このコラムを読んだことがある方なら、JANOG(ジャノグ)という組織をご存知かと思います。「日本のネットワーク運用者団体」のことで、以前私も組織の運営に関わっていました。このような団体は、何も全国的なものばかりではありません。地方の技術者コミュニティも数多くあり、そのなかの一つに「越後ネットワーク・オペレーターズ・グループ(ENOG)」があります。ちなみに、ENOGは「イノグ」と読むそうです。
2012年6月29日、新潟市のクロスパルにいがたで第15回のミーティング「ENOG15 Meeting」が開催されました。今回は、新潟の技術者コミュニティとENOG15 Meetingでの発表を紹介したいと思います。
新潟の技術者コミュニティは意外と多い
ENOGは新潟を拠点に活動をしている団体です。会長は地元の新潟通信サービスの代表取締役 本間 誠治さんが務めています。私の知る限り、ENOGをはじめ新潟にはいくつかの技術者コミュニティがあり、それぞれ活発な交流活動が行われています。
例えば、ENOG以外の団体・活動には「新潟インターネット研究会(NISOC)」があり、定期的な勉強会が開催されています。このほか、新潟の開発者コミュニティとして、Perlなどを扱う「Niigata.pm」や、情報処理技術を幅広く扱う「長岡IT開発者勉強会」などがあります。さらに、コミュニティ活動として「新潟グラム」や「ギークハウス新潟」など、様々な分野のコミュニティが活動を続けています。
最近のものだと、「IPv6 Hackathon in 新潟」が5月26日に長岡市のまちなかキャンパス長岡で開催されました。そこではIPv6関連の開発に関するセミナーや、実際にIPv6をHackしてその成果を発表したりするといったことが行われたそうです。ENOGの幹事でもあり、IPv6 Hackathon in 新潟にも参加したグローバルネットコアの金子 康行さん(写真)は、「研究成果も単なるIPv6の疎通確認だけではなく、実際にアプリケーションを作り、開発者の立場からIPv6にどう向き合うのかを真剣に考える機会が持てた」と話してくれました。
会場でのネットワーク接続環境を提供した銀座堂の浅間 正和さんは、「Vyattaを使って、移動可能なネットワークの接続性の提供を試みた。ミーティングの会場だけでなく懇親会の会場でも、そのシステムで接続性を確保でき、大変良い経験になった」と感想を話してくれました。図はそのときのネットワーク構成です。