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    「朝米関係は、米国内の政治争いの犠牲にできない」:トランプとポンペオを絶賛、「補佐官」ボルトンは悪者 (2018年8月18日 「労働新聞」)

    18日、『労働新聞』紙面pdf版6面に以下。

    ******************
    「朝米首脳の握手は、この惑星で最も長く、比較するものがないほど激烈であった冷戦がついに終息されたことを宣言する今世紀最高の事変である」

    「朝米双方は、自分たちの握手を果敢に実践しながら、劇的な事変を連続して見せていくであろう」

    これが、2ヶ月前、シンガポール朝米首脳会談が行われ、朝米共同声明が発表されたとき、吹き上がった世界の歓喜と激情だった。

    その時から2ヶ月以上過ぎた今日、朝米関係の膠着状態はセジンの煮えたぎる期待と熱望を残念さと失望に変えつつある。

    世界世論は、7月の朝米高位級会談が、なぜ成果なく終わったのか、平壌での米国は、シンガポールでの米国ではなかったのか、どうして米国の「ソフトな」表情と態度が「強行」に変わったのかという疑問を提起し、それなりの原因分析をしている。

    一致した結論は、米国が朝鮮の善意と真情を無視し、一方的で強盗的な「先非核化」に固執したのが、会談を失敗へと結びつけたと言うことだ。

    これについては、これ以上論議する必要さえないほど責任の所在がはっきりしているので、再び言及しないことにしよう。

    しかし、米交渉チームが見せた両面的行動の裏に、朝米関係改善の足首を掴んでいる、より深刻で複雑な背景があるということを見過ごしてはならないということだ。

    はっきりしていることは、米国内の政治争いの悪影響を受けているのが、源潮米関係交錯の根本的な原因となっているということである。

    全国が党と首領の周りに一心団結された我々の社会と政治観が理外関係を異にする様々な勢力の角逐戦場となっている米国社会の大きな違いが、両国関係の展望に大きな深淵を造成している。

    所期の成果がなかった去る7月の朝米高位級会談だけ見ても、米交渉チームが自国内の反対勢力の息にどれだけ捕らわれており、それによる結果がどれほど大きいのかをよく示している。

    朝米高位級会談を数日後に控えた6月末、米国メディアは突然「北朝鮮の秘密核施設疑惑説」を騒ぎ立てた。

    米国のNBC放送、「ワシントンポスト」、「ニューヨーク・タイムス」、「ディプロマット」をはじめとした主要メディアが、あれほどまで『北朝鮮が最近数ヶ月間、秘密施設で核兵器用原料生産を増加してきた」、「濃縮規模は、延辺の2倍以上であるものとみられる」という根拠のない記事を吹き出したのか。

    この「情報者」達は、トランプ大統領の政敵にシンガポール会談の成果を落とし、対朝鮮接近政策を批判する素材として、そして米国務省交渉チームに「核施設深刻と検証」を執拗に出すように圧迫する手段として盗用された。

    これに対しCNN放送は、「最近、北朝鮮の非核化意志を疑わせる内容の情報流出、行政府内の批判論者との不和、トランプの交渉に対する楽観的発言による圧迫などがポンペオにとって荷物になっている」と暴露した。

    実際に、米国の交渉チームがどれほど強い心理的圧迫を受けていたのかということは、ポムペオ国務長官が会談前にあった外部の専門家との対話で「非核化交渉の任務は、はじめから『不幸な運命』が決まっている」と本音を吐いたことからもよく分かる。

    「不幸な運命」という宿命的な表現は、米交渉チームが既に会談前に彼らが対話のテーブルの上に置こうとしていることが、一方的であり、強盗的な要求であること、現段階でそれが我々に通用しないはずだということを予感していたということを示している。

    だからこそ、国内の反トランプ勢力の毒針を刺された米交渉チームは、朝米高位級会談でシンガポール首脳会談の時、トランプ大統領が約束した終戦宣言採択問題は先送りにしたまま、我々に一方的な「核申告と検証」だけを強迫して出てくることで、交渉失敗という苦杯を飲まざるを得なかったのである。

    米交渉チームは、「不幸な運命」へと押しやった主犯は誰なのか。

    何よりもすばらしい交渉の基礎が信頼と尊重であるということも、相手が誰なのかということも忘却し、無礼に接した自分のせいだとしても、次には交渉チームの理性を奪い去り、判断力を曇らせた背後の黒い悪魔達を恨まなければならないだろう。

    当時、米交渉チームが反対派の世論攻勢をあきれるほどビクビクしていたことを残すところなく立証する重要な事実がある。

    少し前、我が共和国に対する衛星撮影写真と情報資料を専門に取り上げている米国のインターネットホームページ「38ノース」は、去る6月末、反トランプ勢力が「秘密核施設」と主張してきた施設が「核施設」ではないという明白な論拠を提示しした。

    「38ノース」は、問題となった地点には、核施設関連立建物が見られる写真や情報資料が全くなく、周辺環境からしても「ウラニウム濃縮施設」と考えられないと暴露した。

    結局「北朝鮮秘密核施設疑惑説」は、朝米高位級会談を破綻させるための反対派の卑劣なメディアデッチ上げ陰謀だったのである。

    黒白が明らかになったこの時点から、7月当時、米国内の反対派が演出した新茶番の一部題目を再び想起してみよう。

    当時、朝米高位級会談が進行している中でも、米国の民主党議員は、まことしやかに議会に手紙を送り、「最近、軍縮専門家は、北朝鮮が遼寧外の地域で非公開ウラニウム濃縮施設を稼働している可能性があるという憂慮を反復して提起している。北朝鮮政見の積極的で繰り返される欺瞞とそれが朝米非核化対話に与える必然的な影響が深刻に憂慮されている」と持ち出した。

    また、CNN放送、「ニューヨーク・タイムス」をはじめとした米国メディアは、「今回の高位級会談で可視的な非核化成果が出るのか疑問である。ポムペオが核心懸案である核兵器廃棄方法と時期に対する具体的な合意を得ることが出来ず、事実上、手ぶらで帰国する可能性もある」と騒ぎ立てた。

    彼らが願ったとおりに、高位級会談は結実なく終わり、反対派は快哉をあげながら「空虚な非核化の約束ではなく、得たものがない」と朝米共同声明を再び中傷しながら、対朝鮮強硬の立場へと旋回しろとトランプ政権を攻撃した。

    共和党内の反トランプ勢力も大統領が「韓」米合同軍事演習を中断したのは失敗だ。対朝鮮制裁を固守することを願う、外交的努力は失敗であり、今は軍事力が要求されているときであると気炎を吐いた。

    このように、対話反対派は、捏造された「北朝鮮秘密核施設疑惑説」で交渉チームに棍棒を持たせ、会談破綻へと追いやったのである。

    過去、うまく出発した朝米対話が、毎回失敗と破綻を免れず、クリントン前大統領の保証書簡と9.19共同声明、2.13合意が紙靴となってしまったのも、調べてみれば、朝米間の意見の違いというよりも、米国政治圏内の既得権競争の弊害がもっと大きかったと言える。

    今も、対話反対派は、トランプ大統領と政府に我々に対する不信をさらに造成し、「最大の圧迫」へと動かし続けようと必死になっている。

    「秘密核施設疑惑説」以後には、「ミサイル開発疑惑説」をデッチ上げ、それでも足りずに、我々が米国と各国の記者を招請して彼らの目前で行った北部核試験場廃棄措置についてまで「疑惑」を騒ぎ立てている。

    これからも彼らは、彼らの手中の情報機関と御用メディアを前面に立て、各種の疑惑をデッチ上げては、トランプ英検の外交の歩みがもつれるようにすることに利用するであろう。

    だから、トランプ大統領も「フェイク・ニュース」は、自分が言う全てのこと、朝米交渉の進展と成果を「嘘」だと非難しており、今後、継続して非難するであろうと言いながら、つばを吐いている。ポムペオ国務長官も、メディアの報道をそのまま聞いていれば「狂ってしまう」と激しいストレスを訴えている。

    朝米関係改善と世界平和という世紀的偉業を達成する「夢」を抱いているトランプ大統領には、敵があまりにも多い。

    大統領を議会が足首を掴み、司法府が首根っこを掴んで、メディアが追い立てている。

    米政府はもちろん、補佐官まで大統領と同床異夢である。彼らは、大統領の意志とは異なったことを言い、行動しながら、現実をミスリードし、大統領の目と耳を曇らせ、本意ではない決定をさせようと誘導している。

    米国の政治家は、この奇怪な現象を自由民主主義と美化粉飾するが、それが世界の前で米国の姿と信頼度を落とし、アメリカの滅びる兆しをさらに色濃くしているということに気付かなければならない。

    今のように、自分たちの政派的利益のために大統領の前途を次々遮ろうとするのではなく、彼が米国を代表し、世界に対する約束を履行し、朝米関係を進展させられるよう、力を与えるこそが、彼らが託されている大きな役割である米国の利益のための「超大国」の体面を守る道である。

    我々としては、朝米関係を早く改善することが重要であるが、さらに急速にやるべきことは四分五裂し、足踏みをしている米国政治を正すことだと思う。

    反対派が騒ぎ、大統領が署名したシンガポール共同声明も無視し、大統領が約束したあらゆる政治的宣言に過ぎない終戦宣言さえ採択できないように妨害していることに、我々がどのような気持ちと保証で朝米関係の前途を楽観できるというのか。

    膠着状態に瀕している朝米関係の現状況は、トランプ大統領の果敢な決断を要求している。

    トランプ大統領が、米国歴史上、どの大統領も達成できなかった「夢のような出会い」を成就させ、全世界の歓喜と国民の大きな歓迎を受けることができたのは、大統領自身も言ったように、反対派の構成に揺らぐことなく、そして補佐官の言葉に盲目的に従うのではなく、自分の決断と意志通りに行動したからである。

    ポムペオ国務長官も「不幸な運命」を強要されるのではなく、自分の意見と度胸を持って、反対派の不当で愚かな主張を断固として排除し、大統領の意志を実践するために、名実共に米国外交の首長らしい智慧と交渉力を発揮しなければならない。

    朝米関係は、米国内の政治争いの犠牲となってはいけない。

    チョ・ナムジン

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    Source: 『労働新聞』紙面pdf版6面、2018/08/18
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    トランプ、ポムペオを北朝鮮の見方として持ち上げ、「補佐官」ボルトンを攻撃している。北朝鮮、トランプの性格を見極めており、トランプが嫌いなメディアを羅列、「フェイク・ニュース」発言まで取り上げている。おそらく、北朝鮮メディアが、米国大統領をここまで持ち上げるのも前代未聞だと思う。

    ともあれ、ポムペオ訪朝が噂される中、トランプとポムペオに褒め立てながら圧力を掛ける、実に上手い記事だと思う。

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    川口智彦

    Author:川口智彦
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    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
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