2006年03月 : 異常な日々の異常な雑記 QLOOKアクセス解析 アクセスランキング

ロックとオタクと思想と政経と社会について思いつきを垂れ流すブログ
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水木しげる「ヒットラー」

[ 2006/03/26 ]

芸術家時代、第一次大戦の従軍から二次大戦の敗戦とその死までのヒットラーの生涯を散文的に描いている。
ユダヤ人迫害のような巨大な負の側面を詳細に描かない代わりに、卓越した経済政策も描かれていないのは残念だが、20世紀でもっとも抜きん出た個性を、通俗的な印象評価に拠らず写実的に描ききった筆致は特筆もの。

自意識過剰な芸術青年として、一人の恋人として、国を憂える国士として、野心に燃える政治家として、絶頂期の覇者として、孤高の独裁者として、様々な位相のヒットラーを作者の感傷的な語りなしに淡々と描ききっている。
ダイナミズムに富んだヒットラーの生涯を手軽に、しかも予断なしに公平な視点から味わうには絶好の書と言える。
名作。


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[ 2006/03/26 ] マンガ | TB(0) | CM(-)

宮崎駿『パンダコパンダ』

[ 2006/03/23 ]

宮崎駿と高畑勲による1973年公開作品。
前年にパンダが来日し、空前のパンダブームが起きたことを受けての作品。
以前読んだ「教養としてのまんが・アニメ」で高く評価されていた、というか基礎的教養としてあげられたので見てみたのだが、本当にお勉強、という感じで、楽しんでみることはできなかった。
設定やストーリーの奇天烈さは「可愛らしい」とか「微笑ましい」で済ますこともできるのだろうけれど、ロリコンでない人間にはキツイものがあった。

ただ、演出力が素晴らしくて、稚拙きわまりないストーリーであるにも関わらず、その画面に躍動するキャラクター達は惹きつけてやまないものがある。

パンダの造形はのちのトトロに繋がるものが見られ、ジブリの歴史を語る上でははずせない作品であると思う。
でも、ストーリー至上主義な観点からは見るべきものがあまりなかったのは残念。


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[ 2006/03/23 ] アニメ | TB(0) | CM(-)

諸星大二郎「グリムのような物語 トゥルーデおばさん」

[ 2006/03/22 ]

いつの時代のどの作品を読んでも、絵柄もセンスも同じなのは楳図かずおと同様なのだが、いわゆる恐怖マンガに属する人たちというのはそういうものなのだろうか。
あまり恐怖マンガを読む人間ではないので他の人と比較することはできないけれど、ちょっとした謎だ。
諸星大二郎を恐怖マンガのジャンルにいれるのは抵抗がないでもないけれど、その周辺でよい仕事を多くしてきたのは間違いない。

グリム童話を諸星流に換骨奪胎させた連作短編集で、それぞれに彼のセンスが光っている。
恐怖とは違うけれど、あの不安感と奇妙なノスタルジーが同居している点も同じ。
特に「赤ずきん」はよくある改作されたパロディーものをさらに一ひねりさせたものでその手腕に舌を巻いた。
「Gの日記」のように諸星なじみのテーマを描いた作品でも原作の味をいかした佳作に仕上がっている。

心の空隙を絶妙につく作家性はまったく衰えておらず、この人はまだまだ一線級の作家なんだなあ、と驚かされた。


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[ 2006/03/22 ] マンガ | TB(0) | CM(-)
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