私は逆な印象を持っています。 こんにちは。ハイブリッド汽車に興味を持つような人間なのに、と意外に感じられますでしょうけど、コメントをば。
田中サンのとっている態度で一つだけ間違いないことがあります。 「今回のIPCCの報告書では内容が不完全すぎるから、5月の正式報告を見るまでは、根拠薄弱と言われても仕方がない」
私自身はリンク先に書いているような理由で、CO2自体の温室効果には否定的(少なくともオーバーに言い過ぎ)という立場なのですが、 その立場を離れても、今回のIPCCの発表では、「説明する気があるのか?」と思ってしまうほど両者の因果関係の説明を省略して、そのくせ関係有りと断言しているのだから、「不誠実」といいたくなります。 ……これでは、「背後の政治的圧力」を勘ぐられても仕方がない、と思うのです。
すべては5月にわかることではあるのですが……。
むしろ本質は、訳のわからない用途での資源の浪費(ライトアップとか、レジ袋とか、日本国内で飛行機を使っていることとか)による資源枯渇や燃焼後に出るNOx->酸性雨にあるのでは? その化石燃料の過剰な使用にブレーキを掛ける指標としては、CO2排出量は役立つでしょうけれども。
また、この問題、 >経済学者と科学者 の対立と見るのは、どうも違う気がするのです。科学者でも、物性物理学(特に理論系)や化学をやった人には、温室効果に懐疑的な人がかなりいます。というのは、彼等が知っている「分子としてのCO2の性質」と、温室効果を見積もるときに使われる「CO2の物性パラメータ」とがかなりかけ離れているからです。 一方、CO2排出削減対策が産業になってきたここ5年ほどは、少なからぬ経済学者・経営学者が積極的になっていて、当の気象学者が「まだ断言はできないのに……」と呼び腰になっていたのをきっつく批判していたというのも、一面事実ですよね。
それから、ロンボルグって方、失礼な言い方をしてしまいますが、懐疑派の中でも余り知られていない人です(苦笑)。懐疑派の人間として、「こういう騒ぎ方は困るんだよな(いらん先入観を与えてしまうやん)~」と、苦笑いが止りません。
【2007/03/09 01:57】
URL | デルタ #JnoDGgPo [ 編集]
デルタ様 コメントありがとうございます。わたしも「5月の正式な報告書がでるまでは」に関しては全面的に賛成です。デルタさんのように、科学の専門家の人にコメントしていただけるのは光栄です。
私自身も最近になって経済界のほうがやたら積極的になっていることを憂慮しています。その「ねじれ」のひとつは、「バイオエタノール」のために、まだ排出規制が課されない途上国の熱帯雨林が伐採される、という本末転倒でしょうか。
お恥ずかしながら、科学の知識がない私には分子としてのCO2の性質」と、温室効果を見積もるときに使われる「CO2の物性パラメータ」 とおっしゃっていることも意味がわからないぐらいのレベルなんです。つまりこのエントリでは、「温暖化が科学的に証明されたぞ」といいたかったんじゃなくて、「温暖化について総意が形成されつつあるんじゃない?」と言いたかったんです。
「資源の枯渇」は「使う側(主に先進国)」にしか影響を与えないが、「気候の変化」は使わない人(主に途上国)にも、資源が枯渇し終わった将来の世代にも影響を与えること、生態系、植生->農漁業への影響など、もっとボラティリティリスクがあるということではないでしょうか。資源の浪費が悪いことやNOXの有害性については、まだ合意形成中の温暖化と違って、一応もう合意があるといってもいいと思います。
ロンボルグについてはおっしゃるとおり経済界では寵児としてもてはやされた感がありますが、科学者ではありませんから科学界ではあまり相手にされていないのでしょう。やたら「環境懐疑」で物議をかもすよりは、専門の「費用便益分析」をいかして、開発援助金の使われ方の研究とかを静かにやっていただきたいなと思っています。
【2007/03/09 10:04】
URL | みーぽん #- [ 編集]
環境省の報告書の水面上昇に関するデータですが、どうもIPCCのものと違うようです。 といっても、私が調べたわけではないのですが、先々週の「たかじんの言って委員会」に出演 していた武田邦彦氏が言っていたのを聞いただけなのですが。 なんでも、IPCCの報告書と環境省の報告書にかなりのずれがあるのを指摘したところ「翻訳ミス」との回答があったとか。
【2007/04/03 09:54】
URL | winter_mute #mQop/nM. [ 編集]
【2007/04/05 11:32】
URL | みーぽん #- [ 編集]
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