ひびレビ

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「サバイバルファミリー」を観て

2017-12-10 07:55:22 | テレビ・映画・ドラマ
 2017年の映画「サバイバルファミリー」を観ました。

 東京に住む一般的な家族・鈴木一家。ある日目が覚めると、一切の電子機器や電池が動きを止めるという、不可思議な停電に見舞われていた。それは鈴木家に限らず、彼らが住むマンション、果ては東京全域にまで及んでいた。
 初めのうちはその内回復するだろうと思われていたが、回復の兆しは無い。家族は東京を出て、妻の実家である鹿児島に向かおうとするが・・・


 昔「夜が明けたら」という似たような題材の小説を読んだことを思い出したこの映画。
 「何とかなるだろう」「その内回復するだろう」と希望を抱いているだけでは足りない。大事なのは生き抜くために何が大事なのか、何をすべきなのか。一時的には飢えや渇きをしのげても、食糧も水もいずれは底を尽きるから、常に行動し続けなければならない・・・当たり前のようでいて、改めて実践するとなると何とも難しいことだと感じさせられた映画でした。

 生き抜くことの大変さが描かれている映画であるため緊迫感のあるシーンが多いですが、一方で笑えるシーンも散りばめられています。
 「大阪は電気が通っている」という噂を信じて鈴木一家に向かったものの、結果は残念なことに。そこで父親は子供たちから嘘つきなどと責められることになり、仲裁に入った母親からも「そんなこと、とっくに分かってるでしょ!?お父さんは、そういう人なんだから!」と痛恨の一撃を喰らわされる有様。あの一言でトドメを刺された感じがひしひしと伝わってきました(笑。
 また、娘の結衣も時折アホの子な一面も見せつつ、純粋な一面も見せてくれるので結構な癒しになっていたかと。サバイバル生活の中で芽生えたと思しき彼女の才能が、ラストにも繋がっていたのも良かったですね。演じた女優さんは相棒の「バレンタイン計画」にも出ていたようなので、見直してみたいと思います。

 途中、電気が無いながらも元気に暮らしている人のところに身を寄せた時期がありまして。そこにいれば衣食住は満たされる。それでもその人が遠く離れた家族を心配していることから、自分たちも鹿児島に行かねばと決意を新たにするシーンが印象的でした。この決断に関して、最初は鹿児島まで行くのかと不満感を露わにしていた子供たちも素直に賛同したのがまた良かった。

 また、所々で人間の様々なたくましさが描かれていたのも印象的です。車も動かないためトラックも立ち往生。ならばとその場で水を高値で売る人々。暗いトンネルの中を案内するおばあさんたち。水族館の魚たちを使った料理を振舞う人々などなど・・・どんな状況下でも生き残ろうと必死さが描かれていました。水族館はまだしも、水や食料に関しては自分も必要でしょうに、それを売るというのは助け合いの精神故か、はたまた「そのうち復旧するだろうから、今のうちに水売っとけ!」という発想故か・・・
 あと、とりあえず会社に向かい、ガラスを割ってでも中に入ろうとする人々に「大変だなぁ・・・」としみじみしてしまいました(苦笑。


 何故停電したのか。その理由は映画内で明かされることはありません。
 パソコンなども止まっていたためデータにも残っていない。けれども確かにその記録は存在していた。そのことの証明はラストの登場人物たちの変化、そしてあるものが証明してくれました。あれが届いたということは、あの人たちも無事だったということ。あの状況下でもたくましい人物だとは思ってましたが、彼らはあれからずっとあの状況を楽しめていたんだろうか・・・

 登場人物たちの精神的な成長も描かれていますし、思っていた以上にハラハラさせられる場面もあり、個人的には興味深く見させてもらった映画です。予告で気になっていたので見られて何よりでした。
 

 ・・・で、この映画にトッキュウ1号の志尊さんが出演されているのは分かりました。でも田中要次さんはどこ?・・・wiki見たら鯉を採っている浮浪者と書いてましたけど、顔分からなくない・・・?
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