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大そうじへの備え
backlash.hatenadiary.org
こんにちは、みなさま。昨日掲載された前編はどうでしたか? 今日は、昨日につづいて、新著『社会運動の戸惑い:フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(山口智美・斉藤正美・荻上チキ共著、ハッシュタグ#tomadoi)の発売を記念して行われた座談会の後編を掲載します。 ********** (前編よりつづく) 荻上 それぞれの章を簡単にふりかえってみようか。 山口 そうしましょう。 荻上 では一章、僕とともに担当だった山口さん。 山口 歴史的な展開のおさらい+デルフィネタ+バックラッシャー言説分析+フェミニストらのバックラッシャー理解のヘンなところの指摘。ジェンダーフリー概念、男女共同参画概念をめぐるレビューみたいな感じですね。 一章はチキさんと私の共著で、チキさんの言説分析的なところと、私のヒューストンネタとか、女性学のバックラッシュ理解とかをドッキングさせた感じの章。「過激なフェミニ
こんにちは、みなさま。四年ぶりの『バックラッシュ!』キャンペーンブログ更新です。今回は、新著『社会運動の戸惑い:フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(山口智美・斉藤正美・荻上チキ共著、ハッシュタグ#tomadoi)の発売を記念して行われた座談会を、前後編でお送りします。 ********** 荻上チキ この度、無事、『社会運動の戸惑い』が発売されることになりまして、その発売直前に、共著者の山口さん、斉藤さんと、「バックラッシュ!発売キャンペーンブログ」などでお馴染みの小山エミさんにお集まりいただきました。 斉藤正美 おなじみのみなさまw 小山エミ おなじみすぎる。 山口智美 なつかしのキャンペーンブログ復活! 荻上 2005年〜2006年頃、ネット上でちょっとした祭り状態になっていたのがウソのように、「ジェンダーフリー」「バックラッシュ」という言葉がすっかり死語になっております
こんにちは、みなさま。今日は4つ目のキーワードとして「ネオリベラリズム(新自由主義)」をお届けします。少しややこしい概念ですが、宮台さんや鈴木さんの文章で当たり前のように登場するので頑張って解説を書いてみました。 【ネオリベラリズム(新自由主義)】 新自由主義とは、福祉国家的な「大きな政府」を否定し、個人の自由と自己責任を重視する政治思想であると定義される。注意したいのは、よく新自由主義のスローガンとして「小さな政府」という言葉が掲げられるが、これは単純に政府の規模や権限を縮小するだけのものではないということだ。「小さな政府」は、福祉政策や社会的弱者救済措置を縮小させる一方で、防犯カメラの設置や犯罪者に対する重罰化といった形で国家権力を肥大化させる側面がある。福祉国家が担おうとしてきたある特定の分野、すなわち再分配や貧困削減などのプロジェクトから国家が撤退して市場に任せる代わりに、市場を成
こんにちは、みなさま。お久しぶりの『バックラッシュ!』キャンペーンブログ跡地の更新です。今回は、中村美亜さんの新著『クィア・セクソロジー 性の思いこみを解きほぐす』の発売を記念して、美亜さんを囲んでお話しをしましょう、という企画で集まってもらいました。 クィア・セクソロジー―性の思いこみを解きほぐす 作者: 中村美亜出版社/メーカー: インパクト出版会発売日: 2008/10/01メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 58回この商品を含むブログ (20件) を見る 参加メンバーは、レギュラーのわたし (macska) と荻上チキさん (chiki) に加え、中村美亜さん (mia)、『写真を“読む”視点』の著書がある写真批評家の小林美香さん (mika)、デルタGのミヤマアキラさん (miyama)、そしてブロガーのマサキチトセさん (masaki) です。 人数が多いうえに似たよ
こんにちは、みなさま。5ヶ月ぶりに新しい座談会をお届けします。 と言いつつ、このチャット座談会が実際に行なわれたのは昨年末。参加者が多く編集がややこしかったことや責任者が病気で寝込んだこともあり、公開準備に3ヶ月以上もかかってしまいました。 そもそも今回の座談会は『隠されたジェンダー』をめぐる前回の座談会のあと、フェミニズムとクィアという2つの運動を横断して、アイデンティティと政治運動をめぐる議論をもう少し詳しくやりたいな、と思って企画しました。 ゲストは前回に引き続き登場の筒井真樹子(makiko)さん、ブロガーのtummygirlさんに加え、日本の草の根フェミニズム運動に詳しい斉藤正美(masami)さん、山口智美(tomomi)さんにも合流していただきました。ホストはmacskaがつとめました。 ********************************************
みなさま、お久しぶりです。一年数ヶ月ぶりの更新です。 今回は、ケイト・ボーンスタイン著『Gender Outlaw: On Men, Women, and the Rest of Us』が筒井真樹子 (makiko) さんの翻訳で日本で発売されたことを記念して、訳者の筒井さんとブロガーの tummygirl さんをお招きしてお話を聴きました。 隠されたジェンダー 作者: ケイトボーンスタイン,Kate Bornstein,筒井真樹子出版社/メーカー: 新水社発売日: 2007/09メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 36回この商品を含むブログ (12件) を見る macska こんにちはー。今日はケイト・ボーンスタイン著『Gender Outlaw: On Men, Women, and the Rest of Us』を翻訳して『隠されたジェンダー』として出版した makiko さ
こんにちは、みなさま。昨日の後藤和智さんに続き、今日も豪華ゲストをお迎えしての座談会をお届けします。今回参加していただいたのは、『バックラッシュ!』で「『科学的』保守派言説を斬る!生物人類学の視点から見た性差論争」という記事を書き保守派による脳科学の間違った政治利用を批判されている生物人類学者のせぐりんこと瀬口典子さんと、『心に性別はあるのか?』の著書を持ちジェンダー・トランスジェンダーの問題に詳しいセクソロジストの中村美亜さんです。 今回の座談会を企画したのは、日本学術会議が今月はじめに主催した「生物学とジェンダー学の対話」をテーマとした講演会に関連して、斉藤正美さんらがブログで報告したことをきっかけに議論が広まっていることを受け、生物人類学とセクソロジーという対照的な専門分野を持つお二人(中村美亜さんは現にその講演会にも出席していたそうですし)にお話を聞けたら面白いなと思ったことが理由
以下は後藤和智さんをお迎えして行ったチャット座談会の一部です。本来は28日のコンテンツなのですが、1日の最大文字数制限に抵触してしまったので、入りきらなかった分を以下に収録します。 (28日のエントリよりつづく) 後藤 共同体の暴力性に関しましてはこのようなことは内藤朝雄氏が『いじめの社会理論』(柏書房)で詳しく論じられているので、そちらを参考にしているのですが、昨今の「地域共同体の再生」みたいなことが、それこそ「不審者」に対する「総動員態勢」になっているのかもしれない。 chiki そうなんですよね。現在ではどうしても「監視技術の道徳主義的利用」(東浩紀)として顕著になる。 後藤 以上の理由から、私が宮台氏が「地域共同体の空洞化」に結びつけた若者論みたいな論理を持ち出してくることに対する違和感を持っているのです。 macska え、宮台さんがそんな論理言っているの? 宮台的には、地域共同
こんにちは、みなさま。今日は『バックラッシュ!』に「教育の罠、世代の罠――いわゆる『バックラッシュ』に関する言説の世代論からの考察」を寄稿してくださった後藤和智さんをお招きして、宮台・上野インタビューの話題を中心に『バックラッシュ!』への感想や、最近ネットで話題の「弱者男性」論とフェミニズムの展望についてお話をうかがいました。ホストはいつもの通り macska と chiki です。 なお今回のチャットは長文すぎてはてなダイアリーの一日当りの文字数制限を越えてしまいました。よって変則的ですが、一部を昨日の日記に掲載します。 後藤 改めまして、後藤和智です。よろしくお願いします。 macska おはようござい…むにゃむにゃ。目覚まし時計に起こされました。目覚ましに紅茶入れようっと。 chiki こっちで深夜ということは、そちらは早朝ですからねー。こんにちわ。本日は『バックラッシュ!』ブログに
こんにちは、みなさま。今日は斉藤正美さん、山口智美さんをお招きして先日行ったチャットを掲載します。山口さんは『バックラッシュ!』執筆者のお一人で、本書では「『ジェンダーフリー』論争とフェミニズム運動の失われた10年」をお書きいただいております。斉藤さんはその山口さんと一緒にサイト「ジェンダーフリーとフェミズム」を運営したり、ブログで丁寧な議論を展開されいる方です。 それでははりきってどうぞ。 chiki 本日はゲストに、著者の一人である山口智美さん、そして山口さんと「ジェンダーフリーとフェミズム」というHPを運営している斉藤正美さんをお呼びしています。本日の内容は、斎藤さんによる本書の感想と、山口、斉藤からみた日本フェミニズムの吟味が主題になります。というわけで、(1)雑談からゆるやかに斉藤さんの感想、(2)山口論文とジェンダーフリーの問題、(3)日本フェミニズムの問題と変動、って感じのス
こんにちは、みなさま。先週 macska はラスヴェガスで開催された Re-visioning Prostitution Policy というコンファレンスに参加してきました。表題の通り売買春に関する4日間に渡る大会なのですが、性労働者と活動家、研究者とソーシャルワーカー(これらのアイデンティティは部分的に重複する)が集まり、性病感染防止のためのアウトリーチや合法化・非犯罪化それぞれの長所と短所といったお決まりの議論にとどまらず、広く性労働者の権利擁護に関心のある人が集まりさまざまな議論を繰り広げた画期的なイベントでした。またしてもこれが「ポップ」なのかどうか激しく怪しいですが、今回はそのレポートをお届けします。 と書き出してはみたものの、わたしはもともとこのコンファレンスには参加する気はなかったのね。というのも、こんな集会を開いても恵まれた環境で性労働をした経験があり今では本なんか出版し
こんにちは、みなさま。常々口にしている通り毎週話題を考えるのに苦労するこの『ポップ×フェミ』ですが、今週に限ってはトピックが向こうから飛び込んできました。第3回でその様子をお届けした全米女性学会@オークランドについてですが、なんとあのコンファレンスを名指しでバッシングする風刺漫画が一般の新聞に掲載されたのです。女性学会が一般紙に登場すること自体滅多にないのに(わたしは見た事がない)、風刺漫画の対象となるとは非常に驚き。 問題の漫画は、全米400紙を越える新聞に掲載されている Mallard Fillmore というコミックストリップの。作者のブルース・ティンズリーは保守的な政治姿勢で知られ、これまでにもリベラル派を批判したり嘲笑するような漫画を描いてきた。その Mallard Fillmore 欄に7月6日に掲載されたコミックが以下のものだ。 書き込まれている文章を訳すと、「保守的な考えの
こんにちは、みなさま。今日は本書から chiki によるコラム、「男女共同参画予算とはなにか」をお届けします。やや長くなりますが、貴重な資料なので全文掲載といきます。 論点バックラッシュ3 男女共同参画予算とはなにか 荻上チキ 「男女共同参画に10兆円!」 「ジェンダーフリーに10兆円!」 一時期、こんなフレーズが一人歩きしていました。「累積50兆円!」とか言い換えたりして、インパクトもたっぷりです。これを聞いて、「おお、フェミニストの陰謀じゃ」と憤慨した人も多いことでしょう。私がこのことを聞いたときも「そんなバカな」とまず思いました。但し、それは「そんなバカな(ことが行われているなんて!)」ってことではなく、「そんなバカな(こと、あるわけないじゃん)」って意味で。予算の総額がいくらかを考えれば、普通そんなことありえないわけで、何かカラクリがあるだろうと思ったわけですね。 ここでは、本当に
こんにちは、みなさま。『バックラッシュ!』キャンペーンのお時間です。今日はモンタナ大学の助教授で生物人類学を専門とされている瀬口典子氏の論文「『科学的』保守派言説を斬る! 生物人類学の視点から見た性差論争」を紹介します。わたしたちが瀬口さんに原稿をお願いしたのは、バックラッシュ言説に多い似非科学的な主張に対して、これまで生物学系の研究者からの反論がほとんど見当たらなかったから。この論文では進化史モデルや脳の性差の問題について丁寧に反論&説明をしていただいております。それではその出だしの部分をご覧ください。 フェミニストの主張に科学的な根拠がないとして、保守派が使うのが脳の科学だ。保守派は新井康充や澤口俊之などの脳科学を引用し、脳の重さの性差や脳の構造の性差、脳の性分化、脳の認知機能の性差などを例にあげ、「男らしさ・女らしさ」は生まれつきのものだと反論している。保守派は、生物学的な性であるセ
こんにちは、みなさま。前回「女性学会ってポップなのか?」という疑問をはね除けて全米女性学会からのレポートをお届けしましたが、今回はもうちょっとポップにいこうと思います。ワールドカップも決勝トーナメントに移り好マッチの連続となっていますが、サッカー繋がりで今回は2002年のイギリス映画「Bend It Like Beckham」(邦題「ベッカムに恋して」)から入っていきます。日本でも2003年に少数ながら全国の劇場で公開され、ビデオや DVD でも発売されているようなのでご覧になった人も多いはず。一応注意しておきますが、ネタバレします。 インド系女性の手によるこの映画の主人公は、シーク教の伝統を守るインド移民の家族とともにイギリスに住む高校生のジェス。サッカーが大好きで、部屋にはデーヴィッド・ベッカムやミア・ハム(アメリカの女子サッカー選手)のポスターが張られ、公園では男の子たちと一緒にスト
あなたに向けられた憎しみを微笑みへと変えてくれる『デビューボの泉』へようこそ。今回取り上げるのは、保守論壇の期待のエース、中川八洋さんです。「PHPの人名事典」によれば「極論の人」という評価もあると書かれていらっいますが、中川さんの魅力はなんといってもその筆力にあります。その独特のフレーズ回しが持つ破壊力は他を寄せ付けず、さながら過激なDisを繰り広げるライマーのよう。2003年2月号の『正論』に掲載された「両性具有への人間改造 ジェンダー・フリー教育の正体」は次のように始まります。 かつて日本の歴史で、学校における子供たちがこれほどの「精神の虐待」「人格への暴力」を教師から受けるという事態を想像しえたものがいただろうか。教師が密室の教室を悪用して、生徒の正常な人格を破壊するという、非肉体であっても、明らかな「傷害」と見なしうる暴力的行為の実行が、この日本では黙認放置されている。「ジェンダ
みなさま、こんにちは。先週はサンフランシスコでドメスティックバイオレンス関連の重要な会議があり、5日間ほど出張していました。同時にちょうど iBook の電源アダプタが壊れてしまったため当地でコンピュータを使えなかったのですが、それでもあらかじめ決めておいた通りのスケジュールで更新してくれた chiki さんに感謝。 さて、今回やや「ポップ」という表題から外れるものの取り上げようと思ったのは、先週オークランドで行われた全米女性学会の基調講演について。わたしはもともとこの総会でトランスジェンダー&フェミニズム関係の論文を発表する予定だったのだけれど、ドメスティックバイオレンス系の仕事と重なったのでキャンセルしました。が、基調講演だけは大会初日の夜7時からということで、5時にサンフランシスコの会議を抜け出してオークランドに行っても間に合うと思い、初対面となる日本人ブロガーの id:kleinb
こんにちは、みなさま。今日は筒井真樹子さんをお招きして先日行ったチャットを掲載します。筒井さんはもと男性のジェンダークィアとして主にウェブと活字で情報発信を行っておられ、『同性パートナー』(社会批評社)、『トランスジェンダリズム宣言』(社会批評社)の共著書があります。ジェンダーフリーの功罪、あるいはジェンダーフリーの救済は可能かという話題で macska と chiki を含む3人でお話してみました。 macska: こんにちは。今日は筒井真樹子(以下 makiko)さんにゲストとして参加していただいています。わたしとしては、特にジェンフリ関係ではバックラッシュ側の無茶苦茶なデマを否定したり、定義の過ちを指摘するだけでエネルギーを使い果たしてしまって、ポジティヴに何かを主張していくということができなくなってしまった気がします。そういう時に、ブログのコメント欄等で makiko さんがいろい
早速ネタが枯渇しかけているこの『ポップ×フェミ』、今回はイヴ・エンスラー作の戯曲『ヴァギナ・モノローグ』(公演上のタイトルは『ザ・ヴァギナ・モノローグス』)について。「ヴァギナのことが心配」と始まり、様々な女性がヴァギナに関する体験を語るこの演劇は、エンスラー氏が多数の女性にインタビューして綴った様々なモノローグの集大成。日本でも2004年以降何度か英語と日本語訳で公演がされている。 フェミニストによる演劇は数あれど、この作品ほどハリウッドの有名女優や女性政治家などを巻き込んだものはなかった。女性器の名前を堂々とステージの上で口にすることでタブーを破っただけでなく、女性への暴力を糾弾する内容も評価を受けた。また、収益金を女性への暴力に抵抗する団体に寄付することを条件に各地の大学がこの演劇を使用料なしで公演できるようにしたことで、単なる演劇という枠を越えたフェミニズムの実践としても大成功をお
あなたに向けられた憎しみを微笑みへと変えてくれる『デビューボの泉』へようこそ。この連載では、かつてフェミニストの発言を脱文脈的に取り上げて価値付けしたことのある人たちの文章を主に扱っていきたいと思います。さて、今回取り上げるのはジャーナリストの千葉展正というヒトです。名前自体はほとんど知られてないと思いますが、「反フェミニズムサイト」というサイトを運営しつつ、『男と女の戦争』という本を書いたり、「男女平等バカ」や「SAPIO」などのムック、雑誌などにも反フェミ系の記事を寄稿していらっしゃったりして、目に付く機会はそこそこ多いかも。 直接彼の文章を読んだことのない人でも、斎藤美奈子さんが『物は言いよう』の中で次のように指摘していたことを覚えている人は多いのでは。 土俵に上がりたいフェミニスト政治家たちにいいアイデアを提供したい。この女相撲を復活させるのだ。そして御自身たちがフンドシをつけて土
こんにちは、みなさま。今日は本書『バックラッシュ!』から、社会学者の鈴木謙介さんの論文「ジェンダーフリー・バッシングは疑似問題である」の出だしの部分を掲載します。 『暴走するインターネット』『カーニヴァル化する社会』の著書がある鈴木氏には、はじめ「インターネット上ではびこるミソジニー言説について論じてください」とお願いしたのだけれど、結論が見えきっていてショボくなりそうだからと別のトピックを提案していただきました。結果的に、とても読み応えのある論文を書いていただくことができました。 では鈴木謙介氏「ジェンダーフリー・バッシングは疑似問題である」から、出だしの部分をご覧ください。 ■「現実の虚構化」に目を奪われてはならない ジェンダーフリーは家族の絆を崩壊させる悪の思想である。左翼教師が子どもに悪影響を与える露骨な性教育をおこなっている。フェミニズムは国家転覆をたくらむ共産主義者の思想である
こんにちは、みなさま。今日はニューハンプシャー大学の教育学者バーバラ・ヒューストンさんが本書『バックラッシュ!』に寄せた「ジェンダーフリー」概念に関する短いコメントを紹介します。東京女性財団が作製したパンフレットがヒューストンさんの論文を参照しつつこの語を日本に紹介して以来、賛成派・反対派のそれぞれでこの語はたくさんの異なる意味で解釈されてきました。言葉の意味は使用されることで変化するものであり、ヒューストンさんの定義した意味だけが絶対でないのはもちろんのこと。でも一旦原点に帰って、ヒューストンさんがどういう意味でこの言葉を使っていたのか、教育はどうあるべきだと考えていたのか確認することは無駄ではないはずです。 本書『バックラッシュ!』では、以下の文章に加えて彼女と「ジェンダー・センシティブ」な教育を提唱したジェーン・マーティンさんを交えたロングインタビューも掲載されています。発売まであと
こんにちは、当ブログ運営者の一人 macska です。普段は macska dot org という「もっとひねりなさい」と言いたくなるような名前のブログでフェミニズム・障害理論・政治といったトピックで敵を作りまくっていますが、ここでは『ポップ×フェミ』というテーマでちょっと緩めの話題を提供していこうかと思います。 さて、今年フェミ業界に最も衝撃を与えたポップソングと言えば、最近来日公演も果たしたピンクの「Stupid Girls」(アルバム『I'm Not Dead』より)。日本語にすれば「バカ女」だから、「まれに見るバカ女」とか「男女平等バカ」みたいなバカバカ本(chiki さんによれば、「バカな意見をバカが書いてバカが読む本」)に対抗するのにピッタリ。 直接的には、表題の「バカ女」が指すのはブリトニー・スピアーズ、オルセン姉妹、ジェシカ・シンプソン、リンジー・ローハン、パリス・ヒルトン
みなさま、こんにちは。毎日律儀に午前0時すぐに更新しているキャンペーンブログです。本書『バックラッシュ!』にはバックラッシュをよりよく理解するためのキーワードを解説するコラムが含まれています。解説しているキーワードは、「ジェンダーフリー」「バックラッシュ」「新自由主義(ネオリベラリズム)」など10個。当ブログでは、そのうち5つを今日から毎週水曜日に紹介していきます。初回のテーマはもちろん、「セックス/ジェンダー」。 【セックス/ジェンダー】 生殖学的性別すなわち「セックス」に対置される社会的・文化的・心理的な性別のあり方を指す言葉として1950年代に「ジェンダー」という用語が採用されて以来、この語は社会科学やフェミニズムにおいてさまざまな論者によってさまざまな定義を与えられ使用されてきた。この欄でその変遷を詳しく解説することはできないが、現在使用されている用法は大きくわけて二つあると理解し
さて本日はもう1つ発表があります。日曜日に本書『バックラッシュ!』が抽選で毎週1名に当たるプレゼント企画を発表しましたが、応募は「方言でも可」と書いたところ、来るは来るは… 各地の方言だけでなく、中国語、ギャル文字、プロゴルファー猿バージョンと、あんたらそのどこが方言やねんと言いたくなるような応募もちらほら。もちろん全部超OK。楽しいトラバ、ありがとうございます。 せっかくこんなに楽しく盛り上げてくれているのに何か評価する場がないというのは悲しいと思い、こちらで相談した結果、2人が自腹を切って(この企画、双風舎は関係ないです)macska 手製のピンバッジをプレゼントすることを思いつきました。ピンバッジの内容についてはこちらでも少し紹介されていますが、今回 chiki のアイディアを元に日本の読者向けのバッジも続々作っています。例えばこんなのを… そして、盛大な反響にお応えして急遽作ったこ
こんにちわ。成城トランスカレッジの chiki です。「ジェンダーフリーとは」というまとめサイトを作った縁から、及ばずながら本書の出版に尽力させていただいております。まとめサイトや本書を作るにあたっては、当然ネット上にある資料だけでなく、膨大な紙媒体の資料にも目を通したんですが、実はそれが結構な量でして。 どれくらいの量かというと、 こんくらい(画像をクリックすると大きくなるよ)。部屋の一角を独占しています。 『正論』『諸君』などなどの、雑誌や単行本のコピーだけで1000枚近く。読んだ本は100冊近く。諭吉単位で投資してます。金返せ。せっかく収集した資料は、一部執筆者の皆様にも提供させていただいたりしています。ちなみに、正論のバックナンバーを半日かけて数年分コピーしていたら、翌日風邪で寝込んでしまいました。コピーした資料は、アメリカに住んでいる macska さんにも送ったわけなんですが、
みなさま、こんにちは。表題のとおり、このサイトと書籍の宣伝を兼ねて、これから毎週日曜日に本書『バックラッシュ!』を抽選で1名の方にプレゼントします。応募方法は、以下の通りです。 あなたのブログに「双風舎の『バックラッシュ!』が読みたい!」(方言でも可)と書いてこのキャンペーンサイト (http://d.hatena.ne.jp/Backlash/) にリンクし、トラックバックを送ってください。 応募はお一人様一度までですが、外れてもまた次の週に当選する可能性があります。つまり、早く応募すれば何度もチャンスが回ってきます!(複数回トラックバックを送る必要はありません。) 当選者は、毎週日曜日に当サイトで発表します。 当選者が既に本書をご予約あるいはご購入されていた場合は、双風舎刊のほかの本に差し替えさせていただきます。 発送は『バックラッシュ!』が発売されてからとなるのでご了承ください。 ま
みなさん、こんにちは。既にたくさんのご予約をいただき話題になっている『バックラッシュ!』ですが、「発売まで待てない!」という皆様のために、本日は『バックラッシュ!』のまえがきを全文公開させていただきます。今後も、内容をちょびっとずつ立ち読みできるようにご紹介していく予定ですのでお楽しみに。このまま話題を独占して、取るぞ流行語大賞!(ウソ) まえがき この本は、ジェンダーフリー教育や男女共同参画社会へのバッシング、いわゆるバックラッシュを「嗤」いつつ、次なる局面に進むためのサーチライトを掲げるためにつくられた。 男女共同基本計画が閣議決定されたのが二〇〇〇年一二月。男女共同参画基本計画(第二次)が閣議決定されたのが二〇〇五年一二月。その間、おもに「ジェンダーフリー教育」を標的にしたバックラッシュが一部のメディアで熱をおびた。 たとえば世界日報は、遅くとも二〇〇二年五月二〇日に「教育現場に浸透
こんにちは、みなさま。昨日掲載された前編はどうでしたか? 今日は、昨日につづいて、新著『社会運動の戸惑い:フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(山口智美・斉藤正美・荻上チキ共著、ハッシュタグ#tomadoi)の発売を記念して行われた座談会の後編を掲載します。 続きを読む こんにちは、みなさま。四年ぶりの『バックラッシュ!』キャンペーンブログ更新です。今回は、新著『社会運動の戸惑い:フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』(山口智美・斉藤正美・荻上チキ共著、ハッシュタグ#tomadoi)の発売を記念して行われた座談会を、前後編でお送りします。 続きを読む こんにちは、みなさま。お久しぶりの『バックラッシュ!』キャンペーンブログ跡地の更新です。今回は、中村美亜さんの新著『クィア・セクソロジー 性の思いこみを解きほぐす』の発売を記念して、美亜さんを囲んでお話しをしましょう、と
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