3
もっと強くなりたい。物語に出てくるような英雄になりたい。

そんな純粋な想い、真っ直ぐな闘志が全てを燃え上がらせる熱い1冊でした。

どんなにステータスが上がっても、どんなスキルを身に着けても、怖いものは怖い。かつて一人で潜ったダンジョンで遭遇した凶悪な猛牛、ミノタウロス。殺されかけたときの恐怖は体に染みついている。第一級の冒険者から見たら弱いモンスターかもしれないけれど、今の自分にとっては何よりも恐ろしい、最強のラスボス。戦えばどうなるか、力量の差が分からないほど未熟でもない。助けを請えば応えてくれる大人も側にいる。
そしてそれでも、少年には、一人で立ち上がって前に進まなければならない時がある。

そうして壁を乗り越えて、一つ大きくなって、でも先に立つ憧れのあの人の背中はまだまだ遠くて。もっと強く、もっと高みへ、冒険者ベル・クラネルの物語は、次のページへ進んでいく……

・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。・:*:・゜☆,。

うーんこう書くとベタ褒めになってしまいますね。

確かにクライマックスの一部分はそんな感じで良かったのですけど、そこに至るまでの過程があまりに予定調和というか、お膳立てされたルートをただ進んでいく感じで、今回の試練も誰かに用意してもらったものをクリアしましたみたいな……初見のRPGを攻略本を見ながら進めているような物足りなさがある。

ただ、たとえ主人公の強さがチート級でも、それでも上には上がいる。
そうである限り、この作品がつまらなくなることはないかなと思いました。

レビュー:tartarous

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3 (GA文庫)ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 3 (GA文庫) [文庫]
著者:大森 藤ノ
出版:ソフトバンククリエイティブ
(2013-05-16)