2006年07月 : 異常な日々の異常な雑記 QLOOKアクセス解析 アクセスランキング

ロックとオタクと思想と政経と社会について思いつきを垂れ流すブログ
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山上たつひこ「がきデカ」

[ 2006/07/31 ]
初出が1974年。
32年前のギャグマンガ。
全編にあふれるお下劣なエネルギーに圧倒される。
こんなに日常的に下ネタが頻出する少年マンガは後にも先にもこれだけだろうなあ。
ほとんど3,4コマにひとつの割合でギャグが出るのだけれど、その密度の濃さは他に類を見ない。
リアルタイムでこのマンガの洗礼を受けた人は、以降のギャグマンガはどれもぬるすぎる、と感じてしまうのではないだろうか。

今の視線で見ると、さすがに鮮度が落ちて笑えないものも多いのだけれど、それでも一冊にひとつはツボにはまるギャグが載っている。
「うる星やつら」も「ハイスクール鬼面組」も「ストップ!ひばり君」も、「行け!稲中卓球部」も、「ドクタースランプ」も、「こち亀」も、すべてがここから始まったのだということがありありと提示されている。
多分、「バカボン」以上にギャグマンガの歴史を塗り替えたと思う。

背景の緻密な書き込みもかなり目をひいた。
山上たつひこは貸本劇画出身の作家だそうだが、他のギャグマンガでは結局、この緻密な背景を取り入れた人が現れなかった。
すべてが過剰だ。
時代がそうだった、というのも大きいのだろうけど、この作品によって蕩尽されたエネルギーの量には本当に圧倒される。

こんなもんが発禁にもならずに子供達に大ヒットし、30年以上ほっとかれたにも関わらず、日本が平和ならば、表現を取り締まることにいったいどれだけの正当性があるのだろうか。


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[ 2006/07/31 ] マンガ | TB(0) | CM(-)

岩井俊二「打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?」

[ 2006/07/27 ]
もともとは連作テレビドラマシリーズの一環として製作されたものだそうだが、後に映画として編集しなおされ公開された。
SF的、というかサウンドノベル的な「もし、あそこでこうだったら」というコンセプトで、二通りの結末を用意する、という少し毛色の変わった作品。
小学校の夏休みを迎えた少年達と複雑な家庭事情を抱えた同級生の少女との夏の思い出を綴ったストーリー。

当時16才で一人だけ小学生には見えなくて他の子役から浮いているのだが、奥菜恵が異常に可愛い。
浴衣がたまらん。
ドラマは見ない人間なので、彼女がどういう作品に出ていたのかよく知らなかったけど、この映画における彼女の殺傷力は私を10回殺すに足りる。

ノスタルジーを否応なく喚起させる田舎の夏の匂いが画面を通して伝わってくるような美しい映像と音楽が素晴らしい。
やや不安定な子役の演技も、それはそれでリアリティがあるといえないこともなく、瑕の多い作品であるにも関わらず印象深いものに仕上がっている。
やっぱり岩井俊二はワン・アンド・オンリーの映像作家だ。

思春期の入り口にさしかかった男の子と女の子の微妙な距離感が甘く淡く、胸に迫る。
心が洗われるようだった。


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[ 2006/07/27 ] 映画 | TB(0) | CM(-)

岩明均「ヘウレーカ」

[ 2006/07/26 ]

この人は「寄生獣」で有名なマンガ家だけれど、「雪の峠・剣の舞」「骨の音」など、短編でも優れた作品を多数発表している。
この作品は古代地中海世界におけるローマ軍とシラクサの攻防を描いた単行本一冊の作品であるが、題材の選定といい、いたずらにブンガクしないセンスといい、非凡なものを感じた。

キャラクター造形力、人の死に方等は「寄生獣」の頃からほとんど変化がないけれど、安定したエピソードの組み立て方に魅了される。
横山光輝的な職人技を想起せずにいられない。

舌先三寸でシラクサ軍とローマ軍を翻弄するダミッポスの活躍はとても痛快。
切ないロマンスも玄妙で、さらっとした手触りであるにもかかわらず、とても印象的なものになっていた。


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[ 2006/07/26 ] マンガ | TB(0) | CM(-)
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