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    「初期音楽班創立37周年記念、中区域大同門幼稚園子供発表会」より『新年の雪よ降れ』、この子もなかなか上手 (2016年12月28日 「朝鮮中央TV」)

    2016年12月28日、「朝鮮中央TV」で放送された番組。「初期音楽班」なるものがあるというのは知らなかった。しかも37年も前に創設されたとは。時期的には「将軍様」の業績なのであろう。


    Source: KCTV, 2016/12/28

    「<20時報道>羅先ヘシン服工場で生産成果」:訪問した工場を紹介 (2014年11月12日 「朝鮮中央TV」)

    以前、「朝鮮中央TV」で羅先滞在中に訪問した靴工場が紹介されたという記事は書いたが、今回は「服工場」が紹介された。やはり、外国人に見せるに値する工場ということなのであろう。

    「生産成果」
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    Source: KCTV, 2014/11/12放送

    ミシンの上にある制御用スイッチ
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    Source: KCTV, 2014/11/12放送

    下は工場で撮影した写真。上の写真にあるスイッチを背面から見ている。
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    労働者を指導する支配人
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    Source: KCTV, 2014/11/12放送

    工場で話を聞かせてくれた支配人。同一人物と思われる。
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    この工場の問題点については、過去記事に詳しく書いてあるが、この支配人は温和でとても人の良い人であった。ともかくも、この工場で「生産成果」を出せたんであれば、良いことである。

    羅先12:「20時報道」で紹介された羅先靴工場、生産計画、衣類工場、李明博の影響、水産物加工工場、「将軍様」のアイディア、マッサージ、「将軍様の家族」 (2014年9月8日)

    今回の訪問では、3工場訪問した。いずれも、韓国系米国人や中国企業との「合作工場」である。「合作工場」とはいうものの、どうやら海外資本が工場設立や運営に使われているということで、実質的な経営は北朝鮮側が行っているようである。この辺りについて、細かな質問をする時間もなかったので、かなり大まかな把握である。

    まず中国企業と「合作」の「羅津靴工場」である。実は、「靴工場」を訪問したのであるが、その「靴工場」の名前が何なのか分からなかった。この工場では、朝鮮族中国人と朝鮮人民が対応をしてくれた。朝鮮族の方は、香港人同行者と中国語で話をしていたので、私は朝鮮人民と話をした。こちらが質問したことには、きちんと答えてくれた。

    工場の建物
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    この工場であるが、9月3日の「20時報道」の中で紹介された。偶然であるが、驚いた。「20時報道」では、この工場を次のように紹介していた。

    **************
    羅津靴工場の幹部と労働者・技術者が、人民に好評な質のよい靴をたくさん生産するために大変努力をしています。彼らは、お互いに創造的な知恵と力を合わせ、これまでよりも軽い靴素材を生産に導入し、靴をスポーツに便利で足に刺激を与えないように新たに改造しました。そして、今、工場では人民の好みに合い、履きやすい多様な靴をたくさん生産しています。
    **************

    「羅津靴工場で」
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    Source: KCTV, 2014/09/03放送

    偶然同じ人を撮影していた。「20時報道」で紹介されたときと異なる工程の仕事をしている。単純労働なので多能工というほどではないのかもしれないが、稼働状況次第で色々な工程の仕事をさせているようである。
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    右側の女性も偶然撮影していた。
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    Source: KCTV, 2014/09/03放送

    この人も撮影時とは別の仕事をしている。
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    中央の人が「工場長」だと言っていた。この人と話すことはできなかったが、後ろ姿を撮影した。
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    Source: KCTV, 2014/09/03放送

    「工場長」、忙しそうに動き回っていた。
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    黒い私服を着た女性は、「技術指導員」であろうか。ミシンを使って縫製作業をする労働者に何かを説明していた。
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    機械類は中国製で使用していない機械にはきちんとカバーを掛けていた。日本の工場でも、このような大切な使い方をしているのであろうか。
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    生産された靴は内需と輸出両方だという。同行者が運動靴を購入していたが、60元~70元であった。私に靴の質を語る能力はないが、購入した靴を見せてもらった限りでは、日本の靴安売りショップで売っている1000~2000円台で売っている運動靴のような感じであった。「ジャンマダン」での靴価格調査を忘れてしまったが、人民帽が15元だったので、運動靴が60元というのは概ね適切な価格であろう(外国人に対する相対価格割合でも)。
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    生産実績は下のホワイトボードの数字のとおりである。

    8月生産計画
    ✓子ども用サッカーシューズ 200足 2014.7.30
    ✓大人用サッカーシューズ 1144足 8.5
    運動靴 1000足 8.25
    単体靴 2744足 8.30
    日産 130足
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    ✓が付いている靴が生産計画を達成した靴なのであろう。8月に全ての靴を生産すると合計で4888足になるが、それを31日で割ると約158となり「日産」よりも少し多い数になっている。ラインへの人員配置や機械の稼働状況を見ると、生産能力はもっとありそうだ。それにもかかわらず、この程度の生産に留まっているのは、需要の関係なのか材料供給の関係なのかは分からない。

    労働者は地元の人で、高卒者が多いが、中には大卒者もいるという説明であった。大学を卒業してする仕事ではないと思うが、「合作」会社なので諸条件がよいのかもしれない。

    12時になったら電気電気が切られ、14時までの休憩時間に入った。

    次に訪れたのが、韓国系米国人が投資した衣類工場である。話を聞くと、この韓国系米国人は「投資」というよりも、実質的には同じ民族を援助するためのチャリティー的な意味合いの「投資」のようだ。同様の「チャリティー的投資」が羅先市のバス運営組織に「キリスト教系団体」により行われたという話を聞いた(同行した英国人ガイドより)。キリスト教の布教は許さないが、「チャリティー活動」は受け入れていくという姿勢のようだ。

    羅津駅
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    衣類工場全景
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    工場には靴工場と比較にならないほど多くの労働者がいる。この工程以外の別の部屋にも労働者はかなりいいた。
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    この工程は女性労働者の数が多かったが、このように男性労働者もいた。
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    男性労働者が多い工程
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    さらに、小さな部屋ではこのような手作業も行っていた。一般的にアパレル工場でこのような工程があるのかは分からないが、驚いた。
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    この日は同じデザインの作業服のようなものを生産していた。この工場では、工場長が出てきて色々な話を聞かせてくれた。一見、順調に見えるこの工場でも、問題を抱えているようだ。工場長によると、最大の問題は材料の納入とのことであった。韓国系米国人がチャリティー投資した工場ということもあり、加工する布や製品を入れる段ボール箱は韓国から来るとのことである。ところが、このところこうした資材の納入状況が極めて悪くなっていると言っていた。この工場は、南北和解ムードが高調した盧武鉉時代に設立されたとのことであるが、李明博時代になってから色々と問題が生じていると言っていた。例えば、盧武鉉時代は「Made in DPRK」というタグでの韓国輸入を認めていたが、李明博時代はそれを認めなくなったために「Made in China」というタグで輸出しているという。これに伴い、かつては元山から釜山に直接輸送されていたものが、李明博時代には大連経由で釜山に輸出されるようになったという。

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    こうした状況は、北朝鮮「政権」が核・ミサイル開発や韓国との衝突で作り出したものなので仕方がないと言ってしまえばそれまでであるが、そのような締め付けをし、ここで働いている労働者が反体制派となり立ち上がるかといえば、そうは思えない。彼らの中では、金大中・盧武鉉ができたのに、李明博・朴槿恵がやらないのは嫌がらせだとしか感じていないはずである。

    色々と話をしてくれた工場長の笑顔を見ていると、ますますそう感じてしまう。
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    3つめの工場は、過去記事でも紹介した琵琶島と半島を繋ぐ橋の近くにある。この工場は金正日が現地指導した工場で、
    「沿革紹介室」もあるということで期待していた。ところが、観光会社と工場の連絡が上手くいっていなかったようで、冷たい対応であった。北朝鮮ガイドの努力で工場内部は少し見ることができたが、誰と話をすることもできず、あまりおもしろくなかった。

    「偉大な領導者金正日同志が2009年12月16日水産物総合加工場」
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    北朝鮮では、「現地指導」をさぞかし大変なことのように言っていると常々思っていたが、いくらメルセデスベンツSクラス・リムジンでの現地指導とはいえ、それなりに大変であると今回感じた。というのは、どれだけ高級車であっても、未舗装の道を延々と走り続けるのは相当疲れると思ったからである。運転手も安全性と快適さという点からして、そんなにスピードも出せないはずである。そう考えると、「元帥様」の航空機利用は大正解だし、「将軍様」の拠点間の鉄道利用もベンツで未舗装道路を延々と走り続けるよりも快適だし、時間的にも短縮できると思う。

    朝中露三角地帯への未舗装道路
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    工場はかなり大きいので他の仕事もしているのかもしれないが、我々が見学できたのはイカを竹串に刺す作業場だけであった。工場には漁港が隣接しているので、新鮮なイカを串に刺して冷凍、中国へということのようだ。それにしても、実に労働集約的な作業である。ここにも中国から派遣された人がおり、香港人同行者が話をしていた。
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    工場に隣接した漁港
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    ただ、この工場は、水産物加工だけではなく水産物調理直売でも相当に収益を上げているようだ。下の写真は、中国人観光客の注文を受け、ウニやナマコを加工(といってもこれらについては切るだけだが)する販売員
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    実はこの直売コーナーは、「将軍様」が現地指導した際に提案したアイディアで作られたという。金正日が2009年の時点で羅先を中国人観光客に開放し、多くの中国人が訪れることを予見し、この直売コーナーを提案したとしたら、その眼目はたいしたものである。
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    3つの「模範」工場を見た感想としては、様々な事情により経営状況は決してよくないように思えた。外国人に見学させ、「20時報道」で紹介されるような「3大革命赤旗を獲得した事業所」ですらこの状況なので、その他の事業所は推して知るべしである。

    それでも、羅先は潤っている。「展示会」や「ジャンマダン」での購買力の源泉はどこにあるのだろうか。どうやらそれは製造業ではなく、サービス業にあるようだ。繰り返しになるが、そのことを分かって金正日が「直売コーナー」を作らせたのであれば、それは正しい選択であったといわざるを得ない。

    「展示会」は、外国企業の誘致・投資促進説明会でもあった。説明会場では関連部門の「副局長」なる人とも会い話をしたが、「これでは投資する気にもならない」という雰囲気であった。実は、同行した米国人はビジネスマンで、本気で北朝鮮に投資したいと思っているようだが、この「副局長」との話で幻滅したようだ。もちろん、オフィシャルな場でオフィシャルな話をしただけなので、焼酎でも飲みながらゆっくりと話せばよい話もできたのかもしれない。

    さて、「将軍様」の提案かどうかは分からないが、サービス業の究極的なもの(北朝鮮の水準ではあるが)を体験した。同行者が「マッサージ」を希望した。私は、マッサージをされると痛いので「どちらでもいい」という感じであったが、北朝鮮ガイドが「受けないと後悔する」というので、一緒に行ってみることにした。連れて行かれた場所は「健康中心」と呼ばれる場所であった。我々が到着したときは、ちょうど中国人団体が途切れたタイミングで直ぐにマッサージを受けることができた。マッサージは「全身マッサージ」と「足マッサージ」がありどちらも100元、「ペッチャン」(勇敢さ)がない私は「足マッサージ」を希望した。

    マッサージは個室ではなく、一室に3~4台のベッドが置かれている。我々のグループはいくつかの部屋に分かれ、私は全身マッサージを希望したスコットランド人と同じ部屋に入った(ドアは開放状態、時々、後から来た中国人がのぞきに来ていた)。スコットランド人の方はパンツ一丁になり、全身に薄い毛布を被された。私の方は、ズボンを脱ぎ下半身にタオルを被された。

    私を担当したのは、少し年齢が上のオネーサン。スコットランド人の方は、もう少し若いオネーサンであった。私の方は、オネーサンと話をするのが目的だったので、世間話をしていたのだが、このオネーサン、平壌の大学で医学的なマッサージを学んだとのこと、マッサージ経験がほとんどない私には上手いのか下手なのか分からないが、とにかく力はあった。痛いのを我慢していたら、察知して「痛いですか」と聞いてきた。

    スコットランド人の方は、朝鮮語が全くできないので、オネーサンの指示を私が通訳していた。そういうこともあり、両名とあれこれ話ができた。オネーサンたちは、中国人観光客相手の商売なので、中国語での指示はできるようだったが、英語はからきし駄目だった。

    私のマッサージが先に終わったのだが、オネーサン、「頭のマッサージもいかがですか」と首から頭にかけてのマッサージもしてくれた。全身も足も同じ100元なのでと言ってしまえばそれまでだが、なかなかサービスがよかった。おもしろかったのは、足マッサージの人にだけ「天然水」を出してくれたことだ。「ペッチャン」のない私は、一口飲んでコップを置いたら、オネーサンに「足マッサージを受けた人は、水を全部飲まないと体によくありません」と叱られた。結局、一気に飲み干したのだが、その結果、体調を崩すことはなかった。水がぬるかったので味わいもしなかったが、冷たく冷やしてあれば美味しかったのかもしれない。

    というわけで、スコットランド人のマッサージも終わり、オネーサンたちに代金を支払った。サービスがよかったのでそれぞれに10元のチップを渡そうとしたら、初めは断られた。この辺り、社会主義朝鮮の美風なのだろう。そこで、10元を渡す意味をきちんと説明したところ、嬉しそうに受け取ってくれた。

    外に出たら中国人の団体が来ており、たくさん待っていた。北朝鮮ガイドに感想などを話していたのだが、この「健康中心」は外人専用で朝鮮人民は利用できないと言っていた。では、朝鮮人民はマッサージを受けないのかと尋ねたら、「医療施設」で「無償」で受けられるとのことだった。「平壌のチャンガンウォンのようなところですか」と聞いたら、「そうだ」と言っていた。

    ともあれ、この「健康中心」もサービス業で大成功している事業所といえる。施設だけ作り、あとは朝鮮人民の人件費なので、1人100元でどれだけ儲かっていることだろうか。

    と、「素人さん」であれば、ここまでの話である。しかし、友好的日本人民の私にはマッサージ以上に凄い発見があった。写真を撮るのを失念したのが実に残念であるが、私とスコットランド人がマッサージを受けた部屋は、なんと「将軍様の家族」という掛け軸がかかった部屋であった。

    2つ前の記事、「人民は呼ぶ、親近なるその名前」で用いられた映像。マッサージ室にあったのは、この縦タイプ。
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    Source: KCTV, 2014/09/07放送

    さすがの「将軍様」も崇高な掛け軸の前で、外国人2人が半裸になり朝鮮人民女性にマッサージを受けることは予期しなかったことであろう。恐らくこの建物、人民住宅を接収して「健康中心」にしたのであろう。その際、さすがに「将軍様の家族」という崇高な掛け軸は撤去することができず、そのまま残したのではないだろうか。

    オネーサンを困らせると思ったので、これについては質問できなかった。

    羅先11:ロシアンレストラン、結婚式とモザイク壁画、銅像建設地、「バッジ」、シャンプーとリンス

    我々は、滞在期間中、一度だけ「ロシアンレストラン」に行った。過去記事でも紹介したように、ロシア・中国に接する羅先は中国ほどではないが、ロシアとの交易もかなりしているようである。きちんと調べたわけではないが、直感的にロシアからは材木などの資材や魚介類(タラバガニなど)を輸入しており、中国からは消費財を輸入しているようである。消費財は中国からの輸入なので、「ジャンマダン」ではロシア製品はほとんど見られなかった。

    「ロシアンレストラン」とはいえ、ロシア料理専門ではなく、ロシア料理も提供するというレストランであった。私も含めて何人かの同行者は、「朝鮮に来てロシア料理なんか食べたくない」と文句を言いガイドを困らせたが、実際にロシア式のマッシュド・ポテトなどが出ると美味しいと食べていた。最後までこだわりキムチとご飯、スープで食事をしていたのは、もちろん友好的日本人民である。

    「ロシアンレストラン」に掲げられたメニューの一例。「本日の新しい料理 焼き松茸、エビサラダ、牛メウンタン(辛いスープ)、焼き鰻、五福スープ」等と書かれている。焼き松茸を食べたかったのだが・・・
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    レストランでは朝鮮人民もたくさん食事をしていた。平日の昼間から酒を飲んでいるグループもいた。色々な勤務形態があろうからそれはよいのだが、人民服の前をはだけたり、ズボンをまくり上げる姿など、80年代の韓国でもよく見られた姿である。人民服のボタンを外してシャツを見せるのは、暑い日の「現地視察」で「元帥様」もやっているので問題なしなのだろう。

    食事を終えて少し時間があったので、2階に上がってみた。この辺り、勝手気ままに動き回れるのが、羅先ツアーの良いところでもある。あるレストランでは、2階で行われていた朝鮮人民の結婚式を少しだけ見ることができた。日本では週末に結婚式を挙げることが多いが、北朝鮮では平日、週末問わず結婚式をするということである。ガイド曰く「国家が特別の休日を出してくれるから」とのことであった。我々が見たときは、誰かがカラオケを熱唱していた。このレストランは「太陽像モザイク壁画」の近くにあり、北朝鮮ガイドに「大元帥様にご挨拶してから、結婚式をやるのですね」と言ったら、驚きながら「よくご存じですね」と言っていた。

    我々一同も献花をした「太陽像モザイク壁画」。献花は通過儀礼のようだ。
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    「2階に上がる」話からそれてしまうが、「モザイク壁画」と関連し銅像の話を少し書いておく。実は、羅先には「大元帥様」の銅像はまだない。羅先ほどの都市なのに、銅像がないのは意外である。北朝鮮ガイドは「羅先劇場の前に大元帥様の銅像を奉るよう準備中です。これは羅先市民の願いです」と言っていた。

    銅像建設予定地で多くの中年女性が作業をしていた。実態として「動員」なのだろうが、「羅先市民の願いを叶えるためのボランティア」ということになるのであろう。
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    この写真からも分かるように、銅像建設地をまず十分に整備してから、「万寿台創作社」が銅像を搬入、建立するというやり方のようだ。銅像がどのような形で運び込まれるかは分からないが、過去にシートで覆われた建設現場の写真をどこかで見たことがある。銅像が建立されれば、必ず「20時報道」で報道されるので、いつできるのか楽しみだ。「元帥様」は、羅先での「現地指導」をしたことがないので、銅像の除幕式に参席するのかもしれない。そうなれば、「羅先市民の願い」が2つまとめて叶うことになる。しかし、これほど外国人(中国人)が多くいる羅先に「元帥様」を招くことは難しいのかもしれない。数日間の国境閉鎖という措置を取るのであろうが、保安上の問題さえなければ、「元帥様」には是非とも羅先LIVEを見ていただきたいものである。

    さて、例によって話がそれたが、「2階」に上がるときれいな「販売員ドンム」がいた。
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    この写真は、きれいな「販売員ドンム」を紹介するためではなく、彼女の胸に注目していただきたい。「バッジ」がない。彼女は、北朝鮮方言の朝鮮語を話していたので朝鮮人だと思う。もちろん可能性としては「ロシア系朝鮮人」であったり「中国朝鮮族」であったりすることはあるが、なぜ「バッジ」がないのだろうか。直接質問しようと思ったが、「バッジ」の話はセンシティブな話題だったので、やめておいた。

    「バッジ」の扱いであるが、今回、色々なことを発見した。まず、「金日成・金正日の笑顔が赤旗に描かれている最新型の「バッジ」は、エリートに配られている」という説は、どうやら真実ではないようだ。例えば、北朝鮮ガイドを見ても、先輩ガイドは丸い小さな古いタイプの「金日成バッジ」、若い方は「金日成・金正日の笑顔」が描かれた最新の「バッジ」を着用していた。「成分」の問題かとも思ったが、先輩ガイドは「金日成総合大学卒業」と言っていたので、同大学を卒業できたことからしても「成分」的にはトップクラスであろう。

    また、「バッジ」の管理は相当厳密に行われているという説もあるが、これも疑わしい。というのは、「バッジ」を複数着用している朝鮮人民を何人も見たからだ。
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    この人は2つであるが、上着に2つ、その下のシャツに1つと全て違うタイプを3つ着用している人もいた。「バッジ」にはかなり種類があるようで、肖像画の下に金日成のサインが入っているようなタイプもあった。傾向としては、普通の顔で写っているタイプから微笑み顔で写っているタイプに移行しているようである。

    本物か偽物かは分からないが、中国・図們市の土産物屋で売っていた「金日成バッジ」。店の主人は「本物」と言っていた。かなりできはよい。
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    さて、もう一度きれいな「販売員ドンム」の写真に戻って欲しい。今度は、背景に注目して欲しい。「ドンム」の右の棚の中断に置いてある細長いものは、最近発売された「平壌で作られたシャンプーとリンス」とのことであった。セットで60元で売っていたが、「ドンム」曰く、「これはジャンマダンでは売っていませんよ」。確かに、「ジャンマダン」では売っていなかったようだ。どうやら、製品の流通ルートにより「ジャンマダン」に流れていくものと、このように「商店」で売られるものと分けられているようだ。ホテルで提供された中国製シャンプーの質があまりよくなかったので、買ってみた。

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    製品名は「未来」、「ミョンホチョンホ合作会社」の製品なので、どのみち中国系企業との合弁ではあるが、ホテルで提供されたシャンプーよりも質と香りがよかった。裏面には、成分や効果が朝鮮語と英語で記されている。実は、ホテルのシャンプーの質以外にもこのシャンプーを買った理由がある。過去記事で「元帥様」がリンゴの香りのシャンプーのにおいを嗅いでいる姿を紹介したが、それがこのシャンプーではないかと思ったからである。残念ながら、調べてみると「元帥様」のシャンプーはこのシャンプーではなかったが、香りはといえばこのシャンプーもリンゴの香りである。成分には「天然植物抽出物」と書かれているので、これがリンゴの香りの元なのかもしれない。

    「元帥様」が臭いを嗅ぐ過去記事:http://dprknow.blog.fc2.com/blog-entry-829.html

    羅先10:「第4回羅先国際商品展示会」、三輪車、電動自転車、米びつの下の100元、人気の中国製品、エスキモーとロシアのアイス、マイク・スマホ・プーさん、「金日成-金正日主義研究室」

    我々の訪朝のメインイベントは、形式的には「第4回羅先国際商品展示会」を観覧し、北朝鮮とのビジネス関係を結ぶ契機を作るということであった。私はビジネスマンではないので、その実態を横で観察するつもりで参加した。しかし、既に書いた記事からも分かるように、「展示会」は訪朝イベントの一部であり、それ以上に多く名収穫を得ることができた。

    「羅先展示館」で開催された「第4回羅先国際商品展示会」。会場正面に白ナンバーの北朝鮮の車と青ナンバーの中国の車がたくさん駐まっていた。
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    展示会場は屋外と屋内に分けられている。屋外には、トラクターなどの農機、電動自転車、三輪自動車、太陽光パネルなどの小型のものから、大型のトラックまで展示されていた。屋外に展示されていた製品は、私の見落としがなければ全て中国製であった。

    「羅先ミヨン商業会社 貨物積載型三輪車 排気量200cc 液体冷却(水冷式) 工場価格15000元」なかなかシブイ三輪車である。バイクの後部を改造して三輪車にしたものであろう。「羅先ミヨン商業会社」の出展だったので、中国からの輸入品と思われる。
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    「羅先ミヨン商業会社 旅客輸送型三輪車 排気量175cc 強制風冷却(強制空冷) 工場価格16500元」。中国人(左)と話をする朝鮮人民の出展者。中国人かどうかは「バッジ」で判断している。手前にあるカラフルなバイクが電動自転車。乗り物では電動自転車が最も人気だったようで、多くの朝鮮人民が試乗していた。
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    中国製の発電機とトラクター
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    中国製の大型トラック。ナンバープレートもついておらず、運転席のシートにビニールがかけてあるので、展示用である。
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    さらに別の電動自転車
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    太陽光を利用した調理器の説明を聞く人々
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    私は、「展示会」というので販売はせずに展示するだけだと思っていたのだが、この「展示会」は「展示・即売会」であった。屋内展示場に入場するには5元の入場料があったが、屋外は無料であった。全ての朝鮮人民が自由に入場できたのかは分からないが、特段身分証などでのチェックは行っていなかったし、北朝鮮ガイドが「今日は、みんな展示会に行ってしまったようで、町が静かだわ」と言っていたので、年に一度のショッピング・イベントでもあったようだ。多くの買い物をした朝鮮人民。
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    上の写真の人たちではないが、会場でおもしろい会話を耳にした。ある女性が携帯電話で話をしていたのであるが、相手は夫のようだ。女性は何かを買いたかったようで、「この機会しかないんだから、米びつの下に置いてある100元札を持って来て」と言っていた。へそくりなのだろうか、「米びつの下」というのを聞いて笑ってしまった。何処の国も主婦は知恵があるようだ。(朝鮮人民に紛れ込んで人の話を聞くなど、破壊工作こそしないが、「無名の英雄たち」に登場したユ・リムではないか)

    さて、ではここからは屋内の様子を紹介する。屋内はいくつかのホールに分けられており、大きく北朝鮮製品を売るホールと中国製品を売るホールに分けられている。ホールの数がいくつあったかは忘れてしまったが、中国製品を売るホールの方が確実に多かっただけではなく、朝鮮人民もそちらにたくさんいた。朝鮮人民が輸入品に関心があるのは当然であるが、私は中国製品など見ても仕方がないので、北朝鮮製品が展示してあるホールをうろうろしていた。

    北朝鮮製品の中で多かったのが、別記事でも紹介した薬品や栄養剤であった。
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    このブースでは、何を販売していたのか忘れてしまったが、この朝鮮人民たちは靴を見ながら何か話していた。新製品の靴を見ていたのかもしれない。
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    別記事で紹介した「背が高くなる薬」を売っていた「無病新技術交流社」。このブースは北朝鮮製品を売るブースであったが、常に朝鮮人民が集まっていた。
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    あとは、北朝鮮切手を売るブースや書籍を売るブースがあった。当然私の関心は、書籍を売るブースである。

    中国製品を扱うホールはこのように混雑している。
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    日本からは「環日本海経済研究所」がブースを出していたが、ものを売るわけではないので何も置いてなかった。ブース前では、研究所員が研究所を紹介するチラシを配付していたが、売り物がないので朝鮮人民は素通りする人が多かったようだ。話を聞いているのは私の同行者。「大変ためになった」と言っていた。
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    さて、再び外に出ることにする。会場の一角にはテントが張られ、食事ができるようになっている。下は、バーベキューを売っている店。同行者たちは、店に入って食べたり飲んだりしていたが、私は時間が惜しいので歩き回って観察を続けた。
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    下はポップコーン。どこかの施設を「現地指導」した「元帥様」試食したポップコーンと同じかどうかは分からない。
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    少し疲れたので「エスキモー」を食べた。北朝鮮ではなぜか分からないが、アイスクリームのことを「エスキモー」と呼んでいる。
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    「展示会」ならではの食べ物なのかもしれないが、朝鮮語とロシア語が書かれたテントの前では、ロシアのアイスクリームを売っていた。チョコチップアイスを食べてみたが、北朝鮮の「エスキモー」とは違い、Baskin-Robbinsの味がした。
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    このアイスクリームを売っていた「ロシアノブイミル会社」のテント内で食事を楽しむ朝鮮人民IMGP4274.jpg

    「接待員ドンム」が歌を歌い始めるテントもあった。これも羅先を象徴するようなショットである。「バッジ」を着用し、首から提げたカードには「奉仕 SERVICE」と書いてある。そして手元に注目していただきたい。写真の解像度を落としてしまっているので分からないかもしれないが、彼女が持っているのはピンク色のカバーを着装したスマホで、カバーにはクマのプーさんのシールが貼ってある。
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    笑顔が素敵な女性もいたし
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    「展示会場」の反対側には「金日成-金正日主義研究室」もあった。これが羅先である。
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    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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