塩川 博孝氏 アスク ジーブス ジャパン代表取締役社長 CEO
塩川 博孝氏 アスク ジーブス ジャパン代表取締役社長 CEO
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 米国で第5位の検索ポータルの日本法人・アスク ジーブス ジャパン。今年2月からは国内でも本格的にサービスを開始し、急ピッチでサービスや機能を強化している。この9月14日には、日本最速の更新頻度をうたうブログ検索サービスを開始した。同社の塩川 博孝社長に、新サービスやビジネスの現状などについて聞いた。

■ブログ検索サービスを提供する企業が相次いでいるが、御社の特徴は。
 
塩川 最大の特徴は、更新の頻度だ。毎日無数の書き込みがあるブログで最新の情報を提供できるよう、1分間ごとに情報を更新している。
 検索結果は、更新された時間が新しい順番に表示される。通常のWeb検索では、入力されたキーワードと関連性が高いもの順に掲載されるが、ブログ検索では単純に新しい順に表示される。
 他社のブログ検索で、ここまで更新頻度が高いサービスはほかにない。

 通常の検索のほかに、画像もしくはポッドキャスティングの音声が付いたブログを対象にして検索することもできる。
 検索対象の数も国内最大級だ。現在、国内の大手20ほどのブログサイトを対象としており、おそらく全体の80%はカバーできている。自社でブログサービスを提供しているサイトの場合、検索対象は自社のブログに限られるケースもある。当社は、ブログサービスを提供していないので、横断的な検索を可能にした。

■検索結果の表示順に、キーワードとの関連性を加味することはできないのか。 
塩川 Web検索では、サイトに貼られたリンクの構造などを解析することで、キーワードとの関連性やサイトの重要度を判断する。しかし、ブログで同様のことをやるのは非常に難しい。ブログにはトラックバックという仕組みがあり、動的にリンク構造が変化するからだ。
 今回のように、スピードを前面に出すのは、現段階での現実解だと思う。

■ブログ検索でどうやって収益を上げていくのか。
 
塩川 今のところこのサービスで商売をしていく具体的な計画はない。一般に、広告をいっぱい載せると、検索回数は減る傾向にある。まずはこのサイトに来るユーザーの定着化が先決だ。

 ブログは、瞬時にユーザーの生の声を拾えるメディアとして、大きな可能性がある。当社がブログ検索に参入したのは、現時点では商売というより、競争上、自然な流れだ。
 例えば、今話題のiPod nanoについて、ブログではそれを既に使っているユーザーの率直な意見を拾える。在庫がどの店にあるのか、という情報も得られる。ブログは、何かハプニングがあったときに、大手のメディアがカバーできない情報を拾える可能性がある。

■Ask.jp全体のビジネスの現状はどうなのか。

塩川 テレビコマーシャルを打った効果もあり、ユーザー数は順調に増えている。現在、ユニークユーザー数は月間120万人。ターゲットユーザーの認知率も50%程度まで高まっている。
 ヤフー、グーグルの2大巨頭ははるか先を走っているが、市場で数%のシェアを取れれば黒字化できる計画を立てている。今後3年以内に黒字化できる見通しだ。

 既にヤフー、グーグルを中心に使っているヘビーユーザーに乗り換えてもらうのは正直言って容易ではない。この層は男性が多いが、当社では特に女性ユーザーを積極的に獲得していきたい。女性の方が新しいものを受け入れる柔軟性に富むのでは、と想像しているからだ。

 当社のWeb検索エンジンは、独自のアルゴリズムによって初心者でも検索が容易だ。さらに現在、Web検索では、16のジャンルについて、入力されたキーワードに対して関連情報を一発で検索・表示するサービスを提供している。ここでは女性向けに化粧品に関する情報も提供中。今後もこのような女性向けのコンテンツを充実させていく。