第20回電撃小説大賞〈金賞〉受賞作。
メディアワークス文庫からの刊行ってことで、電撃文庫とは少し雰囲気が違うようにも感じます。これを読んで頭に浮かんだのが、まだメディアワークス文庫のなかった5年前……第15回の電撃大賞で同じ〈金賞〉を受賞した『パララバ―parallel lovers―』という作品でした。パララバもなかなか電撃文庫では珍しい雰囲気の物語ではありましたが、あれのモチーフになってるのは、20年以上前に書かれた傑作『タイム・リープ』なのですね。
何が言いたいかというとですね。一見「電撃っぽくなくね?」と感じでしまうこの手の物語は、実は電撃文庫の黎明期から20年以上続く伝統のスタイルと言えるのかもしれませんってことです。
・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。
生きながらにして学校の七不思議になった、とある高校生の物語。人より心配性である以外はごく平凡な主人公が、いかにもラノベ的な「七不思議」の幽霊と出逢い、他の七不思議たちの力を借りながら学校の事件を解決していくお話……だと思ってました。
いやー、騙された。完全に裏切られました。もちろん良い意味で。あらすじには「思わずもう一度読み返したくなるミステリアス・ファンタジー」と書かれていますが、看板に偽りなしです。序盤から「どうせ妖怪モノだろ」と思って読んでいたのもありますが、まさかこんな切ない系(?)の良い話だったとは。
終盤で一気に全てが明かされた瞬間の胸の高鳴りは、なかなか味わえるもんじゃないです。悲しい過去の物語があって、その事実と向き合って、けれど最後は少しだけ前に進む、そんな感じ。いやもうね、悲しいんでもない、苦しいんでもない、「切ない」という単語はこういう時に使うのだという、見本のようなお話でした。
300ページもない短い作品でしたが、存分に堪能させていただきました。次回作も期待しています。
感想:tartarous
メディアワークス文庫からの刊行ってことで、電撃文庫とは少し雰囲気が違うようにも感じます。これを読んで頭に浮かんだのが、まだメディアワークス文庫のなかった5年前……第15回の電撃大賞で同じ〈金賞〉を受賞した『パララバ―parallel lovers―』という作品でした。パララバもなかなか電撃文庫では珍しい雰囲気の物語ではありましたが、あれのモチーフになってるのは、20年以上前に書かれた傑作『タイム・リープ』なのですね。
何が言いたいかというとですね。一見「電撃っぽくなくね?」と感じでしまうこの手の物語は、実は電撃文庫の黎明期から20年以上続く伝統のスタイルと言えるのかもしれませんってことです。
・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。
生きながらにして学校の七不思議になった、とある高校生の物語。人より心配性である以外はごく平凡な主人公が、いかにもラノベ的な「七不思議」の幽霊と出逢い、他の七不思議たちの力を借りながら学校の事件を解決していくお話……だと思ってました。
いやー、騙された。完全に裏切られました。もちろん良い意味で。あらすじには「思わずもう一度読み返したくなるミステリアス・ファンタジー」と書かれていますが、看板に偽りなしです。序盤から「どうせ妖怪モノだろ」と思って読んでいたのもありますが、まさかこんな切ない系(?)の良い話だったとは。
終盤で一気に全てが明かされた瞬間の胸の高鳴りは、なかなか味わえるもんじゃないです。悲しい過去の物語があって、その事実と向き合って、けれど最後は少しだけ前に進む、そんな感じ。いやもうね、悲しいんでもない、苦しいんでもない、「切ない」という単語はこういう時に使うのだという、見本のようなお話でした。
300ページもない短い作品でしたが、存分に堪能させていただきました。次回作も期待しています。
感想:tartarous
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