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趣味の変化もクソもなくて、アニメ関連のことだけを書いてるブログになっていましたとさ…

刀語 第12話(最終話) 「炎刀・銃」

■刀語 第12話(最終話) 「炎刀・銃」

脚本:上江洲誠 絵コンテ・演出:元永慶太郎 作画監督:池上太郎、中村和久、又賀大介、板垣敦、中田正彦

とがめの死。10話で自分はとがめのために戦っている、ということをしっかりと自ら確かめることができた七花の横を無情にも銃弾が横切っていくわけです。そして、11話で右衛門左衛門が二人の関係を裂きますよー、と言わんとばかりの演出がなされていたわけですが、結果的にそれは覆せなかったわけなんですよね。アァ、なんと無情なのでしょうか。

とがめの死に際での会話は一言一言に引き込まれる魅力がありました。とにかく圧巻。あの言葉一つ一つのパワーとは何なのでしょうか。とがめは七花を殺すつもりだった?否。そんなことは言わなくてもわかりますよね。すべてが強がりだった?・・・しかしながら、それがわかるのはとがめ自身だけなのです。彼女は最後まで全てを駒として扱う奇策士であろうとした。だからこそ、最後のとがめとしての一言が響きます。「それでも私はそなたに惚れても良いか?」と。

その後、城へと単独で乗り込む七花。十三階段を一階一階上っていくごとに、これまで入手した変体刀と対峙することによって、これまでの旅で闘った相手と振り返ることとなっているわけですよね。こういう振り返りは最終回らしいけれども、やはりなかなか面白い構成ですよね。12ヶ月という月日を共に追ってきた視聴者の身としても、なんだかこれまでの話を振り返っているようで胸が熱くなるものがあります。そして、これまで闘った刀ともう一度闘う・・・なんて部分にも非常にゲーム色を感じたり。構図も毎階、階段を上っていく部分は統一されていましたしね。面白い。面白いけれども、いい意味で非常にストイックなフィルムだなー・・・なんて感じました。

そして、七花はその相手を否定する。相手を否定することによって、七花は自分のこれまでの道のりを肯定しようとしている気がしました。とがめとの旅の結果としてとがめの死が待っていた。だからと言って、自分はとがめとの旅をいうものは否定したくない。だからこそ相手を否定しなければならなかったんですよね。とがめとの旅というものを自分が肯定せずに誰が肯定してくれるのか・・・と。戦前のとがめとの回想がそれを物語ってる気がするんですよね。

人間へと成長した七花が、一転して単なる「刀」のように、冷酷に一騎当千していくわけですが、「刀」とは大きく違うんですよね。とがめを失った悲しみと怒り。そして自ら考えて動くこと。これこそ「人間らしさ」なのではないのでしょうか。人間であり、完了形変体刀でもある。そして、死のうとしている。これほどまでに強い人などそういないでしょう。

未来を改竄しようとした四季崎記紀の思惑に、そのつもりはなくとも巻き込まれていき未来と戦うこととなっていた七花たち。そして、その七花自身も完了形変体刀・虚刀「鑢」で未来からの産物だったというのだから驚き(前回の話)。気がつけば、本当に壮大な物語となっており、「大河アニメ」なんて言葉がしっくり・・・いや、そんな域を越えてしまうような物語でした。結果的には四季崎記紀の目的だった歴史の改竄など行われることもなく、何かが変わることもなくまた再びこういった世の中が続いていくことになる・・・というオチだったわけですけどね。

ラストは七花と否定姫は二人で傷心旅行・・・といった感じで考えればいいんですかね(笑)?否定姫は美味しい役回りだなー・・・なんて視聴者目線で感じてしまいますが、形は違えど、お互い大事な人を失った、という意味では同じなんですよね。そして、行く宛もない、という点でも。


いやはや、本当に素晴らしい最終回でした。別れがあり、これまでの道のりを振り返る場面があり、そして全てを終わりにする闘いがあり、最後には「ちぇりお!」があり・・・最終回らしい最終回だと思いました。本当に圧巻。もう・・・大好きですね、この最終回は。敗者に、夢が砕けてしまった者に、希望を持つことができる物語。つまりこの『刀語』はそういう作品だった・・・というのが最後の最後で明かされます。なるほどなー・・・なんて思ってしまったり。よくよく考えてみたら、この作品は勝者なき物語なのかもしれませんね。全てが敗者。だからこそ、その敗者にも希望がある物語と呼べるのかもしれません。最後の最後には何も変わりはしなかったけれども、それでも“何か“が残る物語。そんな風に考えると何だか素敵ですね。

月1での12ヶ月放送・・・というのはなかなか新しい試みでした。やはり、1年間の付き合いというのは、どこか作品に対しても特別な感情を抱いてしまいますね(笑)。この新たな試みが、何らかの実を結んでくれると嬉しいと思います。もしくは、次に繋がる何かがあればなー・・・なんて。

スタッフ・キャストの皆さん、1年間本当にお疲れ様でした。本当に純粋に楽しかったです。

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刀語 第11話「毒刀・鍍」

刀語 第11話「毒刀・鍍」

脚本:上江洲誠 絵コンテ:こでらかつゆき、元永慶太郎 演出:元永慶太郎 作画監督:中田正彦、佐藤天昭


「刀語オールナイト 第二夜」で幸運なことにも先に見ることができたので簡単に感想をば。どういった展開になるのか?などどんどんネタバレもしていってるので、原作を読んでどうなっていくのか分かっている人やネタバレ上等!という人以外は見ることをオススメしません。純粋に見て記憶が薄れる前に感想を書いてしまおうと考えただけですので。


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刀語 第9話「王刀・鋸」

刀語 第9話「王刀・鋸」

脚本:待田堂子 絵コンテ・演出:サトウシンジ 作画監督:池上太郎、二宮壮史


溢れんばかりのとがめの可愛らしさが描かれている回!と言っても過言ではないでしょう。もう「とがめちゃんマジ可愛い」でこのブログの記事の限界まで埋め尽くしても足りない可愛さ。だがしかしそんなことをしてしまうと「とがめ」という文字がゲシュタルト崩壊を起こしてしまい、かえって不気味になってしまう可能性があるので今回は控えておこうと思う次第であります。


まぁそんなわけで、何度も言うようですが「とがめが可愛らしい」回だったわけなのですよ。喜怒哀楽、様々な面が描かれており、とがめの魅力がこれまで以上に引き出されていました。ただ、こういった(喜怒哀楽、様々な面を見せた)魅力というものはこれまであまり見られなかったものですよね。やはりとがめも七花と同じく、恋することによって何らかの変化があったということなんでしょうね。恋する乙女というものもまた、何か変化があるというものなのでしょう。乙女心というのは難しいものなのです。

前回までで七花の成長がや変化が中心に描かれていたと言うのであれば、今回は彼女の成長や変化が中心に描かれていた回なのではないのでしょうか。決着のつき方も、どちらかと言えば今回はとがめの奇策がメインであり決め手となっていましたし。

また、汽口慚愧という真人間が相手だったのも非常に対照的。とがめが豊かな表情を見せているのであれば、慚愧はあまり感情の変化を表には出さず、凛と静かに構えていた印象。この対照さが、更にとがめの可愛さを引き出していたのかもしれません。

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刀語 第8話「微刀・釵」

刀語 第8話「微刀・釵」

とがめと敵対する、幕府直轄内部監察所総監督・否定姫からの情報を頼りに、
次なる刀を求め、江戸の不要湖へと向かう二人。
そして二人は、辿り着いた不要湖で、微刀・釵を見つけたのだが、
その所有者は、これまでの所有者とは全く違う、人ですらない者であった…。


脚本:待田堂子 絵コンテ・演出:小林智樹 作画監督:中田正彦、佐藤天昭


心を持つ刀と心を持たない刀の闘い

七花の成長…いや、変化が明確にみられた回。
とにかく彼の変化が随所に散りばめられているのです。

例えばアバン。
この悪趣味で空気の読めない屋敷…と大笑いする七花。
ここまで大笑いして感情を表現するのもこれまでの彼からは考えられないですし、そもそも「あの屋敷は空気が読めてない」と理解できた時点で彼自身空気が読めるようになり、様々なものと比較して物事を見ることができるようになり、比較できるだけの知識を得るまでに成長している…ということなんですよね。

途中でも、彼の顔がよく変化しており、表情豊かになっているのが描かれています。
とがめと仲睦まじいやりとりもあり、彼女の存在というのはやはり大きいのだなぁ…と。

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刀語 第7話「悪刀・鐚」

刀語 第7話「悪刀・鐚」

脚本:上江洲誠 絵コンテ・演出・作画監督:田中基樹


4話は脚本でのサプライズだとすれば、今回は映像面でのサプライズ。
いつもとは違うぶっとい主線による濃い絵柄は、一目見るだけで大きなインパクトがあります。
そしてとりわけ、前半での平面的レイアウトは目を引くものがありました。
2Dゲームにギャルゲ立ち絵…などのゲーム的な画面レイアウト。
この作品にしては珍しいギミックではありますが、
会話中心の作品でこういう飽きさせない見せ方ってのは重要になってきますよね。
それが、「化物語」にあって「刀語」にはないものだと思っていますし。
(ただ、シャフト作品とは明らかにカット数が違うので、そういった部分では似て非なるものです)

なので今回は、見ていて飽きることのない画面構成だったと思います。
例えば、真庭忍軍がちょっと出て来ていたところですが、
ただ歩いて会話しているだけなのに、その背景はしっかりと変化しているんですよね。
それだけでも見ていて純粋に面白いのですが、
それが2Dのゲーム的である…というのがさらに面白いところなのです。
(ちなみに、真庭忍軍の2Dでの進行方向が右→左だったのは、「敵」だからですかね?2Dゲームの場合、敵の進行方向は主人公に向かって右→左へとやって来る形になりますからね)

そんな面白い画面構成が前半で終わってしまったのがやや残念でなりませんが、
そこはある種のメリハリをつけたのでしょうね。
クライマックスとなるシーンまでゲームレイアウトにしてしまうと、やや真剣味が削がれてしまう感じがしますので。

姉の強さはゲーム的?
…なんてことを思ったりもしましたが、イマイチしっくりこなかったので却下の方針でw

そんなわけで、これらは全て田中基樹さんのお仕事。
今回のような非常に「攻めてる」作りは、アニメを面白くしていくために必要だと思います。
実際、飽きない画面構成でこれまでの回の中では一番見ていて面白い回でした。
田中基樹さんの名前は皆さんも覚えておいて下さい。


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