以下のツイートが目に留まった。
ttps://x.com/shinjukuacc/status/1916817168572076058
厚労省ウェブサイト『20代のみなさんへ』というページの言い分が凄すぎる。
https://mhlw.go.jp/nenkinkenshou/generation/20.html
以下引用
「若い世代は、これから納めていく保険料よりも将来受け取れる年金額の方が少ないから、払うだけ損だ」という意見が聞かれます。
公的年金制度は社会保障の一種で、高齢・障害・死亡など誰にでも起こり得るリスクに社会全体で備え、皆さんに「安心」を提供するものです。そのため、経済的な損得という視点で見ることは、本来適切ではありません。
また、現在の高齢者と若い世代で給付水準に差があるという、いわゆる「世代間格差」についても、今の受給者が若いころと現在では高齢者を養うための環境などが大きく違うため、同じ条件で語るのは難しいのです。
(引用終わり)
意訳すれば「若い勤労層は老人のためにおとなしく年金保険料を払っとけ、そうすればお前たち若年層にも将来ちょっとだけ年金を返してやる」。
「誰にでも起こり得るリスクに社会全体で備え、皆さんに「安心」を提供するもの」という厚労省の解説は、「保険」の説明として間違ってはいないはずだ。そもそも、被保険者の大部分が保険料払い損となるのが、保険制度が機能する「基本のき」のはずである。例えば、火災保険の被保険者の大部分は火災に遭遇しないので毎年数万円の保険料は払い損になるが、いざ火災に遭えばこの全被保険者の払い損分から、数千万円から数億円の保険金が拠出されるのである。
それにも関わらずか、なぜ我々は年金保険料払い損をこれほど不快に感じるのだろうか。前々から思っていたが、年金保険だけは保険対象が苦痛を伴わないものであり、そのため保険料払い損を喜べないという特殊性があるのではないか。
労災保険であれば、保険金支払いの対象になる事故に遭わなかったことを、被保険者は喜ぶことができる。雇用保険も、健康保険でさえ、保険金支払いの事象に遭わずに生涯を全うできたことを喜べる。「おじいちゃんは大きな病気もケガもせずに、90歳まで生きられて幸せだったよね」といった会話が成り立つ。「大きな病気もしなかったので医療費がかからず、医療保険料の払い損で、おじいちゃん、可哀そうだったね」と憐れむ人は、いないはずだ。
労災保険、雇用保険、健康保険の保険対象は苦痛を伴うものであり、被保険者は保険料の払い損を率直に喜べるのである。
しかし、年金保険だけは違う。年金保険の保険対象、すなわち高齢による引退はほとんどの場合、苦痛を伴うものではない。むしろ、安堵感や喜びを感じるものである。「労災に遭わなくて良かった。大きな病気にかからなくて良かった」とほとんどの人が思うが、「年金をもらうほど長生きしなくて良かった」と思う人はほぼいないだろう。
そのため、年金保険料払い損というのは被保険者にとって主観的に耐え難いのではないか。公的保険であれ民間保険であれ、年金以外に「保険対象が苦痛を伴うものではなく、通常は喜ばしいもの」という保険は他に思いつかない。
この保険料払い損に対する嫌悪感によって、年金受給開始時期の繰り下げが政治的に難しいものになっている気がする。平均寿命の大幅な伸びや少子化の深刻化があったのだから、本来は年金受給開始年齢をもっと繰り下げるべきだったのに、この嫌悪感によって政治家にはそれができなかったように見える。
※冒頭部分に保険の基本的な仕組みを加筆しました。また、末尾の保険料払い損嫌悪感がもたらす問題点の指摘を修正し、解決策の提示を取り下げました。
高齢になるほど「払い得」 になっている等の世代間格差を指摘するコメントが多数あり、確かにこれに言及しなかったのは問題だったかもしれない。ただ個人的には、世代間格差以上に単に年金保険料払い損そのものに対する嫌悪感の方が目に付いたので、そちらにフォーカスした考察を書いた。
世代間格差に怨嗟の念があるのは理解できるし、それは正当なことではあるが(ちなみに自分はギリ損する世代)、しかしその批判の中核に保険料払い損の嫌悪感を据えていることが気になっていた。仮に世代間格差が存在しなかったならば、年金保険が雇用保険や労災保険のように被保険者の大部分が保険料払い損になるものであっても、皆納得するものなのだろうか。
多くの人が保険料払い損に納得しないのであれば(こんな文章を書いてる自分も感情的には納得できない)、今、年金の専門家が提唱している支給開始年齢の大幅繰り下げも政治的に困難であるし、長期的にも年金制度が保険としてのあるべき姿(=圧倒的多数が保険料払い損)に復帰することも政治的に不可能ということになる。そうであれば、長期的には公的年金制度を廃止して困窮高齢者支援は生活保護に一本化してもいいのではないか、と思うのである。
年金は100歳以上のおばあちゃん人口を増やすためにあるしそれは正しい
いくつか元ツイート(ポスト)にリプライがついているが https://x.com/NakaDash_/status/1918444592934055965 ”ほんとこれは厚労省が「年金は払い損である」ことを認めた歴史的な文章なんですよ。 ...
>年金保険料の引き上げや受給開始時期の繰り下げは政治的に難しいものになっている気がする。 気がするだけで保険料も受給開始年齢も今まで何度も引き上げられてますよね? はー...
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そりゃ年金が保険ではないから、ってのに尽きるんじゃないか?保険とは何か?っていう講義で最初に習うのが超高級な茶器を使う茶道教室の例であるように、確率は低いけど当たる...
障害年金もあるじゃん しかし、年金保険だけは違う。年金保険の保険対象、すなわち高齢による引退はほとんどの場合、苦痛を伴うものではない。
違うと思うよ。 今の高齢者がもらえる額と、自分が高齢者になったときにもらえる額が違うからじゃないか? 自分が払った金額より自分が受け取る金額が多いか少ないかってこと...
保険という立て付けとか払った額で貰える額が変わるとか全部取っ払って生活保護に一本化しろって
保険って ・運悪く事故が起こったら、金は受け取れる ・運良く事故が起こらなかったら、金は受け取れない なんだけど 老齢年金は ・運悪く?早死にしてしまったら、金は受け取れな...