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ラノベドランカー

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アカイロ/ロマンス6 舞いて散れ、宵の枯葉

2010-05-15

アカイロ/ロマンス6
電撃文庫
著作名:アカイロ/ロマンス6 舞いて散れ、宵の枯葉

著者名:藤原祐(ふじわら ゆう)
イラストレーター:椋本夏夜(くらもと かや)
発行日:2009/12/10


あらすじ
鮮血と恋慕が紡ぎだす幻想奇譚(ロマンス)──ここに終幕。

そして、すべての真実は明らかになった。
運命の糸は血を滴らせながら喉元に絡みつき、景介を奈落へと引きずり込む。一族殺しの宝刀『つうれん』は今や、忌まわしい恋を叶えるための刃となり、棗や型羽、檻江たちの生命を狙っている。
反抗か、死か。二者択一の中、最後の戦いは静かに幕を開けようとしていた。秋津依紗子に心を縛られた景介と、木春により絶望を与えられた枯葉。ふたりが選ぶのは、永遠の断絶か、それとも再起か──。
人気シリーズ、堂々の完結編!

レビュー
感動した。このロマンスは本物だ。

まさに「堂々の完結編」。
鈴鹿の一族を巡る鮮血のロマンスは、多くの不幸と悲しみをその内に飲み込みながらも美しく咲いた。

ここまでハマるとは全く思っていなかった。
薄まったとはいえ藤原作品独特のクセは健在なので、誰にでも諸手を挙げて推薦はしずらい。
しかしこの最終巻の破壊力は素晴らしかった。見事な締めくくりだった。

「世界を歪めているのは、愛だ」
この台詞は最終巻でも象徴的な意味があった。愛ゆえに歪み、愛ゆえに狂い、愛ゆえに求め・・・。
愛ゆえに引き返すこともできず、愛ゆえに滅ぶ。

多くの鈴鹿が死んだ。その死に方に意味があったのか、正直わからないものもいた。
だが、多くは愛のために死んでいったように思える。
結局のところ鈴鹿は、凄絶な「愛」に多くの同胞を喰われたのかもしれない。
壮絶なアカイロ(鮮血)/ロマンス(恋慕奇譚)だった。

涙腺が緩んでしまうシーンもいくもあり、大変満足。
のちに短編集が出る気がする。そこで後日譚が語られたらより嬉しいが、これはこれで終わらせておく方が美しいとも思える。

色々書いてみたが、このシリーズはオススメしたい。
興味が沸いた方は是非。


評価
★★★★★
(5)

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