「朝鮮で国宝的な芸術団体チョンボン(青峰)楽団が組織された」:新たな楽団、新たな曲 (2015年7月28日 「朝鮮中央通信」)
「朝鮮中央通信」が7月28日、新たな楽団が創設されたと伝えた。
同通信は「朝鮮でまた一つの前途洋々な革命的芸術団体である青峰楽団が組織された」と伝えた。同楽団は、「金正恩同志の偉大な構想と直接的な発議により組織された」ということで、「旺載山芸術団の実力ある演奏家達とモランボン重唱組から核心的役割を担った歌手で網羅された」ということである。モランボン楽団がどうなったのかについては、同通信は触れていないが、「重唱組から確信的役割を担った歌手」を引き抜いたとすると、モランボン楽団は解体されたということなのかもしれない。7.27のタイミングで「青峰楽団」設立が発表された。一方、モランボン楽団の公演が開催されず、「功勲国家合唱団公演」が開催されている。
「功勲国家合唱団公演」を伝える「20時報道」
Source: KCTV, 2015/07/30放送
「青峰楽団」を創設した背景には、「芸術部門の沈滞と不振を払拭する斥候隊の役割を円満に遂行する新たな金正恩楽団の組織を宣布」したということなので、やはりモランボン楽団は「金正恩楽団」の地位を喪失し、「青峰楽団」に取って代わられたということのようだ。
「青峰楽団」の「<新しく出た歌>:永遠なるこだま」
Source: KCTV, 2015.07.30放送
歌は「金オクジュ、ソン・ヨン、金ソンシム、金チュヒャン」と出ており、「モランボン楽団」で活躍した歌手は含まれていない。「核心的役割」を担った歌手が実質的に含まれていない。「モランボン楽団」が解体されたとすると、「核心的歌手」はどうなってしまったのだろうか。また、演奏は「青峰楽団」となっている。
Source: KCTV, 2015.07.30放送
この「新しく出た歌」を何となく聞いていたときは、「モランボン楽団」の「死んでも革命信念を捨てるなかれ」の編曲なのかとも思ったが、クレジットを見て別の曲だと言うことが分かった。敢えて、モランボン楽団に歌わせた曲のさびの部分に当たるメロディーや歌詞を歌わせているのはなぜだろうか。
和訳付き動画
Source: YouTube, https://youtu.be/bWOPPlgycYU
同通信は「朝鮮でまた一つの前途洋々な革命的芸術団体である青峰楽団が組織された」と伝えた。同楽団は、「金正恩同志の偉大な構想と直接的な発議により組織された」ということで、「旺載山芸術団の実力ある演奏家達とモランボン重唱組から核心的役割を担った歌手で網羅された」ということである。モランボン楽団がどうなったのかについては、同通信は触れていないが、「重唱組から確信的役割を担った歌手」を引き抜いたとすると、モランボン楽団は解体されたということなのかもしれない。7.27のタイミングで「青峰楽団」設立が発表された。一方、モランボン楽団の公演が開催されず、「功勲国家合唱団公演」が開催されている。
「功勲国家合唱団公演」を伝える「20時報道」
Source: KCTV, 2015/07/30放送
「青峰楽団」を創設した背景には、「芸術部門の沈滞と不振を払拭する斥候隊の役割を円満に遂行する新たな金正恩楽団の組織を宣布」したということなので、やはりモランボン楽団は「金正恩楽団」の地位を喪失し、「青峰楽団」に取って代わられたということのようだ。
「青峰楽団」の「<新しく出た歌>:永遠なるこだま」
Source: KCTV, 2015.07.30放送
歌は「金オクジュ、ソン・ヨン、金ソンシム、金チュヒャン」と出ており、「モランボン楽団」で活躍した歌手は含まれていない。「核心的役割」を担った歌手が実質的に含まれていない。「モランボン楽団」が解体されたとすると、「核心的歌手」はどうなってしまったのだろうか。また、演奏は「青峰楽団」となっている。
Source: KCTV, 2015.07.30放送
この「新しく出た歌」を何となく聞いていたときは、「モランボン楽団」の「死んでも革命信念を捨てるなかれ」の編曲なのかとも思ったが、クレジットを見て別の曲だと言うことが分かった。敢えて、モランボン楽団に歌わせた曲のさびの部分に当たるメロディーや歌詞を歌わせているのはなぜだろうか。
和訳付き動画
Source: YouTube, https://youtu.be/bWOPPlgycYU
「朝鮮中央通信」HP再びアクセス不調:閲覧する方法 (2015年7月25日)
「朝鮮中央通信」HPが昨日辺りから再びアクセス困難になっている。知り合いの北朝鮮ワッチャーからも同サイトが見られなくなって困っているというメールを頂いているので、一応、私の対応策を紹介しておく。
1.複数のプロバイダーと契約している場合は、プロバイダーを変えて接続を試みる。私の場合、自宅で使うプロバイダー、職場のプロバイダー、外出中(移動中)のプロバイダーの3つを使っているが、外出中(移動中)に使うプロバイダーでのみ、特別な設定をすることなくスマホ、PC共にアクセスできることがある。
2.複数のプロバイダーと契約していない場合は、プロキシサーバーを通過させる。なお、プロキシサーバーを使用するに当たり、セキュリティー等の問題が発生する可能性があることを十分に理解した上で試されたい。
プロキシサーバーについて、参考になるサイト: http://www.cybersyndrome.net
プロキシサーバー検索サイト:http://www.getproxy.jp/
使っているブラウザによって設定は異なるので、プロキシサーバーの設定方法は、それぞれのブラウザで確認して頂きたい。例えば、「183.207.229.204:8080」と表示されている場合、「183.207.229.204」がサーバーのIP、「8080」がポートになる。あるプロキシサーバーでアクセス不能でも、別のプロキシサーバーを使うとアクセスできることもあるし、プロキシサーバーによっては、大変時間がかかることがあるので、表示されるリストの中から、色々と試されたい。また、あるプロキシサーバー経由での閲覧が不調になった場合、別のプロキシサーバーに切り替えると閲覧できるケースもある。
プロキシサーバーを経由してアクセスする場合、「朝鮮中央通信」HP閲覧だけに使用するブラウザ(通常使っているものと別種のもの。例えば、IEを通常使い、クロームを「朝鮮中央通信」専用にするなど)を使うことを推奨する。そうしないと、プロキシサーバーを経由しなくてもアクセスできるサイト、例えば拙ブログなども全てプロキシサーバー経由となってしまうので、場合によっては、そうしたサイトへのアクセス速度が低下する。また、一つのブラウザへの設定が全てのブラウザに反映されてしまうようなケースもあるようなので、注意されたい。
以上を行った結果、使用中のPCやシステムに障害が生じても、当方は一切免責とさせて頂く。試される場合は、完全に自己責任で行って頂きたい。また、ブラウザの設定をしたことがない方は、試されないことをお勧めする。
1.複数のプロバイダーと契約している場合は、プロバイダーを変えて接続を試みる。私の場合、自宅で使うプロバイダー、職場のプロバイダー、外出中(移動中)のプロバイダーの3つを使っているが、外出中(移動中)に使うプロバイダーでのみ、特別な設定をすることなくスマホ、PC共にアクセスできることがある。
2.複数のプロバイダーと契約していない場合は、プロキシサーバーを通過させる。なお、プロキシサーバーを使用するに当たり、セキュリティー等の問題が発生する可能性があることを十分に理解した上で試されたい。
プロキシサーバーについて、参考になるサイト: http://www.cybersyndrome.net
プロキシサーバー検索サイト:http://www.getproxy.jp/
使っているブラウザによって設定は異なるので、プロキシサーバーの設定方法は、それぞれのブラウザで確認して頂きたい。例えば、「183.207.229.204:8080」と表示されている場合、「183.207.229.204」がサーバーのIP、「8080」がポートになる。あるプロキシサーバーでアクセス不能でも、別のプロキシサーバーを使うとアクセスできることもあるし、プロキシサーバーによっては、大変時間がかかることがあるので、表示されるリストの中から、色々と試されたい。また、あるプロキシサーバー経由での閲覧が不調になった場合、別のプロキシサーバーに切り替えると閲覧できるケースもある。
プロキシサーバーを経由してアクセスする場合、「朝鮮中央通信」HP閲覧だけに使用するブラウザ(通常使っているものと別種のもの。例えば、IEを通常使い、クロームを「朝鮮中央通信」専用にするなど)を使うことを推奨する。そうしないと、プロキシサーバーを経由しなくてもアクセスできるサイト、例えば拙ブログなども全てプロキシサーバー経由となってしまうので、場合によっては、そうしたサイトへのアクセス速度が低下する。また、一つのブラウザへの設定が全てのブラウザに反映されてしまうようなケースもあるようなので、注意されたい。
以上を行った結果、使用中のPCやシステムに障害が生じても、当方は一切免責とさせて頂く。試される場合は、完全に自己責任で行って頂きたい。また、ブラウザの設定をしたことがない方は、試されないことをお勧めする。
「<朝鮮記録映画>父なる将軍様、農業勤労者と共にいらっしゃり」:バッジ着用の遍歴 (2015年7月21日 「朝鮮中央TV」)
7月21日に「父なる将軍様、農業勤労者と共にいらっしゃり」という「朝鮮記録映画」が「朝鮮中央TV」で放映された。韓国・統一部の資料では、この「朝鮮記録映画」は、2013年3月19日放送の再放送ということである。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「記録映画」の趣旨は、「将軍様」がいかに農業部門に献身し、多くの「現地指導」を行ってきたのかを紹介するものであるが、「将軍様」自身や周囲の人々のバッジに注目すると面白いことが分かる。
1963年8月5日
Source: KCTV, 2015/07/21放送
同日の指導。金日成の横に金正日がいるが、バッジを着用していない。しかし、周囲にいる農民もバッジを着用していないので、この当時はバッジがなかったのかもしれない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
何年かは不明であるが、両江道の農業視察で同行した「将軍様」。誰もバッジを着用していない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
これもいつかは分からないが、バッジがない時代。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
確認はしにくいが、この時もバッジはない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
直後に「首領様と数多くの農村指導をしていた日々に」、「偉大な農村テーゼを出され」執筆したという「社会主義建設で郡の位置と役割」が紹介される。日付は1964年3月。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「元帥様」が着用するのと同じスタイルの半袖シャツ。一同バッジなし。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日付不明、一同バッジなし。直後に1964年8月19日の「チェリョン郡チェチョン協同農場」訪問の字幕が出るので、この頃の写真であろう。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
一同バッジなし。「1960年代」とだけナレーション。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
ここまでの画面では、「集軍様」はもちろん、周囲の人々もバッジを着用していない。60年代には、バッジが存在しなかったということなのであろう。
ところが、70年代になると幹部からバッジの着用が始まる。下は「1970年代、チョンサン里」とナレーションがある場面であるが、「将軍様」と右後ろにいる幹部らしき人物のみ丸い大きなバッジを着用している。しかし、農場員たちは未着用である。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
同上、会議風景。後ろにいるこぎれいな人民服を着た人(恐らく幹部)だけがバッジを着用している。バッジが権力を象徴していたのであろう。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「旺載山里」指導。コートを着ているので、バッジは見えない。後ろにいる幹部らしき2人は着用。この「朝鮮記録映画」の中では、この場面から部分的にカラーフィルムが使われている。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
帽子の色や人民服の色が違うので、日時が異なるのかもしれないが、「旺載山里」を現地指導する「将軍様」。本人はバッジ未着用、幹部は小さな白いバッジを着用している。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「ウアン村」指導。「将軍様」は、コートを着ておりバッジは見えない。農場員は、女性もバッジを着用している。白い小さな金日成バッジのようだ。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「首領様が出された我々式営農方法を主体農法として正式化」したと紹介される「将軍様」。旗の形をしたバッジを着用している。旗型のバッジがこの頃から登場し、権力者から着用を開始したようだ。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。この頃になると、農民にもバッジが浸透したように見える。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。バッジ未着用の「将軍様」。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。バッジ着用の「将軍様」。今の「元帥様」は、1970年代後半にお父さんがやっていた着用したり、着用しなかったりというスタイルを模倣しているのかもしれない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。バッジ着用の「将軍様」。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
いつ頃からは分からないが、「野戦服」を着用し始める「将軍様」。流れからすると、80年代前半から中盤頃であろうか。「野戦服」では、バッジの着用をしない。この「記録映画」に出てくる映像を見る限りでは、以後、バッジを着用した姿はない。もしかすると、80年の第6回党大会で後継が確定してからは、バッジの着用を止めたのかもしれない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
1995年以降の「苦難の行軍」時期の「将軍様」。お父さんは既に死去しており、バッジもない。なぜかバスで移動している。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
1990年代末であろうか、半袖の「野戦服」を着た「将軍様」。バッジ着用なし。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
そして今日の『労働新聞』HPより。「敬愛する金正恩同志が新たに建設されたシンチョン博物館を現地指導された」では、白の半袖にバッチの着用はない。
Source:『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 새로 건설한 신천박물관을 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-07-23-0001_photo
例によって、金ヨジョンはよそ見をしている。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「記録映画」の趣旨は、「将軍様」がいかに農業部門に献身し、多くの「現地指導」を行ってきたのかを紹介するものであるが、「将軍様」自身や周囲の人々のバッジに注目すると面白いことが分かる。
1963年8月5日
Source: KCTV, 2015/07/21放送
同日の指導。金日成の横に金正日がいるが、バッジを着用していない。しかし、周囲にいる農民もバッジを着用していないので、この当時はバッジがなかったのかもしれない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
何年かは不明であるが、両江道の農業視察で同行した「将軍様」。誰もバッジを着用していない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
これもいつかは分からないが、バッジがない時代。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
確認はしにくいが、この時もバッジはない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
直後に「首領様と数多くの農村指導をしていた日々に」、「偉大な農村テーゼを出され」執筆したという「社会主義建設で郡の位置と役割」が紹介される。日付は1964年3月。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「元帥様」が着用するのと同じスタイルの半袖シャツ。一同バッジなし。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日付不明、一同バッジなし。直後に1964年8月19日の「チェリョン郡チェチョン協同農場」訪問の字幕が出るので、この頃の写真であろう。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
一同バッジなし。「1960年代」とだけナレーション。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
ここまでの画面では、「集軍様」はもちろん、周囲の人々もバッジを着用していない。60年代には、バッジが存在しなかったということなのであろう。
ところが、70年代になると幹部からバッジの着用が始まる。下は「1970年代、チョンサン里」とナレーションがある場面であるが、「将軍様」と右後ろにいる幹部らしき人物のみ丸い大きなバッジを着用している。しかし、農場員たちは未着用である。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
同上、会議風景。後ろにいるこぎれいな人民服を着た人(恐らく幹部)だけがバッジを着用している。バッジが権力を象徴していたのであろう。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「旺載山里」指導。コートを着ているので、バッジは見えない。後ろにいる幹部らしき2人は着用。この「朝鮮記録映画」の中では、この場面から部分的にカラーフィルムが使われている。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
帽子の色や人民服の色が違うので、日時が異なるのかもしれないが、「旺載山里」を現地指導する「将軍様」。本人はバッジ未着用、幹部は小さな白いバッジを着用している。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「ウアン村」指導。「将軍様」は、コートを着ておりバッジは見えない。農場員は、女性もバッジを着用している。白い小さな金日成バッジのようだ。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
「首領様が出された我々式営農方法を主体農法として正式化」したと紹介される「将軍様」。旗の形をしたバッジを着用している。旗型のバッジがこの頃から登場し、権力者から着用を開始したようだ。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。この頃になると、農民にもバッジが浸透したように見える。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。バッジ未着用の「将軍様」。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。バッジ着用の「将軍様」。今の「元帥様」は、1970年代後半にお父さんがやっていた着用したり、着用しなかったりというスタイルを模倣しているのかもしれない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
日時不明。バッジ着用の「将軍様」。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
いつ頃からは分からないが、「野戦服」を着用し始める「将軍様」。流れからすると、80年代前半から中盤頃であろうか。「野戦服」では、バッジの着用をしない。この「記録映画」に出てくる映像を見る限りでは、以後、バッジを着用した姿はない。もしかすると、80年の第6回党大会で後継が確定してからは、バッジの着用を止めたのかもしれない。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
1995年以降の「苦難の行軍」時期の「将軍様」。お父さんは既に死去しており、バッジもない。なぜかバスで移動している。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
1990年代末であろうか、半袖の「野戦服」を着た「将軍様」。バッジ着用なし。
Source: KCTV, 2015/07/21放送
そして今日の『労働新聞』HPより。「敬愛する金正恩同志が新たに建設されたシンチョン博物館を現地指導された」では、白の半袖にバッチの着用はない。
Source:『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 새로 건설한 신천박물관을 현지지도하시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_02&newsID=2015-07-23-0001_photo
例によって、金ヨジョンはよそ見をしている。
北朝鮮メディア関連:『労働新聞』pdf復活、「朝鮮中央通信」アクセス復活、「朝鮮中央TV」ストリーミング (2015年7月21日)
このところの北朝鮮メディアの出来事を簡単にまとめておく。
1.『労働新聞』:紙面版のpdfダウンロードができないような仕様変更があったが、少し前から再び以前の状態に戻され、pdfでのダウンロードが可能となった。HPのデザインは、更新されたまま。そもそも、プロパガンダのダウンロードをできなくするような仕様変更の理由が理解できなかった。ある韓国メディアは、「高解像度の素材を配信して色々と調べられないように」というようなことを書いていたが、配信形式が変更されていた期間も、過去記事に書いたとおり、解像度上の変更は見た目ではなかった(ファイルの分析まではしていないが)。
その『労働新聞』(2015.07.21)の紙面より。相変わらずよそ見をしながら歩く金ヨジョン。
Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 김종태전기기관차련합기업소를 현지지도하시고 철도현대화의 불길을 지펴주시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-07-20-0005
2.「朝鮮中央通信」:一部のプロバイダーあるいはIPからのアクセスができない状態が続いていたが、このところ概ね順調である。一時、接続不能になる時間帯はあるが、記事の差し替えなど、メンテナンス中なのであろう。気づいていなかったが、トップページは随分下の方まで続いていた。いつも「最新ニュース」か「政治(革命活動)」に飛んでしまうので、見ていなかった。ずっとそうであったのか、最近仕様変更があったのか分からない。
3.「朝鮮中央TV」ストリーミング:ストリーミングサーバーの設定変更をしたようだ。一時、ワイドスクリーン画面が4:3で見られる設定で流していたため、4:3で放送される番組が正方形になっていいたが、再び放送をそのまま流す設定に戻したので、動画の比率が正常になった。また、ストリーミング画質(画面サイズ)を向上させたようで、画質も向上している。音声の途切れがしばしばある状態は継続しているが、止まってしまうことは少なくなっているようである。変更は7月12日前後にあったようだ。
7月10日のテストパターン
Source: KCTV, 2015/07/10
7月20日のテストパターン。円が円になっている。
Source: KCTV, 2015/07/20
1.『労働新聞』:紙面版のpdfダウンロードができないような仕様変更があったが、少し前から再び以前の状態に戻され、pdfでのダウンロードが可能となった。HPのデザインは、更新されたまま。そもそも、プロパガンダのダウンロードをできなくするような仕様変更の理由が理解できなかった。ある韓国メディアは、「高解像度の素材を配信して色々と調べられないように」というようなことを書いていたが、配信形式が変更されていた期間も、過去記事に書いたとおり、解像度上の変更は見た目ではなかった(ファイルの分析まではしていないが)。
その『労働新聞』(2015.07.21)の紙面より。相変わらずよそ見をしながら歩く金ヨジョン。
Source: 『労働新聞』、「경애하는 김정은동지께서 김종태전기기관차련합기업소를 현지지도하시고 철도현대화의 불길을 지펴주시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-07-20-0005
2.「朝鮮中央通信」:一部のプロバイダーあるいはIPからのアクセスができない状態が続いていたが、このところ概ね順調である。一時、接続不能になる時間帯はあるが、記事の差し替えなど、メンテナンス中なのであろう。気づいていなかったが、トップページは随分下の方まで続いていた。いつも「最新ニュース」か「政治(革命活動)」に飛んでしまうので、見ていなかった。ずっとそうであったのか、最近仕様変更があったのか分からない。
3.「朝鮮中央TV」ストリーミング:ストリーミングサーバーの設定変更をしたようだ。一時、ワイドスクリーン画面が4:3で見られる設定で流していたため、4:3で放送される番組が正方形になっていいたが、再び放送をそのまま流す設定に戻したので、動画の比率が正常になった。また、ストリーミング画質(画面サイズ)を向上させたようで、画質も向上している。音声の途切れがしばしばある状態は継続しているが、止まってしまうことは少なくなっているようである。変更は7月12日前後にあったようだ。
7月10日のテストパターン
Source: KCTV, 2015/07/10
7月20日のテストパターン。円が円になっている。
Source: KCTV, 2015/07/20
「万景台が伝える人民愛の話し」:潰れた壺の逸話、金日成は天から来た人 (2015年7月8日 「朝鮮中央TV」)
金日成の命日と関連し、7月8日、「朝鮮中央TV」で「万景台が伝える人民愛の話し」という番組が放送された。韓国・統一部の資料によると、この番組は2015年4月17日以降、4回放送されている。今年の「太陽節」に際して制作された番組の5回目の放送であったようだ。
この日は、「<朝鮮芸術映画>民族の太陽 第3部(前・後編)」や「児童放送時間」の「昔話のお祖父さん」で金日成の逸話をたくさん紹介している。この「万景台が伝える人民愛の話し」もその一つであるが、よく見るとなかなか面白い。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
まず、外国人が万景台を訪問すると必ず紹介され、また外国要人が「万景台故郷の家」を訪問したという報道では必ず写る「潰れた壺」の話があった。番組でも「世界的によく知られている」と言っているが、「よく知られている」かどうかは別とし、上記の通り、よく紹介されていることは間違いない。私も万景台訪問をしたとき、「講師」が説明をしてくれたのだが、その由来についてすっかり忘れてしまっていた。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
この潰れた壺の逸話は以下のとおりである。
「この潰れた壺は、金日成大元帥様の(何とかのお婆さん:音声が途切れていてよく分からない)であられる、金スン(のように聞こえるが、これもよくわからない)女史が、1874年に買ってこられたものです。当時、平壌場内にあった器屋では、壺をはじめとした土器を作って、船に積み、大同江ソンチャンで売っていました。その時、ある商人が船に積んできた壺の中に作る過程で失敗し潰れてしまったこの壺もありました。商人は、売れるかもと潰れた壺を持って来たのですが、誰も買おうとしなかったので川に捨てようとしました。壺を買いに来ておられた金スン女史は、まともな壺を買う金がなかったので、当時金2銭でこの壺を買われたのです。潰れた壺を運んでくるとき、貧乏だからと蔑視される辛さから心の中で血の涙を流していました。」
「金スン」女史と聞こえるお婆さんの肖像画。金日成の実の祖母ではないので、親戚のお婆さんと思われる。実のお婆さんは、李ボイク。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
要は、「国が解放される前は、朝鮮人は皆、貧乏な暮らしをし」ており、金日成の過程も例外ではなかったという話である。
壺が描かれた絵。女性が3人いるが、どれが誰なのか分からない。「万景台故郷の家」に行けば、「講師」が詳しく教えてくれるのだろうが、次はいつ行けるのか分からない。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
「お湯を沸かすのに何回も使い、本来の色を失ってしまった水壺」も貧乏を証明する品として紹介されている。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
その他の展示品も「貧乏の痕跡」として展示されているらしい。訪問したときにそのような説明があったのか記憶はないが、なぜ古い物が展示されているか謎が解けた。金日成の出身成分の証拠ということのようだ。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
「昔話お祖父さん」の方は、金日成死去後、鶴がたくさん飛来して飛び去ろうとしなかった理由などを童話風に「昔話お祖父さん」が子供たちに話している。面白かったのは、「金日成は天から来た人なので、天に戻らなければならないのだが、もう一人の天から来た金正日が錦繍山記念宮殿に丁重にお祭りしたので、鶴たちは(天の神様の命に反して)金日成を天に連れ帰るのを諦めた」と説明している点である。
この日は、「<朝鮮芸術映画>民族の太陽 第3部(前・後編)」や「児童放送時間」の「昔話のお祖父さん」で金日成の逸話をたくさん紹介している。この「万景台が伝える人民愛の話し」もその一つであるが、よく見るとなかなか面白い。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
まず、外国人が万景台を訪問すると必ず紹介され、また外国要人が「万景台故郷の家」を訪問したという報道では必ず写る「潰れた壺」の話があった。番組でも「世界的によく知られている」と言っているが、「よく知られている」かどうかは別とし、上記の通り、よく紹介されていることは間違いない。私も万景台訪問をしたとき、「講師」が説明をしてくれたのだが、その由来についてすっかり忘れてしまっていた。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
この潰れた壺の逸話は以下のとおりである。
「この潰れた壺は、金日成大元帥様の(何とかのお婆さん:音声が途切れていてよく分からない)であられる、金スン(のように聞こえるが、これもよくわからない)女史が、1874年に買ってこられたものです。当時、平壌場内にあった器屋では、壺をはじめとした土器を作って、船に積み、大同江ソンチャンで売っていました。その時、ある商人が船に積んできた壺の中に作る過程で失敗し潰れてしまったこの壺もありました。商人は、売れるかもと潰れた壺を持って来たのですが、誰も買おうとしなかったので川に捨てようとしました。壺を買いに来ておられた金スン女史は、まともな壺を買う金がなかったので、当時金2銭でこの壺を買われたのです。潰れた壺を運んでくるとき、貧乏だからと蔑視される辛さから心の中で血の涙を流していました。」
「金スン」女史と聞こえるお婆さんの肖像画。金日成の実の祖母ではないので、親戚のお婆さんと思われる。実のお婆さんは、李ボイク。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
要は、「国が解放される前は、朝鮮人は皆、貧乏な暮らしをし」ており、金日成の過程も例外ではなかったという話である。
壺が描かれた絵。女性が3人いるが、どれが誰なのか分からない。「万景台故郷の家」に行けば、「講師」が詳しく教えてくれるのだろうが、次はいつ行けるのか分からない。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
「お湯を沸かすのに何回も使い、本来の色を失ってしまった水壺」も貧乏を証明する品として紹介されている。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
その他の展示品も「貧乏の痕跡」として展示されているらしい。訪問したときにそのような説明があったのか記憶はないが、なぜ古い物が展示されているか謎が解けた。金日成の出身成分の証拠ということのようだ。
Source: KCTV, 2015.07.08放送
「昔話お祖父さん」の方は、金日成死去後、鶴がたくさん飛来して飛び去ろうとしなかった理由などを童話風に「昔話お祖父さん」が子供たちに話している。面白かったのは、「金日成は天から来た人なので、天に戻らなければならないのだが、もう一人の天から来た金正日が錦繍山記念宮殿に丁重にお祭りしたので、鶴たちは(天の神様の命に反して)金日成を天に連れ帰るのを諦めた」と説明している点である。
「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍指揮官と共に錦繍山太陽宮殿を訪問された」:金日成の命日の参拝、公式行事なのにバッジ未着用 (2015年7月8日 「労働新聞」)
金正恩がお祖父さんの命日に際し、朝鮮人民軍幹部らと共に「錦繍山太陽宮殿」を参拝した。参拝自体は恒例行事であるが、お祖父さんの遺体安置所を命日に参拝するという最高の敬意を払わなければならない公式行事にもかかわらず、バッジを着用していない。このバッジ未着用について記事にするのは3回目であるが、どうにもその着用基準が気がかりでならない。そこで、過去記事と重複する部分はあるが、もう一度、未着用が始まってからの記事の性格と写真を紹介していくことにする。以下の写真と記事は、7月8日の報道以外、いずれも「朝鮮中央通信」HPから本日(7月8日)に取得したものである。
・2015年6月2日報道、「敬愛する金正恩同志が竣工式を控えた元山育児院、愛育院を現地指導された」。半袖、バッチ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、李ジェイル、チョ・ヨンウォン
Source: KCNA
・2015年6月3日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が元山育児院、愛育院建設で労力的偉勲を打ち立てた軍人建設者と共に記念写真を撮られた」。長袖ストライプ、バッジ有り。
1.呼称:「最高司令官同志」、「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:李ジェイル、金ヨジョン、アン・ドンユン
Source: KCNA
・2015年6月6日報道、「敬愛する金正恩同志が朝鮮人民軍第810軍部隊傘下平壌生物技術研究院を現地指導された」。半袖、バッジなし。初のバッジなし静止画公開。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、李ジェイル、チョヨンウォン
Source: KCNA
・2015年6月9日報道、「敬愛する金正恩同志が祖国解放戦争史跡地を現地指導された」。半袖、バッジなし。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、崔龍海、李ジェイル
Source: KCNA
・2015年6月13日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が高射砲兵軍官学校を視察された」、半袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ジョンチョン
Source: KCNA
・2015年6月15日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍海軍部隊に実戦配備される新型反艦船ロケット発射訓練をご覧になった」、半袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:なし
Source: KCNA
・2015年6月15日報道、「敬愛する最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍第2回軍団芸術宣伝競演に当選した芸術宣伝隊の公演を観覧された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「最高司令官同志」、「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、李ヨンギル、リョム・チョルソン、ユン・ドンヒョン、朴ジョンチョン
Source: KCNA
・2015年6月16日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が海軍艦艇区分隊と地上砲兵区分隊の夜間海上火力打撃演習をご覧になった」、ストライプ長袖、バッジ有り
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、リョム・チョルソン、ユン・ドンヒョン、朴チョンチョン、ホン・ヨンチル
Source: KCNA
・2015年6月18日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍第1回偵察幹部大会参加者と共に記念写真を撮られた」、ストライプ長袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、李ヨンギル、リョム・チョルソン、金ヨンチョル、金ラクジュン
Source: KCNA
・2015年6月18日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が高射砲射撃競技をご覧になった」、ストライプ長袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:崔龍海、オ・イルジョン
Source: KCNA
・2015年6月22日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が女性超音速戦闘飛行士チョ・グムヒャン、リム・ソルさんの飛行訓練をご覧になった」、ストライプ長袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、オ・クムチョル、李ビョンチョル
Source: KCNA
・2015年6月25日報道、「敬愛する金正恩同志が完工した平壌国際飛行場航空ターミナルを現地指導された」。半袖、バッジなし。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ポンジュ、金養建、李ジェイル、李ビョンチョル、金ヨジョン、チョ・ヨンウォン、(李雪主)
Source: KCNA
・2015年6月30日報道、「敬愛する金正恩同志が社会主義農村文化建設の見本、基準として天地改変された平壌市サドン区域チャンチョン野菜専門協同農場を現地指導された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、崔龍海、李ジェイル
Source: KCNA
・2015年7月3日報道、「敬愛する金正恩同志が新たに建設した金チェク工業総合大学自動化研究所を現地指導された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:同行者なし(黄炳瑞などが現地で出迎え)
Source: KCNA
・2015年7月7日報道、「金正恩同志が平壌野菜化学研究所を現地指導された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:李ジェイル、チョ・ヨンウォン
Source: KCNA
・2015年7月8日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍指揮官と共に錦繍山太陽宮殿を訪問された」、黒長袖、バッジなし。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」、「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、李ヨンギル、金ウォンホン、ノ・グァンチョル、ソ・ホンチャン、チョ・ナムジン、リョム・チョルソン
Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서 조선인민군 지휘성원들과 함께 금수산태양궁전을 찾으시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-07-08-0001
せっかく並べてみたのだが、呼称、室内外、着用する衣服、オケージョンなど、一定の規則はないようだ。単に気まぐれで付けたり付けなかったりしているだけのようにも見える。お父さんのように完全に着用を止めてしまうのであれば、自信の表れだと評価することができるが、付けたり付けなかったりする理由がよく分からない。
上記の通り、「錦繍山太陽宮殿」参拝という最高敬意を表さねばならない場でバッジを着用していないのは、もしかすると、お祖父さんとお父さんに「未着用」を報告する意味合いがあるのかもしれない。今後、彼がバッジをどのように扱うのか、半袖シャツでも着用するのか、注目したい。
たかがバッジ、されどバッジなのが北朝鮮である。そういえば、私も中学生時代、校章を着け忘れてよくし叱られたものである。
・2015年6月2日報道、「敬愛する金正恩同志が竣工式を控えた元山育児院、愛育院を現地指導された」。半袖、バッチ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、李ジェイル、チョ・ヨンウォン
Source: KCNA
・2015年6月3日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が元山育児院、愛育院建設で労力的偉勲を打ち立てた軍人建設者と共に記念写真を撮られた」。長袖ストライプ、バッジ有り。
1.呼称:「最高司令官同志」、「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:李ジェイル、金ヨジョン、アン・ドンユン
Source: KCNA
・2015年6月6日報道、「敬愛する金正恩同志が朝鮮人民軍第810軍部隊傘下平壌生物技術研究院を現地指導された」。半袖、バッジなし。初のバッジなし静止画公開。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、李ジェイル、チョヨンウォン
Source: KCNA
・2015年6月9日報道、「敬愛する金正恩同志が祖国解放戦争史跡地を現地指導された」。半袖、バッジなし。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、崔龍海、李ジェイル
Source: KCNA
・2015年6月13日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が高射砲兵軍官学校を視察された」、半袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ジョンチョン
Source: KCNA
・2015年6月15日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍海軍部隊に実戦配備される新型反艦船ロケット発射訓練をご覧になった」、半袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:なし
Source: KCNA
・2015年6月15日報道、「敬愛する最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍第2回軍団芸術宣伝競演に当選した芸術宣伝隊の公演を観覧された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「最高司令官同志」、「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、李ヨンギル、リョム・チョルソン、ユン・ドンヒョン、朴ジョンチョン
Source: KCNA
・2015年6月16日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が海軍艦艇区分隊と地上砲兵区分隊の夜間海上火力打撃演習をご覧になった」、ストライプ長袖、バッジ有り
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、リョム・チョルソン、ユン・ドンヒョン、朴チョンチョン、ホン・ヨンチル
Source: KCNA
・2015年6月18日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍第1回偵察幹部大会参加者と共に記念写真を撮られた」、ストライプ長袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、李ヨンギル、リョム・チョルソン、金ヨンチョル、金ラクジュン
Source: KCNA
・2015年6月18日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が高射砲射撃競技をご覧になった」、ストライプ長袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:崔龍海、オ・イルジョン
Source: KCNA
・2015年6月22日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が女性超音速戦闘飛行士チョ・グムヒャン、リム・ソルさんの飛行訓練をご覧になった」、ストライプ長袖、バッジなし。
1.呼称:「最高司令官金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、オ・クムチョル、李ビョンチョル
Source: KCNA
・2015年6月25日報道、「敬愛する金正恩同志が完工した平壌国際飛行場航空ターミナルを現地指導された」。半袖、バッジなし。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ポンジュ、金養建、李ジェイル、李ビョンチョル、金ヨジョン、チョ・ヨンウォン、(李雪主)
Source: KCNA
・2015年6月30日報道、「敬愛する金正恩同志が社会主義農村文化建設の見本、基準として天地改変された平壌市サドン区域チャンチョン野菜専門協同農場を現地指導された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、崔龍海、李ジェイル
Source: KCNA
・2015年7月3日報道、「敬愛する金正恩同志が新たに建設した金チェク工業総合大学自動化研究所を現地指導された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」、「最高司令官同志」
2.同行者:同行者なし(黄炳瑞などが現地で出迎え)
Source: KCNA
・2015年7月7日報道、「金正恩同志が平壌野菜化学研究所を現地指導された」、ストライプ長袖、バッジ有り。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」
2.同行者:李ジェイル、チョ・ヨンウォン
Source: KCNA
・2015年7月8日報道、「朝鮮人民軍最高司令官金正恩同志が朝鮮人民軍指揮官と共に錦繍山太陽宮殿を訪問された」、黒長袖、バッジなし。
1.呼称:「敬愛する金正恩同志」、「最高司令官金正恩同志」
2.同行者:黄炳瑞、朴ヨンシク、李ヨンギル、金ウォンホン、ノ・グァンチョル、ソ・ホンチャン、チョ・ナムジン、リョム・チョルソン
Source: 『労働新聞』、「조선인민군 최고사령관 김정은동지께서 조선인민군 지휘성원들과 함께 금수산태양궁전을 찾으시였다」、http://www.rodong.rep.kp/ko/index.php?strPageID=SF01_02_01&newsID=2015-07-08-0001
せっかく並べてみたのだが、呼称、室内外、着用する衣服、オケージョンなど、一定の規則はないようだ。単に気まぐれで付けたり付けなかったりしているだけのようにも見える。お父さんのように完全に着用を止めてしまうのであれば、自信の表れだと評価することができるが、付けたり付けなかったりする理由がよく分からない。
上記の通り、「錦繍山太陽宮殿」参拝という最高敬意を表さねばならない場でバッジを着用していないのは、もしかすると、お祖父さんとお父さんに「未着用」を報告する意味合いがあるのかもしれない。今後、彼がバッジをどのように扱うのか、半袖シャツでも着用するのか、注目したい。
たかがバッジ、されどバッジなのが北朝鮮である。そういえば、私も中学生時代、校章を着け忘れてよくし叱られたものである。
『<テレビ連続劇>防弾壁』:第8部以降を放送中 (7月4日 「朝鮮中央TV」)
過去記事で紹介した『<テレビ連続劇>防弾壁』であるが、第8部以降を放送している。6月29日に第8部の放送があり、今夜(7月4日)には、第13部が放送された。
第7部までの放送中は、再放送だとばかり思って注目していなかったのだが、8部以降の放送が始まってから、何か見たことがない場面があり、気にはなっていた。そこで、韓国・統一部のサイトで確認したところ、8部以降には「再放送」という記載がなかった。
面白いドラマなので、8部からしっかりと見直そうと思う。
<追記>
昨夜は、11部まで見た。予想したことではあるが、7部まででとりあえずほぼ完結した「日帝」との闘争に続き、「米帝」との闘争が始まる。これまでもなかったわけではないが、『防弾壁』では「日帝」の残滓が「米帝」の手下となり「共産主義者」と「思想の戦い」をするという展開になっている。
特に面白いのは、日本人同士の会話がほぼ日本語で行われ、下に朝鮮語字幕を出している点である。若干聞き取り難い部分や、朝鮮語の言い回しを直訳している部分はあるものの、話していることは大体理解できる。北朝鮮のドラマや映画では、日本語や英語を小さな音で流しておきながら、その上に同時通訳のように朝鮮語をかぶせるか、アメリカ人であろうが日本人であろうが普通に朝鮮語を話すようにしてしまうことが多い。しかし、『防弾壁』第8部以降では、日本人同士の会話を日本語にしており、この点は第7部までと大きく異なっている。
『防弾壁 第11部』で、元日本兵で「米帝」の手先となった「村井」(右)と「タケシ」(左)が米軍のジープに乗り日本語で話をしている場面。「タケシ、実は、昨年敗残兵として内地にたどり着いたとき、共産主義者との意思の戦いで勝者になると豪語していた君を・・・」と聞き取れる。この直後、「村井」は「タケシ」に仕組まれた罠にはまり銃撃され死ぬ。
Source: KCTV, 2015.07.02放送
銃撃され瀕死の「村井」に「タケシ」捨て台詞。「村井、君もよく知っているはずだ。我らサムライは自分のためには野獣になるのは辞さないと、こと。じゃあ、おさらばだ」(聞き取ったママ)
Source: KCTV, 2015.07.02放送
<追記2>
なつかしいSONY製のCBトランシーバーが登場していた。ICB-650というCBトランシーバーであるが、「内務軍」が連絡用に使っている。私が子供の頃あったトランシーバーで、おもちゃのトランシーバーで遊んでいた私には憧れの的であった。1972年発売ということなので、当然、解放直後の北朝鮮で使われるはずはない。時代考証が甘いと言えば甘いが、朝鮮人民には分からないことなので、どうでもよいことなのだろう。
ICB-650について書かれたページ
http://www5b.biglobe.ne.jp/~AA676/cb1/ICB-650.htm
ICB-650と思われるトランシーバー
Source: KCTV, 2015.07.05放送
ICB-650で通信する内務軍将校
Source: KCTV< 2015.07.05放送
一方、「米帝」の工作員として内務軍に浸透したスパイが車内で使用しているモールス電鍵(押しボタン式かもしれない)は、軍用品を使っているのか、なかなかしぶい。
Source: KCTV< 2015.07.05放送
効果音として流されるモールスは、数字と英文(朝鮮文字のモールスかもしれない)、記号など、実存するものでリアルである。画面で見られる通信文は乱数(数字のみ)で構成されているが、モールスには数字以外が含まれている。
また、これまでもなかったわけではないが、このドラマでは「米帝軍人」やその手下が話すとき、「韓国」、「韓半島」という用語を使っている点もリアルである。
第7部までの放送中は、再放送だとばかり思って注目していなかったのだが、8部以降の放送が始まってから、何か見たことがない場面があり、気にはなっていた。そこで、韓国・統一部のサイトで確認したところ、8部以降には「再放送」という記載がなかった。
面白いドラマなので、8部からしっかりと見直そうと思う。
<追記>
昨夜は、11部まで見た。予想したことではあるが、7部まででとりあえずほぼ完結した「日帝」との闘争に続き、「米帝」との闘争が始まる。これまでもなかったわけではないが、『防弾壁』では「日帝」の残滓が「米帝」の手下となり「共産主義者」と「思想の戦い」をするという展開になっている。
特に面白いのは、日本人同士の会話がほぼ日本語で行われ、下に朝鮮語字幕を出している点である。若干聞き取り難い部分や、朝鮮語の言い回しを直訳している部分はあるものの、話していることは大体理解できる。北朝鮮のドラマや映画では、日本語や英語を小さな音で流しておきながら、その上に同時通訳のように朝鮮語をかぶせるか、アメリカ人であろうが日本人であろうが普通に朝鮮語を話すようにしてしまうことが多い。しかし、『防弾壁』第8部以降では、日本人同士の会話を日本語にしており、この点は第7部までと大きく異なっている。
『防弾壁 第11部』で、元日本兵で「米帝」の手先となった「村井」(右)と「タケシ」(左)が米軍のジープに乗り日本語で話をしている場面。「タケシ、実は、昨年敗残兵として内地にたどり着いたとき、共産主義者との意思の戦いで勝者になると豪語していた君を・・・」と聞き取れる。この直後、「村井」は「タケシ」に仕組まれた罠にはまり銃撃され死ぬ。
Source: KCTV, 2015.07.02放送
銃撃され瀕死の「村井」に「タケシ」捨て台詞。「村井、君もよく知っているはずだ。我らサムライは自分のためには野獣になるのは辞さないと、こと。じゃあ、おさらばだ」(聞き取ったママ)
Source: KCTV, 2015.07.02放送
<追記2>
なつかしいSONY製のCBトランシーバーが登場していた。ICB-650というCBトランシーバーであるが、「内務軍」が連絡用に使っている。私が子供の頃あったトランシーバーで、おもちゃのトランシーバーで遊んでいた私には憧れの的であった。1972年発売ということなので、当然、解放直後の北朝鮮で使われるはずはない。時代考証が甘いと言えば甘いが、朝鮮人民には分からないことなので、どうでもよいことなのだろう。
ICB-650について書かれたページ
http://www5b.biglobe.ne.jp/~AA676/cb1/ICB-650.htm
ICB-650と思われるトランシーバー
Source: KCTV, 2015.07.05放送
ICB-650で通信する内務軍将校
Source: KCTV< 2015.07.05放送
一方、「米帝」の工作員として内務軍に浸透したスパイが車内で使用しているモールス電鍵(押しボタン式かもしれない)は、軍用品を使っているのか、なかなかしぶい。
Source: KCTV< 2015.07.05放送
効果音として流されるモールスは、数字と英文(朝鮮文字のモールスかもしれない)、記号など、実存するものでリアルである。画面で見られる通信文は乱数(数字のみ)で構成されているが、モールスには数字以外が含まれている。
また、これまでもなかったわけではないが、このドラマでは「米帝軍人」やその手下が話すとき、「韓国」、「韓半島」という用語を使っている点もリアルである。
拉致問題交渉:慎重に進めるのは良いこと (2015年7月5日)
拉致問題交渉であるが、意外にもよくやっているようである。経済が一見好調であることが「アベノミクス」の成果であるとする強気の安倍政権は、1年が経過する時点で北朝鮮への独自制裁を再開し、交渉を破綻させるとばかり思っていたが、安保法制を巡る議論やメディアに対する圧力発言で支持率が低下している中、政権発足直後に「アベノミクス」と共に掲げた「拉致被害者全員帰国」の看板に傷を付けたくないというところであろう。
「瀬戸際外交」は、金正恩のお父さんの得意技であったが、今回は日本側がそれを逆手にとってうまく使っているように見える。形式的には政府は非介入という立場ではあるが、総連本部ビルの当面の継続使用を可能にして北朝鮮側に譲歩したと見せかけ、北朝鮮側の「誠意」が見られないと判断するや総連議長の次男を逮捕して圧力を掛ける。
拙ブログでも紹介したとおり、北朝鮮側は当然反発するが、その反発のレベルが拉致問題交渉を即時中止するほどではないと判断し、「1年を目処に独自制裁を再開する」という情報をメディアにリークする。独自制裁を再開すれば交渉は決裂すると思ったが、「おおよそ1年」の解釈を「秋頃」まで拡大する。北朝鮮側はそれを受けて「誠意を持って調査中であるが、もう少し時間が必要」と回答する。
ここまでの経緯からすると、6対4ぐらいで日本がリードしている。北朝鮮としては、明らかに日本との交渉状態を継続することが有利と判断していることが分かるが、「秋頃」というのがポイントで、10月10日の「党創建70周年の大祝典」への総連幹部出席が鍵となる。その前にも今月27日の「戦勝節」、8月15日の「祖国解放記念日」、9月9日の「建国節」など、祝典が詰まっており、それらへの総連幹部の出席も期待しているのであろう。これは、総連幹部が訪朝したという国内向けの宣伝だけではなく、彼らが制裁の一部解除で可能になった「人道的目的の範囲」で北朝鮮に持ち込む資金や物資にも期待しているはずである。きちんとした比較はしていないが、在日朝鮮人学生の祖国訪問なども含めると、総連関係者の訪朝は、「朝鮮中央通信」で報道されるものだけを見ていても、今年は多くなっているようだ。
日本側の「秋頃まで」をどう使うか。継続的に早くしろと外交チャンネルを通してシグナルを送りながら、「9月9日までに結果をださなければ、独自制裁を再開するから10月10日は駄目よ」と線引きをしておくべきであろう。問題は、その「結果」をどうするのかということであるが、現実的には全員というのは厳しいであろうから、できるだけ多くの拉致被害者が帰国できるようにすることが必要である。難しいのは、その数と北朝鮮の態度をどう見極めるのか、継続調査とするのか終了(あるいは一旦終了)とするのかであるが、ともかくも対話のドアーを閉じてしまわないことが大切である。
ともかく、拉致問題をいつまでも引きずり続けることは、拉致被害者家族に耐えがたい苦痛を与えていることは当然とし、日朝にとっても不幸なことである。拉致問題をきちんと解決し、「核・ミサイル問題」が存在するにもかかわらず、日朝関係をどうしていくのかという話し合いがなされるべきである。「日朝平壌宣言」にも、それを基になされた昨年の日朝合意にも、拉致問題と過去の清算問題は並行して書かれているわけで、日本側は、拉致問題が解決すれば、核・ミサイルを抱えている北朝鮮と話し合う必要はないというスタンスではなく、「拉致問題解決が入り口ですよ」というスタンスを明確に示した方が良い。そうすれば、拉致被害者を交渉の材料に使おうとする北朝鮮の態度も変化するのではないだろうか。
「瀬戸際外交」は、金正恩のお父さんの得意技であったが、今回は日本側がそれを逆手にとってうまく使っているように見える。形式的には政府は非介入という立場ではあるが、総連本部ビルの当面の継続使用を可能にして北朝鮮側に譲歩したと見せかけ、北朝鮮側の「誠意」が見られないと判断するや総連議長の次男を逮捕して圧力を掛ける。
拙ブログでも紹介したとおり、北朝鮮側は当然反発するが、その反発のレベルが拉致問題交渉を即時中止するほどではないと判断し、「1年を目処に独自制裁を再開する」という情報をメディアにリークする。独自制裁を再開すれば交渉は決裂すると思ったが、「おおよそ1年」の解釈を「秋頃」まで拡大する。北朝鮮側はそれを受けて「誠意を持って調査中であるが、もう少し時間が必要」と回答する。
ここまでの経緯からすると、6対4ぐらいで日本がリードしている。北朝鮮としては、明らかに日本との交渉状態を継続することが有利と判断していることが分かるが、「秋頃」というのがポイントで、10月10日の「党創建70周年の大祝典」への総連幹部出席が鍵となる。その前にも今月27日の「戦勝節」、8月15日の「祖国解放記念日」、9月9日の「建国節」など、祝典が詰まっており、それらへの総連幹部の出席も期待しているのであろう。これは、総連幹部が訪朝したという国内向けの宣伝だけではなく、彼らが制裁の一部解除で可能になった「人道的目的の範囲」で北朝鮮に持ち込む資金や物資にも期待しているはずである。きちんとした比較はしていないが、在日朝鮮人学生の祖国訪問なども含めると、総連関係者の訪朝は、「朝鮮中央通信」で報道されるものだけを見ていても、今年は多くなっているようだ。
日本側の「秋頃まで」をどう使うか。継続的に早くしろと外交チャンネルを通してシグナルを送りながら、「9月9日までに結果をださなければ、独自制裁を再開するから10月10日は駄目よ」と線引きをしておくべきであろう。問題は、その「結果」をどうするのかということであるが、現実的には全員というのは厳しいであろうから、できるだけ多くの拉致被害者が帰国できるようにすることが必要である。難しいのは、その数と北朝鮮の態度をどう見極めるのか、継続調査とするのか終了(あるいは一旦終了)とするのかであるが、ともかくも対話のドアーを閉じてしまわないことが大切である。
ともかく、拉致問題をいつまでも引きずり続けることは、拉致被害者家族に耐えがたい苦痛を与えていることは当然とし、日朝にとっても不幸なことである。拉致問題をきちんと解決し、「核・ミサイル問題」が存在するにもかかわらず、日朝関係をどうしていくのかという話し合いがなされるべきである。「日朝平壌宣言」にも、それを基になされた昨年の日朝合意にも、拉致問題と過去の清算問題は並行して書かれているわけで、日本側は、拉致問題が解決すれば、核・ミサイルを抱えている北朝鮮と話し合う必要はないというスタンスではなく、「拉致問題解決が入り口ですよ」というスタンスを明確に示した方が良い。そうすれば、拉致被害者を交渉の材料に使おうとする北朝鮮の態度も変化するのではないだろうか。
朝鮮中央通信:アクセス拒否のIPを設定した模様 (2015年7月4日)
過去記事に「朝鮮中央通信」が「サイバー攻撃(DDoS)をされているため、接続不可」と書いたが、どうやらそういうことではなさそうだ。過日、ビジネスホテルの一室から同通信に接続したら、問題なく接続することができた。また、自分の無線ルーターからの接続も問題なかった。接続できないのは、私のネットワーク環境では、拙宅のプロバイダーと職場のネットワークである。
どうやら、特定のネットワークあるいはIPからの接続を拒否するような設定にしたようだ。不思議なのは、ある時間帯は同じIPを使っても接続できることがあるということである。このようなことからすると、「朝鮮中央通信」側がIPによる接続制限をやっているのではなく、攻撃側がそのようなことをやっているのかもしれない。
特定のIPを経由しての攻撃でもなければ、いくら「北朝鮮報道で書かれないこと」に色々書かれたとしても、接続を遮断することはしないであろうから、後者ではないだろうか。
幸い、別系ネットワークの接続も確認できたし、動きは遅いが、匿名プロキシサーバーを経由すれば接続できることも確認された。
どうやら、特定のネットワークあるいはIPからの接続を拒否するような設定にしたようだ。不思議なのは、ある時間帯は同じIPを使っても接続できることがあるということである。このようなことからすると、「朝鮮中央通信」側がIPによる接続制限をやっているのではなく、攻撃側がそのようなことをやっているのかもしれない。
特定のIPを経由しての攻撃でもなければ、いくら「北朝鮮報道で書かれないこと」に色々書かれたとしても、接続を遮断することはしないであろうから、後者ではないだろうか。
幸い、別系ネットワークの接続も確認できたし、動きは遅いが、匿名プロキシサーバーを経由すれば接続できることも確認された。