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みーぽんBLOG from カリフォルニア
カリフォルニアから時事、政治、環境、日米比較などランダムに綴ります
ノルウェーテロ犯「韓国・日本は女性が従順な国」になぜむかついたか
こちらのツイートが思いがけず大量RT&メンションされたのだが、その大半の意見は「ブレイビクは日本女性は従順だと思っているようだが、そんなことはない」という趣旨のようだったので、忘れないうちに書いておこうと思う。http://twitter.com/#!/Miepong/status/96482092531200001

まず元記事の引用。

ノルウェー史上最悪のテロとなった爆弾・銃乱射事件のアンネシュ・ブレイビク容疑者(32)が、韓国や日本のように家父長制が確立されるべきだと主張したと、海外メディアが伝えた。

英日刊テレグラフは、ブレイビク容疑者が犯行の2時間40分前、「2083:欧州独立宣言」と題した宣言文をインターネットに載せ、フェミニズムに対する嫌悪感を表明し、家父長制の回復を強調したが、その代案として「日本や韓国がモデル」と主張したと24日報じた。

ブレイビク容疑者は「欧州が日本や韓国のようになるのが見たい」「韓国と日本は保守主義や民族主義に近く、両国の女性が従順だ」などと付け加えた。

これは、韓国と日本は家父長制が確立されていて、単一民族を維持し、多文化社会に排他的という見解に基づくものだ。



ブレイビク容疑者は自分の生きる現実全てを否定したくて、「キリスト教原理主義」とか「家父長制」とか「民族主義」とかのファンタジーに理想を託しているらしいが、支離滅裂である。キリスト教原理主義なら、偶像崇拝の国日本は完全アウトではないか。(韓国なら国民の3-4割はキリスト教徒だけれども。)それに見市建(@kenken31)氏が指摘するとおり、家父長制や女性の従順ならアラブ諸国の方がよっぽど厳格だ。

であるから、ここでのブレイビクのコメントは正直言うと検討する価値もない。では私はなぜむかついたのか。

私がむかつくのは、もちろん偏執的なキモオタであるブレイビクが気持ち悪い、からではなくもない。

しかしそれ以上に、「日本は保守主義や民族主義に近く、女性が従順だ」と、遠いノルウェーの極右に認識されていることが、必ずしも真実から決して遠くないからむかつくのである。

もちろん日本女性はアラブと違って選挙権もあるし、車も運転されているし、一応男女同権は法律に明記されている。大多数の既婚男性諸君は妻の尻に敷かれており、若い無職男性は女性に職を奪われている、と感じているかもしれない。

しかし、数字は嘘をつけない。世界経済フォーラムのGGG(Global Gender Gap)調査によれば、日本の男女平等度は、イスラム諸国以下の94位である。日本女性の不平等度は、世界中で明確に認識されているのである。たとえ家庭内で財布の紐を握っていようが、結局社会的に発言力がなく(国会議員はわずか1割)、経済力がなければ実質的に何の意味があるだろうか。経済力を夫に頼り自立していなければ、ひとたび離婚すればたちまち貧困層である。

「出る釘は打たれる」社会で日本女性が声を上げるのは至難のわざである。そもそも男女そろって子供の頃から、責任感やリーダーシップのせっかくある子供が手を上げれば、「あいつは目立ちたがりだ」とやっかむ社会なのだから、人間関係の空気を読むのに男性より敏感な女子が、あえて責任を取ろうとするわけがない。

大学を出て、28人中4人の総合職女子として就職した私だが、2年間の営業経験の後、女性向けの「コールセンター」指導職に異動になり、私のやる気は崩壊を起こしてしまった。結局社内でがんばって上昇する意欲もなく、会社員としてはある意味で道を外れたまま外資を転々としてしまったわけで、自分は女性の後輩に申し訳ない挫折者といってよいと思っている。

マイナスからのスタートなのだから、女性の労働市場進出や、議員の増加や、女性専門職や研究者を増やすには、社会を挙げての大きな支援が必要なのだ。あまつさえ待機児童がいるとか、就職してないと保育園にさえ入れられない(いったん辞めたら、就職活動するために預けることさえできない)状況で、「かかあ天下」とか言っている場合ではないのである。

だから、この記事を読んでむかついたツイート後に、「日本女性は従順ではない」という大量コメントを目にして、私は記事の数倍、日本人男女のこの無知というか不平等の許容にさらにめまいでクラクラしてしまったんである。







テーマ:政治・経済・時事問題 - ジャンル:政治・経済

NHK 新経営委員長が安倍首相に近い古森氏に
メディアの本丸はもうネットに移ったな、という印象。たった今、夫と私でマイク・グラベルセカンド・ライフ内の選挙本部を訪れ、キャンペーン担当者とチャットしてきました。懸案となっている「国民医療システム」については、国民皆保険ではなく「バウチャー制」を取っているとの事。日本で選挙前にこんなこと、候補者の陣営のスタッフと気軽にできるなんてありえなーい、という感じです。

さて、今朝真っ先に気になったのはこちらのニュースでした。


東京新聞:政治との距離 疑問の声 NHK新経営委員長に古森氏   


二十六日開かれたNHKの経営委員会で、新委員長に古森重隆・富士フイルムホールディングス社長が選出された。経営委員会は、NHKの予算・事業計画を最終的に承認する機関。そのトップは強い権限を持っているが、古森氏は安倍晋三首相に近いとの見方もあり、「政治との距離」の点で、放送に詳しい有識者の間からは疑問の声も出ている。 


それでちょっとこの件についてどんなブログが書かれているか見てみようと思ったら、重大な事実を発見しました。


なんと、本来、NHKの経営委員長は互選されるべきはずが、すでに1ヶ月前には政府の方針で決まっていた、ということが、Rolling Beanさんのブログ(JCJ機関誌ブログからの転載)にのっていました。


5月18日付けの全国紙は、空席になっているNHK経営委員長に政府が富士フイルムホ-ルディングス社長の古森重隆氏を起用する方針を固めたと報道しました。この報道が事実とすれば、政府は放送法に違反することを承知のうえで、NHKの最高意思決定機関の長の選任にあからさまに介入したことを意味し、私たちは激しい憤りを禁じ得ません。





視聴者を代表しての署名活動が行われたようですが、残念ですがそのことさえ知らぬままに決まってしまいました。
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無関心は暴力だ:投票率と車内強姦事件
【訂正】容疑者の名前を訂正しました。とむ丸さん、ご指摘ありがとうございます。やはり感情的になっていると、ミスが増えてしまうのですね。
こちらの事件をご存知でしょうか。
<強姦>特急内で暴行、容疑の36歳再逮捕 乗客沈黙
今日は本当は最近話題になっている投票率の低さについて書くつもりだったのです。これはある程度経済的に豊かな社会に共通したものなのかな、ほかの先進国ではどうなんだろう、調べて見たいな、と。

そんなところでこんなニュースが飛び込んできたので、わたしのふだんの原則「社会科のお勉強」のお勉強の部分をはしょった短評を載せます。
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テーマ:これでいいのか日本 - ジャンル:政治・経済

乱射事件と抗うつ剤の知られざる副作用
【お詫び】以下の記事で「チョ・ヨンヒ」と記してしまいましたが、「チョ・スンヒ」の誤りでした。訂正させていただきます。(4/24)

バージニア工科大乱射事件について、気になっていることがあります。19日付の「アクセスジャーナル」でも触れられていますが、チョ容疑者が「うつ病で治療を受けていた」上、処方薬を飲んでいたことです。

17日付のLAタイムスの記事"Gunman was both methodical and angry"によれば、犯行の当日にも同じ寮の学生がチョが「いつもの通り薬を飲んでいた」とありました。(リンクが消えていたので以下に貼ります)

It was 5:30 Monday morning and Karan Grewal was finishing a break after a long night of cramming for his classes at Virginia Tech. As he left the bathroom at Harper Hall, his dormitory mate, Cho Seung-Hui, wearing boxer shorts and a T-shirt, entered for his morning ritual of applying lotion, inserting his contact lenses and taking his medication.



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テーマ:アメリカ合衆国 - ジャンル:政治・経済

バージニア工科大乱射事件
バージニア工科大における乱射事件は、米国史上最悪のものになったそうです。

今朝CNNをつけたらこの報道で一色でした。アメリカでは昨年ペンシルバニアのアーミッシュの学校で乱射事件があったばかり。なのにCNN(正確に言うとLou Dobbs Tonight)では「学校における乱射事件はアメリカばかりで起こるわけではありません。カナダのモントリーオールでもあったし、日本でも学校における刺殺事件で8人が犠牲になり、ロシアでもチェチェンで数百人の子供が犠牲になりました。」とかいって、無茶苦茶トンチンカンなコメントがされていました。
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テーマ:アメリカ合衆国 - ジャンル:政治・経済



プロフィール

みーぽん

Author:みーぽん
複数の外資系秘書を経て英語通訳者に転身、2007年に夫の地元カリフォルニア州サンタクルーズに引っ越しました。
2年間こちらで環境金融の会社のアドミ&会計を担当した後、2009年からフリーで通訳・翻訳をしています。
TwitterのIDは@miepongです。



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