アキネ会の日常

ライトノベルコミュニティー「ラノベdeアキネイター」の参加メンバーが“共同運営”するライトノベルレビューブログ

富士見ファンタジア文庫

3
>技師が手を抜けば、戦場で騎士が死ぬ。騎士が死ねば、守るべき人間も死ぬ。
>だから僕たちは、いついかなるときでも最善を尽くす。

というわけで、ファンタジア文庫の新作にチャレンジです。

最近流行りと思われる、頭脳派、非戦闘員の主人公が、なんやかんやでバトルする話です。
それ以上でもそれ以下でもない。

あらすじから固有名詞のオンパレードで読むのが大変そうですが、意外や意外、数多い専門用語に戸惑うことなく読み進めることができたのは好印象。その場その場で必要十分な用語説明が挟まれていて、置いてきぼりにされることがありませんでした。

作中で何度かあった戦闘シーンにおいて、どの戦闘でも主人公が「違った勝ち方」をするので、読んでいて飽きないです。主人公は一流の技師なわけだけど、技師としての技術で勝つのか、知識で勝つのか、非戦闘員ゆえの狡賢さで勝つのか。一口に「技師としての戦い方」と言っても、いろんなバリエーションがあることをこの1巻の中で披露してくれたことは高く評価したい。

キャラクターは……振り返ってみると、主人公やヒロインを含め、あまりキャラの内面を書いた描写がなかったように思います。ゆえにテンポよく話が進んだというのはありますが、物語を上から俯瞰して読むタイプはともかく、人物に感情移入したい人にはちょっと物足りないかもしれません。

ダメだった点を二つ。

ひとつは、主人公が一度も負けなかったこと。ギャグシーンじゃなくて、シリアスな場面でね。騎士と技師がそれぞれの役割を果たすべきという世界で、技師である主人公が無双してたら、じゃあ騎士は要らないじゃん、という話。「技師であるはずの主人公が一線で活躍する」というのなら、「騎士としては活躍できない」という場面を見せてもらわないと、これじゃあ巷に溢れる滅法強いだけの主人公と変わりません。

もうひとつは、物語のキーになるはずの「7年前」について、さすがに情報がなさすぎです。意図的に伏せているのではなく、作者も考えてないんだから行間に現れようもない、というのが正直なところではないでしょうか。読んでいて、「7年前を描いた過去編を読みたい」という気持ちに全くなりませんでした。
作者は本当に7年前の物語を考えているのか?そこから今日にいたるまでの物語を考えているのか?それらを踏まえたうえでの、満を持しての第一巻がこの1冊なのか?残念ですが、そういう重みのようなものが、ないんです。

どちらも、2巻以降でいくらでも巻き返せることなので、ぜひ期待したいところではあります。双装やD粒子の設定そのものは面白いし、キャラクターの掘り下げもまだまだ出来そうです。アズリィの実力は学園3位とのことだけど、これは2位や1位を出してもらわないといけないしね。

2巻、出るんでしょうか……

感想:tartarous



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4
前巻の感想はこちら
GSのレビューに関してはタイツ姫ゆーべさんの記事を参照ください。

お久しぶりです。
前回のレビューを書いてから1年以上が経過しているのに気づいて、もう少し頑張って書こうと思う所存です。

とまあ初見の人からしたら何言ってんだと思われそうな決意表明は置いといて、レビューに行きましょう。

7巻では、メインヒロイン()だった加藤がメインヒロインに昇格しましたが、8巻ではメインヒロインからメインヒロイン(真)に昇格しました。
サブキャラだった出海ちゃんがメインに昇格したとはいえ、英梨々と詩羽先輩という強烈なヒロインが第一線を退いて、不安も結構あったわけですが、全くの杞憂でした。
2人が抜けた穴を、見事に埋めてくれましたね。
それに、英梨々も詩羽先輩もちょくちょく出てきて、相変わらずのヒロイン力を見せつけてくれました。
残りの2人は……うん、今後に期待ということで。

ストーリーの方では、倫也がクリエイターとして踏み出した一歩と、倫也と加藤と英梨々の関係の変化、そしてラストで見せつけられた本物の天才という途方も無く大きな壁。
少しずつ変わっていく人間関係と環境が、今後どういう風に転がっていくのか、楽しみで仕方がないです。

特に気になるのは倫也のライターとしての成長ですかね。
情熱以外の何も持っていない凡人が、天才たちにどう立ち向かい、どういう道を切り開いていくのか、あるいは道を閉ざしてしまうのか。

とりあえず早いところ9巻を読んでしまいたいと思います。

レビュー:ぼくだ




このレビューを書いてる時に今までのタグが間違えていることに気づいた……
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4
ファンタジア文庫の大賞受賞作。

舞台はいわゆる剣と魔法のファンタジー的な世界。最近流行りの「ネットゲームの中の世界」に近いと思います。
優秀な暗殺者である主人公の青年・クーファが、貴族のお嬢様・メリダの家庭教師になる話です。
メリダは由緒ある家系のお嬢様なのだけど、その家系なら当然持っているはずのスキルが何もない。もしかしてメリダは不倫でできた不義の子で、貴族の血を引いていないんじゃないの?という疑いがかけられるわけです。
そんな中クーファに任せられたのは、「メリダお嬢様の家庭教師となって才能を開花させよ。どうしようもなく無能だったら殺せ」という二つの任務。

正直申しまして、序盤の導入の時点で、私はこの話に期待はしていませんでした。「どうせ後半で、お嬢様に隠された秘密の才能が明らかになって、土壇場で覚醒するんだろ」と、高をくくっていました。

すぐに明らかになることなので書いちゃいますが、そんな都合のよい展開にはなりません。無能はやっぱり無能、隠された才能なんてなかった。

クーファの機転とメリダの根性で、どうにか形になるだけの力を身に着けたメリダですが、ピンチになってもやはり隠された才能なんて目覚めることはなく。
実戦の場で彼女を支えたのは、そんな都合のよい奇跡なんかではない。ずっと「無能」「落ちこぼれ」と蔑まされていた頃から、自分だけは自分の才能を見限るまいと絶えず続けてきた努力が、最後の最後で彼女の力となって勝利をつかむのでした。

最近の読者は主人公が努力することを嫌う、とにかく強い主人公が無双する物語を好む、なんて言われていますがね。そんな読者がいるのなら、ぜひ本作をお勧めしたい。どうですか、「努力」と「知恵」で勝つのだって、悪くないでしょう?と言ってやりたい。
泥まみれになりながら勝利したメリダの姿に涙ぐむメイド長の姿を、誰が嗤うことが出来ましょう。

一方、主人公のクーファの方は、いわゆるクール系の「強い主人公」です。若年ゆえに未熟なところもあるのかもしれませんが、現状では敵ナシですね。無双系の主人公がお望みの読者は、こちらに感情移入すれば楽しめると思います。

作品全体の完成度としては、良く言えばシンプルにまとまっているし、悪く言えば作りに妥協が感じれるという印象です。グダグダと世界観の説明が続かないのは良いことですが、それは「他の作品で似たような設定を知っているから」こそすんなり理解できるというだけの話で。極論を言えば、「この本が、誰かにとっては人生で初めて読んだライトノベルになる」という配慮がない。
もっと言えば、「最近流行りのジャンルの作品」としては優秀作品だけど、「この本から新しいジャンルを作ってやる」という気概が感じられない。
凡百の作品で良いならそれでも良いですけどね。これ、大賞でしょう?

感想:tartarous





 
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3
お久しぶりです、生きてますよー。
最近は水棲生物みたいな巨大戦艦と戦っています、ピラニアとカサゴは許さない。

テストは全科目満点、校則は完璧に守る優等生。当然エロゲなんか全く知らない非オタ美少女・水崎萌香から…「私をあなたの―カノジョ(奴隷)にしてほしい の」告白されて、付き合うことに!?隠れオタでエロゲ趣味な俺に、まさかこんな彼女ができるなんて…って浮かれていたら、俺の理想のヒロインを知るため、 一緒にエロゲをすることに!?「このスカート、短すぎない?」それ制服だから…「胸の大きい子が好きなのね」やめてください、しんでしまいます!「私も首 輪してみた…にゃー」どんどんエロゲに影響受けてない!?「私を…調教してくれる?」これ、なんてエロゲ!?

いつものあらすじ。
あらすじからは特に新鮮味もないラブコメものといった感じですね。
ファンタジア大賞の金賞受賞作です。
ファンタジアは表紙や帯から大賞のどれを受賞したのかわからんのがな…(帯の折り返しでは確認可能)
と思っていましたが普通はそこまで気にしない人の方が多いんでしょう、きっと。

オタクが主人公の作品は数あれどエロゲにスポットを当てた作品というのは少ないはずですが…そもそも18禁シーン自体がラノベとして扱いづらいとか読者層の年齢とか色々ありそうです。
エロゲのパロネタが多いわけでもなくあるあるシチュエーションなんかをヒロインが真似て主人公にアタックしていくといった構図。
ヒロインからアタックしていく構図もありがちで受賞するには個人的にはパンチが弱いかなと思います。

この作品の個人的な読みどころとしては終盤の主人公の悩みです。
大概ラブコメの終盤の盛り上がるところってのはヒロインと拗れてから仲直りするまでとか悪意ある第三者が登場して事件解決、ヒロインの過去の傷を癒すとかで基本的にはヒロインか外的要因が多いと思います。
この作品では主人公は高嶺の花であるヒロインから告白されOKして付き合うことになったけれど、その場では綺麗だし可愛いっていうだけで実際にヒロインのことをどう思っているのか自分でもわからずに中身がなかったわけです。
ヒロインと付き合う上でどこが好きなのかとかそういった単純な部分で悩んでいくというのは昨今のヒロインから全力で好意を受ける作品のメタとも受け取れます。
ラブコメでありながらあくまで主人公が主軸に置かれその悩みにスポットを当てるというのはかなり新鮮でした。
とはいえラブコメを求める読者が1巻からいきなりヒロインではなく主人公にスポットが当たる展開が嬉しいのか
はわかりません…。
エロゲ趣味というニッチな趣味はこの悩みを解決する上でもキーとなりますので、エロゲ設定活きたな!…パワープレイを感じなくもないですが。

ラブコメ作品は好きな人にもおススメですが逆にラブコメが食傷気味の人にもおススメかもしれません。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫
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4
お久しぶりです、いつもよりかは期間空いてない気がします。
獣狩りの夜が長かったのです、16日までにトロコンするとカスタムテーマくれるということで頑張って取りテーマ貰いました。
発売日に買って一応クリアはして放置してたのでトロコン自体はそこまで時間かからず。

立ちはだかる英梨々の壁。衝撃に震える出海を倫也は救えるか!?

プロデューサーに天敵・波島伊織を加え、俺、安芸倫也が企画した新作同人ゲーム『冴えない彼女の育てかた』制作のため、ついに走り始めた新生 「blessing software」。だが、その矢先――かつての仲間・英梨々の1枚のイラストが、サークル内に波紋を巻き起こてしまった。
「わたし、この人と比べられなきゃならないんですか……?」
「なんなん、だろうね……もう」
 ライバルの進化に震える出海ちゃん、親友への苛つきを抑えきれない加藤、そして幼なじみと仲直りをしたはずの俺は……。
 新生サークル最初の危機、救世主は思わぬところから!?

いつものあらすじです。
このあらすじの6割くらいはあらすじじゃなくて前回のラブライ…みたいなおさらいだということに今、気づきました。
要するに8巻終わりのあのイラスト事件で出海ちゃんは大変なプレッシャーを受け自分の絵が迷うわ、加藤は加藤で英梨々との清算がついていないので思うところあり…。
サークルとしては新メンバーも集めて再スタートしたと思ったらすぐにこれといった感じでサークル活動が滞ってしまいそれを如何に打開するかがこの巻のお話です。

安芸君が打開すべきなのは英梨々のイラストに打ちのめされ自分の絵が定まらなくなってしまったのをどうするか、巻を跨いで長いこと続いてる加藤と英梨々の仲をどう取り持つか。
ここであらすじの救世主の出番なわけですが、誰なのかは読んでからということで。

この救世主からもたらされた案により加藤と出海の問題を一気に解決しようとするんですが…性質上出海の出番は減り、話の焦点は安芸と英梨々、そして加藤と英梨々が中心に。
そのお陰もあって話の雰囲気としては第1部のような感じが強いんですよね、新生サークルとしての活動(とはいっても安芸一人の場面多し)ではあるんですが話の流れや雰囲気は第1部のままで少し懐かしさを覚えました。

この巻で安芸君はクリエイターとしての自覚がはっきり出てきていますし、
加藤は加藤で自分の気持ちをしっかり伝えて意思表示をしていますしヒロインのポジションを自覚してきていて主人公・ヒロインらしさが溢れ出てきています。
英梨々は大勝利!!!ってでかいフォントで書きたいところですが…これ、英梨々大敗なんじゃなかろうか。

次巻はナンバリングではなくGSか9.5巻みたいなサイドストーリーとのことで。
内容としても今回の時間軸で他キャラは何してたかみたいな…GSですね、とにかく楽しみです。
とはいえそこで一つの決着もつくと思いますので、ここは10巻として安芸君視点で抑えるのではなく両者のキャラの心理描写あってこそなシーンになるはずなのでね(微ネタバレになるかもなので反転)、このタイミングでのサイドストーリーは歓迎です。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫
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3
今回は冬イベント、トラック島襲撃。そして表紙の通り、那珂ちゃんが主役というかセンターです。

川内は夜戦バカ、神通は鬼教官、那珂ちゃんはコメディ枠。正直、二次創作における川内三姉妹ってワンパターンすぎて飽き飽きしていたんですよね。

ですが今回の那珂ちゃんは一味違いました。確かに能天気なアイドル艦娘なのは変わらないのですが、しかしその魂は確かに第四水雷戦隊旗艦、「軍艦那珂」の誇りと矜持を受け継いでいるのでした。那珂ちゃんが戦って、傷ついて、アイドルになって、また戦って、やっぱりアイドルで……というドラマが、この5巻のお話だったと思います。
川内は夜戦好きは相変わらずだけど、しっかりと三姉妹のお姉ちゃんをしていたのが印象的。神通も鬼教官という側面もさることながら、最強の軽巡洋艦としての実力者としての顔を見せてくれたのが良かったです。

一方で、せっかく登場した新空母の皆様は……うーん。こんなにたくさん新キャラを出す必要があったのかどうか。確かに「瑞鶴×葛城」の組み合わせは人気急上昇ではあるけれど。せっかく出て来た割に、水雷戦隊がおいしいところを全部持って行っちゃって、あまり活躍できていなかったように思います。

いよいよ次巻で最後とのことで、こうして艦これの公式二次創作が一つずつ終わっていくと思うと、艦これというコンテンツ自体が後半戦なんだなと、ちょっと寂しくなりますね。
かくいう私もログインの頻度や時間はかつてと比べるとグッと減りましたが、艦隊の練度も資源の備蓄も、とっくに万全です。また、悪夢のような夏イベントを楽しもうではありませんか。と思いました。


感想:tartarous




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4
お久しぶりです。
常に冒頭で書いてる気がしてきたぞー。

新学期を目前に控えたあの日、かつての「blessing software」は
終わりを迎えた。そして新学期、俺たちは新たなメンバーを迎え、
新作ゲーム製作のため、再び走り出そうとして――
「大丈夫です先輩。あんな女のことなんか、すぐに忘れさせてあげます」
「…………出海ちゃん?」
 ――コホン。だが、まだ手探りなまま始動した新体制に、少しずつ、
しかし致命的な綻びが見えはじめてしまい……!?
「よろしくお願いします! えっと、先輩の小姑さんっ!」
「あんた喧嘩売る才能あるよねぇ、トモのコバンザメちゃん?」
 ……えっと、今度こそ空中分解しないよな大丈夫だよな?


いつものあらすじ、そろそろ貼る必要もないのではないのだろうか。
前回同様、冒頭部分を書き起こした感じのあらすじです、本編の内容には全然触れてません。

7+GSを経て第一部が終わり、そこでキャラの関係性ががらりと変わってから初めての巻ですよ。
とはいえフェードアウトしたキャラがいるというわけでもなく変わらず英梨々も詩羽先輩も登場しますが、変化により登場頻度は一気に下がり、それにより加藤出ずっぱり!描写されないだけでいるにはいたんですけどね、存在感を伴って出る場面が増えたこと増えたこと。
しかし、初代メンバーであり音楽担当の美智留って加入エピソードでは目立ってたけどそれ以降割と空気なんじゃ…今回も相対的に出番が増えてるはずですがあらすじに書かれてる辺りがこの巻の一番の魅せ場というのが切ない、そしてあらすじについてすでにふれている通り…今後に期待しよう、キャラの強い二人の出番は減ったんだ。
8巻の面白さは7+GSでの一大エピソードを経ての周りの環境の変化によって新しく生まれたキャラの絡みだと思います。もちろん今まで通りの絡みなんかもありますが…個人的な感覚で言えばFF6の世界崩壊前、世界崩壊後みたいな感じです。
今までで一番の加藤巻になっているので加藤好きな方はそりゃもう大変楽しめる内容に。

シナリオとしては新生blessing softwareとして活動していくための下準備になる巻です。
英梨々と詩羽先輩という二本の柱がなくなり、そのうちの片方は後輩の出海を迎え入れることで(ここはすでに前の巻で振りはあったが)解決の目途は立っていましたが、もう一つのシナリオ、そしてサークル代表でありシナリオ、icy tailのプロデュース等々、倫也の負担の多さが課題として残ることに。

その一方でもう一つの流れである英梨々、詩羽先輩の話も倫也とのやりとりを通して少しですが見えてきます。
今までの絡みでも詩羽先輩は年上キャラであり大人の余裕なものが出ていて英梨々は同年代の子どもらしさが残っているというか…そういうところを含めたエピソードが後半で入っていたりするのですが、この二人出番は減ってもインパクトだけはしっかり残していくんですね。

9巻からは新生blessing software始動するはずだと思うので、美智留や出海の出番も増えていくと思い今までと違った絡みが広がっていくのが楽しみです。
あの二人はきっと期待するまでもなくまた何かインパクトを残していく気がするので特に不安はないです。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫
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5
> 「描けるんなら描きやがれってんだクソッ! ぬくぬくと過去の財産で生きてんじゃね~よ! 仕事しないくせにネットで偉そうなこと言って存在感だけ誇示してる奴らなんか滅んじまえ!」

そ れ な。

はい、たいへんご無沙汰しておりましたユーベです。
なんか上手く活字が目で追えない体になったりしてましたが、この冴えないGSのおかげで復活しました。久々に1冊読み切りましたねぇ。

今回はなにやら一見、アニメから入ったファンにも手に取りやすそうな外伝のように見えますがとんでもない。これは詩羽先輩と英梨々のことがどれだけ好きか、というファン度が試されるファンアイテムです。間違いない。7巻まで読んでない人がこれを手に取ろうとしていたら全力で止めましょう。勿体なさすぎるので。7巻までの詩羽先輩と英梨々を見てきたからこそこの話が胸に沁みて手が震えて動悸を引き起こしそして涙がこぼれるのです。まあ私の話なんですが。

前半の詩羽先輩と英梨々の話もよかったですが、やはり書き下ろしの後半が真骨頂。ラスボス的存在である「紅坂朱音」の正体の一端が垣間見えます。これは確かにラスボスにふさわしい天才。天才です。やっぱり丸戸さんさすがの丸戸さんだけあって天才の描き方は半端ない。もはやファンタジーレベルの天才なんですがそこにある程度のリアルを混ぜ込んで一定の説得力を持たせるこの匙加減はもはや芸術。今までも散々見てきましたがここへきて磨きがかかってきた感があります。それだけに冒頭に掲げた紅坂朱音の叫びはもう説得力に溢れています。そう、天才には仕事をする義務があるのです。お前らが作ってきた枠組みの中でラノベという定義が固まりジャンル化しそして硬直化してきているというのにそのお前らが高みの見物かよ滅んじまえ!というなんだかよく分からない叫びを残しつつこの1冊には万感の★5つをつけたいと思います。
ご清聴ありがとうございました(小声

レビュー:yuu_be

※「俺たちの運命の分岐点には、いつも雪が降る」7巻のレビューはこちら。
冴えない彼女の育てかた Girls Side (富士見ファンタジア文庫)冴えない彼女の育てかた Girls Side (富士見ファンタジア文庫)
丸戸 史明 深崎 暮人

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4
我、これより航空隊の指揮を執る

というわけで。

飛龍は健在なり

飛龍提督の俺、大勝利でした。

「艦これ」の二次創作ではゲーム内のセリフを引用するのが定番だけど。ゲームでは使われていない、けれど史実において印象的とされるネタをここまで前面に出して使ってくれたのは、本作が初じゃないでしょうか。「我、これより~」の一文が出て来た時には鳥肌が立ちましたよもう。飛龍の「厚い本」を読んでてよかった!

作中、機動部隊を支えた瑞鶴や蒼龍の活躍と比べると、飛龍がちょっとメンタル弱い感じがして、そこに全く不満がないといえば嘘になります。が、一航戦や五航戦ばかりが優遇される二次創作の中で、ここまで飛龍を輝かせてくれたのは、本当に嬉しいことです。

舞台はAL/MI作戦の後半、ゲームにおいての14夏イベントと同様、「本土襲撃」も再現です。あれは本当にしんどい戦いでしたが、作中もギリギリの総力戦。さらにAL、MI、本土と実質3面作戦で、どの方面も楽な戦いは一つもなくて、どうせ負けないと分かっていてもなお手に汗握りました。

前巻の感想でも書きましたが、艦娘にとって「かつての戦争」は苦い思い出、トラウマではある。しかし一方で、仲間と戦った大切な思い出でもあり、武勲をあげた誇りでもある。
私は嫁艦である飛龍に注目して読みましたが、あのとき何もできなかった一航戦の2人や蒼龍、MI作戦には参加してすらいなかった翔鶴や瑞鶴、空母が主流になる中で時代遅れになっていった戦艦や水雷戦隊たち……それぞれが今の深海棲艦との戦いに向けた思いを、具現化した一つの答えを、本作は提示してくれたんじゃないかなと思います。

ゲームでもそうですが、このMI作戦を勝利したことで、歴史はifの世界へと突入していきます。作者は仮想戦記の出身だそうなので、むしろここからが本領発揮といえるのかも?1巻こそゲームネタの扱いの下手さに評価を下げていましたが、史実とフィクションの織り交ぜ方という点で、今回で評価爆上げです。

艦これ-027

感想:tartarous





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4
7巻から2か月にして新刊です。
7巻裏エピソードとなるのでそれとなく7巻のネタバレを感じると思うので未読の方は7巻読んでからまた来た方がいいかと思います。



雑誌掲載分は英梨々と詩羽の出会いの話であり因縁やら運命の始まりの部分を描いたもの。
描き下ろしは7巻あとがき予告通りに7巻エピソードの英梨々と詩羽視点から描いたものの二編。

両方とも英梨々と詩羽のエピソードですが、面倒な二人の面倒な出会い方があり、そこからの連なりで本編の話(1~6巻のこと)があり、なるべくして7巻の裏のエピソードになっていく過程がこの短編に収められています。



本編では絶えず言い争いばかりしていた英梨々と詩羽の二人の掛け合い。
中盤まではそれこそいつもの掛け合いレベルでしたが7巻裏エピソードの辺りになるとくだらない良い争いではなく一人のクリエイターとしての魂のぶつかりあいなんですよね。
今までは倫也が主人公ということでファンとクリエイターという構図でしたが、今回はクリエイターとクリエイターが自分の信念や魂を持ってぶつかり合うわけで今までとは一味もふた味も違う熱を持った会話が繰り広げられるわけです。

そしてそこまでする原因は…今まで名前だけは登場していた紅坂朱音です、満を持しての登場となり…ラスボスの風格ありますよ、この人。
この朱音のお陰で英梨々と詩羽の二人の関係性が変化が生まれるのですが…この変化が今後何を生んでいくのか楽しみです。

というわけでGSは終始英梨々と詩羽の話です。過去屈指のレベルで加藤が空気でした。(仕方ない)
7巻の補完的な意味合いの強い巻かと思いましたが、これは紛うことなき7巻の一部です、これをなくして7巻は終わりませんでした。


朱音と直に会話する機会で出たあの誘い文句(企画書辺り)は…クリエイターにとっては完全に殺し文句ですよね。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫
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