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けいおん！！　第13話「残暑見舞い！」

脚本：横谷昌宏　絵コンテ・演出：内海紘子　作画監督：池田和美　楽器作監：高橋博行


梓にとっての軽音部とは…

そんなものが存分に描かれていた回なのではないのでしょうか。
「つまらない」という言葉に始まり、「先輩たちといると楽しい」まで心境が明らかになったり。
これまでは、色々言いながらも彼女の行動でなんとなく“軽音部への想い”なんてものは伝わってきましたが、今回はそれが直接的に表現されていましたよね。

『けいおん！』という作品の中では、やや異色な回になっていた気がするのですが、
それは、梓が見ていた「どこか奇妙な夢」の印象が強いからでしょうか。
夢の内容が色々とカオスだったりぶっ飛んでいたりしていたわけですが、
まぁ、夢とは得てして奇妙なものですよね…。

そんな夢が非常にアクセントとなっていた回だったわけなのですが、
軽音部が勉強している…という違和感を、夢を挿入することで強めていたのかもしれません。
そして、日常→夢への導入があまり違和感なくなされていました。
これは、梓にとっても「先輩の勉強・受験」という非日常が現実を侵食しつつあることを暗に示しているのではないのでしょうか。

唯が勉強していることに、ものすごい違和感を感じてしまったのですが、
冷静に考えてみれば、夏休みに勉強しない受験生なんてそういないよな…とｗ

唯たちが勉強するとなれば、必然的に先輩達の卒業後のことを梓は考えてしまうわけです。
そんな寂しさから、演出もどこか不吉っぽさが出ていたのかもしれません。
不吉っぽさと言うよりは、いなくなってしまうことを連想させるような恐怖…でしょうか。
夏祭りというどこか幻想的なシチュエーションで、この幸せな時間も夢のようにあっさり消えてしまうのでは…という儚さがあり、同時に先輩がいなくなってしまうような変な恐怖感があった気がします。
日常作品でこういった演出をするのはなかなか冒険的な気がしますが、
結果的には良いアクセントとなっているのではないのでしょうか。
梓にとって、「一人になってしまう」という寂しさは避けては通れない道ですしね。

ちょっと気になったのはカエルが挿入されたところですかね。
3年生組と合流したときにカエルは陸へと上がり、
逸れてしまった後には水の中へと戻っていきました。
単純に考えれば、梓＝カエルで水中＝2年、陸＝3年となるけれども…
カエルとは陸と水中の両方で生活するものが多いので、梓の境遇にはぴったりなのかもしれません。2年生でありながら、3年の先輩たちと過ごしている…そんな境遇が。
今回は、3年組と普段つるんでいながらも、
2年組とも仲良くやっている…というのを描いていましたしね。
そんなわけで、カエルのカットは夏という季節に合わせて、梓そのものを描いていたのではないのでしょうか？

こんな感じで、様々な意味合いが含まれていそうな回です。
賛否両論ありそうですが、梓視点から見るのであれば彼女の心境を上手く描いていた回なのではないのでしょうか。
夢オチの連発は…まぁアニメとしてオーバーに描かれている感じではありますがｗ
アニメらしい表現ではありますよね。

コンテ・演出は内海紘子さん。
7話の「お茶会」回というこれまた異色の回で演出家デビュー？をされた方ですね。
今後も注目していきたい人物です。

2クール目に突入し、徐々に「卒業」が近づいてきます。
「受験」などもあり、実際の高校生はだんだん重い空気に包まれていく時期へと突入していきますが、そんなところをどう描いていくのかも注目していきたいと思います。
重っ苦しい空気は、軽音部らしくスカッ！と音楽で吹き飛ばしてもらいたいところですがねｗ


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K-ON!! ORIGINAL SOUND TRACK
「けいおん!!」挿入歌 ぴゅあぴゅあはーと／放課後ティータイム

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