との位置関係から把握する)。
おそらく弓手(弓の握りを持つ左手)の押し(的に向かって弓を持つ手を支える力、矢が的に向かって飛ぶ方向へ支える力)が足りない、手の内の角見(矢が的に向かって飛ぶように行う弓を持つ工夫)が効いていないと思われた。
練習を重ねて的寄りに矢が飛ぶようになったものの、油断すると的1個分、的の1~3時方向に矢が飛ぶ状況が続いた。
的中を狙うのではあれば狙いを後ろ(的に向かって左側)にすれば良いのだが、狙いを変えても的の前に飛ぶことがあり、なかなか重症だった。
その後、高段者から押しが控え気味(ベタ押し)ではないかとの指摘を受け、上押しにしたところ、矢が的の中央や後ろに飛ぶようになった。
なお、この際に弓の握りの握り革を鹿革から鮫革にも変えた。
練習の前半は握りが手に吸い付き、手の内も問題無く効き、比較的に的の中心及び上方向に矢が飛んだ。
しかしながら、練習の後半、弓の握りが滑るようになり、手の内が効かず、矢が前に飛び出した。
そこで、普段は使用していない筆粉(弓の握りと弓を持つ左手の手の平に使用する滑り止め)を使用したところ、矢が前に飛ぶことが減った。
これらの経緯から、矢が前に飛ぶ原因は弓手の押し方、手の内が原因である可能性が高いことが判った。

その後、射形確認のため、ビデオ撮影をしたところ、打ち起こし(弓を引き分けるために弓を上方に上げる動作)が低く、その後の大三(弓を引き分ける動作)から会に至るまでの引き分けが小さく、矢を両肩の線に引き寄せ難い状態になっていることが判った。
単純に見た目も悪い。
以前にも高段者から大三の位置が低いとの指摘があり、癖や疲労によって、打ち起こしや大三の位置が低くなり、弓を大きく引くことができなくなると思われる。
今後は打ち起こしの高さと弓手の手の内を意識した練習が必要になる。
これによって矢を両肩の線に引き付け、的中の安定につながっていくのではないかと思う。
また、握り革の変更によって手の内の効きも変化すると思われるため、今後は握り革の変更や筆粉の使用にも注意を払う必要がある

弓道の再開

弓道を再開した。

高校生活の2年間(途中で退部)部活動で弓道をしていた。
その後、弓道の観戦等をすることがあったものの、弓を引くことは一切無かった。
しかしながら、昨年、弓道四段の知人ができ、過去に弓道をしていたことを話したところ、再開を勧められた。
また約2年前から高校の弓道部員と定期的に会う機会があり、大学まで弓道をしていた人はいたものの、その後に継続している人はいない様子だった。
これも良い機会かと昨年末から実家で保管していた矢や弽、袴、道着、段位の賞状を回収した。
なお、道着は黄ばみ等が取れなかったため、弓具店で道着、足袋、その他の必要な小物を購入した。
また弓は知人から強さ14kgの弓を格安で購入した。
正直、現在の筋力で強さ14kgの弓を引くことは難しいと思われた。

2024年6月、近隣の弓道場が個人利用も可能なことが判り訪問した。
強さ14kgの弓で巻藁に向かって引いたところ、すぐに右の二の腕の筋力が疲労して使いものにならなくなった。
仕方なく、弓道場で時間一杯素引き練習をした。
この際、弓道場では地区の弓道連盟の会員が練習しており、指導者から公開練習の参加を促された。
社会人が弓道をする場合、弓道場を管理・使用している団体ーその地区の弓道連盟や同連盟に加入している団体ーを通じてその地区の弓道連盟の会員になり、大会や昇段審査等に参加できる仕組みになっている(企業等の団体の弓道部に所属する形で弓道連盟の会員になる等の例もある)。
そのため、そもそも弓道場の個人利用をするより、地区の弓道連盟に問い合わせをするのが普通だと思われるが、団体への所属について腹を決めかねていた。
しかし、ここまで来たら弓を引ける場所を作りたいという気持ちが大きくなり、公開練習に参加することを決めた。

その後、地区の公開練習に継続して複数回参加した。
弓は強さ12kgを借り、指導を受けてそれなりに弓が引けるようになった。

2024年7月、地区の弓道連盟の会員になった。
基本的に休日は弓道をしていることが多くなった結果、その他の趣味に興じる時間は減りつつある。
一方、運動する時間が増え、食事量を気に掛けるようになった影響もあるが、体重が減った。
また、運動による疲労等で思考がクリアになったように思う。

2024年8月の音楽

Richter Band『Smetana』


Bandcampの紹介によれば、1990年に発売されたRichter Bandのファーストアルバムで「Smetana」はチェコ語でクリームを意味する。Pavel Richterはチェコの前衛ロックグループで演奏し、ギタリストとして高い評価を得ており、80年代半ばになると、落ち着いた音楽と繊細なサウンド構造に重点を置くようになったという。本作はその創作期のハイライトのひとつで、Pavel RichterのエレキギターとメンバーのLuboš Fidlerが発明した fidlerophone等が使用されている。

M-1「V Muzeu」は前衛的な調子だがM-2「Čínský Potůček / Poloviční Chytání」以降、思索や瞑想を誘う調子になる。

Ear Has No Lid『Ear Has No Lid /1』


shigeohonda.hatenablog.com
Ear Has No Lidは本多重夫氏のプロジェクト。上記記事は作品解説。

『聖剣伝説 25th Aniversary Orchestra Concert』

聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD (Live)

聖剣伝説 25th Anniversary Orchestra Concert CD (Live)

  • Various Artists
  • サウンドトラック
  • Â¥2444

『聖剣伝説3 25th Anniversary Orchestra Concert』

聖剣伝説3 25th Anniversary Orchestra Concert CD (Concert Version) [Concert]

聖剣伝説3 25th Anniversary Orchestra Concert CD (Concert Version) [Concert]

  • 菊田裕樹
  • サウンドトラック
  • Â¥3056

聖剣伝説2


『聖剣伝説2』iOS版をクリアした。クリアはおそらく2回目になる。以前のセーブデータはレベル99になっていた。上記配信を聴いていたところ、途中で新作『聖剣伝説 visions of mana』の広告が定期的に流れた。聖剣伝説2等の旧作の影響が色濃いことが判る。そこで聖剣伝説2を改めてプレイしたくなった。なお、上記配信は特にリミックスとオーケストラの音源が良かった。

聖剣伝説2を改めてプレイすると、敵の連続攻撃に身動きが取れなくなったり、攻撃が全く当たらなかったり、ストレスを感じた。また、魔法の無双っぷりに笑ってしまう。これも昔のゲームならではと思って進めた。サクッとクリアする予定だったが、プレイに日が空き、2ヶ月を要した。

プレイが難しく感じたのはマナの神殿から。基本的にボス戦は魔法を使用して倒すため、MPを回復する魔法のクルミの補充が必要になりステージからの離脱が必要になった。

マナの聖地は補充やボス戦後の武器の強化のため一旦ステージから離脱することにためらいは無かった。

ラストダンジョンであるマナの要塞はレベルを上げていないため、雑魚敵であるウルフデビルの連続攻撃に足止めを食らってしまった。極め付きはラスボスのダークリッチと神獣の二連戦。ダークリッチは弱点属性であるプリムのセイントビームの他、ポポイのレベルの高い魔法で倒し、MPを著しく消費したところ、神獣との戦いで詰んだ。神獣にダメージを与えるには、ダークリッチを倒して開放されるドリアードの魔法マナをプリムとポポイの2人で剣を装備した主人公に掛けなければダメージを与えることができない設定。マナの消費MPは1だが、効果が切れるため、複数回使用しなければならず、MPがなければ始まらない。ラストダンジョンは雑魚敵とダークリッチとの戦闘を終えるまでにMPをどれだけ残せるかが肝要になる。最終的にダークリッチ戦を終えるまでに回復アイテムと復活アイテム天使の聖杯を全て消費し、魔法のクルミを1個しか残せなかった。しかし、魔法のクルミ1個をプリムに使い、回復とマナが使用できる状態を維持して神獣を倒すことができた。

エンディングの終わり、ポポイと思われる人影が樹々の枝葉に見える。切ない。この切なさが聖剣伝説シリーズの特徴かもしれない。

新作『聖剣伝説 visions of mana』をすぐにプレイすることは無いと思うが楽しみではある。

聖剣伝説2

聖剣伝説2

  • SQUARE ENIX
  • ゲーム
  • Â¥1,200

2024年7月の音楽

Sunstroke『Nothing's Wrong In Paradise』


映画のサウンドトラックを志向した作品。

K. Freund『Trash Can Lamb』


ジャズアンビエント。安心感がある。

Mabe Fratti『Sentir que no sabes』


ポップスの印象を受ける。しかしながら2曲目「Pantalla azul」の繰り返されるフレーズにポップスだけに収まらない意図を感じる。

2024年6月の音楽

Mabe Fratti『Pies sobre la tierra』


グアテマラ出身メキシコ在住のチェロ奏者のアルバム。
直近のアルバムも視聴したところ良かったので継続して聴いていくと思う。

2024年5月の音楽

claire rousay『sentiment』


アンビエントや実験音楽の作品を発表している音楽家のギター・ボーカル作品。
アンビエント作品のようなダウナーさがあり、ボンヤリとして聴き流していた。しかしながら、楽曲1つずつに耳を傾けて、ギター・ボーカル作品だと認識するに至る。
表現形式を変える理由は形式を変えることでしか表現できないものがあるためだ。
音楽家はアンビエント作品からギター・ボーカル作品に表現形式を変えることで、声とギターを鳴らすという触覚や身体性を得る。

Brothertiger『Fundamentals, Vol. V』


Gagarin『Komorebi』


Lisa Lerkenfeldt『Suite For The Drains』


Prince Istari『Meets Erik Satie Inna Heavy Dub Encounter』


ダブ音楽家によるエリック=サティの編曲。
エリック=サティのダブによる編曲のユーモアが刺々しい気分を和らげてくれる。

ロックマンX

『ロックマンXアニバーサリーコレクション』より「ロックマンX」をYouTubeのRTA等の動画に感化されて再プレイ。

過去にプレイして全ての実績を解除済み。

8ボスのステージはボスの倒す順序で変化がある。スパーク・マンドリラーのステージはストーム・イーグリードのステージをクリアすると変化があり、変化が無いと難易度が高い。

シグマステージ1の序盤で落下死が頻発した。原因はダッシュジャンプの失敗。コントローラーはXbox360を使用しており、チャージショットを溜めてダッシュするため、ダッシュボタンはLBに割り振っている。これがタイミングよく押せない。SFC版のコントローラーではボタンの割り振りを変更しなくてもできた。しかし、どのようにボタンを押していたのか思い出せない。コントローラーが人間工学的に大きくなった弊害だろう。

波動拳は取得せずにボスキャラの弱点を突きながら攻略。シグマステージはヴァヴァとベルガーダー、ウルフシグマ以外の弱点を失念したため、チャージショットで倒す。D-REXが強かった。ベルガーダーは弱点を突くと弱かった。ウルフシグマは最も強かった。

ネット上で色々とボスキャラの画像等を眺めたところ、ブーメル・クワンガーが格好良いと思った。

序盤のハイウェイステージから見える鋭角なビル群。機械化されたステージに現れるのはメカニロイドやレプリロイド。人の姿は全く見えない。ロックマンXは子供だった私の未来のイメージを確立させた作品だ。

超人ナイチンゲール/中動態の世界

特集ワイド:ケアって何だろう? 説明できないものを体験できる本「ひらく」シリーズ 医学書院の編集者、白石正明さんに聞く | 毎日新聞
人生8割は偶然 白石正明さん、因果の呪い解く「ケア」の哲学/上 | 毎日新聞
自分より周りを変える方が豊か 白石正明さんと迫るケアの核心/下 | 毎日新聞


医学書院のシリーズ「ケアをひらく」より栗原康『超人ナイチンゲール』と國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』を読んだ。
Twitterを辞める直前、人文系のアカウントがケアを話題にしている時期が多くあった。当時、積極的に話題を追う気力は無かった。しかしながら、上記記事を読み興味を持つに至った。

栗原康『超人ナイチンゲール』

ナイチンゲールについての知識が全く無かった。
著者はアナキズム研究者になり、ネット上等の執筆記事を読んでいたものの、単著を読んだことは無かった。
著者独特の口語調に近い文体はリズミカルで先を読ませる。

一般的にナイチンゲールは看護師、合理主義者の面が強調される一方、本書は神秘主義者の面にフォーカスした評伝になっているという*1。
そもそも、ナイチンゲールの看護師としての活動はクリミア戦争(1853年~1856年)のみになり、イギリスに帰国後はクリミア戦争に関して統計学を用いて陸軍の医療改革、病院の設計をしたという。しかし、その行動の源泉は神秘主義になり、実際にそういった記録が残っているという。

國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』

第16回小林秀雄賞と紀伊國屋じんぶん大賞2018を受賞している。
平易な筆致が優しく、ゴールデンウィーク後半を掛けて読み切ったことは、随分と哲学書から離れていた身に自信をもたらしてくれた。
それでも議論の流れは追うことが精一杯のところも多かった。

中動態は哲学的な観点からこれまでも顧みられてきた。
現在の能動態と受動態の対立関係は、以前は能動態と中動態の対立関係になり、中動態から派生した受動態がその後に中動態と置き換わった。
本書はフランスの言語学者エミール=パンヴェニストの中動態の定義「能動では動詞は主語から出発して、主語の外で完遂する過程を指し示している。これに対する態である中動では、動詞は主語がその座となるような過程を表している。つまり、主語は過程の内部にある」「主語はその過程の行為者であって、同時にその中心である。主語[主体]は、主語のなかで成し遂げられる何ごとか―生まれる、眠る、寝ている、想像する、成長する、等々―を成し遂げる。そしてその主語は、まさしく自らが動作主〔agent〕である過程の内部にいる」を採用している。
パンヴェニストはサンスクリット語、ギリシャ語、ラテン語、アヴェスタ語に共通する能動態のみの動詞と中動態のみの動詞をピックアップして比較している。ここで能動態のみの動詞は「曲げる」や「与える」、意外に思われるところだと「在る」や「生きる」になる。一方、中動態のみの動詞は上記の定義でピックアップされているものや「死ぬ」「ついて行く、続いてくる」になる。
本書ではここから更に能動態と中動態について考察が続きスピノザ哲学に至る。
能動/すると受動/されるの対立ではなく、刺激を受けて変化し、この変化の影響を受けている、特徴ある個人の行為や思考。これは能動や受動という責任のあり方では捉えられないものになる。

本書の参考文献からのピックアップ。

  • 國分功一郎『スピノザの方法』
  • 國分功一郎『暇と退屈の倫理学』
  • 國分功一郎『原子力時代における哲学』
  • ハンナ=アレント『精神の生活』
  • ハンナ=アレント『革命について』
  • 萱野稔人『国家とはなにか』
  • カール=マルクス『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』
  • ハーマン=メルヴィル『ビリー・バッド』

響け!ユーフォニアム(第1~2期)/ザ・ロック

響け!ユーフォニアム(第1~2期)

友人と共に鑑賞。高校時代を思い出しながら非常に楽しく観た。
部活動の顧問の滝先生の生徒に任せるという言葉の下に全国大会を目指すという重大な決断が生徒の話し合いの場を持たずに安易な多数決で決定したことに呆れてしまった。もしかしたら部活動の方針を生徒が決める機会を得られるだけ現代的ではあるのかもしれない。その後に滝自身もトランペットのソロパートの奏者を選ぶ際、生徒による多数決で決定を試みるが、結果的に多数決が機能していない。その後に本作を鑑賞するなかで顧問の滝もまた教師として未熟であり、生徒と同様に成長することを知ったものの、教師と生徒という非対称性な関係から、前半は滝の言動がいちいち気になってしょうがなかった。

ザ・ロック

友人の勧めで観た。娯楽作品として気楽に観た。
マイケル=ベイ監督、ショーン=コネリー、ニコラス=ケイジ出演。
アルカトラズ島の地下が程々に金の掛かったテーマパークになっていた。
おそらく問題は敵側の兵士たちの問答にあるように、国のために戦う兵士なのか傭兵なのかということなのだと思う。

ザ・ロック(字幕版)

ザ・ロック(字幕版)

  • ショーン・コネリー
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