梅雨干し対策
そもそも家事が好きなんだと思う。
料理は無論洗濯も、食器洗いもてんで苦にならない。 むしろその片付いていく様を体感するのが楽しいわけで・・・はっきり言って女子力はカミさんよりも高い。
ところがニガテな面もあり、たとえば雨の日の洗濯ほど燃えないものはない。 気持ちよく干せないからである。 洗濯物は、晴れ晴れとした中いっせいに干すから楽しいワケで、室内に干したところで生乾きになるし、太陽の匂いはしないし、ちっともつまらない。
かといって放棄できないのがつまり日々の家事であり、梅雨時期ともなれば毎日大量の洗濯ものを、憂鬱になりながらチマチマ干し続けるわけで・・・翌日になっても半乾きなのに、次々と洗い物の山はそびえ・・・つまらない。
と思っていたところフと、空き部屋を乾燥部屋にしてみようと思いついてしまったわけで、こうれば試してみなきゃおさまらんので即実行。
まずは部屋に物干し竿を二本かけた。 次に余っている扇風機と、使わなくなったサーキュレーターを物置からひっぱり出して、各二基ずつ据えた。 除湿機も一台設置。 そしていっせいに洗濯物を広げ、風をビュンビュン当てた。
その様子をしばし眺めてからドアを閉める。 バスタオルは風でなびいていたし、思いのほか乾きがよいのかも?という期待がこみあげる。
三時間後。 ドアを開き、乾き具合を確かめてみるも、ちっとも乾いてない・・・・・・。 予想ではバスタオルなんてもう、ほぼパリッとしてる姿を思い描いていたのだが、まったくもって濡れている。
太陽の偉大さ、そよ風のさりげなさに、心打ち砕かれ生乾きだらけの部屋に座り込んだ。 しばしボー然としたところで、次のアイデアが浮かんだ。
扇風機の風そのものを洗濯物に当て続けても、ほとんど乾いていないのだから、風が直に当たっている事に関しては無意味に等しい。
そこで部屋全体を、巨大な乾燥機と見立てる発想が降りてきた。 部屋の四隅に扇風機とサーキュレーターを置き、洗濯物に風を当てるのではなく、その四台で、風をそれぞれリレーする、つまり扇風機1は扇風機2を向いており、扇風機2はサーキュレーター1を向く、そしてサーキュレーター1は2を向いて、その2は最後に扇風機1に向ける。 部屋の四隅を風が巡回するイメージ。 除湿機は部屋の真ん中に据えた。 洗濯物は、ピクリともなびかないところ、ドアを閉めて、三時間待つ。
ドアを開けた瞬間、効果がある事を感じられた。 まず室内の空気が乾いている。 そしてバスタオルを触るとオォ、だいぶ乾いている。 三時間では完全に乾ききらないが、風を直当てするよりも格段に乾きが良い。 なので今年の梅雨干し対策は、室内風リレー式で行こうぜ!
とカミさん伝えきる前に「コインランドリー行ってくるね♪」と洗濯物を抱え彼女は颯爽と駆けていったのだった。