2007-01-01から1年間の記事一覧

炭素本位制ノート8〜言葉、貨幣、燃料

池田信夫 blog:独断のまどろみ 現代の物理学は、もう独断のまどろみから覚めているのだが、それを模倣した経済学だけが、まだまどろんでいるわけだ。 物理学を模倣した経済学もまた物理学の一分野にならざるを得ないのは、この宇宙の中のことを論ずる限り宿…

AVP2 エイリアンズVS.プレデター

英語タイトル:Aliens vs. Predator: Requiemだんだんエイリアンとプレデターと区別し辛くなってきたと思っていたら、もうプレデリアン(Predalien)世代になっているんだ。 つまり、プレデターを宿主に生まれたエイリアン。ややこしくて戦略的にもこれでいいの…

炭素本位制ノート7〜環境経済大国ブラジル

炭素本位制6で示したような形で炭素為替が実施されれば、具体的にどこの国が得するのだろうか?炭素本位制は基本的に「国別対抗」ではないが、結果的に世界的にどう経済地図が変わるのだろうか? 石井孝明の「温暖化とケイザイをめぐって」:京都議定書が壊れ…

魍魎の匣

京極夏彦原作、原田眞人監督。1952年の日本の風景は中国産偽装日本の風景のようで、中国の地方都市近郊特有の紫がかった薄茶色の靄のような雰囲気が立ちこめる。日本にはないレンガの街並み、明らかに日本と異なる民家の屋根瓦、蘇州とおぼしき運河とか、風…

三島由紀夫と癩

三島由紀夫虚無の光と闇(井上隆史著) 三島由紀夫研究者である著者の20年以上にわたる論稿をまとめたもの。「豊饒の海」の論を読むと、「癩」という言葉がキーワードにして使われている。 ハンセン病という名が定着した昨今、「癩」と書くと差別用語と取られか…

世紀のツッコミvs世紀のヒキコモリ

久し振りにえらく夜更かししてNHK「100年の難問はなぜ解けたのか〜天才数学者失踪の謎〜」の再放送をBSで見る。地球が球体であることをマゼランは証明していないとアンリ・ポアンカレがツッコミ入れていたのかと痛く感心。 トポロジーの概念でポアンカレ予想…

宮台真司先生久々に気合のKY論

MIYADAI.com Blog:出でよ、新しき知識人「KY」が突きつける日本的課題 自民党の残りと民主党の過半がリベラル新党に向かうかもしれません(民主党の一部は保守新党に行きます)。 そうなんだろうね。私の言う「因数分解」がいよいよ始まるということか。 で、…

三島由紀夫追想のうた

著者の村松英子さんは、ついこの間上演された「薔薇と海賊」の主演を務めた人であり、三島由紀夫が死ぬ直前、上演された同じ「薔薇と海賊」に主演し、見に来た三島を涙にむせばせた人でもある。兄は三島の知己でもある文芸評論家の村松剛。 この本を読むと、…

CO2排出ヨーロッパvs日本

シートン俗物記:ヨーロッパは天国じゃない いや、だから“GDP”を比較しても意味無いから。しかも、比率を測ってもしょうがないって。「温室効果ガス放出」の絶対値が問題なんだから。 これは、 石井孝明の「温暖化とケイザイをめぐって」:ヨーロッパは理想の…

ナショナル・トレジャー/ リンカーン暗殺者の日記

予告編だとケネディ暗殺、人類月面着陸、エリア51の謎も仄めかされるが、要は宝探しの旅。ワシントンDC、パリ、ロンドンと渡り歩き楽しませてくれる。ニコラス・ケイジが寅さんに見えてくる。となると、視線は自然とダイアン・クルーガーに集中してしまうの…

炭素本位制ノート6

とりあえず、炭素本位制の骨格ぐらいは完成したが、肝心の背骨がまだ抜けているような気がする。つまり、なぜNatureの通貨たる炭素CとHumanの通貨Hとを交換しなければならないのか、ということ。 化石燃料起源の二酸化炭素を排出するということは、当たり前…

小飼弾氏が赤木智弘氏を嗤える本当の理由

ここギコ!:「結局自己責任ですか」と赤木さんなら言うと思うぞ 日本が二流三流国になって、社会構成員全体が生活レベルが下がっているのなら仕方ないが、世代上の優位で既得権益を握っていた側が自分の生活レベルを維持するために、その分の搾取を這い上がる…

中世2.0

「もう世代間ギャップなんてそのうちなくなるかもしれないね」。茶飲み友達との雑談での話。映画でも音楽でもやたらリメイクが増えているのには訳がありそうな気がする。過去を保存流通させる媒体が急速に普及し、世代という言葉が次第に意味を失いつつあり…

佐世保自爆テロ事件と世界崩壊感覚

佐世保乱射事件とひとくくりに言われているようだけれど、乱射かどうか疑わしい。むしろ、馬込政義容疑者の迷彩服などの風体を想像してすぐさま思い出したのは、不謹慎かもしれないが、「若者を見殺しにする国―私を戦争に向かわせるものは何か」の赤木智弘氏…

丹沢と富士と温暖化

丹沢の大倉尾根の山小屋でコーヒーブレーク。小屋のご主人によると、蛙がまだ冬眠もせずにいるのを見たという。蛙ばかりでなく、登山客が12月に入って蛇に遭遇し、目と目が合ってゾッとしたとか。一昔前なら今の季節、時有り得ないことだという。 富士はもう…

非核無責任体制

今朝のフジテレビに大阪府知事選に出馬表明した橋下徹弁護士が生出演し、持論の核保有論を撤回した。理由は1民間人なら意見として言えるが、政治家を目指す以上、憲法九条や非核三原則に従わなければならないのだという。 コメンテーターの「今でも核保有論…

アイ・アム・レジェンド〜忠犬ハチ公物語

副題の邦題「地球最後の男に希望はあるか。」だけれども、英語の副題は←でかなり違う。「not alone」だから「最後の男」じゃないのだ。しかも、本当は「ニューヨーク最後の男」だろう。看板に偽りあり。茫漠たる寂寥を極める映画と思いきや、それは序盤だけ…

炭素本位制ノート5〜炭素金利

炭素本位制ノート4〜森林保有は儲かるまで炭素金利をとりあえず1%としておいたが、実際にはどのように決められるべきだろうか。 一般の金利は、資金の需要と供給のバランスで決まる。需要(借りたい人)が多いときには金利は上がり、少ないときには下がる。 炭…

ノーベル文学賞作家のネット批判と言葉のボラティリティ

TechCrunch:ノーベル文学賞受賞者がインターネットをくさす―やれやれ スピーチによると、「空虚なインターネットが最近の世代を蝕んだため、われわれの文化は断片化され、誰も本を読まず、世界についてまったく無知になってしまった」のだそうだ。 インター…

言葉のボラティリティ

貞子ちゃんの連れ連れ日記:アメリカFRBの金利引き下げは0.25%に止まる。 私がすやすや眠っている間に、アメリカ株式市場は、NYダウもナスダックも、2.5%前後の暴落をしたようです。 えぇぇぇ。暴落なんてしてないよ。ただの利益確定売りじゃん。 市場が0.5%…

映画「マリア」(The Nativity Story)

英語タイトルThe Nativity Storyを直訳すると「キリスト降誕物語」。nativeはnationの親戚語。賛美歌の「もろびとこぞりて」の「もろびと」=nationがこぞりて迎えまつる主が降誕=nativityというわけで、キリストに集った結果そのpeopleがnationになったと…

炭素本位制ノート4〜森林保有は儲かる

炭素本位制ノート3で、原油1バレル買うと76ドル分、Natureに支払うことになると書いたが、次は受け取り手。化石燃料起源の大気中の炭素は大雑把に言って排出量の約半分は今のところ海洋と陸生植物によって吸収されている。化石燃料起源の炭素を吸収するとい…

ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く(3)

リサ・ランドールの五次元時空は観察されるものとしての次元が前提になっている。では、観察する側の立場からの次元を考えると、それはどのような次元構成に成りうるのかを考えてみる。 ・0次元⇒点⇒無生物 ・1次元⇒線⇒生物(環境との一次元的反応系) ・2次元⇒…

テラ豚丼は人間には食えない

池田信夫 blog:ムーアの法則の歴史的帰結 コンピュータの場合、集積回路の発明された1960年から数えても50年たっておらず、すべての本の情報のうちデジタル化されたのは5%にすぎない。狭義の情報産業を超えた影響が出てくるのは、これからだ。その社会的イ…

ミシュランは高尾山の冬の冷奴を知っているか

高尾山の隠れた名物と言えば、頂上にある大見晴らし亭の冷奴だろう。この店は平成の放浪文人立松和平も立ち寄ったことのある由緒ある店だ。固くて質感がありニガリが効いて美味しい。トッピングも刻みねぎ、おかかがふんだんに盛られている。 寒い季節に冷奴…

ノルウェー国際発明大賞

お掃除ロボット(あんなこと、こんなこと。どんなこと?)で、RoboMopという中国製のお掃除ロボット兼遊び道具?があるのを知る。形もUFO(一昔前の)みたいで面白そうなんだけれど「ノルウェイ国際発明賞」って? 正確には「ノルウェー国際発明大賞」らしい。Robo…

イタリアに入れば分別を捨てよ〜The Light In The Piazza

ライト・イン・ザ・ピアッツァを観に行く。主役の島田歌穂さん曰く「私たち分別があったから駄目になったんだわ」。正確には覚えていないけれど、そんな台詞を劇の終盤で聞いた。 きっと作者の言いたかったことってこの台詞に凝縮されているような。水前寺清…

進化論を信じるな理解しろ

米国人が信じるのは「進化論」より「悪魔」=調査(ロイター) Poll finds more Americans believe in devil than Darwin(英語版) そもそもダーウィンの進化論て信じるものだろうか? 理解するべきものだろう。信じるだけの存在の悪魔と比較可能なのか? 英語版…

炭素本位制ノート3

炭素が言わばマイナスの通貨であることは炭素本位制ノート2 で書いた。では、炭素の累積債務額と炭素金利はどうなるんだろうか? 炭素累積債務とは、大気中に滞留した化石燃料起源の二酸化炭素ということになる。これが現在どれくらいあるかというと、色々と…

「朱雀家の滅亡」と「豊饒の海」

あうるすぽっと柿落とし公演・三島由紀夫原作「朱雀家の滅亡」を鑑賞。佐久間良子、中山仁、窪塚俊介、中嶋しゅう、森田彩華。客席には三島由紀夫と親交のあったドイツ文学者のNさんの姿も。客席も舞台も総じて平均年齢高い中で、森田彩華の眩しいくらいの若…