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2024年5月 6日 (月)

堂の物の具を破り取る

青山剛昌さん

 NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」に登場して、創作の裏側を披露してくれました。名探偵コナンは、30年間、週刊少年サンデーの看板作品であり続け、コミックスが104巻、累計で2億7000万部発行されています。劇場版映画も27作目が上映されており、累計で観客動員数1億人を突破しています。海外にも熱心なファンが大勢います。ミステリー×ラブコメのバランス、登場する多彩なキャラクターの魅力が出色のシリーズです。一口に漫画家といっても、青山さんは、ストーリー、脚本、キャラクター、作画のすべてを一人でこなしています。編集者から作品の中で使えそうなアイデアを吸い上げてはいますが、基本的に、それをストーリーに落とし込んで、謎解きに仕立てて行くのは、青山さんだけの孤独な作業です。天井を見あげて、頭の中で、ラフスケッチを組み立てている姿は、技を極めた職人のようです。劇場版映画の人気が高いのも、青山さんに、映画監督の資質があるからでしょう。私には、寅さん映画を作り続けた山田洋次監督と重なって見えました。60歳を迎えたということで、栄養と睡眠には、これまで以上に気を配ってほしいと思います。運動不足にもなりそうなので、仕事場兼住宅にエアロバイクを設置して、特に脚を鍛えてはどうでしょうか?何よりもファンを大切にして、サービス精神が旺盛な方ですから、健康寿命を伸ばして、作品を生み続けてほしいと思います。ちなみに、私は、高校生ながら、真剣を振り回し、バイクを乗り回し、必ずガールフレンドを危険な目に遭わせる服部平次君のファンです。自分が和葉さんの親ならば、危ないから服部君からは離れるように言いますが・・・。

 

中森明菜さん活動再開

 デビューから42年だそうで、8年ぶりの活動再開は朗報ですが、きちんと年間を通じて歌が披露できるのか不安もあります。彼女の楽曲を愛する人は男女を問わず多いので、マイペースで継続してもらえば、昔からのファンは喜ぶでしょう。ねとらば調査隊が、人気曲のアンケート調査に関する最新の結果を発表しています。1位から、北ウイング、ミ・アモーレ、スローモーション、DESIRE~情熱、セカンド・ラブ、サザン・ウインド、難破船、十戒、飾りじゃないのよ涙は、TANGO NOIRと続きます。北ウイングがあった時代に、成田空港から海外へ旅したことがある古手の人達がアンケートに応えたのかもしれません。北ウイングを始め、私がベスト5だと思ったものが4つ入っていますが、TATOO(12位)だけは漏れました。年齢を重ねた歌手として、ジャズバージョンなど、新しい編曲で聴かせることを考えているようですから、セルフカバーも楽しみです。難破船などは、若いときとは違った味が出せるでしょう。シングルにならなかったものの、竹内まりやさん提供の「駅」などは、大事に歌ってほしい作品です。今度発売されたベスト盤には収録されています。ご活躍を切に祈ります。

 

北朝鮮入門

 磯崎、澤田「北朝鮮入門」(東洋経済新社)は、不思議の国を理解する上で、大いに助けとなります。興味深いと感じた点は次の通りです。第1に、最高指導者への責任集中の回避策として、金正恩の象徴化が行われています。人事に関しては、序列ナンバー2を作らず、短期間に昇格と降格を繰り返す、重要ポストを入れ替えるなどの変化が激しいのが特徴です。金正日政権以来、軍さえ裏切らなければ体制は安泰と考えているのです。第2に、30世帯程度で1人民班が構成され、密告奨励による監視システムが整備されていることです。反体制運動が起きる可能性は極めて低いわけです。外国人と接触したら政治犯とみなされて、強制収容所(北朝鮮は存在を否定)送りになります。家族にも連座制が適用されるようです。第3に、脱北者に関しては、韓国による全面受け入れとNGOによる支援で、2009年ころがピークになりましたが、中国当局による監視の強化、金正恩政権による取り締まり強化(さらにコロナ禍を踏まえた国境閉鎖)によって、現在は事実上不可能になっています。なお、コロナ禍を契機に、北朝鮮は、自力更生による経済建設へと方針転換しています。第4に、拉致問題の解決に関しては、日本側が求める無条件対話には応じる気がなく、停滞したままです。アメリカとの交渉で、経済制裁の解除を取り付けることで、中韓からの支援を得るというシナリオで外交が展開されており、日本を重要な交渉相手とみなしていないのです。背景には、日本の経済力の低下が影響しています。第5に、韓国国民の統一に関する世論は、従来から多数の「条件が整うまで待つべき」が48.0%を占めていますが、相対的に減少しており、むしろ、「現状のまま」が26.3%と増加する傾向にあります。統一を急ぐべきとするのは16.8%に過ぎません。本音としては、南北の体制間競争には勝負がついており、統一時の混乱を避けるには、北朝鮮経済の底上げが必要だと考えているのです。なお、北朝鮮の貿易相手は、今や95%以上が中国で、その依存関係が顕著になっています。

 

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