まだまだペンキぬりたて

ライトノベルの感想

『一身上の都合で(悪辣)公爵様の契約メイドになりました』感想

一身上の都合で(悪辣)侯爵様の契約メイドになりました【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)

ストーリー
借金を工面してもらう代わりに侯爵家のメイドとなった貧乏商家の娘ルル。当主ジェラルドのハイスペックぶりは令嬢達の憧れらしいけど、幼馴染の私の前では俺様でイヤなやつ! 返済してすぐにメイドなんて辞めてやるわ!……と無我夢中で働いていたら「素直に俺に甘やかされておけよ」とあーん攻撃に添い寝の要求!? それってメイドの仕事ですか!?

潰れそうになった商会の娘が、借金の肩代わりをしてもらった代わりに侯爵家でメイドとして働く強気メイド×俺様侯爵ラブコメディ。
自信満々に求婚してくる侯爵と彼に反発しながらも少しずつ絆されていく主人公とのカップリングにニヤニヤ!
失敗もするけれど自分のやりたいことのためにまっすぐな主人公の姿が気持ちいいですね。


多額の借金を抱えた商会の娘ルルの窮地を救った、学生時代の知り合いにして現侯爵のジェラルド。借金を建て替えた代わりに結婚するよう詰め寄られたけれど、かつて一方的にキスをされてジェラルドのことを嫌っているルルはそれを拒否! 借金を返すため侯爵家のメイドとして働くことになるのでした。
ルルのことが大好きなジェラルドは、雇い主の立場を利用して色気たっぷりに迫ったりデートに連れ出したり、他の使用人から意地悪されるルルを助けたり。そうして少しずつルルとの距離を縮めていこうとする姿が、俺様ではあるんだけれど不器用で微笑ましい。
ルルの方も、学生時代のすれ違いがきっかけでジェラルドを嫌っていたけれど実は彼がいい奴だということが分かってきて、顔では反発しつつだんだんとジェラルドを気にしはじめていっていて、落ちそうで落ちないギリギリのラインのせめぎあいがとても楽しいです。


メイドの仕事をしつつも実家の商会も盛り上げていこうとやる気たっぷりなルル。自分がプロデュースした家具を売り込もうと頑張ったり、ライバル商会との提携にチャレンジしたり、侯爵の恋人(未満)という現状に甘んじることなく挑戦しようとしていて熱い女性ですね。
その挑戦はもちろん上手くいかないことも多くて、思わぬピンチに陥ったりもしちゃうんだけれど、そこを颯爽と助けてみせる俺様侯爵がまたニクい。ジェラルドは本当に俺様だし自分勝手だしあれこれダメな部分も目につきますが、ルルへの想いだけは信じられるのでそれだけで許せてしまいます。格好良いじゃん。たまにはだけどね。
想いは通じ合っているようでもあり、でもまだ恋人なんかじゃないんだからねっ! 状態でもあり、ここからがまた楽しいところだと思うので、続きもぜひ読みたいですね!


イラストは鈴ノ助さん。どのルルも可愛いんですが涙目の横顔に特にぐっと来ました。
しかしこのイラストのジェラルドの俺様感すごいな。


オリアンさんかっけーっす。

『クラスのギャルが、なぜか俺の義妹と仲良くなった。 「今日もキミの家、行っていい?」』感想

クラスのギャルが、なぜか俺の義妹と仲良くなった。 「今日もキミの家、行っていい?」 (富士見ファンタジア文庫)

ストーリー
高校生の俺、名雲慎治には悩みがあった。家庭事情でやってきた義理の妹・紡希がよそよそしいのだ。距離が縮まらない2人暮らし。そんなある日、紡希が連れてきた「ネット友達」が状況を変える。それは、クラスで人気の美少女ギャル・高良井結愛!? 3人で過ごすうちに、心を開いていく紡希。さらに俺と結愛の距離も学校で、家で急接近!? 苦手だった結愛の優しさや寂しがりな素顔、家庭的な一面を俺だけが知っていく。
「私、名雲くんの通い妻みたいだね。そうなっていい?」「それいいよ! シンにぃ、3人で暮らそう!」いや、それはダメ……じゃないけど。いっしょに帰宅して、いっしょに泊まって。結愛は俺の恋人、と紡希にも勘違いされて、なぜか嬉しそうな結愛。ウチに入り浸るたびに、その関係は次第に本物になっていくーー!? ギャルと義妹。2人の女子との暖かくて甘い、アットホームいちゃラブコメ!

同居する義妹との関係に悩む陰キャな主人公がクラスメイトのギャルから協力の申し出を受けて、3人で一緒に過ごすうちに次第にギャルに惹かれていく学園&ホームラブコメ。
義妹とギャルの板挟みパターンかと思っていたらギャルヒロインルート一直線で嬉しい!
ヒロインがかなりグイグイ来るのでニヤニヤ度高くて良かったです。ていうかこれもう付き合ってるよね??


義妹になった従妹・紡希を溺愛する主人公の慎治。でも陰キャぼっちだから年下の女の子との距離感が掴めず困っているところにハイパーリア充美少女ギャル・結愛が助っ人として降臨!
慎治と結愛は同じクラスではあるんですが、基本結愛が慎治と紡希の家にやってきてイベントが発生していくので最初からかなり距離感近めでいい。紡希を安心させるために彼女の前では恋人をフリをするというベタベタな展開がまたサイコーです。
この紡希の存在が結構大きくて、紡希のためという名目で慎治と結愛が接触したりお出かけしたりできていて、ラブコメのいい理由付けになっていました。持つべきものはギャルと友達になった義妹……!


結愛はご多分に漏れずギャルヒロインのいい部分を煮詰めて抽出したような女の子。もはや人類よりも天使に近いです。慎治はまあ、ぼっちを標榜しているわりには会話もスムーズだし義妹をなんとしても守ると決めている立派な部分もある奴ではあるんですけど既に告白百人斬りくらいしてそうな結愛に好かれそうかといえばうーん。自分に告白してこない主人公に興味を持って~っていうパターンもあるあるだけどそれはそれとしてこの子が彼氏いないとかそんなことある? 陰キャオタクの儚い願望といえばそれまでだけどお話の中でくらい甘い夢に揺蕩ってもいいよね、僕もそうします。あ~ぬるま湯気持ちいいんじゃ~。
いくら願望とはいえお泊まり会で義妹とギャルの髪をお風呂で洗ってあげるイベントはやりすぎてて笑っちゃいました。いやこれでいいんです。えっちな口絵のためならリアリティなんてくそくらえなんですよ……!
二人の関係を揺るがすような大事件もなく、既にハッピーエンドに近いような気すらする今作ですが、今のところ3巻まで刊行されているので続きも楽しく読んでいこうと思います。


イラストは小森くづゆさん。結愛の表情や肉感が煽情的で素晴らしいですね。
ビジュアルでいうと桜咲もかなり好きです。


胸元のホクロがフェティシズムすぎる(好き)。

『処刑少女の生きる道7 ―ロスト―』感想

処刑少女の生きる道(バージンロード)7 ―ロスト― (GA文庫)

ストーリー
「だから、この【時】を懸けて、あの子を取り戻すのよ」
導師『陽炎』との激戦から半年。第一身分に追われるメノウたちは、北の大地にいた。マヤの持つ1000年前の記憶によれば、北の空に浮かぶ四大人災・星骸の白濁液内に眠る“情報”がアカリを取り戻すための鍵になるという。10年に一度の“孵化”のタイミングを狙い、第一身分の追っ手をかわしながら星骸に接近するメノウ一行。しかしその前に、最強の神官にして【白】の代行者・異端審問官ミシェルが立ちはだかり――。
新章突入! 吹雪のなか、“星落とし”の幕が開く。彼女が彼女を殺すための物語、廻天の第7巻!!

前巻ラストから半年後、北の大地での追手との戦いを描く第7弾。
いきなり時間が飛んだのには少し驚いたけれど、師との死闘をくぐり抜けて強くなったメノウの戦いぶりには目をみはるものがあったし、何より新しい仲間(?)たちとの旅路にワクワク!
特にマヤとサハラのコンビが良かったなあ! どちらも初登場時からずいぶん印象が変わったものです。


晴れて教会からの逃走者となったメノウたちがどんな逆襲の一歩を踏み出していくのかと思っていたら巻頭でもう半年経ってるわなぜかグリザリカ王国を掌握しちゃってるわで少々驚愕。端折っていいところをとことん端折ってしまうあたり思い切りがいいな! グリザリカ王国の革命はちょっと詳細が気になるけど……。
半年経ったメノウさんはずいぶん主人公っぽさが増した気がします。アカリの力と導師の技を受け継いだ強さはもちろんだけれど、それよりも精神的な部分に芯が通っていて格好良いですね。これは無意識にファンを増やしてしまうのも仕方ないわ。
一方新たなパーティメンバーは以前にもましてバチバチのギスギス。個人的にはどうしてもマヤに感情移入しちゃうのでアビィこの野郎って感じですが魔導的な天敵なら仕方ないか。アビィはアビィでまた何か事情がありそうですしね。


メノウの下を飛び出したマヤが喚び出したサハラ。彼女は全然変わっていなくてむしろ安心。この二人も別に仲がいいわけではないんだけれども、なんか好きなコンビなんですよね。サハラはマヤに脅されて従ってるだけのようでいて、意外と反発や反論もしていたり、たまーに「いい歌ね」とか言ったりする関係性が良い……。
精神的に行き詰まっていたマヤがサハラの無責任すぎるひと言で吹っ切れたところが特に好きなシーンですね。いいよなあサハラ、憎めないわ。
メノウとハクアのアカリ争奪戦、星骸に隠された秘密、迫る最強の刺客ミシェル、そしてラストでようやく姿を見せたあの子。エピローグが切なすぎて胸がぎゅっとなってしまいましたが、メノウは自分を削り切ってしまう前に目的を達することができるのでしょうか。
あーもう最新刊まで追いついてしまった、早く次が読みたいぞ!


アニメも見てみようかな。