米Dellは現地時間2012年7月2日、IT管理ソフトウエアの米Quest Softwareを約24億ドルで買収することで両社が最終合意に達したと発表した。Dellはこれにより今年2月に新設したソフトウエアグループの拡充を図る。
合意条件のもと、DellはQuestの株式1株につき現金28.00ドルを支払う。手続きの完了はDellの2013会計年度第3四半期(2012年8~10月)を見込んでいる。
DellはQuestのソフトウエア製品と主要技術を獲得することで、ソフトウエア戦略を推進し、自社ソリューションにおけるシステム管理、セキュリティ、データ保護、ワークスペース管理といった機能の強化に取り組む。ITソリューションのポートフォリオ拡大を通じて企業向け事業の強化を目指す。
Questは1987年に設立され、カリフォルニア州に本社を置いている。世界に10万社以上の顧客を抱え、Fortune 500企業の87%が同社製品を利用しているという。従業員は約3850人で、23カ国に60のオフィスを展開している。2011会計年度における売上高は8億5700万ドルで、粗利益率は86%、営業利益率は11%だった。
複数の米メディア(Wall Street Journal、New York Timesなど)によると、Questを巡っては、3月にベンチャーキャピタルの米Insight Venture Partnersが1株23ドルで買収を持ちかけ、6月にDellが25.50ドルの買収額を提示した。Insight Ventureは米Vector Capitalと組んで買収額を25.75ドルに引き上げるなど対抗したが、今回、Dellが買収することに決まった。
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