連続ドラマを見るのは多分『木更津キャッツアイ』以来で、海外ドラマとなると、多分十年以上前にやっていた『スパイ大作戦』以来じゃなかろうか。
現実の放送時間と物語の進行が同時に進行していく、という非常に野心的なつくりの作品で、演出やストーリーはもちろん、テーマもテロと家族の絆、というきわめて現代的ですぐれた作品だと思う。
構成が異常によくできていて、本当に一部の隙もないほどに構築された流れに、息をつく間もなくとりこまれてしまった。
アメリカ人は様式美的なものをつくりだす才能を持っている人はほんとに全然いないけど、こういうアクションやサスペンスをつくる資質に恵まれている。
ゴージャスだ。
まあ、テレビドラマにこれだけの予算をかけられる環境にある、という点もすごいんだけど。
アメリカの問題意識、という意味ではテロルの問題よりも家族の絆のほうに興味がいった。
個人、家族、国家、という、吉本隆明『共同幻想論』そのままの問題意識が浮き彫りになっていて面白い。
「女こども」のむき出しになった個人主義が、旧来的な国家像家族像を破壊しつつも、新たな形を提示できていない現実をうまく切り取っている。
ステレオタイプにすぎる部分もたしかにあるんだけど、それだけに深刻という解釈もできる。
それから、アメリカの映画は馬鹿に媚びた作品は多いのかもしれないけれど、ガキに媚びた作品が少ないよなあ、ということも今さらながら気づかされた。
これにしても、ハリウッド映画の多くの作品にしても、10代の少年少女が主演を張る作品は日本ほど多くない。
アメリカの10代の少年少女の非行の過激さや市場としての規模は、日本のそれとは比べ物にならないと思うのだけれど、彼ら彼女らにスポットを当てた作品はそれほど多くない。
本来、子供の為の娯楽であったマンガが主流となり、そこからの派生作品が映画やドラマや小説に波及していった日本に固有の特殊な結果ということだろうか。
とにかく、ここ数年見たどんなハリウッド映画よりもサスペンスとして面白かったのは間違いない。
現在6シリーズ目が放送中とのことだが、どうしよっかなあ……。
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