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車のスピードメーターの上限

車のメーター、なぜ上限が「時速180キロ」? 輸入車は「250キロ以上」も普通なのに! 知られざる「メーターと速度制限」の関係とは
https://kuruma-news.jp/post/829586

アナログ式のスピードメーターを持つ国産車は、普通車は180キロ、軽自動車では140キロが上限の表示となっています。
最近のクルマは性能が向上し、それ以上のスピードを出すことも可能なようですが、メーターの上限表示が変わらないのには、なにか理由があるのでしょうか。

最近の国産車はエンジン出力だけでなく、ボディ剛性や足回りなどの全体的な走行性能が向上し、欧州などの世界各国でも非常に高く評価されるようになりました。
特に自動車大国のドイツでは最高速度無制限区間がある高速道路「アウトバーン」があったり、その他の国や地域でも日本の道路交通法以上にスピードが出せるところもあります。そうした国でも必要十分な性能を出せるようになっており、それに合わせて国内モデルでもスピードメーターの表示を180キロ以上にしても良いと思うかもしれません。
しかし、そうしないのには理由があるようです。日本自動車工業会(自工会)の担当者は以下のように説明します。
「昭和50年代から60年代に、スピードリミッターに関する議論がなされているため、180キロ表示が始まったのはその頃かと思います。180キロの規制は自工会による規制ではなく、あくまでも各社の判断による制限なのです。
議論を行った当時(昭和50年代から60年代)の規格に基づいたものにはなりますが、高速道路で6%の最大勾配を走行した場合を、平坦での走行に換算すると、180キロになるためです」

つまり、スピードメーター最高値の変更がないのは、昭和50年代から60年代に始まった表示がベースということです。
日本の道路での法定速度は、基本的に一般道で60キロ、高速道路では100キロ(一部120キロ区間あり)以下での走行が定められていますが、そもそも、このルーツも昭和にさかのぼるわけです。
一方で、輸入車の速度メーター表示が200キロ以上なのは、先述の通り高速道路の法定速度が日本よりも速いためです。欧州車の多くは、当初からアウトバーンの走行を想定してつくられているため、かねてより200キロ以上のメーターが備わるのです。
同様にクルマ社会のアメリカでは、州単位で速度制限がそれぞれ違うものの、最も速いところでは時速136キロ(85マイル)です。
このように、クルマはその国の速度制限に応じたメーターが備わるため、国産車は180キロまで、輸入車では200キロ以上になっています。

実は、スピードメーターの最高値が180キロ以上のクルマは、国産車でもいくつかあります。
例えばレクサスのほとんどのモデルは260キロ、スズキ「スイフトスポーツ」も260キロ、マツダ「ロードスター」は200キロです。
当初は北米や欧州の高級ブランドとして展開していたレクサスなど、海外への輸出が前提とされているクルマは、製造時から輸出を見据えてフル表示(フルスケール)の200キロ以上のメーターを装備するメーカーもあります。
国内向けモデル・輸出向けモデルとメーターを何種類も作る必要がなく、製造ラインでの作業工数も減りコストカットができるためです。
さらに、輸出向けを想定しているということは、外国車と対等にあるという意味で「高性能車」の証だったといっても過言ではなく、オーナーの所有欲を満たすものとなっていたことも事実です。
こうしたことから、カスタムパーツメーカーなどから輸出モデル用のフルスケールメーターが販売されていたりしたこともありました。
ところが近年、電動化や低燃費といった環境負荷低減に加え、安全性能の向上が喫緊の課題となっています。
自動車大国であるドイツは環境先進国でもあり、気候変動を考慮して脱炭素化による速度制限の見直しの動きもあるようです。
さらに、クルマの安全性が世界トップクラスといわれるスウェーデンのボルボは、2020年5月に、2020年以降のすべてのボルボ車の最高速度を180キロに制限すると明かしています。
今後、クルマの速度制限に関する動きはどのようになっていくのか、注目したいところです。』

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動物との衝突44

高速道で突然イノシシが目の前に 野生動物と車の事故を避けるために
https://www.asahi.com/articles/ASSDW3JQWSDWPXLB008M.html

『和歌山市の阪和自動車道で(12月)23日夜、路上に倒れていたイノシシと乗用車が衝突する事故が起きた。車ははずみで道路の側壁にぶつかり、全焼した。高速道路への野生動物の出没は多いという。
県警高速隊などによると、23日午後8時50分ごろ、和歌山市の和歌山南スマートインターチェンジの南約1㌔の上り線で、御坊市の男性(24)の車が追い越し車線を走行中に体長約150センチのイノシシと衝突した。衝突したはずみで車は走行車線側の側壁に衝突後、滑走して中央分離帯のガードレールにも衝突して炎上し、全焼した。イノシシは事故前に複数台の車とぶつかり、路面に倒れていたという。男性にけがはなかった。
その後、道路を横向きでふさぐ形になって停止した車に湯浅町の男性(71)が運転する乗用車が衝突。この男性は胸を打つ軽傷を負った。男性は取材に「突然黒い物体(車体)が現れ、ブレーキが間に合わなかった。高速道路に限らず安全運転に気を付けないといけないと思った」と話した。

西日本高速道路(NEXCO西日本)関西支社によると、野生動物が交通事故に遭う「ロードキル」は2023年度、関西2府4県の管内で約3500件発生した。担当者は「特に夜間や山間部を走行される際は前方に注意して運転し、動物を見かけた時には、非常電話や道路緊急ダイヤル(#9910)に通報してほしい」としている。
日本自動車連盟(JAF)は、野生動物が出没する危険が高い道路に設置される警戒標識に注意して運転し、遭遇しても急ハンドルは避けることなど注意点をサイトに掲載している。
和歌山市によると、イノシシの捕獲頭数は今年度に入って急増。昨年度は年間636頭だったが、今年度は11月末時点で1059頭。近年は豚熱の影響で減っていたが、過去最多だった20年度の1220頭に迫る。』

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日本の鉄道の存続の危機

いま「日本の鉄道」が存続の危機に瀕している…! ついに講演会のタイトルにもなった「危機回避のためのキーワード」 - 川辺 謙一
https://gendai.media/articles/-/139911

日本の鉄道が存続の危機に瀕している。これから総人口や生産年齢人口(15歳~64歳)が急速に減少すれば、鉄道の利用者数が減るだけでなく、鉄道を支える人材の確保が難しくなる。そうなれば、現存する鉄道の維持が困難になるのは必至だ。
そのため、先日都内では、この危機を回避する技術の講演会が行われた。本稿では、その概要や、紹介された技術を紹介する。

冒頭で紹介した講演会は、公益財団法人鉄道総合技術研究所(以下、鉄道総研)が主催する「鉄道総研講演会」であり、本年(2024年)10月18日に有楽町朝日ホールで行われた。鉄道総研は、設立の2年後の1988年から毎年(コロナ禍の2019年を除く)「鉄道総研講演会」を開催しており、今回がその第37回目となる。
今回の講演会のタイトルは「鉄道の持続的発展を目指して―省人化と自動運転―」。ここで言う「省人化」は、鉄道を支える人員を減らすことを指す。「鉄道総研講演会」のタイトルで使われたのは、今回が初めてである。
今回のタイトルは異色だ。過去の「鉄道総研講演会」では、「高速化」「エネルギー効率向上」「未来を創る」「革新的」といったポジティブで前向きな言葉がタイトルに使われていた。いっぽう今回は、「省人化や自動運転を実現しないと、鉄道の持続的発展は難しい」という鉄道関係者たちの危機感をダイレクトに表現したものと言える。
それゆえ筆者は、ある鉄道関係者から今回の講演会の聴講を勧められた。日本の鉄道技術の方向性が大きく変わる転換点となる機会だったからだ。

会場に行くと、多くの聴講者が集まっていた。申し込み人数は470人(閉会時発表)。筆者は会場を見渡し、聴講者の9割以上が50代以上の男性だと感じた。鉄道関係の管理職クラスの人物が集まった印象だ。
鉄道の省人化というと、列車の自動運転を思い浮かべる人が多いだろう。「ゆりかもめ」などの多くの新交通システムのように、乗務員(運転士や車掌)が乗務しない無人運転が多くの鉄道で実現すれば、鉄道現場で働く人を減らせると考えられるからだ。
その点日本は、鉄道をふくむ軌道系交通機関の自動運転においては世界のパイオニアだった。講演会の冒頭で特別講演をした東京大学の古関隆章教授によると、自動運転による無人運転は、1970年の大阪万博の会場内輸送用のモノレールで実施され、1981年に開業した神戸の営業路線「ポートライナー」で世界で初めて実用化された。
ところが現在は、日本は無人運転の実施において出遅れてしまった。
今では列車の無人運転を行っている鉄道路線が、海外の先進国や新興国に多数存在する。
たとえばフランスの首都であるパリのメトロ(地下鉄)では、1号線と14号線で無人運転を実施している。いっぽう日本では、無人運転を新交通システムの一部で実施しているものの、地下鉄での実施例はゼロだ。
この背景には、日本の特殊性がある。日本の社会では、鉄道の安全性に対する要求が高く、鉄道が重い社会的責任を担っている。それゆえ、たとえ海外で実績があっても、その考え方が国内ではなじまず、鉄道の無人運転を社会実装するのが難しいのだ。
しかし、近年日本の鉄道では、運転士が乗務しないドライバレス化の必要性が確実に高まっている。それは運転士の確保が難しいだけでなく、その養成に時間を要するからだ。日本で鉄道の運転士になるには、養成施設で8~9ヶ月間講習を受け、動力車操縦者運転免許試験に合格する必要がある。
このため鉄道総研は、ドライバレス化を実現する技術として、「GOA2.5」による自動運転システムを開発に取り組んできた。「GOA2.5」は、自動運転の国際規格とは異なる日本独自の規格で、「添乗員付き自動運転」とも呼ばれる。列車の先頭部には、運転士の代わりに動力車操縦者運転免許を持たない係員を乗務させる。
「GOA2.5」の大きなメリットは、設備投資が難しい地方路線でも自動運転を実現できる点にある。運転保安装置などの既存の設備をそのまま活かすことができるからだ。
JR九州は、本年(2024年)3月から香椎線の営業列車に「GOA2.5」を本格導入した。現時点では、複数の鉄道事業者が「GOA2.5」の実証実験をすると発表している。

講演会の一般講演では、鉄道総研の各研究部長から、省人化を実現する技術が紹介された。その内容は車両よりも、電気設備や軌道、構造物といったインフラの話が多かった。鉄道では、線路という長大な設備が大部分を占めており、その維持・管理に多くの人員を割いているので、それは当然のことであろう。
従来のインフラの点検は、人の力に頼る部分が大きかった。専門性の高い技能と知識を持った作業員が定期的に線路を歩いて、目視や手作業で設備の異状を見つけていた。それゆえ、作業員の経験や勘に頼る部分も大きかった。
現在は、このような作業員を確保することが難しくなっている。それは生産年齢人口の減少だけでなく、作業員に求められる技能や知識が高度で、技術継承が難しくなっていることが関係している。
このため近年は、インフラ点検の「車上化」が着々と進められている。
ここで言う「車上化」とは、インフラ点検を行う装置を車両に搭載することを指す。たとえば本年(2024年)6月に引退が発表された「ドクターイエロー」は、インフラ点検の「車上化」を実現した車両であり、東海道・山陽新幹線を走りながら線路の各種設備の「健康診断」を行っている。収集されたデータは、深夜に行われる精密検査や補修に生かされている。
現在は、インフラ点検でAI(人工知能)の導入が進められている。AIの発達によって、膨大な数の画像データの解析が可能になったからだ。
鉄道におけるAIの導入は、すでに世界的な潮流になっている。筆者は先月(2024年9月)、<じつは危機に瀕している「日本の鉄道」の救世主となるか…世界でトレンドになっている「鉄道業界のAI活用」の現状>と題して、ドイツで開催された「イノトランス(InnoTrans=国際鉄道技術専門見本市)」で「AIモビリティラボ」という展示が初めて設置されたことや、日本の日立製作所がAIを活用した新技術を発表したことを紹介した。
いっぽう鉄道総研も、AIの活用に取り組んでいる。その例としては、車両に取り付けたカメラでレールやまくらぎなどを撮影し、得られた画像から異状を検知するシステムの開発や、異状を検知するセンシング技術の開発、そしてツールの共通化やデータ連携の基盤となる技術(プラットフォーム)の開発などがある。
ただし、これらの技術の完成度を高めるには、技術基準等の安全性や信頼性を担保するための科学的根拠の提供や、AIが学習するための膨大なデータの蓄積が必要になる。技術基準等の整備には国(国土交通省)、データの蓄積には鉄道事業者との連携を要する。
その点鉄道総研は、中立的な第三者機関なので、国や鉄道事業者と連携しながら技術の構築を支援できる。また、多くの鉄道事業者を結びつけ、組織の枠を超えた連携を図り、技術やデータベースを共通化して社会で活用できるしくみをつくるうえでも、鉄道総研が果たす役割は大きい。
このため、講演会の最後に行われた「提言」では、鉄道総研が各鉄道事業者をつなげる「接着剤」としての役割を果たし、日本の鉄道全体の発展に貢献したいという意思が示された。

冒頭で述べたように、日本の鉄道は存続の危機に瀕している。今後進む人口減少のスピードを考えると、鉄道の省人化と自動運転の導入を早急に実現する必要がある。
そこで必要になるのが、先ほどの連携だ。鉄道総研が中心になって各鉄道事業者が協力し合って新たな技術革新をもたらし、目前に迫る危機を回避する。それがまさに今、日本の鉄道に求められているのだ。』

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珍名駅

新設「豊岡だるま駅」が誕生!群馬県にゴロゴロあった「まさかの珍名駅」
https://www.asagei.com/excerpt/329429

JR東日本は、信越本線の北高崎駅と群馬八幡駅の間に設置を計画している新駅の名称を発表した。なんと「豊岡だるま駅」だ。
高崎市が「豊岡だるま駅」「高崎豊岡駅」「高崎経済大学前駅」でアンケートを行い、1位になったのが豊岡だるま駅。それを踏まえての決定となった。高崎市を代表する工芸品を名称にすることで愛着を持ってもらい、高崎市の魅力を発信する意図がある。
実は群馬県にはほかにも「珍名駅」がいくつもあるという。
高崎と下仁田を結ぶ上信電鉄にある駅が「南蛇井駅」。読み方は「なんじゃい」で、まるで怒っているかのような駅名だ。群馬県富岡市南蛇井にあることから、この駅名になった。ではなぜ南蛇井なのかにはいくつかの説があり、はっきりとはわかっていない。
上信電鉄には他にも「佐野のわたし駅」や「根小屋駅(ねごや)」などユニークな名前の駅がある。
前橋と桐生の間を走る上毛電鉄にある珍名駅は「心臓血管センター駅」。なんともおどろおどろしいが、由来は駅前に「群馬県立心臓血管センター」があるから。以前、病院名が「循環器病センター」だった頃は駅名も「循環器病センター駅」だったが、病院名が変わると同時に駅名も変更された。乗降する人のほとんどが、病院の利用者となっている。
上毛電鉄には「富士山下駅(ふじやました)」もある。特にユニークな名前ではないと思うかもしれないが、富士山の登山口となる駅ではないと知れば、奇妙に思えてくる。富士山を登ろうとした外国人観光客が、間違えて降りたこともあるとか。駅名の由来は、駅の近くに富士山(ふじやま)があるから。もちろん、日本を代表する富士山でははなく、標高163メートルの低い山だ。
豊岡だるま駅が開業したら、これら群馬の珍名駅めぐりをするのも面白そうだ。』

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なぜ飛行機は定刻通り飛ばないのか

なぜ飛行機は定刻通り飛ばないのか――根深い空港の「特殊事情」、航空会社の「甘え」も?
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/82888

『飛行機に遅れはつきもの――。誰もがそう思い込んでいる最近だが、これは空の便を選ぶことで“時間を買っている”利用者が甘んじて受け入れるべきことなのか。恒常的な遅延の背景には、我が国の主要空港が抱える「特殊事情」に加え、航空会社が定時性を重視しなくなった「甘え」があるのではないか。日本航空での勤務経験を持つ、桜美林大学航空マネジメント学群教授の戸崎肇氏が問題点を指摘する。

羽田空港は世界的に見ても超混雑空港であるといっていいだろう。都心に近く、利便性は高い。アクセスも、モノレールや京急など公共交通機関が充実しているし、リムジンバスの路線も豊富だ。今後も、モノレールの都心部へのさらなる延伸など、アクセスの改善は継続して図られていくことになっている。
その利用者の多さゆえに、羽田空港には滑走路が4本もあるのに、早朝などラッシュアワーには航空機の混雑が激しく、離陸までにかかる時間が長くなりやすい問題がある。東京―大阪のような短い路線だと、搭乗している時間より、離陸するまでの時間の方が長いこともあるくらいだ。
こうして到着機の遅れが生じることで、次便の遅延発生率が高まるという悪循環に陥る。現在では、5分から10分程度の遅れは当たり前のこととしなければならないし、利用者もむしろ10分程度で済むのならば幸運であると捉えるような事態となっている。あるいは、パイロットに「できる限り遅延をなくそう」という焦りが生じることは、今年相次いでいる航空機事故やトラブルとも無縁ではないだろう。
問題なのは、このような空港の事情による飛行機の遅延が、全国的に多発していることだ。
確かに、時間に鷹揚な国々が世界では一般的であり、鉄道同様、数分から数十分程度の遅れに敏感に反応する利用者、ならびに航空会社に違和感を覚える人の方がおかしいのかもしれない。
しかし、こうした時間へのこだわりこそが、日本のサービスが高く評価されてきた1つの大きな要因となってきたのだ。
なぜ日本の航空会社の定時性は劣化してきたのか。その原因を日本の空港事情、そして航空会社自身のスタンスの問題として以下検証していく。

羽田空港は、国際線、国内線いずれにおいても、現在、日本の中心空港である。成田空港の存在もあるが、2010年10月に羽田空港が再国際化したことにより、国際線の主力も利便性の高い羽田空港に移行していったことは否定できない。その結果、羽田空港はその混雑度を極限まで増すことになり、それが遅延の増加にもつながっている。
しかし、なぜ羽田空港はこのような問題を10年以上も解決できないままなのだろうか。それは米空軍・横田基地の存在があるからだ。
羽田空港の周辺の空域は、隣接する横田基地の空域(横田空域)、そして成田空港の空域とも隣接していて、自由な飛行ルートが設定しにくい事情がある。特に横田空域の存在は問題で、その領域には日本の航空機は許可なしに進入することさえできないのだ。

そのため、日本の航空機は、この空域を避けるために大幅な遠回りをするか、離陸後に急激に上昇して当該空域の上空を通過しなければならない。西日本から羽田空港に向かう便を利用した人の中には、大島上空から千葉県の房総半島を通過し、それから反転して首都圏上空を経て羽田空港に着陸するというルートを通ったことがある人も多いだろう。
なぜまっすぐ羽田空港に最短距離で向かわないのか、腹立たしく思った人もいるはずだ。航空会社としても、最短距離で飛んだ方が燃料コストも安くつくし、定時性も確保しやすい。
だが、日本は、これからも横田空域の存在を前提とした航空行政を行っていかざるを得ないだろう。アメリカにとっては、首都圏に近い場所に拠点を置くことは政治的にも軍事的にも極めて大きな意味をもち、今後もこの空域を日本側に返還するということはまず考えられないからだ。
石原慎太郎氏が東京都知事だった時代には、東京都は、横田空域の返還を求める運動を行っていたが、交渉の当事者の国土交通省の話では、アメリカ側はこのテーマの交渉には全く応じなかったということであった。
第5滑走路を建設すれば現状の混雑問題は解決できるという主張も見受けられるが、「空域問題」が横たわる以上、その効果は限定的で、遅延の問題の解消にはなかなかつながらないだろうと考えられる。そもそも第5滑走路を建設できるような場所を見出すこと自体が難しいし、この厳しい財政の中、滑走路建設のための巨額の資金をどのように工面するかという問題も重くのしかかる。

遅延が常態化しているのは羽田だけではない。福岡空港や那覇空港などの地域の中心的空港も、特有の問題を抱えている。
福岡空港は羽田空港以上に都心からのアクセスがよく(博多駅まで地下鉄で5分、天神駅まで10分ほど)、世界でも有数の利便性の高い空港といえる。そして福岡はアジア諸国に近く、特に韓国からの来訪者が多い。
そんな福岡空港であるが、滑走路は1本だけであり、しかも市街地に近いため、騒音対策の必要性から、運用時間は7時から22時までに制限されている。この制限のために、最近では大きな注目を集めた「事件」があった。
2023年2月、羽田空港を18時30分に出発予定だった航空機が約1時間半遅れたために福岡空港の「門限」にひっかかってしまい、関西空港にダイバート(行先変更)し、さらにそこから出発地の羽田空港に戻ったのである。羽田空港に帰り着いたのは、深夜2時50分であった。
この間、乗客は狭い機内に長時間にわたって「閉じ込められた」ことになる。これは、日本では論じられていなかったが、欧米で主張されてきた「パッセンジャー・ライツ(乗客の権利)」を侵害するものでもある。
欧米では、かねてより悪天候などで長時間離陸待ちをすることで乗客が精神的・肉体的苦痛を被ることが問題視されていて、適切なサービスを享受する「乗客の権利」が強く訴えられてきた。
例えば、アメリカのLCC(格安航空会社)の中には、パイロットに出来高制の賃金制度を導入したところがあった。この制度の下では、パイロットは実際に航空機を運航させなければ賃金を受け取ることができないため、たとえ悪天候であっても、何とか飛べるタイミングを待って、長時間でも離陸の体制を維持することになる。それがパッセンジャー・ライツの侵害につながっていったのだ。
福岡空港の「門限問題」は、パッセンジャー・ライツを侵害する典型例といえる。現在は、近隣の北九州空港へのダイバートを可能とすることで一応の決着ははかられているが、そもそもは根本の原因である門限を見直すことの方が重要ではないだろうか。
福岡空港では2本目の滑走路が2025年3月に供用開始予定であり、そうなれば遅延問題もある程度は解消されるだろう。しかし、厳しい門限がある限り、問題は残る。
技術進歩により、航空機の騒音は、規制が実施されたときよりもはるかに静かなものになっている。また、都市部における生活の24時間化も進んできた。22時という時間の捉え方も過去と現在では違っているだろう。門限の見直しは、最終便をめぐる夜間帯における航空便の集中緩和にも役立ち、遅延の防止にも資する可能性がある。
なお、那覇空港も福岡空港と同様、多くの航空会社が乗り入れる空港でありながら、滑走路が1本しかない空港として、全国的な遅延の1つの原因となってきた。そこで対策が求められ、2020年3月、那覇空港で新しい第2滑走路が供用開始された。
しかし、この第2滑走路は空港ターミナルからかなり離れた沖合に建設されたため、滑走路とターミナルビルの間の移動に時間がかかり、同じ航空機を使った次便の遅延につながる事例も出てきている。
滑走路も「ただ増やせばいい」という話ではないのだ。

最後に航空会社側のスタンスについて見てみよう。
世界的な航空会社間の競争の激化、ならびにLCCの台頭により、大手の航空会社も従来のような余裕のある運航スケジュールをたてることをしなくなった。LCC同様、航空機を最大限稼働させなければならないという考えを抱くようになり、着陸してから次の離陸までの間隔を以前よりもタイトにしてきている。
こうしていったんどこかで遅延が生じれば、それが後続の便に受け継がれていき、最終的にはかなりの遅れとなりかねない体質となっているようだ。

もはや、定時性の維持は航空会社にとって、それほど重要ではなくなったのでは、と考えざるを得ない。
たとえば、地上職員も、定時運行よりもとにかくマニュアル通りに顧客を取り扱うという姿勢が目立つ。安全性に支障をきたすというのであれば問題はあるが、そうでないならば、たとえ機内清掃の手間を若干省いてでも、定刻に飛ばそうというスタッフの気概があってもいいはずだ。それが全く感じられなくなっているのは筆者が古い世代に属しているからか。
筆者が空港で勤務していたときには、課長が、安全性を保ちながらも定刻で飛ばすための融通を利かせた判断を下し、部下もそれに応じて定時性を守るために情熱を燃やす気概があった。なぜなら、航空機を利用する中には、特にビジネスパーソンなど、速く移動することの時間的価値を購入している人が多くいるという認識が共有されていたからである。
遅延を諸事情から当然許されるものとして考える「甘え」が航空会社側にあるとするならば、それも問題ではないだろうか。』

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パイロット不足⑤

パイロット、世界で争奪戦過熱 米系年収は日本勢の2倍
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC028LQ0S4A001C2000000/

『飛行機のパイロットの年収が世界的に上昇している。需要拡大が予想されるなか、大幅な賃上げを進める米主要航空会社では平均年収が日本勢の約2倍となる30万ドル(約4500万円)前後の水準まで上昇した。欠航や減便に追い込まれる航空会社も出ており、囲い込みや引き抜きなど人材の争奪戦が激しくなっている。
年収上昇をけん引しているのは米航空会社だ。

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パロ空港

Heart-Stopping Airbus A319 Cockpit View : Landing at the World's Most Dangerous Airport - Paro!!!!!




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高速道路の最低速度

最高速度120km/h導入で速度差は最大70km/hって危険じゃない!? 高速道路の最低速度50km/hを引き上げなくてもいいのか
https://www.webcartop.jp/2023/02/1044885/0/

『新東名高速道路や東北自動車道の一部で、最高速度が時速120kmの区間がある。速度規制は一般道を含めそのように最高速度の制限が意識されるが、高速道路や自動車専用道路では、最低速度の規定もある。高速道路では道路交通法で時速50kmと定められている。
これまで、最高速度が時速100kmであったり80kmであったりしたとき、その速度差は時速50kmや時速30kmだったが、時速120kmの区間では時速70kmに広がる。このため、速度差の大きさがかえって危険ではないかとの考えもあるようだ。
しかし、交通とは、高速道路に限らず一般道でも速度差が起こり得るため、そこを認識して運転することが重要だ。

時速120kmで走行できる高速道路区間でも、そこを走るクルマ(乗用車)すべてが最新の性能だというわけではない。また、法定点検は義務として定められ、走り出す前の始業点検も求められているが、走行しはじめてから調子が落ちてしまうということもないとはいえず、最高速度規制が高くなったから最低速度も高め、速度差を縮めたほうがいいと短絡的に考える訳にはいかない。
もし、それをいうのなら、ドイツのアウトバーンはあり得ないことになる。速度無制限区間では、たとえ時速100kmで走っていても、時速200km以上で追い越していくクルマが当然のようにある。
また、長距離トラックは、日本と同じように時速80kmで走っている。さまざまな運転技量、さまざまなクルマが走る道路では、速度差があることを前提に安全運転を心がけることが求められる。

その速度差を、ではどう意識すればいいのか。
たとえば、目のまばたきは、0.1秒前後だといわれている。瞬きをしている間は、短時間とはいえ目をつぶっているのだ。時速120kmで走っているとき、1回の瞬きで約3.3m先へ進むことになる。時速50kmでは、約1.3mだ。一瞬の出来事の間に、これだけ移動距離が違う。
より高速で走っているときの瞬きひとつで、前を走るクルマの速度が遅ければ、追突してしまいかねない懸念がある。したがって、時速50kmのクルマの進み具合は3分の1ほどゆっくりで、逆にこちらは3倍近く先へ進んで行ってしまうことを常に意識し、運転する必要がある。
ちなみに、アウトバーンをもし時速200kmで走っていたら、瞬きする間に5.5mも先へ行ってしまうことになるから、それくらい遠くの先読みをして運転しなければ安全を保障できないということだ。
新車はどんどん高性能になり、アクセルペダルひと踏みで簡単に速度が上がり、同時にその速度をあまり意識させないほど操縦安定性が向上している。その一方で、少し前の年式というだけでなく、旧車のようなクルマも高速道路を走っている。クルマの性能という点においても、安全に安定して走れる速度が異なる交通環境に我々はいるのだ。それを一方的に、制限速度の最高速度が高くなったら最低速度も上げるべきとする考えは、短絡的だと思う。
安全は、単に速度の高低だけでなく、運転者の自覚こそが大切だ。

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路上横臥③

「路上寝込み」で事故死、全国で年100人 7割は飲酒後
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE093630Z01C24A2000000/

車道上で寝込んでしまい車にひかれる事故が後を絶たない。多くは夜間に発生し、死者は近年100人前後で推移している。2023年の事故は7割が飲酒後だった。路上寝込みは重大事故につながるケースが多く、警察などは飲酒の機会が増える年末年始を前に改めて注意を呼びかけている。』

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