初出が1974年。
32年前のギャグマンガ。
全編にあふれるお下劣なエネルギーに圧倒される。
こんなに日常的に下ネタが頻出する少年マンガは後にも先にもこれだけだろうなあ。
ほとんど3,4コマにひとつの割合でギャグが出るのだけれど、その密度の濃さは他に類を見ない。
リアルタイムでこのマンガの洗礼を受けた人は、以降のギャグマンガはどれもぬるすぎる、と感じてしまうのではないだろうか。
今の視線で見ると、さすがに鮮度が落ちて笑えないものも多いのだけれど、それでも一冊にひとつはツボにはまるギャグが載っている。
「うる星やつら」も「ハイスクール鬼面組」も「ストップ!ひばり君」も、「行け!稲中卓球部」も、「ドクタースランプ」も、「こち亀」も、すべてがここから始まったのだということがありありと提示されている。
多分、「バカボン」以上にギャグマンガの歴史を塗り替えたと思う。
背景の緻密な書き込みもかなり目をひいた。
山上たつひこは貸本劇画出身の作家だそうだが、他のギャグマンガでは結局、この緻密な背景を取り入れた人が現れなかった。
すべてが過剰だ。
時代がそうだった、というのも大きいのだろうけど、この作品によって蕩尽されたエネルギーの量には本当に圧倒される。
こんなもんが発禁にもならずに子供達に大ヒットし、30年以上ほっとかれたにも関わらず、日本が平和ならば、表現を取り締まることにいったいどれだけの正当性があるのだろうか。
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