一色正春氏の名誉回復が行われて然るべきだ。
もう三年余りの時間が経った。尖閣諸島沖で支那の漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりして巡視船の船体を破損するという事件が発生したが、それが映像として記録されていたがにもかかわらず、公開しなかったばかりか、公務執行妨害容疑で逮捕した船長を釈放するという事態が発生した。証拠となった映像は、一部国会への提出を除き刑事訴訟法で一般には非公開とされると言う理屈で、国民に公開されなかった。現職の海上保安官が、2010年11月、動画サイトのYouTubeにに匿名で投稿して、大騒ぎとなった。衝突映像を職を賭して公開に踏み切った一色正春氏は、停職12ヶ月の懲戒処分を受けて、のちに依願退職している。
ところが、今年の2月12日に海上保安庁は、当時の衝突映像の公開に踏み切っているが、その理由は、海上保安庁は船長に対して巡視船の修繕費などを損害賠償請求をしていたが、採...算の督促にも支払いを拒否されたあげくに、時効が2月20日に来るので、時効を中断するために、民事訴訟に切り替えて那覇地方裁判所に提訴することとなったので、刑事訴訟法では非公開にしたが、民事訴訟にしたから地方裁判所での閲覧が可能になったために,映像公開に至ったという理屈である。寿限無のような話である。
ところが、支那の漁船体当たり事件に対して職を呈して、「特定秘密にも当たらない」映像をYouTubeに投稿したことで、処罰された一色元保安官の名誉回復が行われた気配はない。
当時ですら、公益上の必要があって相当と認められる場合は、いつでも公開することは、刑事訴訟法の第47条の但し書きで可能であったが、刑事事件の証拠としての映像を非公開にしたのは、法の支配をねじ曲げて単にペキンからの圧力に司法と行政が屈しただけの話では無かったのか。支那と妥協したからと言って、尖閣諸島周辺での支那の動きが沈静化することはなく、より威丈高になったのではないだろうか。むしろ、対立はエスカレートさせたのではないだろうか。
一色正春氏の映像投稿への決断はむしろ、法と正義を守る為の、公務員として誇るべき行動であったことが、この2月の映像公開によって、僅かに三年余りの時間の経過の中で、証明されたのではないのか。そうであれば、一色正春氏の名誉回復が行われて然るべきであり、それが、支那の暴力的な拡張主義に反対して日本国民の利益を守るとの決意と主張ともなるのではないか。
その昔のことであるが、北朝鮮の不審船の追跡を、時の政権の閣僚が追跡を中止して取り逃がしたときに、ロンドンのタイムス紙が、日本が海賊船をとりにがしたという見出しをつけたことを思い出した。今回の事件では、犯罪者が釈放され、英雄が処罰されている、とでも外国の新聞であれば見出しをつけるかも知れない。
« Espionage of High Technologies |
トップページ
| Market Fundamentalism and Villains »
« Espionage of High Technologies |
トップページ
| Market Fundamentalism and Villains »
忘れてはいけないことでした。
杉原千畝氏、樋口季一郎氏などの名誉回復の時間を思いました。
現場の第一線で働く人々の信念、権力中枢の人々にとっては、
思考のワク外のことに思えます。
投稿: 西本紘一 | 2014年4月29日 22時05分