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 ★一般財団法人全国緊急災害時動物救援本部と三団体に渡った義捐金不明瞭支給問題についてのご報告
2016年01月24日 (日) | 編集 |
★一般財団法人全国緊急災害時動物救援本部と三団体に渡った義捐金不明瞭支給問題についてのご報告


犬猫救済の輪は東日本大震災発生以来、休むことなく被災地に通い犬猫合わせて700頭以上保護し、80頭以上飼い主に返還し、400頭以上に新しい家族を見つけました。現在も160頭以上保護しております。



福島に通う中で、公募のないままに、密かに救援本部が特定の3団体の要望に応え、支援金が支払われていることが判明しました。またその金額が、今までと違い1千万を超えているという情報も知りました。しかし、この高額な3件は救援本部のホームページにも3団体のホームページにも記載されないままになっていました。

犬猫救済の輪は本部に対して、書面、面談を通して国民の皆様からの寄付金なのだから至急使い道をホームページなどで報告するべきだと提言しました。

犬猫救済の輪の再三の提言に、後日本部はホームページで、現金と、フードを購入できるポイントを支給したことを公表しました。
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この3団体以外にも多くの団体や個人の方が資金的に大変に苦しい中、福島に通い続けています。中には多くの犬猫を救いだし獅子奮迅の活動をしておられながら、資金が工面できないばかりに被災地に通うことを断念しなければならない人もいらっしゃいます。もし、本部が公平に公募してくれていたなら、これらの団体や個人の方々も被災地に残された動物たちを救護するために援助を求めていたに違いありませんし、少しでもまとまった援助を受けられたなら、さらに多くの動物が救護され続けたに違いありません。援助を受けるチャンスは平等ではありませんでした。これが第一の問題です。



さらに 本部には義捐金を支給したら即、そのことを公にしなければならないという規約がありますが、これも守られず、犬猫救済の輪が気づくまで、本部、団体ともに口をつぐんだままでした。もとより本部のお金ではありません。国民からの義捐金なのです。義捐金の支給を秘密にしていたこと。これが第二の問題です。



犬猫救済の輪ではこの2点をお伺いするために本部宛に質問状を提出しましたが、本部からの回答には「現金の支払いはしていない」と書かれていました。当会が重ねて公表を求めたところ、後日、本部はホームページに3団体の名前とともにそれぞれ1千万円以上の金額が発表されたのです。



本部が書状に堂々と虚偽を書いたこと。これが第三の問題です。





ところで、話は8年前に遡りますが、本部は以前にも災害義捐金の不適切な出金が取り沙汰されています。

2007年の大阪府ブルセラ症犬達の殺処分代に600万円弱の出金をしていることは、どう考えても災害とは言えない事案への出金として今なお、殺処分された121匹の命とともに思い出されます。犬猫救済の輪の質問に対して本部は感染病も災害の一つとしていますが、国の災害対策基本法でいわれる災害の規定にはあてはまりません。勝手に災害といっているだけです。もとはといえば個人のブリーダーの問題でした。



阪神淡路大震災の義捐金のうち3千万円を投信に回したことも不適切な出金として批判されています。犬猫救済の輪には「今後は投信に出金しないが、利益が出たから良いではないか」という趣旨の回答がきています。



東日本大震災では、さまよい苦しむ動物たちを1匹でも多く救いたい、救ってほしいという願いから多くの国民が、その気持ちを義捐金という形で本部に託してきました。



犬猫救済の輪は20キロ圏内に置き去りにされた犬や猫達の無残な姿、飼い主とはぐれて犬も猫も弱い子から力尽き、さまよい、待ち焦がれ、寒さ暑さ雨風雪の中、ひたすらに救いを待っていた姿を忘れる日はありません。国民の願いもこうした犬猫たちの救護でした。



けれども本部は、東日本大震災では「被災した飼い主と、ともにいるペットだけが救援対象です」と公言して、飼い主とはぐれた命に救いの手を差し伸べることはしませんでした。本部に見捨てられた犬や猫を救護し続けてきた民間団体、個人の方々の苦労は筆舌に尽くし難いものです。



そして本部は2億円を残したまま福島の救援事業終結を宣言し提訴されました。

2億円が塩漬けになっていると提訴された本部は、飼い主とともに仮設住宅などにいるペットの爪切りやトリミングに約3千万円の出金もしています。すでに飼い主とともにいる犬猫の美容のためになぜ寄付金が安易に使われてしまうのでしょうか。



本部は発足当時から救援の対象の選定や、国民の寄付金についての考え方に基本的な欠陥があると考えます。そして、これが様々な不祥事の原因だと言っても過言ではありません。



犬猫救済の輪が今回、この不明瞭な出金について真相究明の声を上げさせていただきましたのは、世間が名称だけで全幅の信頼を置いている「一般財団法人全国緊急災害時動物救援本部」という組織が、本当に動物たちのことを考えて適切に機能している組織なのかどうか、却って救助の弊害となっているのではないかということをお考えいただきたかったからです。といいますのも、今後、日本のどの土地で災害が起きても、義捐金を集め配分するために、一般財団法人全国緊急災害時動物救援本部が設置されるからです。また自治体のほとんどが災害時にはこの組織に寄付金を扱わせることになっています。本当にそれで良いのでしょうか。



一般財団法人全国緊急災害時動物救援本部は昨年来、内閣府に公益申請をしていましたが、折しも、1月7日の理事会で自らその申請取り下げを決定したとホームページで発表しました。今回の不祥事を受けての決定と思われます。



公益申請にふさわしくない実態を自ら検証し、組織としての在り方、精神を見直し、人材の一新等の改革をするべき時を迎えています。改革ができない場合は解体も視野に入れることになろうかと思います。



最後にこの件についての犬猫救済の輪の思いを述べさせていただきます。



皆、仲間だと思っていました。 動物好きなら誰でも眼をそむける地獄絵のような現場でした。防護服も満足に用意できずとも、一刻も早く助けたいという気持ちで飛び込んで行った仲間です。捕獲機もフードも分かち合い、融通し合って頑張ってきました。

3団体もいろいろと事情もあるかと思いますが、自分たちだけが秘密に異常なほどの多額の義捐金をいただくことに、同様に困窮しながらも動物たちを救い続けている団体個人に思いを馳せることはないのでしょうか。いただきながら黙っているのは、寄付を寄せてくださった方々への感謝の気持ちはないのでしょうか。なぜ本部から3団体総額62,156,000円にもなる現金とフード購入ポイントという形での大金をいただいておきながら、昨日今日も3団体のホームページでは「寄付金をお願いします」「フードを寄付してください」と呼びかけ続けているのでしょうか。他の人たちが今日明日のフード代、医療費にも困っているのを熟知していながら・・・

割り切れない思いです。



他の団体様や個人の活動家の方々から、今回本部に対して、3団体への秘密裏の支給金の返済を求める要望が出ていますが、当会も同じ考えです。そして新たに広く広報して被災地の多くの犬猫を助けている人達に公平に応募のチャンスを与えていただくことを要望する所存です。

しかしながら、3団体からの支給金返納、再公募のあかつきには、犬猫救済の輪では応募しない考えです。その分、被災地で活動を続け動物を救い続けるがために困窮なさっている団体様、活動家の皆様に少しでも寄付金が行き渡り、活動の継続とまだ取り残されたままの被災地の動物救護に繋がりましたら幸いに思います。



最後に東日本大震災で失われた多くの動物達の冥福を祈りますとともに、まだまだ救護途中であり救いを待っている動物たちがいて、それに人生をかけている人達がいることをご理解いただきたく改めてお願い申し上げます。



そして、一般財団法人全国緊急災害時動物救援本部と所管の環境省に対しては、皆様のお一人お一人が厳しくご意見を寄せていただきたいと思います。



長文にお付き合い下さり本当にありがとうございました。これからも福島の被災犬猫動物の救護にお力添えをお願い申し上げます。



2016年1月23日

犬猫救済の輪 代表 結 昭子






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