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2024年5月 3日 (金)

道のほとりに飢え死ぬる

空き家899万戸

 総務省の調査で、住宅総数に占める空き家の割合は、13.8%で過去最高になりました。そのうち、放置空き家は、385万戸にも上ります。また、空き家のうち、共同住宅が502万3500戸で、共同住宅の16.7%が空き家になっています。長期間空き家になっているものは、使用価値も交換価値もゼロ以下になっていると考えられ、解体して更地にすれば解体費用以上で売れるというわけでもないでしょう。文字通り、負動産なのです。空き家率ランキングは、1位の和歌山から、徳島、山梨、鹿児島、高知と続きますが、結局、使えず、貸せず、売れずという物件が多い地域だということです。空き家対策特別措置法で、危険な空き家と判断されれば、自治体が指導や勧告ができるようになっていますが、問題を早めに解決するために、空き家の解体を後押しする支援策も必要だと感じます。空き家が放置されて、自治体にとって良いことは一つもありません。

 

御朱印ビジネス

 桜新町の桜神宮では、毎月、新しいデザインの御朱印が授与されるので、それを求めて、特に初日には長い列ができています。普段は、参拝者もまばらで、祈祷の数もそれほどではないと見受けますが、御朱印という鉱脈を見つけて、繁盛しているようです。外国人を含めてSNSでも評判になっています。また、お守りも可愛いデザインのものを期間限定で授与することによって、御朱印と併せて、販売実績を伸ばしているようです。こうした宗教法人のビジネスは、収益事業とみなして課税しても構わないのではないでしょうか?通常の御朱印やお守りなどと違って、あまりにも収益目的のビジネスの色彩が濃いからです。年間を通して同じものを授与している場合は、通常の宗教行為と見て良いでしょうが、期間限定での頻繁にモデルチェンジしているようなケースは、収益性が高いとみなしてよいと思います。特に桜神宮が悪いわけではなく、裏でそうしたビジネスを支えるデザインの提供者が動いているようですので、もはや純粋な宗教行為とは言えない状態に陥っているのです。税務当局も、形式にとらわれず、しっかり目を配ってほしいと思います。

 

相撲部屋

 スポーツ報知の「大相撲力士名鑑」(2024~25)によれば、現在の相撲部屋の数は、43です。関取がいない小部屋が多いと感じます。大相撲の世界は、一門というグループに分属しており、役員選挙や連合稽古などで、通常は行動を共にしますが、部屋数で見る限り、二所ノ関が15、出羽海が14で2大勢力です。他は、時津風が5、伊勢ケ浜が5、高砂が4となっています。常々、疑問に思うのは、部屋付きの年寄(親方)の数と、部屋にいる関取の数のバランスが取れていないことです。師匠+2人以上の親方を擁する部屋は、15あります。そのうち、出羽海、春日野、藤島、尾上、伊勢ノ海、大島部屋は、複数の関取が在籍していません。指導する側ばかりが多いということです。逆に、複数の関取がいるが、師匠+1人以下の親方で指導している部屋は、立浪、二所ノ関、高田川、常盤山、鳴門、片男波、荒汐です。師匠が比較的若い新設の部屋は、有望な力士が集まりやすい一方、所属する親方は少ないのです。ただ、そういう環境の方が、出る杭が打たれることなく、伸びる力がある力士は関取の地位を攫んでいるのです。大相撲の世界では、それが当たり前と思っているのでしょうが、力士の数と親方の数のバランスが悪いのは、普通のプロスポーツでは考えられないことです。普段何をしているのか分からない親方がいると感じている相撲ファンが多いのは、そういうアンバランスが原因でもあります。相撲部屋の所属力士の数にも大きな格差があります。できて間もない安治川部屋、音羽山部屋などは仕方がありませんが、錦戸部屋は3人(うち関取1人)、片男波部屋は4人(うち関取2人)、西岩・雷・朝日山部屋は6人(関取なし)、湊部屋は8人(関取なし)です。こういう部屋を、維持していく意味を見出すのは難しいと思います。斜陽の部屋には新規の入門者が少なく、入門しても早々に廃業して行きます。関取に出世する見込みが薄いと判断すれば、居心地や待遇の悪い部屋からは見切りをつけて辞めて行くからです。例えば、部屋から関取が5年以上出ていないような部屋は、整理・統合対象にするくらいに厳しさがないと、大相撲はプロスポーツとして成り立たなくなると思います。もっとも、十両に上がらないと給料ももらえない世界に、若い人たちがどれほど魅力を感じるのか、根本的に疑問があります。大相撲は、今のところ興行的には賑わっていても、持続可能性が低く、構造的問題を抱えた業種かもしれません。

 

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