結論から言うと、塩見さんご自身は半農半Xについてかなり広義なものと考えているとのことだった。

ようは、食べるためのことと、本当にやりたいこと・楽しむためのことを混ぜて生活しようというもので、その比率もどちらかが少しでもあればよく、ゼロでさえなければ、そこから始めてもよいと考えているとのこと。
その意味では、ワークライフバランスと似ている。
さらには、徳島県美浜町の半X半ITも、半農半Xと言えるといい、もはや、農がなくてもよいとしていた。
ただ、一方で、食べるためとは、食べるために金を稼ぐのは直接的ではなく、例えば、林業はどうかといえば、木を食べることはできず、木を売ってお金をもらって、そのお金で食料を買う必要があるので、その点で「食べる」という意味では農とは異なり、違いはあるとしていた。その意味で、農の中でも、米作りをより直接的とした。野菜だけでは生きていけず、炭水化物が必要ということだと思うので、米の代わりに芋ならありなのかもしれないw
この点では、ワークライフバランスが、ライフであるのに対して、食べるに絞っているところが、若干の差のようだ。
区別はするけれど、排除するものではないという考え方は、これに限らず個人的に好きなので、とても共感が持てた。
半農半Xの生活のきっかけには、いまでは2パターンあるという。
まずは、定年退職などをきっかけにして、第2の人生を半農半Xにするというもの。
もうひとつは、最近に始まったものとして、若者が半農半Xをするというもの。
どちらもあってよいとのことだったが、この日の講師は塩見さんの他にも1名いたが、定年までではないが、一定の社会経験の後に半農半Xをしているという点では、前者の人達だった。
おふたりとも、実際に、Xの部分は、半農半Xを始める前の社会経験を活かしたことをしている。
そう考えると、社会経験のない人が半農半Xをすることは、本人にとっては挑戦ということになるのだろう。
あと、ワークショップ後の立ち話しもしていただけた。
2パターンどちらの場合も、農作業に向いていない人はいるとのことだった。
本人の意気込みや努力とは関係なく、向いていない人はいるということで、以前は結果的にそういう人が出ていたそうだが、最近は2時間くらい話しをしているとだいたいわかるようになってきたとのこと。
どういう特性の人がそうなのかを詳しくは聞かなかったが、作業しなくても、話しただけでわかるということは、体力とかのことではないということのようだ。
ちなみに、なぜ聞かなかったかというと、なんとなく、自分は向いていない人に該当してしまうんじゃないかという予感がしたからで、そのことは、まだ今は知りたくないと思ったから(笑
ワークショップが始まる前に、若い女性と半農半Xについて少し話したりもした。
半農半Xをするのが、女性で結婚して旦那が生活を支えてくれる場合だと、働きに出て半農半OLだったり、専業で半農半主婦だったりしたとき、半農について女性だけで稲作するのは現実的ではないので、野菜くらい作るのでも半農になるのなら、家庭菜園と何か違いはあるのだろうか?と(笑
その意味では、旦那がサラリーマンで、妻が半農半Xか家庭菜園かの違いは、作物の規模の違いだけになるのだろうか?と(笑
この点については、塩見さんの考えで言えば、半農半Xのずばりそのものではなくとも端緒にはなるということなのだろう。
ワークショップは、A~Hという8ステップで自問自答するものだけど、ネタバレになってしまうので、ここでは内容を書かない。
けれど、ここで紹介したように塩見さんが考える半農半Xはとても広義で柔軟なものなので、半農半Xそのものを目指していない人(農作に興味がない人)にとっても、今後のライフスタイルを見つめるのに役立つ内容だった。
機会があったら、半農半Xについて読んでみたりするのがお勧めです。
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