アキネ会の日常

ライトノベルコミュニティー「ラノベdeアキネイター」の参加メンバーが“共同運営”するライトノベルレビューブログ

2013年02月

2
1~3巻の良かったところ、良くなかったところを再認識できたような4巻でした。

これまでは一応話は繋がりつつも、短編連作という形式でしたが、今回はまるまる一冊で一つのエピソード。
いわゆる長編ってやつです。

まずは良かった点。

相変わらず、惜しげもなく披露される栞子さんの古書知識は、読んでいて楽しいですね。特に今回のネタは江戸川乱歩。読んだことのあるなしはともかく、この作家名や「少年探偵団」「怪人二十面相」なんかのキーワードを聞いたことのない人は少ないでしょう。全く知らない本を紹介してもらうのもいいですが、やはり「あの有名な作品は実は……」というのが面白いです。

また、特に1巻では作品の内容よりも「初版だから」「希少本だから」といった本の内容よりも「古物」としての値に重点を置かれがちで、あまり好感が持てなかったというのが正直な感想でした。けど巻を追うにつれて、そういった側面もキープしつつ、本の内容や作家のエピソードまで踏み込んで語ってくれるようになって、ちょっとここで出て来た本も読んでみようかなという気になってきました。

一方の良くない点。

これまた1巻から感じて来た不満の理由がわかりました。ミステリーの基本ともいえる、「作中で事件解決に必要なヒントをすべて明かさなければならない」というルール。このビブリア古書堂は、それは確かにちゃんと守られてはいるんだけど。どうにも「なるほど、そういうことか!」とはならないんですよね。
ネタバレは控えますが、例えば……

「『江川蘭子』『空中紳士』『殺人迷路』……どれも乱歩と他の作家の合作です。古書の詳しくない方が、そこにわざわざ本を納めるのは不自然でしょう?」

そうですか、不自然なんですか。いやー、全然気づかなかったわー(棒
謎解きに一般常識・雑学以上の知識を求めるのは、これはヒントとは言わんでしょ。まあ俺が無教養なせいでもあるし、この作品は謎解きを楽しむミステリーじゃない、という見方もあるでしょうけど。ただ、種明かしされたときの「スカッとしなさ」は、個人的には大幅な減点と言わざるを得ないです。

あと、今回はちょっと大輔と栞子さんの関係に進展がありました。いやあ……ちょっと読んでいて恥ずかしくなってしまった。何がどうダメというわけではないんですけどね。栞子さんが色恋沙汰に疎いのが、さすがに疎すぎて不自然だし、大輔は大輔で、せっかく一人称形式なんだから、もうちょっと自分の心情を書いてほしい。栞子さんのことが気になる、好きだ!というのがどうにも伝わってこないのねー。
この作者、電撃文庫で何作か書いてるけど、これといったヒット作がないというのも納得です。

これ、どういう方向に進むのかな?古書をネタにした、それにまつわる人々の物語……という、当初の路線をキープしてほしいと切に望みます。ドロドロな人間ドラマや下手なラブコメは要らんです。

レビュー:tartarous
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4
ザ☆ラブコメ!という感じで大変満足のいく作品でした。

ある女の子のことが好きだと気付いた瞬間。
その子が自分のことをどう思っているのかという不安。
想いが通じ合った時の天にも昇る喜び。
一緒にいるだけでなんでもできるような万能感。
気持ちがすれ違った悲しみ。
仲直りをできた安心感。
これからもずっと一緒にいようという希望。

そうしたラブコメに必要なものがすべてこの2冊に詰まり煮込まれています。
味付けは、この作品に手を出すような人なら誰もが覚えがあるであろう「中二病」。
中二病を卒業した人も、現在真っ只中の人も、みんなみんなニヤニヤしながら読めるでしょう。

個人的にお気に入りなのが2巻から登場する七宮。
やはり中二病を患っており、しかし自分が中二病患者だということをしっかり自覚し自分に素直に生きている。
そうやって日常を楽しんでいるこの子は、個人的に中二病を卒業して10年以上たった今でも(今だからこそ?)輝いて見えます。
ラストは引き止めずにあのまま別れた方が話としては綺麗だけどこの楽しい物語にそんな結末は似合わない。
これからの六花や七宮の騒がしい日常が目に浮かぶようです。

アニメは4話くらいまでしか見てないので比較なんかは出来ないけど、ラブコメとして非常に完成度の高い、とても楽しい作品でした。


レビュー:しゅん

中二病でも恋がしたい!中二病でも恋がしたい! [文庫]
著者:虎虎
出版: 京都アニメーション
(2011-05-15)

 中二病でも恋がしたい! (2)中二病でも恋がしたい! (2) [文庫]
著者:虎虎
出版: 京都アニメーション
(2011-12-28)
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4
メリッサ・マオ社長が爆破テロに遭い瀕死の重傷を負い、騒然となるD.O.M.S.社。
その中でD.O.M.S.社を離れる決断をしたタツヤ。
ここからの日常描写が今回一番心に刺さったところです。

唐突に日本での日常に戻り、抜け殻状態に陥るタツヤ。
この気の抜けたような平和の中で……進学する?就職する?ひどく現実味の無い選択肢。
自分の才能を認識し、戦場の熱さを興奮を、何より共に戦うべき守るべき仲間を得てしまったタツヤが選ぶべき道はもうすでに一つしかなかったでしょう。
そこへ家族や友人たちのタツヤへの思いが重なり合う展開はありがちとはいえ、今までの話の中で一番感情移入して読んじゃいましたねー。

そして今回表紙のクララですよクララ
表紙に加えて口絵にも出るし221ページのイラストもいいし見せ場もあったしまさにクララ・オン・ステージと言っても過言ではない巻でしたね(※過言です)。
それに加えて敵キャラの菊乃さんのヒロインっぷりが急上昇しすぎてもうどうしようかと思いました。

意外と発売したらすぐ読むシリーズになりつつあるフルメタアナザー。
恐らくアニメ化発表までカウントダウン状態だと思われますので読んでない方はぜひ読みましょう今すぐ読みましょう!

レビュー:yuu_be

 
フルメタル・パニック!  アナザー5 (角川ファンタジア文庫)フルメタル・パニック! アナザー5 (角川ファンタジア文庫)
大黒 尚人 賀東 招二

富士見書房 2013-02-20
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3

第19回電撃大賞《銀賞》受賞作。


遅ればせながら、
「塔京ソウルウィザーズ」


当日、「読むの辛い」という、
怨嗟の声が聞こえていたので避けていたのですが、
意見がいろいろ聞こえるってことは、
きっと面白いんだろうと思って、
ゲーマーズ行ったら最後の一冊だったから
購入し、読んでみました。

うん、これ、TRPGのルールブックかよ!!

GURPSのノリじゃねえか!
完全にこの作者は設定マニアだ!

序盤、そのあたりの世界設定に疎いヒロインに対し、
主人公がいろいろ教授していくというシーンが続きます。
本当に延々と延々と……

ルールブック読むに比べればマシですが
普通は嫌になって寝るレベルw


とは言いましても、
この目を覆うほどくどい設定の上に、
後半紡がれる物語の根幹があるわけでして、

まさに後半を楽しむ為の前半のお勉強ですね!


このあたりは作者の暴走を制御し切れなかった
編集の責任でしょうねぇ。

小出しにするとか、
概略だけ説明して詳細は後に回すとか、
設定が覚えやすいような小イベントを起こすとか、
いろいろやり様はあるのに、まさにやっちまった大変作。


ま、その甲斐ありまして、
後半のバトルパートはどの人物も活き活きと描かれており、
手に汗握る異能バトルが繰り広げられるので、
結論としては素晴らしい出来だったかと思います。


ここまで、アリス以外の3作を読みましたが、
将来性コミで考えると塔京が一番可能性を感じました。


塔京ソウルウィザーズ (電撃文庫)塔京ソウルウィザーズ (電撃文庫) [文庫]
著者:愛染猫太郎
出版: アスキー・メディアワークス
(2013-02-09)

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3
「今の私に国はありません。野良犬でも結構です」
「王女としてではなく、一人の娘として母親の仇を討ちます」
スポ根少女の魔法ミリタリーと、バリエーション豊富な百合百合要素。
そしてその裏で描かれる、真面目で重たい「戦後処理」にまつわるエピソード。

毎回扱いづらいテーマを軸に持ってくるこのシリーズ、今回のキーワードは「民族浄化」と「戦犯」。

現実の歴史でいうと、ナチスがやったみたいなアレね。
自分たちは優等民族であり、それ以外の人間は劣等種だから排除されなければならない。
そういうイデオロギーを掲げて自国の結束を強化し士気を高揚させる。

「優良人種」という思想の是非はともかく、それで救われた人間は間違いなくいる。帝国国民は優良人種なのだから、誰もが平等に生きる価値がある。なーんて言われたら、そりゃあ信じますわな。

戦争が終わった後で、そんなのは間違っていた、首謀者は悪い奴だから処刑だ!なんていうことは簡単ですけども。果たしてそれで終わりなのか?という話です。
「優等民族」なんて言い出した指導者が悪いのか?それを輩出した政党?そんな政党が議会の過半数を占めたのだから、投票した国民すべてに責任があるんじゃないのか?ならば、敗戦した帝国国民は全員処刑されるべきか?一人の指導者にすべての泥を被せるのは正しいのか?

他国民を「劣等種」として殲滅しようとした帝国の目論見は阻止でき、かつ、罪のない一般の帝国国民は敗戦後も不当な扱いを受けずに済む方法。なるほど、一人の指導者が全部悪かったということにして、そいつを処刑すればいい。

それは多分、一番「正しい」方法なのでしょうが、それで処刑された指導者の「家族」は納得できるのか。指導者を……実の母親を目の前で殺された娘は、まさに手を下した人間がのうのうと生きていて、平和だのなんだのを語っているのを見過ごすことが出来るのか。

とまあ、現実世界でも未だ正解の出ないようなテーマを、よく言えば分かりやすく、悪く言えば単純化して、ライトノベルというエンターテイメントの中に落とし込んでくれました。
何はともあれ、分かりやすすぎる悪役を設定せず、それぞれの人物にきちんと主義主張を持たせ、またそれを話す機会を与えたあたりは高く評価したいところです。

今回はシリーズ7巻目にして初の「次巻に続く」エンドでしたね。
ようやく全員集合したと思った矢先、凶弾に倒れたドロシー。そして再び始まろうとしている世界戦争。
今回は百合成分がかなり控えめだったけど、次巻はいかに。

早くも続きが楽しみです。

ニーナとうさぎと魔法の戦車 7 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ)ニーナとうさぎと魔法の戦車 7 (ニーナとうさぎと魔法の戦車シリーズ) [文庫]
著者:兎月 竜之介
出版: 集英社
(2013-02-22)





※私事ですが、tartarousの読了ラノベ、通算1400冊目の作品でした。

ノススメがカタカナなのはヤマノススメからです、えぇ。
5分アニメなのが勿体ないですね…とヤマノススメの話は今は関係ないです。
一迅社文庫は全て読んでいるのでふとやってみようと思って実験的に。
一迅社文庫新刊から何か読みたいけど、何読めばいいかわからないというすごい狭い層を対象としています。
まぁ、単純に新刊探しのお供になれるのならいいんですが。

2月に発売された一迅社文庫は以下の通り。
・俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 5巻
・剣刻の銀乙女 2巻
・うちの猫の手は借りたくない
・天束ミコトは全知全能です。
・ヒーローから転職した俺の使い魔な生活
・ガセジャ!
シリーズもの2冊、新作4冊の計6冊になっています。

■タイトル
☆×1~5でオススメ度
感想とかレビューっぽい文
で表記します。☆に関してはラノベ単発レビューの際に5段階評価しているので、それを再現しています。

新刊で続刊ものをおススメするのもおかしな感じもしますが、スルーするのもアレなのでさっくりと。

■俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件 5巻
☆☆☆
世間知らずのお嬢様たちと庶民の主人公が織りなすドタバタ(ラブ)コメディ。
今回ではついに幼なじみである恵理が参戦。
ただその恵理が曲者で人によっては不快感を感じるかもしれない、まぁコメディだしで許せる人なら楽しめる範囲かと。
個人的にはキャラとしては嫌いだけど、無理せずに読めるという感じでした。
挿絵の使い方やフォント芸はのうりんと似たような雰囲気があるかも。
そんなことより、たった一言の次回予告の内容が気になって仕方がないので次巻が楽しみです。
相談室はお休みだったけどもしかして相談が集まらなかったんじゃ…

■剣刻の銀乙女 2巻
☆☆☆
一迅社の本格ファンタジー剣乙女三部作の一つ。
ちなみに三部作って括ってるけど世界観が共通とかそういうわけではないので安心安全…ややこしいわな。
内容的には1巻で起きた事件の影響を処理というのと、今後のためにバランスを調整しましたというのがしっくりくる。
剣刻の設定的にもっとダークに血生臭くできるのだろうけれど、敢えてそうせずに読みやすくしているのは良いかもしれない。
設定をないがしろにしているわけではなく、設定を意識して剣刻を所有することの危険さをうまく出していると思う。

■うちの猫の手は借りたくない
☆☆
あらすじ曰く「猫の恩返しドタバタコメディ」。
猫であるヒロインが宇宙牛乳という怪しい牛乳を飲んだら人型になってしまって主人公宅に住まうっていう話。
恩返し的な要素はほとんどなかったような…。
特にメインのストーリーがあるわけでもないので頭をからっぽにして読める内容。
コメディの質も特出しているわけでもないので、うーん。

キャラの雰囲気が好きであったり、パラ見してキャラが気に入ったのなら読んでも見てもいいのでは。

■天束ミコトは全知全能です。
☆☆☆
未来を予測し操作するシステム<神託機械>を用いて天束ミコトが全知全能の神(世界の掌握)を目指す物語。
序盤は仲間集めのために小規模な話であるが、中盤からは街を掌握するにはどうする必要があるか?などの話が出てきて、今巻では対会社まで行われる。
次巻では相手となる規模が大きくなるのは必定なのでそこをどう戦っていくのか、話をまとめていくのかが気になるところ。
今巻は導入という要素も強いので次巻以降の伸びに期待したいです。

■ヒーローから転職した俺の使い魔な生活
☆☆☆☆
パンツブレイカーを読んでいる人はわかると思いますが、安心の神尾丈治作品でした。
表紙やタイトル、あらすじからはいわゆる普通の異能バトル物ラノベでラブコメっぽい要素もあるのかなという雰囲気がすごいするのですが(まぁそういう要素もあるにはあります)、実際の中身は中盤以降かなり真面目な雰囲気になる作品です。

主人公の抱えている葛藤をうまく話しに落とし込んでいて、相変わらずシリアスシーンを書くのがうまい。
また主人公側だけでなく、敵側の動きや考えもしっかりと書かれているのは良いですね。
その主人公、ヒロインそして敵側もそれぞれの正義と考え方があり、これがどういう風にぶつかって展開して行くのかというのは今後に期待したい部分。
ヒーロー物×魔法少女という異色の組み合わせなので新鮮味もあると思います。

最初にも書きましたが表紙やタイトルからは全く伝わりませんが、真面目でシリアスな異能バトル物が読みたいのならば騙されたと思って読んでみてください。
逆に表紙の雰囲気に惹かれて買うと痛い目に会う可能性は十分にありますが、それを踏まえても楽しませてくれる作品だと思います。

■ガセジャ!
☆☆☆(3表記ですが2.5をつけたい)
「トバシ上等!ガセ不問!」といったスポーツ新聞を題材にした一迅社文庫またこんなところを題材にして…って思わせるようなドタバタ系の作品。
わけあって生徒会と対立してしまう新聞部が、新聞部の活動である校内新聞で戦っていくといった内容なのですが…
生徒会が特別悪いわけでもなくごく普通というのが問題。
仮にこれが悪政を行っているという場合であれば、悪を叩くという意味で気持ち良く読めると思いますが、そうではないので場合によっては引っかかる人もいると思います。
特に生徒会側である幼なじみのヒロインなんかはかなり不憫な扱いを受けていたりします。
唯我独尊系ヒロインの振り回しについていける人+対立先がごく普通の生徒会+スポーツ新聞のトバシのコンボが気にならない人は十分楽しめると思います。

個人的にも面白かったのですが、ヒロインが動くとその反動で基本的に幼なじみがとばっちりを食らうという基本展開は気になるというのが本音。


■まとめ
個人的におススメ含め異能バトル物であれば
・ヒーローから転職した俺の使い魔な生活

バトル物(物理)は飽きたよという人に
・天束ミコトは全知全能です。

変わった題材のものが読みたいのであれば(ただし、上記の通り人を選ぶ)
・ガセジャ!

これで2月新刊のススメは終わりたいと思います。
興味を持って1冊でも手に取っていただければ嬉しい限りです。

書き手:翹揺@毒舌タイツ姫

4
> 「当時(2000年頃)、PCの18禁ノベルゲームの制作者たちは、自分達がオタク文化の最先端にいると自負していました」

あとがき(by 奈須きのこ氏)より引用。最先端というよりは先駆者というイメージかなー。
当時の「一人のライターが脚本を書きテキストを書き制作の指揮を執る」といったスタイルは効率的ではなく(というかこなせるクリエイターが限られる)、現実にそぐわなくなってきたんでしょうね。何だか寂しい気が。
ただ、そういう「何から何まで自分でやる」といった修羅場をくぐり乗り越えてきたライター達は、やっぱりそうでないライターや作家とは一味違う気がするのです。懐古厨の欲目ってやつかもしれませんが。

さてその先駆者ライターが満を持して送る内容とは。

舞台はほぼ現代日本。
ただ、この世界では人類にとって未開拓の惑星「虚惑星(ヌテラ)」が発見されていました。
この「虚惑星」の調査を目的として作られた「探検部」、その活動内容とは……?


はい、書いてみましたが正直この上巻だけでは何一つ明らかにされません(震え声)
しかしこのワクワク感はハンパないです。行間から書きたいことが溢れてる感じ。
この上巻だけでもやりすぎなくらい壮大な伏線が張られてましたため、下巻で一区切りということすら考えづらいですねこれは。10冊くらい続くんじゃないのこれ?
そのミステリアスな「探検部」の面々のイメージに、BUNBUNさんのイラストがハマりすぎるくらいハマってます。すごいよこれめちゃくちゃいいよ!

とまあ具体的なことは何一つ書けませんでしたが雰囲気だけでも分かってもらえればこれ幸い。
詳しくは下巻読んでから改めて書きたいと思います!

レビュー:yuu_be


>ファイヤーガール - TYPE-MOON BOOKS
http://www.typemoon.com/products/tmbooks/firegirl/index.html


ファイヤーガール 1 虚惑星の魔法使い 上巻ファイヤーガール 1 虚惑星の魔法使い 上巻 [おもちゃ&ホビー]
出版: TYPE-MOON
 
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5
仕事人間で男の影もない遥希。
恋愛第一、可愛さを武器に世を渡る舞衣。
周りに流されやすく、夢見がちな加奈子。
バー「シュガー&ソルト」で織り成される、タイプの全く違う3人の女子の仕事と恋と友情の物語第2段。

「女の友情って、みんなが言うほど悪くない!?」というコピーにもある通り、メインテーマは三人の友情。
男である私にとって女の友情とはおそらく一生かかっても理解できないジャンルですな。 

今回の物語の中心加奈子は、プロのサックス奏者になるという夢を持ち続け、しかしその機会にも才能にも恵まれず、進むことも戻ることもできずに悩み続けている女の子。
感情のコントロールもうまくなくまだまだ子どもな性格で、「めんどくさい女」とすら称される始末。
しかし、二十歳を過ぎ大学を卒業しても夢を持ち目指し続けられる人がどれだけいるだろう。
私も中学時代から抱いていた夢がありその実現に向けて進んでいた時期があったので、加奈子には非常に共感が持てた。
好きだけじゃやっていけないこと。自分の才能。理想論じゃすまない圧倒的現実。
悩むよなー自分を見失うよなー。
それだけに、悩みを振り切ってきちんと立ち上がる様は立派の一言。

三谷加奈子というサックス奏者がここにいるぞ!
三谷加奈子という一人の人間がここにいるぞ!

そう主張しながら演奏を行う姿のなんとカッコいいことか。
しっかり自分を見つけた加奈子には遥希でなくても憧れを覚える。

そしてそんな加奈子を支えたのが遥希と舞衣。
イライラをぶつけ合い一時期は仲たがいをするも、夜の公園で本音と軽口を織り交ぜた語り合いで雨降って地固まる。
この本音をぶつけ合いお互いを思いあう3人の女の友情には男の私でもうらやましさを覚える。
女の友情っていうとどこか悪いイメージがあるけど、こんな友情は「悪くない」。
いやむしろ素敵だ。
お互いが影響しあい成長しあう、素敵な関係。

濃厚なストーリーも派手なアクションもラストのどんでん返しもわかりやすい萌えものないこのシリーズ。
結局のところ3人が好きになれるかどうかが評価の決め手でしょう。
誰か1人でも好きになれれば、他の二人も自然と好きになれるはず。
3人がお互いを大事に思っているように。


レビュー:しゅん

TOKYO GIRL’S LIFE〈2〉絶対に後悔しない夢の諦めかた (メディアワークス文庫)TOKYO GIRL’S LIFE〈2〉絶対に後悔しない夢の諦めかた (メディアワークス文庫) [文庫]
著者:菱田 愛日
出版: アスキーメディアワークス
(2013-02-23)  
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2
そういえばホラー系の作品とは余り縁がないなぁと思いましたが、ラノベ界隈だと甲田学人作品読んでないと縁遠い気がしてきました。
すでに感想を書いているtartarousさんからの頂き物。


あらすじを読むとゲーム要素が存在していることはわかるしそれがメインのように見えます。
実際、すぐにゲームのルール説明が合ったりはするけれど本編読んでみるとそんなゲームしてないというか、ただの前提条件になっています。
ゲームとして扱うにはキャラクターがルールに縛られてもいないし、ルールを破ろうともしないしなんというか、たまにまた同じ説明が入ってそういやゲームだった…と思いだすこともありました。
前提条件≒ルールということではなくて、この小説を読みにあたっての前提条件になってるんですよね、作中のキャラが受ける制約ではなくて、読者にただそういう説明をしているだけになっているということ。
こういうルールがあるんで読者の皆様お願いしますって言われている感じです。


この作品は4人のキャラが登場してきて、その4人キャラが同じ時間軸で描かれる4つの視点の物語、いわゆる群像劇ですね。
群像劇の醍醐味はやはり、同じシーンでも別キャラの視点になるとキャラごとの心理描写が出て来るので違う角度で物語が見れることや、その場にいなかったキャラが裏で何をしていたのかとか、一つの物語を多角的に見れることだと思っています。
この作品も各視点のラストの方ではこのキャラがこんなことしていたのかとわかったりしてそこそこ楽しめるのですが、
終盤以外の共通しているパートがほぼコピペといって差し支えないんですよね。
そのキャラの心理を入れればいいものの、共通している部分に限ってセリフばっかりで入っていないという…その前後に独白が入っていたりはするんですが、そうじゃないだろと…代わり映えのしない同じシーンを何回読ませるんだよと。

元々の楽曲の曲に合わせてそのキャラごとにシナリオを分けたのだと思いますがそれが結局同じ時間軸、1話の1~10を4回読まさせる形になっていて、今回みたいにこのシーンさっきも読んだ…みたいになっていると思います。
ページ数は260弱とMFJの平均値のような作品ですが、同じシーンが多いので実際は200P行くか行かないかといった作品になっています。
群像劇の形はページを埋めるために利用していたとすら思えるレベルです。

楽曲の補完として読むにはまぁ良いのではないでしょうか、ただ話としても楽しみたいとなると期待せずに読んだ方が良いと思います。

ルールの一つに出てくる「終焉」は何を持って終焉としているんですか?ってのがキモだと思いますが、その前に内容がなぁ…とぼやきたくなる作品でした。

レビュー:翹揺@毒舌タイツ姫
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4

いつも通りの森田季節だった。

この作者の作品が好きな人ならこれだけでどんな雰囲気の作品なのかわかって貰えそうな気がしますw


作品の舞台は京都。自らを「狐」と称する母親がある日突然失踪し、それをきっかけに主人公の樟葉が自分が何者なのかを探し、家族と向き合っていくお話です。

これだけ書くと普通の家族ものなのかと思われそうですけど、作品の雰囲気は全編とおして重く、どこか不気味さを感じます。

また、途中でオカルトな話を挟み込んでくるのも森田季節らしさでしょう。


後味のいい結末とは決して言えないし、作中で明かされなかった謎も幾つかありますが、この歯切れの悪い読後感も含めて一つの作品なんだろうと思わせられるまとまりがありました。

もしこの作品が気に入ったなら、同じ作者の「ベネズエラ・ビター・スイート」や「ともだち同盟」をぜひ読んでみて貰いたいです。


レビュー:ぼくだ
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