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    オム・ユンチョル選手、2019年世界ウェイトリフティング連盟世界選手権で金メダル、平壌空港で並んで写真 (2019年9月19日 「朝鮮中央TV」)

    19日、「朝鮮中央TV」の「20時報道」を見ていたら、とても喜ばしいニュースが飛び込んできた。朝鮮旅行の流れからすると最後の話だったので、まだまだこれから先に書こうと思っていたのだが、このニュースを見たので先に書いておくことにする。

    朝鮮から中国に戻る13日、平壌国際飛行場にかなり早く到着し、時間を持て余していた。そもそも、帰国便に高麗航空を利用せず、中国国際航空CA122を選んだのは、平壌での滞在時間をできるだけ長くするためであったのだが、案内員同志曰く、「もう行くところがない」ということで、チェックインが始まる1時間半前に平壌国際飛行場に到着した。飛行場内を見て回りながら時間を潰すも、他にやることもなく時間を持て余していた。

    すると、白いスーツを着た朝鮮の体育選手(ウェイトリフティング)と朝鮮チームのジャージを着た朝鮮選手団(卓球)が空港にやって来た。これまでも北朝鮮選手の活躍は記事にして来たので、見覚えのある選手はたくさんいた。中でも印象深かったのが、ウェイトリフティング男子のオム・ユンチョル選手で、名前こそ思い出せなかったが、顔を見て、朝鮮の重量挙げゴールドメダリストだということは直ぐに分かった。

    まさか空港で出会えるとは思っていなかったので、大変感動し、話しかけたかったのだが、「元帥様」から直接褒められたゴールドメダリスト。手首には「元帥様」から受け取った「将軍様」サイン入り時計を着けていた。さすがに直接声をかけるのははばかられ、案内員同志に写真を撮っていいか聞いてくれと頼んだ。案内員同志、「自分で頼めば大丈夫です」とはいうが、さすがにそれはできなかったので、一緒に来てもらった。「朝鮮中央TV」でオム選手の活躍を見ており、こんなところで偶然会えたのでとても光栄なので一緒に写真を撮って欲しいと頼んだところ、周囲に軍服を着た人民軍系体育団の団長などがいたにもかかわらず、気軽に応じてくれた。拙ブログには、自分が写った写真は出すつもりはなかったのだが、こればかりは記念に残る写真なので出しておくことにする。

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    北京に向かうCA122便には、朝鮮の選手団が乗り込み、私は朝鮮のウェイトリフティング選手に挟まれた座席に座っていた。窓側に座った女子選手は、疲れたとか言ってあまり機嫌が良くなかったが、通路側に座った男子選手は、私に時間を尋ねるなど話しかけてきた。男子選手の名前はわからないが、女子選手の方はよく見る顔だった。

    搭乗口で待つ朝鮮選手団。左でスーツケースに座っているのがオム選手。中央に一人で座っている女子選手が機内で横に座った女子選手。
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    オム選手は、北京に到着するまで目が合うとニコッとしてくれ、人柄の良さを感じた。「一生懸命闘い、朝鮮を輝かして下さい」と言って別れたが、タイの選手権大会で大活躍をしたという「朝鮮中央TV」のニュースを聞き、他人事ではないように嬉しかった。

    日本語字幕付き。

    Source: KCTV, 2019/09/19

    「食堂船、ムジゲ号」、「金日成広場」地面にマーク、中国人観光客、講師同志 (2019年9月10日)

    夕食は、「ムジゲ号」と「大同江号」という2つの選択肢があったのだが、クルーズをする「大同江号」を選んでおいた。なので、昼間の内に「ムジゲ号」の外観だけでも見ておくことにした。

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    カン同志に「ムジゲ号は動くのか?」質問したところ、「動かない」と言っていた。そもそも、エンジンがない水上建築物なのかもしれない。

    「3大革命展示館」の「重化学工業館」を観覧していたら、「ムジゲ号」を建設する珍しい動画を上映していた。「朝鮮中央TV」では放送されていない、実に貴重なシーンだ。「ムジゲ号」に関する過去記事に、「ムジゲ号」は中国で使っていた食堂船を持って来て、部分改造したものではないのかと書いたが、どうやらその場でゼロから建造した船のようだ。

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    次に金日成広場を見た。金日成広場の路面に白いマークや記号、そして踊り用の円が描かれている。あのような秩序だった動きをするためには、このうなマークが不可欠なのであろう。
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    路面のマーク。「区域」を示すような文字も書かれていた。集会などの際、同一「区域」の人々が集まりやすいようにしてあるのだろう。
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    「大元帥様達」の肖像画の下には、碑石がある。カン同志は、この碑石が朝鮮の道路の起点だと言っていた。日本では、日本橋の上に「日本国道路元標」があると、カン同志に教えておいた。この碑石の話は、以前、「朝鮮中央TV」の何かの番組の中で聞いたことがある(記事にしたかもしれない)。
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    大同江対岸から見たムジゲ号と金日成広場
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    平壌を観光している外国人は、中国人が圧倒的に多かった。西欧系の人々やロシア人は少人数での観光をしていたが、中国人は大きな団体を構成しているので、中国人団体を避けながら回らないと、ゴチャゴチャして落ち着いて観光できない。特に、各観光スポットには「講師」がおり案内をしてくれるのだが、中国人団体がいると、「講師」同志の話を落ち着いて聞いたり質問をしたりするのが難しくなる。「講師」同志は独占するに限る。

    人民大学習堂前の噴水広場で記念撮影をする中国人団体観光客。右手前のスカートの女性が案内員。座っているのは朝鮮人民。
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    開城のソンヤン書院の「講師」同志(女性)と案内員の金同志。
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    朝食・コーヒー、朝の平壌、人民軍、学校 (2019年9月10日)

    10日、朝食はホテル内でビュッフェ方式の食事をした。2010年の羊角島ホテルでは、テーブルの上に個別の朝食が出されたが、今回は好きなものを取って食べる形式だった。そもそも、朝食をあまり食べない私は、キムチとおかゆを少し食べ、大量に飲むコーヒーを入れに行ったら、何号室かと言われて部屋番号を言ったが、もらえなかった。予約が必要なのか、料金を別途支払う必要があるのかはよく分からないが、ロビーのコーヒー店に行けば飲めるので、直ぐに立ち去った。コーヒー店でコーヒーを注文しようにも、メニューにあるコーヒーの種類がよく分からなかった。朝鮮文字で書かれているが、外国語を音訳した難しい名前で、「甘くないコーヒーがいい」と言ったら、「濃いのが好きですか」というので、「そうだ」と答えたら、エスプレッソが出てきた。まあ、確かに濃いコーヒーではあるが、想定とは異なった。通常はほとんど口にしないエスプレッソであるが、砂糖がたっぷり入った甘いコーヒーよりもよかった。25元ぐらいだった。

    ホテルの部屋から見た平壌。朝、出発する列車が多いようで、汽笛の音が何回も聞こえた。写真には写っていないが、左の直ぐ先に平壌駅がある。
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    上の写真を撮りながら心配していたのは、人民軍の「基地」が映り込んでしまうことだ(軍事施設の撮影はまずい)。見ているとそこには建設軍人らしき軍人がいて、右横にあるアパートの前で作業をしていた。青い屋根の建物は、「基地」というよりも、建設軍人の宿舎なのだろう。色からすると、これら2棟のアパートが、人民軍関係者のアパートなのかもしれない。
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    朝礼をする生徒達。音楽や先生の話が聞こえてきた。
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    この日は、午前中に平壌市内を観光し、開城に向かうことになっていた。

    「人民の国」、大同江ビール (2019年9月9日)

    平壌報告を記憶が薄れる前に書こうと思っているのだが、今週末に朝鮮の学者も参加する国際フォーラムが延吉で開催されるので、その準備もあり、なかなかシリーズの続きが書けていない。

    平壌に到着した夜、「大集団体操と芸術公演、人民の国」を観覧することになった。「共和国創建70周年」の昨年は、9月9日に「元帥様」が「輝く祖国」を観覧に来た。今年ももしかしてと期待したが、さすがに今年は来なかった。

    2018年の「共和国創建70周年」に際して、「輝く祖国」を観覧に来た「元帥様」と「女史」。
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    Source: KCTV, 2018/09/10

    今年、「元帥様」が座っていた主席壇には、アフリカ系の特別招待者と思われる人々が座っていた。私が座った100ユーロの一番安い席は、上の写真のだと「元帥様」の斜め上辺りになる。一番安い席と主席壇の間には一つクラスが高い席があるが、公演を観覧するについてはあまり変わりがない。大きな違いがあるとすれば空が見えるかどうかで、「祝砲」やドローン編隊を見るにはその時だけしたに降りていかなければならない。カン同志が「下に行って見て下さい」というので、その時だけ階段の所に座ってみていた。他の観覧者は案内人に注意されていたので、友好的人士に対する厚遇だったのだと思う。

    人文字を作る生徒達が入場して来る。
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    入場が終わると、自分が属する学校がある「区域」を人文字で示す。カン同志によると、各区域の学校から選抜された生徒達が集まっているという。カン同志は、自分は「サッカー小組」だったので、人文字はやったことがないと言っていた。
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    人文字をどのようにコントロールしているのかについて質問したところ、正面、つまり主席壇の上の方に指示する人がいて、その人の指示に従っていろパネルを出しているとのことだった。基本的には原色を切り替えているだけだが、中間色のパネルを使う部分が難しいとのことだった。

    2019年6月3日、「元帥様」は「人民の国」開幕の日にやって来て、「公演が終わった後、大集団体操と芸術公演創造関係者を呼ばれ、作品の内容と形式を指摘され、彼らの誤った創作創造気風、無責任な仕事の態度について深刻に批判」している。その批判を受けて「人民の国」は改善されているはずなのだが、残念ながら6月公演を見ていないので、どこがどのように改善されたのかはよく分からない。

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    Source: KCTV, 2019/06/04

    『我々の国旗』が流れる中、共和国旗が入場する。
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    そして、「人民の国」という文字を形象したドローン編隊が会場上空を通過する。
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    その後、「大元帥様達」の歌が流れるが、スタンドに「太陽像」が描かれたときには、観覧者は起立して拍手をする。
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    「革命武力は、元帥様の領導だけ支える」という人文字。「朝鮮中央TV」では、閲兵式などで演じられる人民軍女性兵士の「剣舞」をよく見てるが、遠くからではあるが、初めて見る「剣舞」はなかなか良かった。その他にも、人民軍男性兵士が車の上を飛び越えたり、頭でブロックを割るなど、勇猛さを誇る演技があった。
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    次に注目したのが、ワンジェサン芸術団の踊りだ。この踊りは動画撮影もしたので、うまく撮れていれば、追ってYouTubeにアップロードする。公演後、カン同志が「どの公演が一番良かったか」と聞いてきたので、「ワンジェサンだ」と答えると、カン同志は「ワンジェサンはちょっと派手だけどなぁ」と言っていた。
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    その後、サーカス団の演技などがあり、「元帥様」の「太陽像」がスタンドに出て「祝砲」が打ち上げられフィナーレとなる。「元帥様」の「太陽像」が出た際に流れた曲がなんだったのか忘れてしまったが、『金正恩将軍賛歌』か『金正恩将軍に栄光を』だったと思う。もちろん、観覧者は立ち上がって拍手をする。
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    初めて生で見た「大集団体操と芸術公演」は、なかなかおもしろかった。金同志は、「毎週、マスゲーム見ているからなぁ・・・」と言っていたが、確かに、日本人観光客が来る度に見ていたら飽きてしまうだろう。

    この日はそのままホテルに戻り、ホテルロビーのコーヒー店で案内員同志達と大同江ビールを飲んだ。色々と話をしたのだが、何の話だったのか忘れてしまった。平壌の大同江ビールも通常売られているものは全て「2番」で他の番号は置いていない。金同志は、他の番号は「生ビールじゃないと飲めない」と言っていた。今回の訪朝では、大同江ビールをはじめとして各種ビールを飲んだが、結局、大同江ビールに関しては、2番以外を飲む機会はなかった。ビールの値段であるが、7元から10元だった。やはり中国で飲むよりもずいぶん安いのだが、丹東で見た12元の大同江ビールは「本物」だとすれば、良心的な値段だと思う。

    平壌で聞く「平壌放送(FM)」、開城で聞く「平壌FM放送」 (2019年9月9日)

    9日夜は、「集団体操と芸術公演、人民の国」を見ることになった。これも、日程が変更されたわけだが、「意義深い」9月9日に見るというのも悪くない。

    ホテルに着いて夕食までに少し時間があったので、部屋で時間を潰した。まずやったことは、「アリラン」テレビに電源を入れ、どのような放送が見られるのか確認した。確認できたのは、「朝鮮中央TV」と「万寿台TV」だった。前者はいつも見ているので特に珍しい気はしなかったが、「万寿台TV」の方は意識してみるのは初めてだった。この日の「万寿台TV」では、科学技術に関する番組を放送していたと思う(「万寿台TV」については後述)。その他にNHKを含む海外の番組を見ることができたが、これらはパス。

    しばらく、テレビを見ていたら、スマホでFM放送が受信できることを思い出した。早速、受信してみると、とりあえず2局受信することができた(ワイドスキャンはしていない)。受信できた周波数は89.1MHzと91.1MHzで、同じ内容の放送をしていた。受信状態は、91.1MHzの方が良かった。帰宅後調べてみると、100MHz以上にもFM局があるようなのだが、100MHz台には何もなかったような気がする。

    FM放送では音楽を連続して流しており、あまりアナウンスはなかった。長時間、受信していたわけではないのでよく分からないが、中波や短波で放送している「平壌放送」や「朝鮮中央放送」とは内容が異なるようだ。

    「集団体操と芸術公演」後、案内員同志とホテルのロビーのコーヒー店で大同江ビールを飲み、11時半頃、部屋に戻ったのだが、寝る前に再びFM放送を聞いてみた。録音しながら聞いていたのだが、局IDアナウンスと時報を聞くことができた。やはりFMだけあって、音質がとても良い。


    また、開城でもFM放送を受信してみた。というのも、10日の開城は大雨で、部屋に設置されていたテレビでは放送を見ることができなかった。売店では販売員同志が「朝鮮中央TV」を非常に良い受信状態で見ていたのだが、どうやらマンバンを使って見ていたようだ。開城で宿泊した「開城民俗旅館」の案内員同志に聞いたところ、大雨の影響でテレビ放送が中断しているとのことだった。

    そんなこともあり、何もやることがないので、FMを聞いたわけだが、この日は雨の影響でFM放送が止まっていたのか、朝鮮の放送は何も聞こえなかった。しかし、スキャンしていると2カ所ほどでスキャンが止まった。聞こえてきたのは「思想文化的」によろしくない「南朝鮮」の放送だった。94.7MHzと106.9MHzでそれぞれ異なる放送が聞こえたが、世界の放送局の周波数が出ているWRTHは研究室に置いてあり、それらがどの放送局だったのかは確認できない。2つの局とも、女性DJがアナウンスをしながらポップスを流していた。内容からして、朝鮮向けの謀略放送ではなく、韓国向けの放送が受信できてしまうということのようだった。朝鮮も短波帯とは異なり、ジャミングはかけていなかった。

    翌朝はすっきりと晴れ上がり、朝食までの時間帯、再びFMラジオを聞いていた。この日は、朝鮮の放送が92.5MHzではっきりと聞こえ、「平壌FM放送」とアナウンスしていた。朝鮮には「平壌放送」のFM放送と「平壌FM放送」という2系統の放送があるようだが、局名が異なるのみで放送内容が同じなのかどうかについては確認に至らなかった。

    開城の「平壌FM放送」。8時に局名をアナウンスしている。
    プロフィール

    川口智彦

    Author:川口智彦
    「크는 아바이(成長するオッサン)」

    ブログの基本用語:
    「元帥様」=金正恩朝鮮労働党委員長(上の絵の人物)、2016年12月20日から「最高領導者同志」とも呼ばれる
    2021年1月11日から「総秘書同志」
    「首領様」=金日成主席
    「将軍様」=金正日総書記
    「政治局員候補」=金ヨジョン(「元帥様」の妹)、2018年2月11日から「第1副部長同志」とも
    「白頭の血統」=金一族
    「大元帥様達」=「首領様」と「将軍様」
    「女史」=李雪主夫人(2018.07.26より「同志」に)

    우 그림은 충정 담아 아이가 그린 경애하는 김정은원수님이십니다.


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