女友達と久しぶりに会いました。女友達が病気をしていたので、去年の夏以来です。気心の知れた女友達に母の大病やいままでの不安だったこと、これからのことを全部聞いてもらいました。
ランチをしたのは、東急吉祥寺店に入っている丸福珈琲店です。昭和9年創業。多くの文化人・芸人に愛され、大阪・千日前の本店は、田辺聖子の小説『薔薇の雨』の舞台として描かれているお店です。
もともと、洋食レストランのオーナーシェフだった創業者・伊吹貞雄が昭和の初期に、まだ珈琲が珍しくハイカラな飲み物だった時代に、焙煎機や抽出器具の原理が書かれた洋書をひも解きながら独学で研究し、丸福の珈琲が生まれたとか。
昭和天皇に珈琲を献上した際には、冷水で身を清めてから臨んだというエピソードも残っているそうです。
そこで、まずいただいたのが、お店名物のチーズトーストです。雑誌などでおいしいチーズトーストとして取り上げられることの多い一品。プロセスチーズを裏ごしし、天然ミネラル飼料を与えた卵の卵黄を加えたこだわりのものです。
トーストは、驚くほど、きめが細かく、ふわっふわ、裏ごししたプロセスチーズは滑らかで、大変おいしいものでした。
女友達が食べたのは、ビーフの入った丸福カリー。珈琲屋さんのカレーって、どうして美味しいんでしょうね。
次にいただいたのが、浪速うまいものプレート(丸福珈琲店の名物プリン、長崎堂のカステーラ、嶋屋のおさつチップ)と、この店のウリの珈琲です。
デザートもよかったんですが、珈琲は雑味がなく、それでいて深い味わいの、とてもおいしいものでした。
次に向かったのは、リベルテ・パティスリー・ブーランジェリーというパン屋さんです。ここでは、クロワッサンとフランボワーズのジャムを練り込んだクロワッサンを買いました。
まだまだ話足りないこともあったので、道を歩いていて見つけた西洋骨董と珈琲「ぶどわーる」という喫茶店に入りました。500万円などと値札の付いたエミール・ガレの本物の骨董が所狭しと飾られている、異国風のお店でした。
こちらでも、珈琲がおすすめなんでしょうが、さきほど珈琲も飲んだことだし、女友達と紅茶のアールグレイをいただきました。
下世話な話ですが、喫茶店で儲けただけにしては、骨董品の多さが気になったので、支配人の方に「こちらの店主の方は、何で財をなした方なんですか?」と尋ねたところ、女友達にそんなことを聞くんじゃないのと腕を叩かれたんですが(笑)、支配人の方は、話好きな方であれこれ教えてくれました。
やはり、フリーランスの記者・編集者なので、不思議に思ったことは聞きたい性分です。
元は、おばあさんが手焼き煎餅を焼いていて、これが大当たりしたこと。それを元に東大出の息子さんが土地を購入し、ビルを建て、貸し出して、いまがあること。吉祥寺にはいくつもビルを持っているんですが、ロフトのビルも、こちらの持ち物だそうです。
ハワイにもコンドミニアムがあり、社員の福利厚生で、コンドミニアムの最上階を開放していて、社員も喜んでいることなどなど、10分くらい話をしました。
ぶどわーるのビルには、炭焼きステーキハウス、しゃぶしゃぶと創作料理の店、焼肉屋、バーラウンジもあり、ランチは、20種類くらい食べられるそうです。
2時に待ち合わせて、あっという間に7時になりました。お互い母も待ってることだし、お開きにしたのですが、夕飯のおかずを買うのにアトレに行きました。
いまでは珍しくなった氷下魚(こまい)がアトレのロンロン市場で、380円で売っていて、一夜干しなんですが、即買いしました。
子供の頃、親戚のうちに行くと、大人たちがお酒を飲む際の肴(さかな)に氷下魚を干したものがよく出たのですが、身をほぐし、マヨネーズと醤油、七味唐辛子を付けて食べるのがおいしかったこと。
アンテンドゥでは、母の好きなノアレザンというラムレーズンやクルミの入ったパンを買いました。
女友達に会ったことで、心が解毒され(笑)、ずいぶんスッキリしました。母にも「全部吐き出してきた?」と聞かれました。母には全部お見通しのようです。
夕飯には、クロワッサンとフランボワーズのクロワッサンを食べ、ノアレザンも一切れ食べ、氷下魚の一夜干しも焼いて、食べました。全部おいしかったです。母はフランボワーズのクロワッサンが気に入ったようです。
吉祥寺は、お店の入れ替わりの激しい、おいしいもの激戦区ですが、吉祥寺に詳しい女友達のおかげて、今回もおいしいものに出会えました。感謝、感謝です。
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