アキネ会の日常

ライトノベルコミュニティー「ラノベdeアキネイター」の参加メンバーが“共同運営”するライトノベルレビューブログ

2014年07月

3
お久しぶりです。
鬼を討つゲームでトロコン頑張っていたらこんな期間空きました(まだトロコンできていない模様

彼女の視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚。すべてとつながる。禁断の想いに触れた鮮烈なる青春ストーリー。

「――見つけた。彼女だ」七年前からずっと、水上瞬は見知らぬ少女の五感を共有し続けていた。勝手に頭の中に流れ込んでくる、見えるはずのない景色と聞こ えるはずのない音。瞬が一方的に受信するのは、実在するかどうかも分からない少女の、喜びや痛みや『秘密』だった。修学旅行中に出会ったひとりの女の子を 見た瞬間に“彼女”だと確信した瞬は、怯えられて遠ざけられながらも近づいていくのだが……。紫陽花に囲まれた古都鎌倉を舞台に、志茂文彦×椎名 優のコンビが贈る、禁断で鮮烈なる青春ストーリー。


ちょっとした異能有りの青春もの…って感じのあらすじですね。
全体的にゆっくりとした進行で開始すぐにヒロインとの出会い?は果たすものの実際に関係性が生まれるのは中盤に入ってから。
異能で相手を知っているだけで相手はこちらを知らずという状況下の中、どうやって繋がりを持つか知りあうかという部分も順番に書かれているので、ありがちな開幕ヒロインと謎の出会いなんかに見慣れていると丁寧すぎて…出会いだけでここまでドラマがあって楽しめるのだなと再確認します。

主人公の異能に対しても割と比重が置かれていて、異能がアクセントとして入っている青春ものなんかを期待していると少し裏切られるかもしれません。
青春ものよりかは恋愛もの…という感じもしますが全体的にどっちつかずになっているのは残念でした。
続編出るのかどうかで評価変わってきそうな部分なのですが…このまま終わってしまうと中途半端な感じも残るのですが、続刊するのであれば広げた風呂敷も畳めますし印象が変わってくる部分なのですが。

作品の雰囲気作りはうまく雰囲気ラノベとしてはよくできているので惜しい…作品だと思います。
雰囲気づくりに関しては椎名優先生が挿絵をしていたサクラダ・リセットなんかでもあった半ページだけの挿絵なんかもあったりしてその辺も一役買っていたと思います。

ファミ通文庫は東雲侑子シリーズや同コンビの「この恋と、その未来」なんかのコメディなしの恋愛もの、青春ものがぽつぽつと出てますし、この作品もここに該当する作品。
現状だとどのレーベルも強くないジャンルなのでこのままファミ通文庫が開拓してくれると嬉しいのですが…実際売れているのか気になります。
ラブコメや青春コメディは面白い云々を除けばどこのレーベルでも読めてしまえるジャンルですから、こういうジャンルを出してくれるのは貴重なんですよね、ファミ通文庫には是非頑張って欲しいところです。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫
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5
二人三脚で歩んできたとある提督ととある艦娘の物語に、鼻の奥がツーンとなりました。

この物語は第十四駆逐隊の奮戦記なわけですが、それと同時に、陽炎たちが出逢った他の艦娘や提督を描く物語でもあるんですね。
陽炎が横須賀に転属になって、そこで提督や第十四駆逐隊のみんなと出逢って物語がはじまったけれど。本当はそんなドラマはあちこちで……それこそ提督と艦娘の数だけ生まれているのでしょう。そのドラマの一つが、今日ここで最後の1ページを迎えます。もはやそこに言葉は要らない。ただ黙って敬礼を送るのみです。

私も提督として、軍を預かる将として、男として、こんなふうにありたい。いや、あらねばならない。

もちろん、中盤からの暗雲立ち込める展開や後半の水上戦闘はいつも以上に熱く盛り上がったんですけどね。多分、こんな戦いの日々が続いて、いつか辿り着く終着点がここにある。戦いが終わっての、最後の一幕こそが今回のベストシーンでした。


それとついでに、最後の最後で陽炎たちを助けに来た「空母」の二人。常盤色と山吹色の和装の二人って……山吹色の方は私tartarous提督の嫁艦じゃないですか!リンガに居たという史実準拠からだろうけど、創作で人気の一航戦や五航戦ではなく、二航戦を出してくれたのは個人的に嬉しいです。

具体的な名前も出なかったし台詞もなかったのは少し残念だけど、ここがこの作品の上手いところでもあるんですよね。大型の空母や戦艦は雲の上の人。これを徹底しているからこそ、主役が駆逐艦であるということが映えるのだと思います。もちろん空母や戦艦の随伴だって駆逐艦の重要な仕事なので、今後はそういう大型艦との共闘も見てみたいですけどね。


レアでもなければ強くもない、最初に選ぶ駆逐艦。「選ばなかった人」にとってはその他大勢のコモン駆逐艦だけど、「選んだ人」にとっては唯一無二の初期艦です。着任して右も左もわからない中、手探りで鎮守府正面海域を攻略した日々を、ちょっと思い出してみるのも一興ではないでしょうか。

感想:tartarous




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5
> 「……二度見する意味が分かんないんだけど」

餅月せんせぇぇぇぇこれオッケーですよぉぉぉぉいいですよぉぉぉぉ

デビュー作『小学星のプリンセス☆』から楽しみに読ませてもらっております餅月望先生の新作。
いやーホントこの人は外さないねーいいですねー。

というわけで、ここでオビの煽り文句を見てみましょう。

「水圧で成長が止まったとか言うなー!」
ロリ×メカ!! ツルペタ美少女の海洋ラブコメ☆

……ちなうんですちなうんです。いやまあそうだけどちなうんです。ああもうSD文庫編集部分かってない。本当に分かってない。これじゃ完全に中身も何もないただのロリ推しラノベじゃないか。いやまあそうなんだけど違うんですってば。だってこんなことデカデカと書いちゃったらもうアレな人かそもそものモッチーファンしか買ってくれないじゃないですかぁぁぁ!!(バンバン

もう本当に勿体ない。これはぜひそういう偏見なしで読んでもらいたい一冊です。深海のロマンとかメカや兵器のギミックとか、ライバルのツンデレとかそれにイライラするヒロインの可愛さとかいろんなものが詰まりに詰まった一冊なんです。
ああもうこれ売れてほしいのになぁ。またきっと2巻が出て終わりとかなんだろうなぁ。ていうかちゃんと2巻出るのかなぁ。ああもう本当に勿体ないなぁ(血涙

とはいいながらも、オビとかイラストとかあらすじとか、そういうところを見て電流が走った人向けな作品であることは間違いないです。やっぱりそういう人が一番楽しめると思う。そういう意味で我が道を行きすぎなモッチー先生の明日が気になるところではありますが、これが売れに売れてコミカライズからのアニメ化までたどり着く未来を夢見つつ、ガチでオススメさせていただきたいと思います。★5つに限りなく近い★5つです(何

レビュー:yuu_be

 
超潜航学園デルファータ (集英社スーパーダッシュ文庫 も 1-8)超潜航学園デルファータ (集英社スーパーダッシュ文庫 も 1-8)
餅月 望 Bou

集英社 2014-07-25
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3
人喰い三部作で有名な紅玉いづきの新作。
三部作(+1)はすべて読んでいて、どれもとても好きな作品なんですが、
その期待を持ってこの「あやかし飴屋の神隠し」を読んでみたら・・・
うーん、ちょっと期待外れだったかな。

私が紅玉作品を評価しているポイントは、メインキャラの心情の移り変わりやクライマックスの盛り上がり、そして読者に激しく訴えるような物語の根底をなすテーマ。
それらというのは1冊をとおして作り上げるからこその感動であって、
今回のような章ごとに話が完結している構成ではイマイチ盛り上がり不足でしたね。

また、あとがきで作者自身が言っているとおり、今作は紅玉作品初の男性視点で物語が進みます。
やはり女性作家が書く男性主人公と言うのはどこか理想論のようなものがあって、
感情移入がしづらいというか、最後まで好きになることができませんでした。


とまぁ不満を書いてしまいましたが、決して悪い作品ではない。
悪い作品ではないんだけど、紅玉作品に求めているのはこれじゃないんだよなーという作品です。
次回はまた人喰い3部作のような作品を期待したいですね。


レビュー:しゅん

あやかし飴屋の神隠し (メディアワークス文庫)
紅玉いづき
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-25


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3
メディアワークス文庫より、紅玉いづきの新作です。

視えないものはない青年と、つくれないものはない青年。姿の見えない妖怪を、飴細工の形でつくりだす二人が紡ぐちょっと不思議な物語、といったところでしょうか。
人の陰に存在し、人に隠れて生きる妖怪の姿は人には見えない。妖怪は人に悪さをするわけじゃないけれど、やっぱり人とは異なる存在で、妖怪と関わることが 必ずしもその人に良い結果をもたらすとは限らない。そんな妖怪の姿を飴細工で具現化して、知らぬ間に妖怪と関わっていた人をちょっとだけ助けてあげる、と いうお話です。

あとがきで紅玉さん自身が書いているように、今まで「少女」を書いてきた作家が「青年」を書いているので、いろいろ試行錯誤したのだろうと思います。「コレジャナイ感」を味わった人も多いのではないでしょうか。

4編の連作形式なのですが、前半の2つが特に素敵。どちらも自分の人生で大切にしているものがあって、それを失いかけて、取り戻す話。第一話では失うきっかけに、第二話では取り戻すきっかけに、妖怪と飴細工が関わってきます。けど、妖怪なんか関わらなくても、結局この人たちは同じように失ったり取り戻したりするんじゃないかなー、なんて思いました。

そして今気づいたのですが、この前半の二つは女性が話の中心なのでした。やっぱり紅玉いづきは女性を書いた方が活き活きしているのかな?

後半の2編はいよいよ主人公の青年二人組の出自に迫る話なのですが、こちらは正直、あまり楽しめませんでした。二人ともあまり多くを語らないし、そもそも存在感が希薄なのです。二人の過去や正体は、明かさないなら隠したままで、明かすならもっとはっきりと明かしてほしかったと思う。全体的にぼんやりし過ぎていて、物語としてのヤマが無かったという感じです。

決して悪くはないんですが、他の紅玉作品と比べると半歩引くのは否めないですな。

感想:tartarous

あやかし飴屋の神隠し (メディアワークス文庫)
紅玉いづき
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-25



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4
1巻の感想では、本作で発揮される甲田学人の魅力は3分の1と書きました。

前言撤回。確かに他作品で見られる「恐怖を煽る文体」や「民俗学ネタの披露」は本作品では控えめではあります。けれどその分も含めて、既存の童話に作者の解釈を付け加え、現代に生きる人間を童話の登場人物に当てはめていく様は、ホントにもうゾクゾクするのです。なので、3分の1じゃなくて、3倍濃縮ってことにしましょう。

今回のテーマは「白雪姫」と「ラプンツェル」の2本。どちらもディズニー映画に使われるなど人気の童話で、王子様とお姫様は幸せに暮らしました……で終わるハッピーエンド。
けれど、そのハッピーエンドの陰では悲劇に絶望した人物もいる。それは白雪姫を殺そうとしたお妃様だったり、ラプンツェルを塔に閉じ込めた魔女だったり。もっと言えば、お妃様に残酷な真実を告げた魔法の鏡や、物語の発端であるラプンツェルの母親だって、一つの「登場人物」なわけです。

「白雪姫」の方は本当に救いがない。真実を見る目と嘘のつけない口をもった魔法の鏡は、故に親友であるお妃様を傷つけてしまう。鏡にはお妃様を大切に思っているし、お妃様も鏡を信じている。白雪姫の存在を抜きにすれば、少なくとも魔法の鏡とお妃様の間には悪意も害意もない。けれど、最後はすれ違って、分かり合えないまま二人の関係は最悪の結末を迎えます。

今までの甲田作品にはあまりなかった雰囲気の話で、かなり気に入りました。

一方「ラプンツェル」の方は、いつもの甲田節。ちょっとした悲劇の連鎖がいつのまにか取り返しがつかなくなるくらいに肥大していきます。じわじわと追い詰められていく登場人物が、最後に「ぷつっ」とキレて狂気に走る瞬間の恐怖は、ちょっと私では書き表すことはできませんね。

今回悲劇の中心となった晶は、「ラプンツェル」におけるラプンツェルなのか、魔女なのか、母親なのか。あの物語で、一番の悪役は誰なのか。一番悲しい思いをしたのは誰なのか。最後に意味ありげな解説をしてくれる時槻風乃さんの語りに注目です。


いやー、今回も良いものを読ませていただきました。けどやっぱりどこか物足りないんで、ぜひ電撃文庫の『ノロワレ』の続編を早くしてもらえませんかね……。

時槻風乃と黒い童話の夜 第2集 (メディアワークス文庫)
甲田学人
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2014-07-25


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2
麻雀のプロが監修した本格麻雀ラノベ!

……なわけがなかった。裏表紙の「あらすじ」でも「ふざけてるけど実は本格派!」と書かれておりますが、本格派とは一体なんだったのか。脱衣麻雀で全てが決まる女子高に、男の娘な主人公が紛れ込んで、脱衣麻雀でいろいろ戦うお話です。

麻雀が全くこれっぽっちも分からない、という方にはちと厳しいかもしれません。作中では麻雀初心者も登場するのでちょっとしたルール解説のような場面はありますが、いざ対局が始まると専門用語のオンパレードです。

キャラクターとストーリーにはもはや深くは触れまい。最初の設定がむちゃくちゃ(褒め言葉)なので、そこからどんな展開になろうと「そういうお話だから」で納得させられてしまうパワーはあったと思います。面白いか、魅力的かと言われると、肯定は出来ませんが。

小説(文章)でどこまで表現できるのか期待しつつ不安でもあった「麻雀シーン」について。結構レベルの高い戦い、という設定なので、細かい読みや駆け引きなんかも描かれているのですが、意外と抵抗なく読めたと思います。文章だけで自分の手牌や見えている捨て牌なんかを全て書くのは到底不可能なわけで。その場面その場面で必要なところだけが抽出されているのですが、それでも何となく「書かれていない部分」も想像できるようになっていました。あくまで何となくですけどね。

イラストで「今の手牌はこんな感じ」と示してしまえば簡単なところを、そうはせずに文章で書き切ったあたりは高く評価してあげたいところです。

そういえばメインヒロインたる喚子ちゃんの得意技(?)はカン。某漫画のおかげでカンと言えば嶺の上に花の開くアレばかりが連想されますが……我々一般人が何のためにカンをするかというと、多くの場合は嶺上開花狙いでもなければ三槓子、四槓子を狙うためでもないですよね。ラストの展開から、そんなことを思いました。

それと「脱衣」のほうですが、こちらはもっと頑張って欲しかった。脱いだ女の子の姿とかもっと細かくエロく描写してくれてもいいのに。イラストもないし。さらに、それを見せられる主人公(♂)の反応もピュアな感じでちっとも面白くない。このへんは、集英社だと厳しいのかしらね。一迅社なんかだったらもっとギリギリを走ってくれそうなのだけど。

そんな感じで、褒めるところは褒めてみたけれど。全体的にはあんまり面白くなかったと思います。

感想:tartarous


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3
表紙の絵なにやら見たことあるなぁと思ったら関谷あさみさんじゃないですかやだー!!

誰ですかこの人に表紙絵依頼したの……しかも表紙が涼風&五月雨ちゃんに裏表紙が綾波&敷波ちゃんとかもう犯罪レベルですよ……?もうね、この組み合わせで薄い本書いてくれと(違

というわけで電撃コミックスからの「佐世保鎮守府編」も4巻まで来ました。相変わらず表紙のセンスは一番です。表紙だけで買ってしまう自分をそろそろなんとかしたい。

中身は最初のレーベ&マックス漫画と次のながもんヒーローものこそかわいい系でまとめてきたものの、その次の北上&大井っちのシュール百合ものあたりから雲行きが怪しくなりはじめ、そのあとはお色気&うんちく寄りの作品が続きます。ちゃうねんそうじゃないねん。またそこからはコメディものが続くのですがこのコメディタッチはちょっと肌に合わないんですよねー。大味すぎるというかなんというか。このあたりが電撃コミックスの味なんでしょうが、コメディやるにしてももうちょっと艦娘たちのキャラを生かしたものにしてほしいなーと思ったりしました。

しかしその中でも今井哲也さんの「那珂ちゃん解体」編はよかった。ゆっくりと解体される那珂ちゃんの心情を描く作品なんですが、ネタにされがちな那珂ちゃん解体ものをこういう視点で描いたものは今まで読んだことがなく新鮮でした。決して暗くなりすぎず、しかし切ない余韻の残る良い一編だったと思います。

といいながらも、今回のMVPはもりのほんさんのカラー口絵。 大鯨ちゃんが跳んでおります。イキイキと跳んでおります。これは癒されます。癒され度MAXであります。しかしなんでうちには来てくれないんでしょう。うちの鎮守府に何か恨みでもあるんでしょうか。そんなことないよね?ね??

ここ最近2-5と5-2を掘り続ける毎日に疲れていましたが、この一枚絵に救われた気がしました。いつかピョコっと出てきてくれる日を夢見てまだまだ掘り続けたいと思います。ほげぇぇぇぇぇ

れびゅー:ゆーべ

 
艦隊これくしょん -艦これ- 電撃コミックアンソロジー 佐世保鎮守府編 (4) (電撃コミックスNEXT)艦隊これくしょん -艦これ- 電撃コミックアンソロジー 佐世保鎮守府編 (4) (電撃コミックスNEXT)
関谷あさみ 坂崎ふれでぃ 今井哲也 田中謙介(『艦これ』開発/運営)

KADOKAWA/アスキー・メディアワークス 2014-07-25
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1
なんとなく表紙につられて買ってみましたが……ハセガワケイスケさんの作品は『しにがみのバラッド。』以来。

あらすじをコピーしますと

ほんわりとした幸せをお届けする、マジックファンタジーストーリー。

 魔法学校に通う少女のニカ。彼女は落ちこぼれとして知られていたが、それには理由があった。
 古魔道具趣味(アナログオタク)。
 セピアな雰囲気を纏う、古き良き趣(おもむき)深い魔法道具が大好きで、そのせいなのか、現代の魔法の花形である電子魔法系にめっぽう弱く、触れるだけでデバイスを壊してしまうほどだった。
 そんなニカが、エリート男子生徒の二人……爽やか金髪少年ユリアンと、無口クールな黒髪少年リドと組むことになる。魔道具オタク少女のスクールライフ、波乱の予感です……!



うーん、これ、「あらすじ」っていうより「設定」ですよね。この設定からどのようにお話を膨らませていくのかが楽しみだったのですが……残念ながら、何もありませんでした。

そもそもニカが本当に役立たずすぎて文字通りチームのお荷物。古道具趣味が活きる場面もなく、そもそも作中に「古道具」に該当するアイテムなんかほとんど出てきません。当然、彼女の持つ古道具知識が役に立つことなんかあるわけない。
脇を固めるエリート男子二人のキャラも地味だし、「10年前の出来事」や「英雄であるニカの兄」といった思わせぶりな伏線は一切回収されない。最後の事件も消去法で黒幕は分かるし、犯行の動機も薄っぺらい。

私はハセガワさんのほんわかした文体は嫌いじゃないのですが、これも受け付けない人は多いでしょう。句読点の打ち方や区切り方が独特で、慣れないと結構しんどいです。

まあそんなわけで、落とすところは多々あれど褒めるところの見つからない一冊でございました。

感想:tartarous
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3
第26回ファンタジア大賞《大賞》受賞作

おもしろかった。おもしろかったけど手放しで褒められるかと言うとうーん……

とりあえず、主人公の性格がひどすぎて、特に序盤は読むのが辛かったです。
あとあとから明かされる事情を考えれば、多少は容認できなくはないけど、それは事情が明かされた後だからこそ言えることで、そこに辿り着くまでが長かった。

育ての親に養ってもらうのに全力を尽くすニートで、社会復帰させようと仕事に無理やり就かされて、就職先ではサボるは悪態つくは無気力だわで、一言で言うと「人間のクズ」。その上公衆の面前で交わした約束も、平然と反故にするわで、本当に救いようがない。

改心してからは多少はマシになったとはいえ、それでもやっぱり……な感じ。

物語の展開や世界観、魔術の理論、ヒロインの完成度はさすが大賞と言った感じ。

他の作品だとただのご都合主義になりそうな展開も、伏線をきちんと張ってあったのがわかったので、割とすんなりと受け入れられました。

ただ、気になったのは、他の作品から引っ張ってきたような設定が幾つか見受けられた点。

暗殺に向かない暗殺者や魔術師養成学校(魔術士オーフェン)
作中最強クラスの魔術を独自に組み替えて作った切り札(スレイヤーズ)
とある事情から存在を抹消された王女(スクラップド・プリンセス)

個々で見ればよくある展開ではあるんですけど、これだけまとめて出てくるとちょっと気になりますよね。全部富士見ファンタジア文庫の作品だし……
特に「廃棄王女」なんて本当にそのまんまの単語が出てきますからね……(と思ったらあっちは廃棄皇女でしたね、失礼)

いや、イチャモンなのはわかってるんですけどね、仮に僕の主張が本当だったとしても、これだけいろんな作品の要素を詰め込めば完全に別物ですし、実際に読んで、そのまんまパクってるな、なんてことは全く感じませんでしたし。
でも気になるものは気になるし……モヤモヤするなぁ……


個人的なモヤモヤを除けば、非常に完成度が高く、オススメできる1冊だったと思います。

レビュー:ぼくだ


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