第21回電撃小説大賞 <メディアワークス文庫賞>受賞 この優しい物語を すべての働く人たちに
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。
同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。
なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――
本屋さんでプッシュされていて、タイトルが目についた一冊。
働いている人なら、どきっとする方も多いタイトルではないでしょうか。自分だけでしょうか…
軽い感じのタイトルと、ヘビーなあらすじのちぐはぐ感がひっかかり手にとってみたのですが、読み始めると違和感はなくするすると読み進めることができました。
主人公、隆の語りで進んでいくストーリーは、就職活動を乗り越えた達成感の先に待っていた、辛い社会人生活から始まります。
上司にはいつも怒鳴られ、サービス残業、休日出勤当たり前。自分なら大丈夫と根拠なく思っていた学生時代の自信はすっかりなくなり、他人と自分を比べては落ち込むそんな日々を送っていた隆でしたが、ある日ふらふらの隆の腕をつかんだ謎の男ヤマモトとの出会いが、本当に守らなきゃならないものはなんなのか気づかせていく、と言うストーリー。
今の日本において絶対に他人事とはいえない問題を題材としている一見重くなりそうな物語ですが、ヤマモトの明るさと大切なものを見つけていく隆の様子に、すっきりとした読了感をあじわうことができました。本の中の話だと置いとくには勿体無い一冊で、自分が悩んだとき、辛いとき、思い出したいそんな一冊となりました。
本当に大切なものを見失いかけてしまっている人、本当に大切なものを教えてあげたかった人。
何か、誰かを守るのには、特別なことなんて必要なくて、たった一言だけで違ったのかもしれない。
それだけで、人は自身を守ることができるのではないか。
自分的にはそんな思いが読み取れた作品でした。
「ちょっと今から仕事やめてくる」
読み終えてみると、この軽さにも納得です。
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。
同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。
なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――
本屋さんでプッシュされていて、タイトルが目についた一冊。
働いている人なら、どきっとする方も多いタイトルではないでしょうか。自分だけでしょうか…
軽い感じのタイトルと、ヘビーなあらすじのちぐはぐ感がひっかかり手にとってみたのですが、読み始めると違和感はなくするすると読み進めることができました。
主人公、隆の語りで進んでいくストーリーは、就職活動を乗り越えた達成感の先に待っていた、辛い社会人生活から始まります。
上司にはいつも怒鳴られ、サービス残業、休日出勤当たり前。自分なら大丈夫と根拠なく思っていた学生時代の自信はすっかりなくなり、他人と自分を比べては落ち込むそんな日々を送っていた隆でしたが、ある日ふらふらの隆の腕をつかんだ謎の男ヤマモトとの出会いが、本当に守らなきゃならないものはなんなのか気づかせていく、と言うストーリー。
今の日本において絶対に他人事とはいえない問題を題材としている一見重くなりそうな物語ですが、ヤマモトの明るさと大切なものを見つけていく隆の様子に、すっきりとした読了感をあじわうことができました。本の中の話だと置いとくには勿体無い一冊で、自分が悩んだとき、辛いとき、思い出したいそんな一冊となりました。
本当に大切なものを見失いかけてしまっている人、本当に大切なものを教えてあげたかった人。
何か、誰かを守るのには、特別なことなんて必要なくて、たった一言だけで違ったのかもしれない。
それだけで、人は自身を守ることができるのではないか。
自分的にはそんな思いが読み取れた作品でした。
「ちょっと今から仕事やめてくる」
読み終えてみると、この軽さにも納得です。