写真1●セカイカメラが拡大を予定しているサービス群の概念図
写真1●セカイカメラが拡大を予定しているサービス群の概念図
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写真2●公開を予定しているセカイカメラのOpenAir API
写真2●公開を予定しているセカイカメラのOpenAir API
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写真3●Sekai Switchで表示する内容と世界観を切り替える構想を披露した
写真3●Sekai Switchで表示する内容と世界観を切り替える構想を披露した
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 ARアプリのセカイカメラを開発している頓智・(とんちどっと)の井口尊仁CEOは2009年10月8日,日本Javaユーザグループ(JJUG)が開催したCross Community Conference 2009 Fallで登壇し,今後の機能強化を含むセカイカメラのオープン化戦略を語った。

 セカイカメラは現実世界の映像に,エアタグと呼ばれるデジタル情報を重ね合わせて表示するiPhone向けのアプリケーション。9月24日にApp Storeで配信を開始した。iPhone以外にAndroid版の開発も進めているというが,セカイカメラは「iPhoneやAndroidだけではない」(井口CEO)として,今後拡大していく分野を図で示した(写真1)。

 図1の中央に位置する「iX」は現在の携帯端末向けのアプリを意味する。左側の「nX」は「最近発売となったポケモンに付属する万歩計のような機器が,セカイカメラのデバイスになる」(井口CEO)ことを意味するという。nXに対応したデバイスを持ち歩き,ボタンを押すことで,その場所が好き,嫌い,危険といったエア・スタンプや,そこに行ったという“足跡”が残せる。「ナイキのiPod用センサーのように個人の活動をトレースするために使われるだろう」(井口CEO)と予想する。右上の「eX」は企業向けにWebページ上でエアタグ情報を付加できるようにするソリューション。右下の「gX」はパソコン向けのセカイカメラのクライアントである。

 井口氏によると,11月にはセカイカメラのバージョン2を投入する予定という。その際には「Air Prof」という機能が加わる。これは,ユーザーにセカイカメラをかざすと,その人のプロフィールが表示され,名刺のようにプロフィールを交換できるというもの。さらに「Air Twitter」という仕組みも追加され,Twitterの友達(フォロー)に登録しているユーザーが,セカイカメラ内でマッピングされるという。

 さらに,将来はセカイカメラのAPIも公開し,さまざまな情報とコンテンツをマッシュアップしながら,新サービスが創出されるように企業の参入を促していく構想を示した(写真2)。例えば,画面上に表示するコンテンツを切り替え,通常とは異なる世界観を楽しむための「Sekai Switch」という機能の追加を予定している。この仕組みを利用することで,「日本人が得意とするアニメ,コミック,ゲームとさまざまな世界観を提供できる」(井口CEO)ようになる。すごろく,缶けりといったゲーム的なコンテンツで覆われている世界を作りだすことも考えられるとする(写真3)。

 「Sekai Switchで世界観を切り替えると,子供のころに思っていた“こうだったらいいな”という体験を具体化できる。ゲーム会社,出版社,アニメ会社などと組んで実現していきたい」(井口CEO)と期待を込めた。APIの提供時期など詳細については11月に説明会を開催するという。