哀しみキメラⅣ(4)
あらすじ
かつての仲間は言った。 「会えば、君は俺を殺すよ」
二人きりになってしまった矢代純と早瀬綾佳のもとに、京都で不穏な動きがあるという知らせが届く。そこには、以前純たちをつけ狙った男の気配もあった。迷いながらも京都行きを決めた純と綾佳の前に、決別した仲間の影がちらつく。不安定な体を抱えながらも、自分にできることはしたいと望む純。その純の思うようにしてやりたいと願い、自分の体に起き始めた不調を隠して動く綾佳。そして、変わってしまった水藤深矢。行き止まりに入り込んだキメラたちの行き着く場所は──。
第12回 電撃小説大賞<金賞>受賞作シリーズ、感動の完結編!
レビュー
4人のキメラの絆は最期の時まで・・・。
第12回の電撃大賞受賞シリーズの堂々の完結編。
第12回というと「狼と香辛料」がブレイクした年。
この年の受賞作できちんと完結したのはこの作品のみ。
(レビュー掲載時時点。狼と香辛料は未だ続編が出続けている。)
400P超の分厚い一冊だったが、量の多さは苦にならず。
キメラ達の哀しい運命、それぞれの心情の表現が相変わらず上手い。
一巻から見たら目を見張る程に全てが良くなっている。
(イラストは一巻の方が良かったと思うが。。。)
最終巻を読んで印象に残ったのは、キメラ達4人の絆の深さ。
十文字は早々に舞台から降りてしまっているが、
それでも残り3人の彼への想いは薄れてしまったわけではなく。
1つの霊的モノを4人で分け合い、同じ運命をたどることになった彼ら。
仲間と呼ぶには軽く、かといって家族とも違い・・・。
4人で一つ。
そんな彼らのお互いに対する想いの集大成もこの巻には込められている。
憎んでいるようで、その実お互いのことを誰よりも想っていた。
そんな彼らの最期の時を読んで貰いたい。
正真正銘哀しい物語だった。
けれど感動した。
完結までブレずにきちんと纏めてくれたことに感謝。
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