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10/1 派遣法改正に関する懇談会のご案内

「これでは何も変わらない!」
10/1 派遣法改正に関する懇談会のご案内

 前略 ご承知の通り、一昨日の24日、労働政策審議会は労働者派遣法の改正を厚労大臣に建議。これを受けて厚労省は早期の法案提出にむけた作業に入りました。
 その中身は、規制強化にみせかけた規制緩和策にほかなりません。
 格差と貧困の広がりを是正するカギは、雇用劣化をもたらした派遣法の抜本改正にあります。その中心課題は、労働者派遣を原則自由化した99年改正の見直し=業種規制であり、登録型派遣の原則禁止、日雇い派遣の全面禁止、違法派遣に対する派遣先のみなし雇用制度の導入などです。昨年秋以降、連合はじめ各労組・労働団体、野党各党は、大筋この点で一致する法改正案をまとめてきました。
 労働政策審議会の建議はこうした流れを全く無視したもので、業種規制は言及すらなく、登録型の規制はあいまい、日雇い派遣は現状追認の筋道をつけ、見なし雇用制度による派遣先責任の明確化はなし、きわめつけは常用型については事前面接解禁など、実質的な規制緩和といわざるをえません。
 審議会がこんな呑気な報告をまとめている傍らで、トヨタグループをはじめとする製造メーカー各社は大量の中途解約(解雇)を次々に強行。派遣労働の「使い捨て」の本質をまざまざと見せつけています。派遣労働者使い捨てにお墨付きを与えるような法改正は許せません。
 私たちは今後、総選挙において、各党・各候補に対し、派遣法改正に関する見解を明確にするようあらためて求め、私たちの打ち出してきた法改正への賛同を求めていく考えです。
 そこで、派遣労働者の置かれている現状と労働政策審議会の報告の問題点について、メディアのみなさま方と改めて議論し、認識を深める機会として、以下の通り懇談会を企画しました。懇談会では、製造工場で働く派遣労働者300人に対する面談アンケート調査の結果も報告します。万障お繰り合わせのうえご参加くださるようご案内申し上げます。

 なお、出席をご希望の方は、予めFAXまたメールで お名前、所属、ご連絡先
を御連絡下さるようお願い致します。




1.日時 10月1日(水)14:00~15:30
2.会場 衆議院第2議員会館 第3会議室
*13:50から入館証を受付付近で配布します。
3.内容 
  (1)労働政策審議会報告の問題点について
  (2)「製造派遣労働者300人アンケート調査」の結果報告
  (3)総選挙に対するとりくみについて

e-mail: [email protected]
FAX 03-5820-0870

2008年09月26日 派遣法改正 トラックバック:3 コメント:0

厚労省労政審に対する意見書

 総選挙ムードが漂っていますが、派遣法改正に向けた議論は、着々と進められています。
 しかしながら厚生労働省は、時代の流れに逆行して労働者派遣をさらに派遣先メーカーの自由に出来るよう規制緩和路線で議論を進めています。
 こうした状況下で、格差是正と派遣法改正を実現する連絡会(ガテン系連帯・派遣労働ネットワーク・全日建・全国ユニオン)は、厚生労働省労働政策審議会に対し、次の通りの意見書を提出することにしました。

労働者派遣法改正に関する意見書

派遣対象業務を専門業務に限定しなければワーキングプアはなくならない

 1999年派遣法改正による派遣対象業務の原則自由化は、事実上「ピンハネ」を解禁し、便利な雇用調整弁としての派遣労働者を急増させた。
 物流や製造業を中心に拡大した労働者派遣は、①低賃金②不安定雇用③労働災害の急増-を招き、ワーキングプアを拡大させた。
 専門業務に限定して例外的に労働者供給(ピンハネ)を認めることとして制定された労働者派遣制度が、その後の「規制緩和=対象業務の原則自由化」によって多くの弊害を生み出し、ワーキングプアを拡大させたのであるから、労働者派遣制度を1999年以前の枠組みに戻し、極めて専門性の高い業務に限定しない限り、低賃金・不安定雇用・労災の多発等の問題を解決することはできないし、ワーキングプアはなくならない。
 格差是正と派遣法改正を実現する連絡会は、2007年10月以降、民主党、共産党、社民党、国民新党、公明党から国会議員の皆さんにご出席いただき、5回にわたり、格差を是正し派遣法の改正をめざす院内集会を行ってきた。ご出席いただいた議員の皆さんからは「登録型派遣を禁止すべき」(民主党・他)など、派遣法の抜本改正をめざす意気込みをお話いただいた。
 しかし、8月28日に厚生労働省が示した「今後の労働者派遣制度の在り方の論点について(たたき台)」には、見せかけだけの「日雇い派遣」禁止、小手先だけの派遣法改正の論点しか示されていない。
 格差是正と派遣法改正を実現する連絡会は、格差を是正しワーキングプアをなくしていくための労働者派遣制度の在り方について、下記のとおり意見を述べる。



1、30日以内の派遣禁止では低賃金、不安定雇用は解消できない
 30日以内の派遣禁止では、以下のとおり、「日雇い派遣」「登録型派遣」が生み出した派遣労働者の劣悪な労働環境を改善することはできない。
 ①30日以内の派遣を禁止しても、40%前後のピンハネがもたらした低賃金は解消されない。
 ②日雇い派遣が1ヶ月更新の派遣に切り替わるに過ぎない。派遣労働者は、毎月「契約満了=解雇」の不安を抱きながら働く不安定雇用のまま据え置かれる。
 ③1ヶ月ごとにいつでも切り捨てることのできる使い捨ての労働者、自社で雇用しない労働者への安全対策は無責任なまま放置され、労働災害の急増(3年間で9倍)に歯止めがかからない。
 また、30日を超える雇用契約を締結すれば、日替わりで派遣先が変わってしまう「日々派遣」は可能であり、安全の確保や労働条件の事前確認はできない。

2、不安定雇用を生み出す登録型派遣を原則禁止すべき
 仕事があるときだけ雇用契約を結び、企業の雇用調整に応じて労働者を切り捨てる「登録型派遣」は、不安定雇用の温床となっている。
 物流や製造業を中心に広がる「日雇い派遣」の雇用不安は言うまでもないが、オフィスワークを中心に広がる登録型派遣労働者の多くも、3ヶ月契約を反復更新する「細切れ契約」に置かれ、「契約満了=解雇」の不安を抱きながら働いている。
 労働力の需給調整システムとして生まれた労働者派遣制度は、使用者に都合のよい雇用調整システムに変化してしまっている。
 雇用調整のリスクを派遣会社をスルーして労働者に負わせる登録型派遣は、専門性の極めて高い業務や育児休業代替、紹介予定派遣を除いて「原則禁止」すべきである。

3、派遣労働者の均等待遇の確保を
 派遣先の正社員と同一業務の業務をしているにもかかわらず、1/2や1/3の賃金で働かされている派遣労働者が少なくない。派遣労働者への差別が「格差」や「低賃金」「貧困」を生み出している。
 「格差」を是正し、派遣労働者の低賃金を解消していくためには以下の措置を講じるべきである。
 ①派遣先において同一の業務のを行う正社員との「均等待遇」(同一価値労働同一労働条件)を義務付けること
 ②派遣会社が取得するマージン率の上限規制を定めること

4、派遣先の直接雇用について
 現行の派遣期間制限に基づく派遣先の雇用申し込み義務や派遣先への直接雇用の指導・勧告の規定は、実効性が極めて低い。
 期間制限を超えて働く派遣労働者や、偽装請負により働く労働者など、労働者派遣法を逸脱して「ピンハネ」される労働者が、自ら置かれている違法状態を告発すると、違法状態の解消を命じる行政指導によって結果として自らの雇用を失うことが少なくない。
 このような状態にある限り、派遣労働者が自らおかれている違法状態を告発することはできない。
 禁止業務への派遣、期間制限違反、無許可・無届け違反、偽装請負、事前面接など、派遣法に違反して労働者を受け入れた派遣先については、派遣労働者を直接雇用したものとみなす、いわゆる「みなし雇用」を定めるべきである。その際、派遣先は、派遣先の同一の業務を行う労働者との均等待遇を保障し、期間の定めのない雇用契約により雇用したものとみなすべきである。
 常用型派遣についても、派遣労働者が希望する場合は、「みなし雇用」を適用すべきであり、雇用申し込み義務の対象から除外すべきではない。

5、差別の温床「事前面接」禁止の強化を
 派遣決定に先立って派遣先が派遣労働者の選別を行う「事前面接」は、容姿や年齢、家族構成による差別の温床となっている。
 「事前面接」が禁止された99年以降も、「顔合わせ」「職場見学」等の名称で「事前面接」が横行している。
 年齢が高い労働者や、育児や介護をしている労働者は、「事前面接」により排除されることが多く、事前面接の禁止を徹底すべきである。
 常用型派遣においても、雇用が安定しているからといって、差別の温床「事前面接」を解禁すべきではない。

6、専ら派遣の禁止について
 「専ら派遣」は、本来直接雇用すべき労働者について子会社の派遣会社を通じて受け入れることにより「格差」を正当化し、雇用調整を簡便にするための手段として拡大している。
 「専ら派遣」、グループ企業への派遣については、グループ企業以外への営業活動を形だけしていれば法違反とならない現行の規定を改め、実効ある禁止規定にすべきである。
                                                  以  上

                         格差是正と派遣法改正を実現する連絡会
                           (ガテン系連帯・派遣労働ネットワーク・全日建・全国ユニオン)

2008年09月17日 派遣法改正 トラックバック:0 コメント:0

『世界』2008年10月号、お読み下さい!

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今月の月刊『世界』は、ぜひぜひお読み下さい。
特集は「若者が生きられる社会」宣言。
これだけ生きにくくなってしまったこの社会をどうしたらよいのか。
そのひとつの指針が示されていると思います。
いろいろな議論の土台になっていくことでしょう。

ガテン系連帯の木下武男さんが以下のようなコメントを出しています(岩波書店HPより)。

 若者の雇用不安と貧困化は深刻である。明日の暮らしもわからない若者や、家族形成の不可能な若者、技能習得の機会を失われた若者、このような若者が急増していることは、日本の将来をきわめて危ういものにしている。私たちは、このような急速な変化に対応して、若者を対象とする緊急の政策提言は行うことにした。政策は、労働市場の整備と職業訓練制度の拡充、労働者派遣法の改正、賃金制度と最低賃金制の改革、長時間労働の規制、社会保険制度と生活保護制度の改革、住宅政策の拡充など多岐にわたっている。政局は、解散・総選挙に向かっている。補正予算の議論や選挙政策のなかで、今回の若者を対象にした緊急提言が参考にされることを強く期待したい。

  木下武男(昭和女子大学)


特集の目次です。

特 集 「若者が生きられる社会」宣言――労働、社会保障政策の転換を
【対  談】
相互扶助が自己責任論を打ち砕く!――老人と若者の連帯で日本を変える
  なだいなだ (精神科医)、雨宮処凛 (作家)
【共同提言】
若者が生きられる社会のために
遠藤公嗣 (明治大学)、河添 誠 (首都圏青年ユニオン)、木下武男 (昭和女子大学)【執筆者からのメッセージ】、後藤道夫 (都留文科大学)、小谷野毅 (ガテン系連帯)、田端博邦 (東京大学名誉教授)、布川日佐史 (静岡大学)、本田由紀 (東京大学)

【法政策】
正社員と非正社員の格差解消に何が必要か
  島田陽一 (早稲田大学)

【調  査】
働く若者たちの現実――違法状態への諦念・使い捨てからの偽りの出口・実質なきやりがい
  今野晴貴 (NPO法人POSSE)、本田由紀 (東京大学)

【セーフティネットの綻び】
貧困ビジネスとは何か
  湯浅 誠 (NPO法人もやい)

【ル  ポ】
誰のための「再チャレンジ」だったのか――若者就労支援政策で儲けた人々
  小林美希 (ジャーナリスト)

【座談会】
労働組合の出番が来た――労組は若者たちの〈居場所〉たりえるか
井筒百子 (全労連)、笹山尚人 (弁護士)、竹信三恵子 (朝日新聞)、龍井葉二 (連合)

2008年09月11日 雑誌 トラックバック:2 コメント:0

POSSEの雑誌とイベントのご紹介

若者労働NPOのPOSSEから雑誌が来る9月7日発刊されます。

特集のひとつは「派遣労働の派遣労働問題の新段階」。

ガテン系連帯共同代表の木下武男さん、池田一慶も登場します。
是非お読みください!

◎雑誌については、以下のページをご覧ください。
http://www.npoposse.jp/magazine/index.html


それから9月7日には、「やめる若者/やめない若者 ~やりがいと違法状態のはざまで~」というイベントが開催されます。今年POSSEがおこなった下北沢、渋谷などを中心とした500人若者の雇用実態や意識調査の結果を元にしたシンポジウムです。こちらへは木下さんがパネリストとして参加します。
◎くわしくはこちら
http://blog.goo.ne.jp/posse_blog/e/8f47a66e5684ea22bfc0e008ba088f05


POSSEホームページより。雑誌の紹介を抜粋しておきます。

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創刊号(08年9月7日発行)目次

特集1 派遣労働問題の新段階
●座談会「秋葉原事件に見る若者労働とアイデンティティ」
  竹信三恵子(朝日新聞)×後藤和智(『「若者論」を疑え!』著者)×池田一慶(ガテン系連帯)
●「派遣労働の変容と若者の過酷」
  木下武男(昭和女子大学教授・ガテン系連帯)
●「派遣の広がり ―3つの業界から」
  『POSSE』編集部
●「派遣会社の内側から見た派遣労働」
  田中光輔(元派遣会社業務担当者)
●「派遣労働運動のこれから」
  関根秀一郎(派遣ユニオン)
●「釜ヶ崎暴動と日雇い労働」
  生田武志(野宿者ネットワーク)
●「派遣労働ブックガイド10」
  『POSSE』編集部

特集2 マンガに見る若者の労働と貧困
●「『働きマン』と『闇金ウシジマくん』をつなぐもの」
  渋谷望(千葉大学准教授)
●「消費者金融・闇金マンガの背景」
  宇都宮健児(弁護士)
●「労働と貧困の若者マンガ事情」
  『POSSE』編集部
●「権利主張はいかにして可能か」
  道幸哲也(北海道大学教授・NPO職場の権利教育ネットワーク)
●「労働と思想 1 アントニオ・ネグリ」
  入江公康(大学非常勤講師)

2008年09月03日 雑誌 トラックバック:2 コメント:0