コンシューマアプリだけでなく、従業員が使う業務システムもユーザー体験(UX)重視へ。システム構築各社が、UXの向上につながるUI(ユーザーインタフェース)部品の拡充や、上流工程でのデザインスキル向上へ動き始めた。

 富士通は、業務システムのGUI開発を支援する米インフラジスティックスと包括基本契約を結んだ。同社のGUI開発支援ソフト「Infragistics Ultimate」を、富士通が請け負う業務システム構築で自由に使えるようにする(写真1)。

写真1●米インフラジスティックスが提供する経営ダッシュボード向けUI部品
写真1●米インフラジスティックスが提供する経営ダッシュボード向けUI部品
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 富士通は、自社が開発を請け負う業務システムに、インフラジスティックスが提供するデータ可視化ツールやスマートフォン・タブレット向けUI部品などを業務システムに組み込むことで、システムのユーザー体験(UX)向上につなげる考えだ(写真2)。「GUI分野は技術進歩は速い。インフラジスティックスとの提携で、タブレットのタッチ操作向け部品を含め、先端のGUIに追従できるようにする」(富士通 SI技術本部 開発基盤統括部 統括部長の銀林純氏)。

写真2●データ分析システム向けUI部品
写真2●データ分析システム向けUI部品
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 富士通はこれまで必要に応じ、個別プロジェクトごとにインフラジスティックスのGUI開発支援ソフトを購入していた。今回の包括契約により、国内外のグループ全社で、同GUIソフトを使って業務システムを開発できるようになる。

 富士通は、2015年度までに200のプロジェクト、2017年度までに累計で1000のプロジェクトで同ツールを活用する考え。富士通のアプリケーションフレームワーク「INTARFRM」にもインフラジスティックス提供のツールやUI部品を組み込む。