当たり前の話なんだけど、なんとなく確認用に。
成熟した近代国家の国民ってコストが高いです。
って書くと人件費の話かってなりそうですが。
こそさらコスト、というと人件費にばかり話題が集中しがちなんだけど、人間のコストって会社が支払う給与ばかりじゃないですよね。
うちのブログではよく少子化対策を書いていますが、少子化が進行している原因の一つとして子育て費用の増加、というのも大きいと思います。
近代以前だと子供は7歳8歳から奉公に出されたり、農作業の手伝いに駆り出されたりして、投資対象としては現代社会よりローリスクハイリターンだったと思うのだけれども、先進諸国ではどこも児童労働には厳しい制限がかかりますし、義務教育の期間は長いし、高校くらいはいっとかないといろいろ苦労しますね。
明治時代に義務教育を導入したら、義務教育反対一揆が全国各地で起こったくらいなんで、子供を労働から切り離す、というのはそれなりにリスクがあったということでしょう。
近代国家の構成員になるにはけっこうなコストがかかります。
それから福祉
医療インフラが拡充したことで長生きできるようになったんだけど、自然のままにまかせていたら死んでいるはずの人間を生かす、ということはそれだけ余計にコストがかかります。
インフラや防災や防犯
当たり前すぎて普段はあまり意識しないことですが、社会が便利で安全あるということは国民一人あたりに投じられているコストがそれだけ高いということで。
で、それだけコストがかけられている日本人を企業が雇おうと思ったら、それなりにコストもかかる、はずであると。一般論として。
途上国の人件費が安い、というのは途上国の人たちの人生にかけられているコストがそれだけ安いからですね。
人間の生涯にかかるコストというと
生活費、出産、教育、防災、防犯、福祉、娯楽あたりかな。
これらのコストを家庭と国と自治体と企業と社会で分担しているわけですが、少子化だの不況だの過疎だのというのはここらへんのコスト配分がうまくいってないからでしょう。
どの項目を誰がどの程度の配分で分担するか、というのをトータルで考える人はもう少し増えてくれてもいいような気がします。
それは金銭だけじゃなくて、時間や空間的な部分でも。
谷崎 光
小学館
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