利根川
別表記:Tone River
利根川(英: Tone River)とは、関東地方を北西から南東に流れる川のこと。群馬県の大水上山(おおみなかみさん)に水源があり、いくつもの川と合流したり分かれたりしたのち、千葉県銚子市で太平洋につながる。水源から河口までは約6,700kmと国内で2番目の長さ、流域面積は約16,840㎢と国内最大の大きさを誇っている。
利根川には、上流から下流までたくさんの種類の魚や水生生物などが生息しており、現在、43種類の魚と177種類の水生生物が確認されている。代表的な魚は、イワナ、アユ、コイ、フナ、ドジョウ、ウナギなどで、中には、国内では利根川だけで自然繁殖しているソウギョやハクレンという魚もいる。
利根川の名前の由来(典拠:国土交通省ウェブサイト)は、アイヌ語で巨大な谷を意味する「トンナイ」からきている説や、水源地の周辺に多く存在する「尖った峰」すなわち「利き峰」が略されたものであるという説、水源の大水上山の別称、刀嶺岳、刀根岳、大刀嶺岳からきている説など諸説ある。
近世以前の利根川は、関東平野を南流し、現在の隅田川筋から東京湾に流下していたが、江戸時代に銚子から太平洋へと注ぐように東へと付け替えを行った。これを「利根川東遷事業」と呼ぶ。だがそれが原因となって、1927年のカスリーン台風による洪水では、利根川右岸の堤防が決壊して氾濫流が広がり、東京都内にまで及ぶ甚大な被害が発生した。
利根川からの安定した給水を行うため、新たな浄水場の建設、整備など、あらゆる状況に対応できる施設能力を確保する「既存施設機能増強」計画が、現在国土交通省によって行われている。
とね‐がわ〔‐がは〕【利根川】
利根川
利根川は、群馬県の大水上山(標高1,840m)に源を発し、幾つもの川と合流したり、分派 したりしたのち千葉県銚子市で太平洋に注ぐ我が国を代表する大河川です。幹川の流路延長は322kmあり、水源から河口までの支川を含めた流路延長は約6,700kmになります。流域は東京都、群馬県、千葉県、茨城県、栃木県、埼玉県の1都5県にまたがり、流域面積は16,840km2におよび我が国最大の河川です。 |
埼玉県北埼玉郡大利根町で渡良瀬川と合流する利根川 |
河川概要 |
| ○拡大図 |
1.利根川の歴史 |
"江戸時代以前の利根川は、現在の東京湾に注いでいましたが、たび重なる洪水から江戸を守るため、徳川家康によって流れを東に替え大平洋に注ぐようにする大治水工事を行いました。これを「利根川の東遷」と言います。" |
利根川の東遷 |
古来、利根川は大平洋ではなく、現在の東京湾に注いでいました。現在のような流れになったのは、数次に渡る瀬替えの結果で、近世初頭から行われた河川改修工事は「利根川東遷事業」と呼ばれ、徳川家康によって東京湾から銚子へと流れを替える工事が行われました。 東遷事業の目的は、江戸を利根川の水害から守り、新田開発を推進すること、舟運を開いて東北との経済交流を図ることに加えて、伊達政宗に対する防備の意味もあったと言われています。 工事は徳川家康が伊奈備前守忠次に命令し、1594年会の川締切を皮切りに、60年の歳月をかけて、1654年に完了しました。
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2.地域の中の利根川 |
"首都圏から比較的近くに位置する利根川は、貴重なオープンスペースとして、スポーツやレジャーと大勢の方に利用されています。また、利根川の水は首都圏約2,700万人の飲み水になっており、多様な自然環境や今でも残る歴史的な施設は学習の教材として幅広く活用されています。" |
地域社会とのつながり
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3.利根川の自然環境 |
"様々な動植物が生息する利根川の中で、渡良瀬遊水地は全国でも有数の低層湿原として位置付けられており、ヨシ原を基盤とする豊かで貴重な自然環境を形成しています。また、日本で唯一利根川で自生しているハクレンは毎年6月から7月頃にかけて埼玉県の栗橋付近で豪快な大ジャンプを見せてくれます。 利根川下流部、茨城県川内町付近ではのどかな放牧風景、千葉県小見川付近では広大なヨシ原が広がり野鳥の観察の場となっており利根川河川敷でも、様々な自然環境にふれあうことができます。" |
自然環境
また、明治以降食用として中国から輸入されたハクレンはその後、日本で唯一利根川で自生し、毎年6月から7月頃にかけて産卵のために霞ヶ浦付近から遡り、埼玉県の栗橋付近で豪快な大ジャンプを見せてくれます。
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4.利根川の主な災害 |
"昭和22年(1947)9月、関東・東北に大水害をもたらしたカスリーン台風により、埼玉県北埼玉郡東村新川通り地先(現大利根町)において、延長340mの破提を生じ、この新川通りの破提による氾濫水は埼玉県下のみにとどまらず、東京都足立区、葛飾区、江戸川区にまでおよび、浸水面積約440km2、当時で約70億円にも上る激甚な被害をもたらしました。" |
カスリーン台風
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5.その他 |
"昭和22年(1947)のカスリーン台風により9月16日に利根川が破堤し、未曾有の被害をもたらしました。今、同規模の洪水で破堤した場合、その被害額は最大で約33兆円になると想定されます。このカスリーン台風から758年前の9月15日は静御前が利根川の畔の栗橋町で亡くなった日とされていることから、静御前を利根川上流の治水のイメージキャラクターとして位置付けています。" |
利根川と静御前
このカスリーン台風から758年前の文治5年9月15日は静御前が源義経を慕い奥州平泉に向かう途中、利根川の畔の栗橋の地で亡くなった日とされており、今でも利根川周辺には静御前に纏わるものが多数残されています。 この様な関係から、利根川上流河川事務所では静御前を利根川上流河川事務所の治水のイメージキャラクターとして位置付け、利根川の安全を願い、治水事業を行うこととしています。 |
6.その他 |
"利根川の「トネ」の語源については様々な説があります。また、利根川は坂東(関東)で最も大きい川であり、日本の川の長男(太郎)ということで坂東太郎とも呼ばれています。" |
川名のルーツ 「トネ」の語源についてはいくつかの説があります。
なお、利根川の名称が出てくる最初の文献『万葉集』には、「刀禰(トネ)」と記されています。 また、利根川は坂東太郎とも呼ばれ、これは坂東(関東)で最も大きい川であり、日本の川の長男、つまり日本の川の代表であることを意味しています。 |
(注:この情報は2008年2月現在のものです)
利根川
利根川
利根川
利根川
姓 | 読み方 |
---|---|
利根川 | さねがわ |
利根川 | とねかわ |
利根川 | とねがわ |
利根川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/26 17:45 UTC 版)
利根川(とねがわ)は、大水上山を水源として関東地方を北から東へ流れ、太平洋に注ぐ一級河川。一級水系であり、利根川水系の本川(本流)である。河川の規模は日本最大級であり、日本三大河川の一つ。首都圏の水源として国内の経済活動上重要な役割を果たしている。「坂東太郎(ばんどうたろう。“東国にある日本一の大河”)」の異名を持つ日本三大暴れ川の一つで、江戸時代初期に行われた河川改修である利根川東遷事業により、流路を変更された歴史を持つ。
- 1 利根川とは
- 2 利根川の概要
利根川
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 15:15 UTC 版)
諸説ある中に、「椎根津彦」(とねつひこ/しいねつひこ)の子孫と称する氏族「等禰直」(とねのあたい)に由来を求めるものがある(利根川#名称参照)。
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