2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小さいおうち

山田洋次監督作品『小さいおうち』を観た。 中島京子原作。原作は未読。「舟を編む」に出演していた黒木華が気になり本作を観賞。尚、本作で黒木華はベルリン映画祭女優賞を受賞している。大学生健史の大叔母で戦前女中をしていたタキが亡くなる。タキの遺品…

『ニンフォマニアック Vol.2』

ラース=フォン=トリアー監督作品『ニンフォマニアック Vol.2』を観た。Vol.1の続き。女性の語りは更に続く。これはVol.1の内容かもしれないが、死を前にした父は病院のベッドで錯乱するなか、別れた母の名を呼ぶ。それを前にした彼女は病院で働く男性を誘…

舟を編む

石井裕也監督作品『舟を編む』を観た。 三浦しをん原作の映画化。原作は未読。特に何が起こるという訳では無いが非常に見応えのある映画だった。とある出版社で新たな辞書の出版が決まる。しかし辞書編集一筋のベテラン荒木は定年を控えていた。新たな辞書編…

2015年4月19日~2015年4月27日

昨日の豚肉を蒸したものを食べた。その際に残ったラードの塊と野菜をレンジで温めスープを作る。東浩紀のクリュセの魚について思い返していたら、知らぬ間に天皇制について考える事になってしまった。そして国民が天皇制に強制力に持ち、死地に追いやる可能…

『ニンフォマニアック Vol.1』

ラース=フォン=トリアー監督作品『ニンフォマニアック Vol.1』を観た。 路上で行き倒れている女性を見つけた老人は彼女を介抱するため自宅に連れ帰る。彼女は人心地着くと老人に幼少の頃からの性経験を語り始まる。そして彼女が語る内容を博識の老人が解釈…

一〇年代文化論

さやわか著『一〇年代文化論』を読んだ。 友人から借りたもとい無理矢理渡された本の最後の一冊。見田宗介が「理想の時代/虚構の時代」と区分、これを参照した大澤真幸は「理想の時代/虚構の時代/不可能性の時代」、更に東浩紀は「「理想の時代/虚構の時…

1995å¹´

速水健朗著『1995年』を読んだ。 友人から借りた本の中の一冊。見田宗介、大澤真幸、東浩紀等が「理想の時代/虚構の時代」の終わりの転換点として捉える1995年。この一年を分析したのが本書の内容になっている。1995年を個人史から捉えるならば、阪神淡路大…

左巻キ式ラストリゾート

海猫沢めろん著『左巻キ式ラストリゾート』を読んだ。 友人から渡された本の一冊。このまま後二冊も続く。好い加減にして欲しい。まずあらすじを確認してみよう。 目覚めた僕は記憶を無くし、12人の少女たちが暮らす見知らぬ学園にいた。僕の覚醒と時を同じ…

なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか

二村ヒトシ著『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』を読んだ。 著者の「すべてはモテるためである」を読んで以降、女性向けに書かれた本書も読もうと思っていた。ある時、暇を持て余して本屋に寄ると國分功一郎の選書に本書が含まれており「…

『るろうに剣心 伝説の最期編』

大友啓史監督作品『るろうに剣心 伝説の最期編』を観た。 『るろうに剣心』実写版の続編。志々雄真実内乱を描いた二部作の後編。前編「京都大火編」より戦艦煉獄から海に落とされた薫を助ける為自らも海に飛び込んだ剣心。しかし薫を助ける事は出来ず波打ち…

クリュセの魚

東浩紀著『クリュセの魚』を読んだ。 友人から渡された一冊。既に本書は友人に返している。2400年代の火星、地球と火星はワームホールの発見によってその平穏な関係が変わりつつあった。火星に住む少年葦船彰人がある年上の少女大島麻理沙と出会い恋に落ちる…

2015年4月12日〜2015年4月18日

誤ってスパークリングワインを買ってしまう。炭酸は苦手なのだが、これはこれで美味い。公園では遅めの花見が開かれている。桜は散ったが、新緑が鮮やかだと思う。Instagramが開かない。コタツ布団を洗い外に出して干す。喉が痛い。風邪をひいたのかもしれな…

願望機

アルカージイ&ボリス=ストルガツキイ著深見弾訳『願望機』を読んだ。 「教授、あんたはどう思う、あの場所は実際に存在するんだろうか?はたして願望はかなえられるんだろうか……」 「〈ヤマアラシ〉は大金持ちになった。彼は金持ちになることが生涯の夢だ…

万物理論

グレッグ=イーガン著山岸真訳『万物理論』を読んだ。 友人から無理やり渡されたSF作品の一つ。これくらい読んでSFを語れという事らしい。人工島で催される世界を説明する原理「万物理論〈Theory of Everything〉」の発表とその界隈に出現する反動集団とカル…

コロロギ岳から木星トロヤへ

小川一水著『コロロギ岳から木星トロヤへ』を読んだ。 時間SF作品でありライトな味わい、楽しく読んだ。第45回星雲賞受賞作品。時間の泉―原初の一点から全方位に広がった無限の空白には原初の一点に向けて大小様々な楔が浮かんでいた。カイアクたちは自由に…

2015年4月5日~2015年4月11日

朝から雨が降っている。肌寒い。朝食に冷蔵庫の放置していたソーセージと野菜のオーブン焼を温めて食べる。丸山眞男の「現実」主義の陥穽を読み直す。今や既成事実とは戦後民主主義であり、それを改める為に「我々」が現実を拒否し始めている…民主主義は与え…

ストーカー

アルカジイ&ボリス=ストルガツキー著深見弾訳『ストーカー』を読んだ。 「この時間だと〈ボルジチ〉には客がいない。アーネストがカウンターの向こう側でグラスを磨いてはそれを明かりで透して仕上がり具合を調べている。ところで、これにはいつも呆れ返っ…

屍者の帝国

伊藤計劃、円城塔著『屍者の帝国』を読んだ。 急逝した伊藤計劃の作品を円城塔が引き継ぎ完成させたスチームパンクSF小説であり、シャーロック=ホームズ、フランケンシュタイン、カラマーゾフの兄弟、風と共に去りぬ等のフィクションの登場人物や実在の人物…

『丸山眞男セレクション』『丸山眞男―リベラリストの肖像』

丸山眞男著杉田敦編『丸山眞男セレクション』、苅部直著『丸山眞男―リベラリストの肖像』を読んだ。 丸山眞男の著作を手に取ったのは『丸山眞男セレクション』に収められた「「現実」主義の陥穽」を読む為だった。しかし、その他に収められた論考「国民主義…

2015年3月28日~2015年4月4日

俺にとってはただの三百六十五日の一日だとしても、誰かにとっては大切な一日なのかもしれないと考えると、多少は一日が色を帯びてくるような気がしないでもない。朝食を駅構内で済ましている人をよく見掛ける。比率的には女性が多い。おそらく朝時間が無い…