衝動買いの得意な夫が、オバマ就任式直前に買ってしまったのが、Tivo。 皆さんご存知ですか? ようするにテレビのHD録画&再生機のことなのですが、キーワードを入れておけば、お気に入りの話題やタレントに関する番組を、これが自動的に全部録画してくれるわけです。
そういうわけで、仕事をしている間に見られなかった、9時間分の就任式特番を、就任式、その後のパレード、2百万近いという群集の衛星からの画像、夜の10の舞踏会の様子などを、TiVoでちょくちょく見ているところです。
オバマ演説についてわたしが感じたのは、「これはけっこう重たい」というのと、「やっぱりアメリカってこういう国なのね」の二つでした。
オバマは演説上手で、選挙演説の間は、一歩間違うと「扇動者(アジテーター)」的な、盛り上げてわーっという演説で群集を喚起させていたところが、就任演説は、さすがに重々しいというか、アメリカ人としての責任を自覚させよう、という印象がありました。
「やっぱりアメリカってこういう国」というのには、奴隷による犠牲、そして母国を離れリスクをとった開拓者たちを称揚したくだりに象徴されていると思ったのですが、良くも悪くもアメリカは「リスクをとって成功を目指す」開拓者精神がもてはやされる国なのだな、ということです。
逆に言えば、生まれた土地にそのままいて、リスクをとらなくて、ふつうに一生懸命働くだけでは報われなくてもしょうがないんだよ、という国なのね、というか。
やっぱり日本とは正反対の文化なわけですよ。
就任式は85歳の黒人の牧師,ジョセフ・ロウリー師による祈りで締めくくりになりました。 最後の部分、これが思いがけず面白くて、オバマも思わず笑みを浮かべてました。 韻を踏んでいるので、まず英語で読んでみてくだされ
... help us work for that day when black will not be asked to give back, when brown can stick around, when yellow will be mellow, when the red man can get ahead, man, and when white will embrace what is right."
いつか黒人が「借金返せ」ともう言われず 浅黒いものが(白人と)共にいてもよくなり アジア人も穏やかになり アメリカ先住民たちが先頭に立つようになる、 そして白人たちが正義を実行するようになる その日を目指す私たちを助けたまえ、、(みーぽんの私訳です)
オバマが「黒人も白人もない」といった演説のわりに、黒、茶、黄、赤、白、と色分けしてるのはアナクロだ、という論調もあることはあるみたいですが、オバマがニコニコしてたのでまあいいんじゃないでしょうか。
アジア人がメローになる日がいつか来る、、ってことは、 肌の黄色いアジア人たちはいつも忙しそうでけたたましい、 ってステレオタイプがあるせいなんでしょうねえ。 テレビや映画の中の中国人や韓国人が出てくる場合は、 こうるさい早口でせかせかしている中華料理屋の主人、とかクリーニング屋、とかが多いですからね。
その後のパレードでは、当然セキュリティー上オバマ夫妻は装甲リムジンの中にいるままでしょうと思っていたら、リムジンから出て歩きながら群集に手を振る場面が2度もあったのにはびっくりしました。 いやあシークレットサービスの面々にとっては非常に緊張する瞬間だったことでしょう。
独立軍の当時の衣装の部隊があったり、オバマが卒業したプナホウ高校のマーチングバンドがあったり。夜には祝賀舞踏会がなんと10もあり、オバマ夫妻が踊るシーンも見ましたよ。
この盛大な祝賀イベントのための献金は、カリフォルニア州からが一番多かったのだとか。
お祭りはこれで終わりです。
さっそくこの2週間の間に、オバマ政権は次々ブッシュ時代を覆す政策を打ち出して、 胸がすく思いがします。
もっかの心配は、健康保険政策を担当するはずだった、ダシュル上院議員が、不正献金疑惑で議会の承認が微妙になり、結局本日(2月3日)辞退を申し出たことでしょうか。 誰がこのポストにつくことになるのか、ちょっと興味ありです。
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