いつの時代のどの作品を読んでも、絵柄もセンスも同じなのは楳図かずおと同様なのだが、いわゆる恐怖マンガに属する人たちというのはそういうものなのだろうか。
あまり恐怖マンガを読む人間ではないので他の人と比較することはできないけれど、ちょっとした謎だ。
諸星大二郎を恐怖マンガのジャンルにいれるのは抵抗がないでもないけれど、その周辺でよい仕事を多くしてきたのは間違いない。
グリム童話を諸星流に換骨奪胎させた連作短編集で、それぞれに彼のセンスが光っている。
恐怖とは違うけれど、あの不安感と奇妙なノスタルジーが同居している点も同じ。
特に「赤ずきん」はよくある改作されたパロディーものをさらに一ひねりさせたものでその手腕に舌を巻いた。
「Gの日記」のように諸星なじみのテーマを描いた作品でも原作の味をいかした佳作に仕上がっている。
心の空隙を絶妙につく作家性はまったく衰えておらず、この人はまだまだ一線級の作家なんだなあ、と驚かされた。
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