fc2ブログ

9/15・日野自動車団体交渉報告

****************
契約なら何してもいいの?
期間工はまた使い捨てでしょうか?
****************


日野自動車で働くみなさん、毎日お疲れ様です。
9月15日、日野自動車とユニオンとの団体交渉が開催されました。

○日野自:プラドのフルモデルチェンジで人員が必要になった
 日野自動車は、期間工を採用を再開した主要な理由として、トヨタの受託生産のプラドのフルモデルチェンジをあげました。プラドを組み立てている羽村工場(600人)と小型エンジンを組て立てている新田工場(250人)で大規模な人員が必要となったそうです。日野工場での採用が50人と少ないのは、生産回復の見通しがまだ立たないからとのことでした。。

 また、900人採用が決まったのは8月3日で、その前日までは募集する予定はなかったとのことです。以前の団体交渉で会社は、どうがんばっても一月に期間工は200人ほどしか集まらない、と説明していましたが、今回の急募は「はなれワザ」とのことです。
 「はなれワザ」で集めなければならないほどに人が必要になるのなら、今年7月までに使い捨てとなった4,000人の派遣・期間工は何のために切られたというのでしょう? また「はなれワザ」的に切り捨てるのでしょうか?

 しかも厳しい状況につけこんで、ちゃっかり労働条件が切り下げられています。

********************
◇新しい期間工の労働条件◇
①初回契約
 4ヶ月→3ヶ月
②寮への滞在
 契約終了から1ヶ月後まで→契約終了の次の日まで
 (ユニオンの要請で決定)
③皆勤手当
 1ヶ月ごとに2万円→3ヶ月ごとに6万円(「満了報奨金」)
          (3ヶ月間に1日でも欠勤したらもらえない)
***********************



○「契約ですから」①:「年末に切られても仕方ない」
 今回の契約は、初回3ヶ月です。10月から採用された期間工は、年末に契約満期となります。昨年末には多くの期間工がクビを切られ、ホームレスとなりました。そのことに対する世の中の批判も大きかったところです。

 契約延長の有無について会社は、「わかりません」と一言。年末に人をクビにすることに問題を感じないのかと尋ねたところ「いつの時代も年末に契約を切られる人はいる。年末でも問題ない。そういう契約でやっているのだから」と答えました。「はなれワザ」で大量に首を切り、「はなれワザ」でまた急に集められ、それでも一生懸命働こうという期間工に対して、こんな乱暴な言い方があるでしょうか。

○「契約ですから」②:「寮は元旦でも、即日出て行ってもらいます」
 昨年末、延長なしとなった期間工は元旦に寮を出て行くことを求められました。私たち日野自動車ユニオンは、寮を出て行くといっても元旦はあんまりだ、と抗議。寮への滞在延長を会社に要求しました。その結果、日野自動車は寮への滞在延長1ヶ月を決めました。

 住まいのあてもなく寮を追い出されてしまっては命すら失いかねません。次の住まいが見つかるまで寮への滞在を許可するのが、人間としての最低限の扱い、会社の雇用責任であるはずです。

 ところが、今回の団体交渉で日野自動車の北島厚生室長は、「寮への滞在は、元に戻す」と説明しました。「寮への滞在は契約と対(つい)だから即日出て行ってもらう」、「世の中全部そう」なのだそうです。
 
○契約ですから・・・また、ホームレスでしょうか?
     ・・・・・・いえいえ、大丈夫です! ユニオンがあります!
 読んでお分かりになるとおり、日野自動車は私たち働くものの人生などお構いなしです。不況の影響でクビを切られ、長い失業が続く中、やっと日野自動車の期間工の仕事を見つけた、という方も多いかと思います。それだけに今回の団体交渉の報告を読んでがっかりされたり、不安になられたりした方もおられるのではないでしょうか。
 でも、大丈夫です。ユニオンがあります。ユニオンに集まりさえすれば、期間工でも会社と話し合うことが出来ます。そして、世の中の多くの人は私たちの味方です。不安のある方は是非お気軽に私たちにご連絡ください。ちからになれます。

 そして日野自動車で働くすべてのみなさん、どうかみなさんの働いておられる日野自動車が再び乱暴な解雇をくり返さないために、ユニオンへのご支援ご協力をよろしくお願いします。

【日野自動車ユニオン】
●メール[email protected]
●電話03-3861-6210(月~金 11~18時)

労働相談はお気軽に。相談無料・秘密厳守。
誰からでも1人からでも入れるユニオンです。

2009年09月30日 雑誌 トラックバック:0 コメント:0

雑誌POSSEの2号

第一号でガテン系連帯の面々も参加させていただいた雑誌POSSEの第二号が発刊されています。この間の派遣きりのことが詳しい背景と共に紹介されています。ぜひお読みください。

詳細はこちらから。
http://npoposse.jp/magazine/index.html

magazine0202.jpg


特集は『蟹工船』×「名ばかり管理職」
ブームを超え、普遍性とヴィジョンある議論を


特集テーマは、揃って08年流行語トップ10内に選ばれた、『蟹工船』と「名ばかり管理職」。いずれも08年を代表するトピックになりました。
しかし、これらが着目された背景やそこにある問題は、08年になって初めて現れたわけでもなければ、ブームとして消費されてよいものでもありません。単に「悲惨な労働の現実」の象徴に終わらせるのではなく、現実を変えていくための課題としていくために、『POSSE』ならではの問題提起や政策議論をしています。

VOL.2(08年12月発売)目次

●「金融危機と派遣切り ―派遣政策の抜本的転換を」
 今野晴貴(POSSE)

●「内定取り消しで泣かない方法」
 川村遼平(POSSE)

―特集1 『蟹工船』ブームの先へ―

■対談「ナショナリズムが答えなのか ~承認と暴力のポリティクス~」
  高橋哲哉(東京大学教授)×萱野稔人(津田塾大学准教授)

■「プロレタリア文学の「手紙」が世界に舞う」
  楜沢健(文芸批評家)

■「「現代の蟹工船」から脱出するために」
  雨宮処凛(作家)×土屋トカチ(映画監督)

■「国会議員に聞く!『蟹工船』ブームの真実」
  小池晃(日本共産党参議院議員)/亀井亜紀子(国民新党参議院議員)

■「若者と『蟹工船』のリアリティ ~ブームを普遍性にするには~」
  『POSSE』編集部

―特集2 名ばかり管理職/労働組合―

■「偽装管理職問題の周辺 ―正社員を追いつめる構造と労働側の戦略―」
 熊沢誠(甲南大学名誉教授)

■「名ばかり管理職」の法律的問題
 棗一郎(弁護士)

■過労死つくる「名ばかり管理職」「名ばかり労組」
 須田光照(NPO法人労働相談センター)

■「「名ばかり管理職」と非正規労働者 ―マクドナルドとSHOP99の現場から―」
 梁英聖(フリーライター)

■「記録をつけて、職場を変える~日本マクドナルドユニオンと『しごとダイアリー』~」
 『POSSE』編集部

■「08年POSSE「若者の仕事アンケート調査」結果 ~やりがいと違法状態の狭間で~」
 今野晴貴(POSSE)

■「POSSE調査の意義と課題」
 本田由紀(東京大学准教授)

■「労働と思想2 グローバル資本主義と不自由賃労働 ―マリア・ミースに寄せて」
 足立眞理子(お茶の水女子大学准教授)

2008年12月28日 雑誌 トラックバック:0 コメント:0

『世界』2008年10月号、お読み下さい!

sekai200810.jpg


今月の月刊『世界』は、ぜひぜひお読み下さい。
特集は「若者が生きられる社会」宣言。
これだけ生きにくくなってしまったこの社会をどうしたらよいのか。
そのひとつの指針が示されていると思います。
いろいろな議論の土台になっていくことでしょう。

ガテン系連帯の木下武男さんが以下のようなコメントを出しています(岩波書店HPより)。

 若者の雇用不安と貧困化は深刻である。明日の暮らしもわからない若者や、家族形成の不可能な若者、技能習得の機会を失われた若者、このような若者が急増していることは、日本の将来をきわめて危ういものにしている。私たちは、このような急速な変化に対応して、若者を対象とする緊急の政策提言は行うことにした。政策は、労働市場の整備と職業訓練制度の拡充、労働者派遣法の改正、賃金制度と最低賃金制の改革、長時間労働の規制、社会保険制度と生活保護制度の改革、住宅政策の拡充など多岐にわたっている。政局は、解散・総選挙に向かっている。補正予算の議論や選挙政策のなかで、今回の若者を対象にした緊急提言が参考にされることを強く期待したい。

  木下武男(昭和女子大学)


特集の目次です。

特 集 「若者が生きられる社会」宣言――労働、社会保障政策の転換を
【対  談】
相互扶助が自己責任論を打ち砕く!――老人と若者の連帯で日本を変える
  なだいなだ (精神科医)、雨宮処凛 (作家)
【共同提言】
若者が生きられる社会のために
遠藤公嗣 (明治大学)、河添 誠 (首都圏青年ユニオン)、木下武男 (昭和女子大学)【執筆者からのメッセージ】、後藤道夫 (都留文科大学)、小谷野毅 (ガテン系連帯)、田端博邦 (東京大学名誉教授)、布川日佐史 (静岡大学)、本田由紀 (東京大学)

【法政策】
正社員と非正社員の格差解消に何が必要か
  島田陽一 (早稲田大学)

【調  査】
働く若者たちの現実――違法状態への諦念・使い捨てからの偽りの出口・実質なきやりがい
  今野晴貴 (NPO法人POSSE)、本田由紀 (東京大学)

【セーフティネットの綻び】
貧困ビジネスとは何か
  湯浅 誠 (NPO法人もやい)

【ル  ポ】
誰のための「再チャレンジ」だったのか――若者就労支援政策で儲けた人々
  小林美希 (ジャーナリスト)

【座談会】
労働組合の出番が来た――労組は若者たちの〈居場所〉たりえるか
井筒百子 (全労連)、笹山尚人 (弁護士)、竹信三恵子 (朝日新聞)、龍井葉二 (連合)

2008年09月11日 雑誌 トラックバック:2 コメント:0

POSSEの雑誌とイベントのご紹介

若者労働NPOのPOSSEから雑誌が来る9月7日発刊されます。

特集のひとつは「派遣労働の派遣労働問題の新段階」。

ガテン系連帯共同代表の木下武男さん、池田一慶も登場します。
是非お読みください!

◎雑誌については、以下のページをご覧ください。
http://www.npoposse.jp/magazine/index.html


それから9月7日には、「やめる若者/やめない若者 ~やりがいと違法状態のはざまで~」というイベントが開催されます。今年POSSEがおこなった下北沢、渋谷などを中心とした500人若者の雇用実態や意識調査の結果を元にしたシンポジウムです。こちらへは木下さんがパネリストとして参加します。
◎くわしくはこちら
http://blog.goo.ne.jp/posse_blog/e/8f47a66e5684ea22bfc0e008ba088f05


POSSEホームページより。雑誌の紹介を抜粋しておきます。

posse.jpg


創刊号(08年9月7日発行)目次

特集1 派遣労働問題の新段階
●座談会「秋葉原事件に見る若者労働とアイデンティティ」
  竹信三恵子(朝日新聞)×後藤和智(『「若者論」を疑え!』著者)×池田一慶(ガテン系連帯)
●「派遣労働の変容と若者の過酷」
  木下武男(昭和女子大学教授・ガテン系連帯)
●「派遣の広がり ―3つの業界から」
  『POSSE』編集部
●「派遣会社の内側から見た派遣労働」
  田中光輔(元派遣会社業務担当者)
●「派遣労働運動のこれから」
  関根秀一郎(派遣ユニオン)
●「釜ヶ崎暴動と日雇い労働」
  生田武志(野宿者ネットワーク)
●「派遣労働ブックガイド10」
  『POSSE』編集部

特集2 マンガに見る若者の労働と貧困
●「『働きマン』と『闇金ウシジマくん』をつなぐもの」
  渋谷望(千葉大学准教授)
●「消費者金融・闇金マンガの背景」
  宇都宮健児(弁護士)
●「労働と貧困の若者マンガ事情」
  『POSSE』編集部
●「権利主張はいかにして可能か」
  道幸哲也(北海道大学教授・NPO職場の権利教育ネットワーク)
●「労働と思想 1 アントニオ・ネグリ」
  入江公康(大学非常勤講師)

2008年09月03日 雑誌 トラックバック:2 コメント:0

岩波『世界』2008年8月号

 秋葉原事件からちょうど1ヶ月目に当たる明日発売の岩波『世界』2008年8月号に「若者の働くことと生きることをめぐって」という座談会が掲載されます。
 
 鎌田慧さん(ルポライター)、本田由紀さん(東京大学)、小林美希さん(ジャーナリスト)、そしてガテンの池田の座談会です。

 是非お読みください。

sekai0808.jpg

2008年07月07日 雑誌 トラックバック:0 コメント:1

文藝春秋

20080514104504
今月の『文藝春秋』に世界同時貧困の特集が組まれており、奥野修司さんの「小泉改革の犠牲者たち」が掲載されています。
ガテン系連帯が取り上げられているほか、この間の改革で日本がどうかわったのか簡単に知ることができる文章になっています。

奥野さんは、文藝春秋や琉球新報などの記事でガテン系連帯を取材してくださっているジャーナリストです。

是非お読みください。

2008年05月14日 雑誌 トラックバック:0 コメント:0

『PRESIDENT』(2008 5.5号)に記事が載りました。

20080414103153.jpg

 今日発売の雑誌『PRESIDENT』(2008 5.5号)に日研総業ユニオン委員長・和田さんの話がガテン系連帯の活動とともに掲載されています。

 フリーライターの野村昌二さんの書いた「ルポ!『高学歴フリーター、ネットカフェ難民』の財布」という記事です。

 是非お読みください。

2008年04月14日 雑誌 トラックバック:0 コメント:0