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みーぽんBLOG from カリフォルニア
カリフォルニアから時事、政治、環境、日米比較などランダムに綴ります
美智子皇后の報道から
まさか自分が「皇室」について書くことになるとは思っていなかったのですが、美智子皇后が腸内出血との報道で、さすがにお気の毒になって皇室について思い巡らしてみました。

テレビはさかんに「多忙な公務」が理由だと吹き込もうとしていますが、「精神的な疲労」であるならば、忙しさによる疲労より、明らかに例のオーストラリアジャーナリストによる"Princess Masako"をめぐる一連の報道についてではないかと思われます。

私自身の皇室観は今まで「あってもなくてもいい、と言えるような日本の皇室で良かった」でしょうか。だからあまり考えてきたことはなかったのです。
民間から嫁いでこられた美智子皇后と雅子妃の二人とも精神的な苦痛で悩んでおられること、これを見ては「皇室に無関心」と言ってはいられないと思いはじめました。

皇室が海外の王室と比較できないような、色々な特殊性があることについては、専門家が山ほどいるでしょうから、私が言うまでもありません。

ただ、シロウトの私でもわかるのは、日本人の精神性にとって、事実上の権力(藤原家、徳川家、今は民主主義の3権でしょうか)と、祭祀を司る精神上の権威を2つにわかれていることがうまくなじんでいるようだということです。

戦闘の勝利者が王位につく、という他国との伝統の違いは、(古代と後醍醐天皇のような例外を除いて)私が「自分は共和主義者だ」と言い切ることができない理由です。平和を体現する天皇を担ぐ側に正当性が与えられるというのは悪くないじゃあないですか。明治天皇以来の、「軍服を着て馬に乗っている」天皇の姿は、一時的なものでよかったな、ということです。

では「民主主義の日本の象徴」であるはずの日本の天皇にとって、宮内庁側ではやっぱり「宮中のしきたりを昔どおり行うことが一番大事」と思っているとしたら?宮中の行事に「生理中かどうか」で出席できるかどうかが決まるのでいちいち聞かれるとしたら?皇室外交にやりがいを感じていても、「男子を産む」ことができなければ評価されないとしたら?

憶測にしか過ぎませんが、美智子妃が悩んでおられるのは、自分と同じ立場にいる雅子妃を気遣ってではないかと思うのです。はっきりいって、この悩みを理解することができるのは美智子皇后と雅子妃の二人しかいないのです。

神社の神職は、戦後女性も従事することができるようになったと聞きます。では天皇の執り行う祭儀をはじめ、もろもろのしきたりについてはどうなのでしょうか?

多くの方が、憲法改正論議の中で、「天皇家のひとびとこそ、人権を与えられていない気の毒な存在だ」と言われるのを耳にします。

もし、「宮中のしきたり」を変えず、かつ今後も天皇家のひとびとにも幸せな人生を送っていただこう、と真剣に考えたら、ある程度「宮家」の範囲を広げて、その中で育った人からお嫁さんを選んでもらったほうがいいんじゃないか、と言う感じがします。

逆に「国民と共に歩む皇室」を本当にアピールしたいのであれば、やはり「宮中のしきたり」のほうが変わらない限り、国民、というか民間から嫁ぐ女性とのギャップも埋まらないでしょう。

「女性天皇」が問題になったときはあまり気にしていませんでしたが、今深く考えると、長い長い過去から積み上げた伝統を誰が変えることができるのか、「男系継承」にこだわっているのを見るだけでも、「宮中のしきたり」を変えることだって難しいんだろうということは想像がつきます。

たぶん、世界中でしきたりを変えるのがもっとも難しい二つの制度は、「ローマ法王」と「皇室」なんじゃあないかな。歴史も同じくらいだし。そんなことを考えずに垂れ流される雅子妃への批判、そして皇室批判本への批判、、、。美智子妃が苦しまれるのももっともだと思わざるを得ません。


テーマ:皇室が心配 - ジャンル:政治・経済

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プロフィール

みーぽん

Author:みーぽん
複数の外資系秘書を経て英語通訳者に転身、2007年に夫の地元カリフォルニア州サンタクルーズに引っ越しました。
2年間こちらで環境金融の会社のアドミ&会計を担当した後、2009年からフリーで通訳・翻訳をしています。
TwitterのIDは@miepongです。



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