サンタクルーズは久々の雨です。ふだんは11月から1月にかけては比較的雨の多いシーズンで、毎週のように雨が降るのですが、今年は異常な渇水で、この地域のため池もほとんど干上がっているような状態です。北カリフォルニアはそれでもロッキー山脈からの地下水が完全に干上がるようなことはないので恵まれていますが、ジョージア州などの渇水は、地域によっては給水車からの配給に頼らざるを得ないレベルのようです。
さて、ミミズコンポストのその後ですが、我が家のゴミの減量にすでに大活躍しています。当初なかなかゴミを食べてくれないなあ、と心配していたのもつかの間、あっという間に繁殖して処理能力をアップしてくれています。 このミミズ君たちのすごいところは、生ゴミを食べてくれるだけではなく、ティッシュ、チラシなどの紙類、衣類乾燥機のフィルタにたまった糸くず、ダンボールなども食べてくれることです。ミミズ君は霜が降りるような寒さには弱いので、家の外でもガレージの屋根の下に設置しています。台所のゴミは、におい防止にふたの裏に活性炭のついた、ステンレスのバケツを置いて、4-5日ためては屋外に持っていく、というサイクルです。これで家のゴミは確実に三分の一程度に減りました。
あと残るゴミの問題はやはり我が家の2歳児のオムツです。保育園児なので夜と週末だけなので量は決して多くはありませんが、以前日本の保育園では布オムツだったので、やや罪悪感が薄らいでいたんですよね。使い捨てオムツや生理用品は「高分子ポリマー」という便利な吸収力のある素材を使っているわけですが、これは分解しないという難点がある。埋立地で500年にわたってそのままの形で存在し続けるというわけです。
当然環境コンシャスなアメリカには、トイレに流せる使い捨てオムツというものがあるようです。お、コンポストに入れてもいい、と書いてあります。問題はコストだ、と思い込んで今までは100枚いりのHuggiesを30ドルぐらいで買っていたのです。これを書きながらサイトを良く見てみると、このgDaiapersのリフィルは32個で$14.49です。防水性のオムツカバーが必要なようですが、これを抜かせば、コストの差は一枚あたり15セント程度。幸いオムツカバーは日本から持ってきたので、試してみる価値はあるかもしれません。
くだんの2歳児ですが、先月洗面所の踏み台を踏み外して落ちる拍子に下唇をかんで流血する、という事件がありました。見る見るうちに口から真っ赤な血があふれてくるので、あわてて車で救急病院に運んだのですが、車の中でタオルにくるんだままま抱っこしているうちに落ち着いてきて、病院についた頃にはすっかりけろっと泣き止み、血も止まっていました。
念のために医者に見せたのですが、幸い傷口も小さく、縫いもしなければ薬もなし(どうせ舐めてしまうので)で済みました。救急医療ということで窓口での請求はなし、後日家に請求が来る、と言われました。さて、その後日の請求を見てびっくり。掛かった合計金額は300ドル近く、私たちの負担金額は保険に加入しているにも関わらず120ドル。
私たちは会社を通してブルー・クロスという健康保険に加入しているのですが、その中でもいろいろなオプションがあるなかで、月々の負担が割安な分、合計の年間の医療費負担のうち、3000ドルまでは自己負担せい、というプログラムに入っています。日本のように一律3割負担、と決まっているわけでないので、請求書が来るまではいくら掛かるのかもわからない、というわかりにくいシステムです。
わたしたちのプログラムは歯科医療は含まれないので、歯医者は全部自己負担です。これがまた死ぬほど高い。歯医者をカバーする保険に入ろうと思うと、それだけで月300ドルぐらい払うことになります。夫と私の行く歯医者は、夫の家族のかかりつけだ、ということで行っているのですが、確かに虫歯の治療にはドリルを使わず、詰め物も金属を使わずに、嘘のようにきれいにしあげてくれるのですが、この前は4本直して1200ドル。日本のように銀歯でもいいじゃん、とわたしは思うのですが、夫は絶対いやだという、それは歯の見た目イコールステータスの社会に育ったからかもしれません。
私たちは幸いいまのところ健康ですが、中流家庭でもちょっと健康面で問題が生じたら、借金地獄に落ちるであろうことは想像に難くありません。世界最高の寿命を支えてきてくれた日本の医療保険システムには、問題があるとはいえ、アメリカのように民営化して良いことはほとんどない、と断言します。
トウモロコシ増産によるメキシコ湾の硝酸肥料による汚染、とか上院で可決されそうな、キャップ&トレード方式を提唱するリーバーマン=ウォーナー法案のこととか、書きたいことは山ほどあるのですが、最後にひとつだけ。
経団連の御手洗会長が環境省に対して排出権取引に反対の申し入れを行ったという記事が目に止まりました。正直言って、米国でも大企業が軒並みキャップ&トレードを受け入れる方針であるなか、アナクロだなあ、という印象をまぬかれません。
もちろん日本における温暖化ガス削減のコストが、世界一高いとされていることは間違いないのですが、各国に削減目標が課される中で、総量規制に反対し続けるというのにも無理があります。この経団連は「希望の国日本」というビジョンを1月に発表していますが、その中にも環境問題に対する積極的な取り組みはほとんど触れられていません。
わずかな環境問題への取り組みについては、42ページ目に
2030年時点での発電電力量に占める原子力比率30-40%以上という目標達成に向け、原子力が期間電源として積極的に活用されている。 という恐ろしいビジョンが語られています。
最近「温暖化を盛んに言うのは原子力推進勢力だ」という説がリベラルブログの中ではやっていますが、キャップ&トレードを導入すれば、すでに現存する技術だけでもエネルギー効率のアップなどを通して温暖化ガスの削減の現実性はぐんと高まります。現在は発電に用いられるエネルギーの3割程度しか、最終的な電力にならないそうです。キャップ&トレードを導入すれば、この効率の改善に対してもクレジットが与えられることになります。
経団連としてはそれでは電力会社が困ってしまうと考えているのでしょう。電力消費を減らすエネルギー効率のアップは困る、地域での再生可能エネルギーによる分散発電システムは電力会社の独占を阻む、というわけです。キャップ&トレードを導入せずとも原子力を導入すれば温暖化ガスは減らせるよ、といいたいのでしょう。
アメリカでももちろん似たような懸念はあったわけで、あらためてご紹介しようと思っているリーバーマン・ウォーナー法案も、電力会社の温暖化ガス排出減にクレジットを与えることでインセンティブを与よう、というのが肝になっています。大統領選でも民主党はキャップ&トレード導入、共和党はキャップ&トレードは反対(マケイン以外)、原子力導入&自主努力という風に二つの陣営に分かれています。
御手洗会長&日本の電力会社がもう少し勉強すれば、温暖化ガスの総量規制は世界的に避けられない趨勢であること、排出権取引導入には新たな持続可能ビジネスモデルの促進、金融市場の創設、雇用創出など、いろいろなメリットがあるということもわかるはずなのです。
いろいろ言いたいけれど、頭がごちゃごちゃしてきたので今日はここまで。乱文を読んでくださった少数の皆さん、本当にありがとう!
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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済
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