一般社団法人 オープンビジネスソフトウェア協会は2010年2月16日、経済産業省が同日プレオープンした新しい「経済産業省アイディアボックス」(関連記事)をオープンソース・ソフトウエアの「SugarCRM」で開発し運用を開始したことを明らかにした。アイディアボックスの終了後は開発したソフトウエアのソースコードを一般に公開する。
「経済産業省アイディアボックス」は、IT政策に関する意見をインターネットで募集、議論する「国民参加型のネット審議会」(経産省)である。経産省では2009年10月に電子政府をテーマにしたアイディアボックスを開設している。その際にはセールスフォース・ドットコムのSaaS「Salesforce CRM Ideas」を利用していた(関連記事)。
SugarCRMは、米SugarCRMが開発した顧客管理システム(CRM)。無償で使用できるCommunity Editionをオープンソース・ソフトウエアとして公開している。
オープンビジネスソフトウェア協会は、千葉市と早稲田大学の官学協力により実施された「SugarCRM日本語ドキュメントプロジェクト」を母体とする団体。実務に適したオープンソース・ソフトウエアの利用と開発の推進を目的としている。
「経済産業省アイディアボックス」は2010年2月23日に正式公開し、2010年3月末まで運用する。終了後はソフトウエアを一般に公開する。また、他省庁や自治体に対しても同様な仕組みの採用を働きかける。
「行政主体の公共的な意味を持つプロジェクトは、その成果だけでなく、プロジェクトを実施するために作られたソフトウエアを含めて、原則として公共財となるべき。その方針のもと、当協会では公共プロジェクトの成果物をオープンソースとして公開していく。これにより『ソフトウエア開発会社による囲い込み問題』を解決し、誰もがソフトウエアを利用し改変できるようになる」(オープンビジネスソフトウェア協会)。
「経済産業省アイディアボックス」の開発および運用にかかわる契約金額は90万円(経済産業省アイディアボックスに関する契約関係情報)。開発期間は約1カ月間。利用しているSugarCRMは無償版のCommunity Editionで、OSはLinux(CentOS 5.4)、データベース管理システムはMySQL、開発言語はPHPといずれもオープンソース・ソフトウエアを使用している。
2009年の旧アイディアボックスは1カ月間で1706件の提案やコメントが投稿され、約70万回閲覧された。新しいアイディアボックスでは、動作速度や機能上の問題を改善し、より多くの利用者と投稿数に対応できるようにしたとしている。またOpenIDをサポート、Google、mixi、ヤフー、ライブドアのユーザーIDで利用できるようにした。また登録されているアイディアをTwitterやはてなブックマーク、deliciousに投稿する機能を備えた。経産省自身でもTwitterアカウント「@openmeti」を開設、公式ハッシュタグとして「#openmeti」を設定するなど、ソーシャルメディアとの連携を図っている。
最後から2番の段落に「開発期間は約1カ月間。利用しているSugarCRMは無償版のCommunity Editionで、OSはLinux(CentOS 5.4)、データベース管理システムはMySQL、開発言語はPHPといずれもオープンソース・ソフトウエアを使用している」と追記しました。[2010/02/17 13:57]